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【ラブライブサンシャイン!!SS】CANNON BALLERS

1名無しさん@おーぷん平成30年 12/23(日)04:43:04 ID:sEl
Aqoursと車のSSになります。細かい部分が変でも気にしないで読み進めて貰えると嬉しいです。

一応続編の物語となっていますので前回、前々回を読んで貰えるとより一層楽しめると思います。

https://engawa.open2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1538323242/ (前回)
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1538064112/ (前々回)

以下、前回までのあらすじ

ある日、部室でカーセンサーを見ていたら善子に見つかってしまったダイヤ。しかし善子も車が好きだったために盛り上がった。
家にアルトワークスRがあるということを告げると大興奮する善子。なんと私有地(黒澤家のお山)でドライビング体験をすることに。
そこで善子は初めてとは思えないスムーズなドライビングを披露する。

後日鞠莉から「スクールアイドルで競われる自動車レースが開催される」ということが聞かされて・・・
 
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2名無しさん@おーぷん平成30年 12/23(日)04:45:26 ID:sEl
1章 企画始動!!
 
一同「え~~~~~~~っ??!!」

一同「えっ」「車?」「免許ないじゃん」「どうすんの・・・?」

鞠莉「私は皆の同意を得れればやりたいと思う。学校側の意見としてもね。保護者の方からは私が説明するつもり。」

鞠莉「車の方の手配はグループで車の修理工場をやっているところがあるからパーツや車体は一応調達できる。メーカーの制限はあるけど送られてきたルールを見ても大丈夫。」

鞠莉「大会の趣旨としては最近の若者の車離れを抑止したいから若いスクールアイドルに競わせて興味を惹こう、という考えみたい。
   海外の自転車レースみたいに一般道を封鎖して街、いや県を周回させてテレビで中継するらしい。
   国や自治体がらみで主催していて免許に関しても今回はなくてもOKということみたいよ。だから誰でも運転はOK。」

鞠莉「今回は史上初の試みだし私達もそんな大きなプロジェクトに参加してみたいと思うの。私達のことを知ってもらうためにもチャレンジしてみたい。」

鞠莉「ちかっちはどう?」

千歌「私はチャレンジできるならしてみたい。チャンスが有るならそれを生かしてみたいと思う。」

千歌「なんか面白そうじゃん!」

曜「でも千歌ちゃん、誰がドライバーをやるの?」

千歌「うーん・・・」

ダイヤ (チラッ)(善子の方を見る)

梨子「ん?」(なんか怪しいな?

梨子「というか車を手配するにしてもレースなんだからそのままじゃ無理でしょう?安全の面も…」
3名無しさん@おーぷん平成30年 12/23(日)04:46:06 ID:sEl
鞠莉「それならダイヤの家の車みたいに規定の範囲内で競技車両にシマース。」

鞠莉「キチンと改造しておけば一回転しても大丈夫♪」

花丸「そういうもんずらか…?」

ダイヤ「善子さん、やってみます・・・?」

善子「え“っ”?! 昨日運転したばっかよ?」

ダイヤ「それなりのセンスもあるみたいですし、正直知識や意気込みは誰よりも上だとは思いますが…」

善子「うーん、皆が良いって言うなら。」

果南「やってみたら?誰も反対はしないと思うけど。」

鞠莉「異論は?」

善子以外「なし」

鞠莉「じゃ決定で。あとチームは3人しか出れなくて監督、ドライバー、整備担当って一人づつしか出れないの。良ければユニットってことでギルキスで行こうかと思うんだけど…」

鞠莉「ユニット対抗戦もあるし… あまりバラけたメンバーになれば残ってるほうの練習とかにも支障が出るかなと」

鞠莉「勿論準備は全員、というか学校ぐるみでやろうかと思ってるの。授業の一環として全校生徒で制作すれば時間と費用の節約が…」

ダイヤ「理事長が良いというのならば生徒会としては反対しませんが…というか理事長がトップなので。」

ルビィ「ちなみに場所ってどこでやるの?」

鞠莉「山形県よ。」
4名無しさん@おーぷん平成30年 12/23(日)04:46:52 ID:sEl
曜「東北?!遠っ!!」

鞠莉「コースとしてはぐるっと山形県を一周するようなコースで海沿いからスタートして最後に山を超えてからまた戻るというコースなの。全面封鎖されるから国道なんかほぼ直線よ。」

梨子「確かお母さんが今度山形の温泉に行くって言ってたから道とか見てこれるね」

鞠莉「やれることは今からでもやっておきましょう。必要なものをリストアップしてパーツは発注しちゃいましょう。学校の経費で落とせば・・・」(ボソボソ

ルビィ「鞠莉ちゃんなんか怖い…」

曜「あはは・・・」

善子「ダイヤ、大会まで車貸してくれない?もっと練習したい…」

ダイヤ「わかりましたわ、手配しておきます。」

果南「私はなにやればいい?」

ダイヤ「車が届いてからになりますがエンジンを組んで貰いたいです。お父様がうちの車のエンジンを組んだと聞いたので是非。」

果南「うーん。でも出来るかなあ。」

鞠莉「取り敢えず今日は解散にしてお家の人に話をしたりしないとね。いきなりこういう話にもなったわけだし…」


――数十分後――

ダイヤ「それで車のほうは何にするんです?」

鞠莉「大会の規定によると1500ccまでの車で参加するみたい。あと公道を走るから車検対応のパーツで改造することって書いてある。」
5名無しさん@おーぷん平成30年 12/23(日)04:48:23 ID:sEl
果南「でも鞠莉のところってスズキの代理店だよね?大分車種は絞られちゃうけど。」

鞠莉「中古だと安いけど色々手をかけないといけないし修理してから各部のチューンとなると時間が足りなくなるわ、パーツが来る前にタイムリミットなんてことにもなりかねないし。」

ダイヤ「となると新車ですかね?候補としてはZC33Sですか?」

果南「でも納期がなぁ」

鞠莉「現行のワークスならパーツも結構出ているしノウハウもそれなりにある。ちなみにそんなに距離の走ってないやつが丁度あるみたいで。すぐに回してもらえば2.3日後には来るわ」

果南「それは早いねえ。そんなら通販でも手に入るもんは注文したほうが良いね」

ダイヤ「追加メーター、シート、タイヤにホイールですかね」

果南「エンジンの形式はR06Aだっけ。型式が分かればエンジン関係の部品はこっちでやっておくよ。」

ダイヤ「うちの方でサスペンションとブレーキやっておきましょうか?お父様のお知り合いなどで上手いセッティング出してくれる人が確かいたようなので。」

鞠莉「そういうの頼もしいわね。他にも得意分野のある知り合いとかいればその人に頼んでみたらいいかも。」

鞠莉「元レース関係者の手を借りるってなるととんでもないモンスターマシンが出来上がりそうね…」

鞠莉「ボディのペイントや内装関係、簡単なパーツ脱着はやれる生徒とかで行って本格的な部品の加工とかチューンは専門の人に、か」

エンジン関係 果南
足回り関係(サスペンション・ブレーキ)ダイヤ
内装・ボディペイント 生徒その他
ボディワーク・エアロ ???
駆動系全般 取り付け:生徒 パーツの調達・加工組付け???
コース下見 梨子
6名無しさん@おーぷん平成30年 12/23(日)04:53:57 ID:sEl
鞠莉「書き出してみると問題はボディの加工とか駆動系が問題ね・・・ ワークスはクロスミッションだからギア比の変更とかもしないとR13でトップスピードは稼げないだろうし…」

鞠莉「もっとも、パワーが出るから補強はわかる人じゃないと・・・」

鞠莉「あまり悩んでも駄目ね、今日は終わりにしましょう・・・」



――松浦家――

果南「・・・・ ということなんだけど。」

果南パパ「そうか。それなら自分で組んでみろ。俺はあくまでも手伝いという立ち位置で見ている。」

果南パパ「最終的な仕上げ、ECUは俺がやることになると思うが大まかな方針は果南が決めろ。いいな。」


果南「とは言っても全体的なバランスを考えなきゃいけないしコースに合わせたチューニングが基本、ってお父さんは言ってたっけ。となると梨子ちゃんのデータとか足回りとも打ち合わせしなきゃいけないし… 勝手に決めてもいいのかな。」

果南「自由にボタン一つで・・・ あっ。」


――黒澤家――

ダイヤ「・・・・・ ということになってしまいました。

ダイヤ父「そうか。それなら自分でやってみなさい。アドバイスはするから自分たちの車は自分たちで作ってみると良い。そうすると色々分かる世界もある。どうしても出来ないときは手を貸すからそれまで色々やってみなさい。」

ダイヤ「わかりました。」

(と、言われても教科書もなにもないのにどう勉強すれば良いのやら・・・)
7名無しさん@おーぷん平成30年 12/23(日)04:59:23 ID:sEl


2章 チューニング

―スクールアイドル部室―

千歌「鞠莉ちゃん以外全員揃ったけど鞠莉ちゃん遅いね?」

果南「そういえば今日車が届くって言ってなかったっけ?」

ダイヤ「多分そろそろ来るとは思いますが…」

ガチャ

鞠莉「遅くなってごめんネー! 車来たよ♡」

学校の外に出るとピカピカの白い現行のワークスがそこにあった。

鞠莉「今日からこの車を弄くり倒してもらいます。全校生徒の力、そして沼津市の商工業会からもバックアップを受けれることが決まったから内浦は勿論、沼津の看板を背負って戦うことになるわ」

千歌「気合、入れていかないとね。」

鞠莉「ルビィと花丸でこの車のカラーリングを考えてもらっていい? ホテルオハラと協賛してくれる会社名をレーシングカーみたいに貼っていってほしいの」

花丸「わかったずら!」
ルビィ「うん!」

鞠莉「果南、エンジンの方はどうする?」

果南「エンジンのほうがもう別のやつを入手して家で組む準備してる。現行車だからどのエンジンでもバラツキはそんなに出ないからね。組み上がりはどっちかといえば腕とか加工方法だし…」

果南「今日中にはほぼすべてのパーツが揃うから今日から組み上げをするつもり。あと必要になったら追加工したりかな。」
8名無しさん@おーぷん平成30年 12/23(日)05:00:29 ID:sEl
ダイヤ「足回りの方ですがパソコンのシミュレーターの方である程度は挙動のシミュレートが可能です。」

ダイヤ「勿論エンジンとのバランスもあるので、最終的なセットアップは善子さんの車に対する熟練度に応じてって感じですね。」

千歌「そういえば美海ねえの会社でえあろぱーつ?って奴作ってるらしいよ!」

鞠莉「本当?それじゃあお願いしちゃおうカナ。どんと高速域で効いてくる奴。あとフロアアンダーパネルもお願いって伝えておいて。」

曜「そういえばお母さん、昔車を結構イジってたって言ってたような。確か車庫にもあまり動かさないスポーツカーあるよ。」

鞠莉「ホント?車のボディとかに関して詳しい人がいたら教えて欲しいのだけれども‥ ちょっとそのあたり頼める?」

曜「OK 」

鞠莉「あともう一つ、曜は善子の体を採寸してシートがピッタリになるように調整してほしいの。車と一体になるためには必須だから。」

曜「ヨーソロー!善子ちゃんいくよ!」

善子「アアアアアッ^~」

鞠莉「内装系のパーツは取扱説明書もあるし学校の授業でササッとやってしまいましょうか・・・」
9名無しさん@おーぷん平成30年 12/23(日)05:02:36 ID:sEl
――松浦家 エンジン室――

チューニングの基本は吸気、排気、過給器、燃調、点火系。
多くの空気を吸い込んでチューニングによるエンジンパワーを上げる方法は基本的には今も昔も変わることはなく
「いかに 多くの空気(酸素)を吸い込み、それに見合った量の燃料(ガソリン)を噴射し、可能な限り高い圧縮比 で圧縮し、確実に点火させ、ノッキングを起こす間を与えずに一気に急速燃焼させるか」
ということがポイントである。その回数を増やして高回転で行えば最高出力は上昇させれる。

吸気系の効率アップには抵抗を取り除くのが基本。ノーマルではゴミを取り除くことをメインとしているために効率は悪い。
マスクをして運動しているようなものだ。だからクリーナーを大きくしたりフィルターを集塵性と効率の良いものに交換して吸入性をアップさせる。
人間も肺活量が多ければ力を出しやすい。

汎用のエアクリーナーにオリジナルのボックス。純正で空気がしっかり吸える構造だったのでストレートに吸えるようにステンレスでボックスを作成した。
ボックスも大変大切なものでエンジンの熱をしっかり遮断してやることが大切だ。エンジンの吸気温度が大きいとそれ以上に冷えない。
それが水温や油温の上昇にも繋がりパフォーマンスが低下してしまう。だからこそ外気の温度をできるだけそのまま吸わせることがパワーアップに繋がる。
マフラーはお父さんの知り合いの職人手作り。フロントパイプ、キャタライザーからすべて手作り。給排気は思い切り吸えて吐けるから思い切ってエンジンをチューン出来る。

過給器も特注のビックタービンを注文。IHIにいる知り合いに協力を得ての特注品。
お父さん経由だったので詳しい中身はよくわからないがビックタービンでも一昔前のタービンに比べて低回転から加給が効いてラグも少ないとか。
軽自動車はどうしても排圧に限界があるから150馬力オーバーは扱いにくくなるがそこは燃調や点火マップとの組み合わせで追い込んでいくらしい。

あとは私自身の手に掛かってる。この子の心臓が最強になるか、上の下になるかは自分の掌に掛かってる。
走行距離が少ないのでまずはバラして洗浄、一つ一つのパーツを外して細かく洗っていく。

クランクシャフトは内浦の加工屋さんの技術を総結集したオリジナルのモノ。鞠莉が商工業会に力を借りなければ出来なかった技だ。今回はワンオフのパーツをそれなりに使っている。
他のショップのパーツの組み合わせだとチグハグになってしまったりセッティングを出すときにどうしても(なにかが足りない)仕様になってしまったりする。
ショップ特有のあのパーツを付けてセッティング、これと抱き合わせ等決まったりしているからだ。ワンオフも自分で好きに作れるとはいえ、いざ組んでみたら不調だったりセッティングが出ない場合も多い。
カケみたいなものがあるがウチには仕上げの達人がいるから安心して組める。

強化バルブスプリングにシリンダーヘッドの高回転対策、ポート研磨。お父さんから聞いてやれることはやった。パーツの加工もほぼ終了。

今日の作業はひとまずこれでおしまい。明日もう一度パーツをチェックして加工のし忘れ等がないかをチェックしてエンジンを組むことにした。
10名無しさん@おーぷん平成30年 12/23(日)05:03:07 ID:sEl
――桜内家――
梨子「ということになったから今度の連休と旅行とコースの下見を兼ねたいんだけど・・・。」

梨子ママ「いいよ。長距離運転になるから車の方も見ておかないとな・・・」

そう、桜内家の車はプレーリーリバティ ハイウェイスターGT4だったのだ。
この車はシルビアやパルサーに搭載されたSR20DETTを搭載、足回りも4輪独立懸架であり操縦性も素直で良い車だった。

グオオオッ ブオオオン

梨子ママ「・・・・?この音は6発エンジン?」

梨子ママ「RB臭い音・・・それもかなりのハイチューン」

梨子ママ「高見さんの方から聞こえてきたけどお客さんかしら?でもこっちの方向は違うし・・・」

慌てて外に出て確認してみるとそこには見慣れた一台の車が。
赤のR33スカイラインGT-R。

美渡「どうもこんばんは。どうしました?」

梨子ママ「その車・・・どこで手に入れたの?」

美渡「これですか??東京の友達がもう乗らないっていうので超格安で譲って貰ったんですよ~」

梨子ママ「ちょっとエンジンとか見せてもらってもいい?」

美渡「??? 別にいいですよ?」

ボンネットを開けるとそこにはチタンのパイピング、大型のエアクリーナー、自家塗装されたピンクのエンジンヘッドが搭載されたRB26DETTがあった。

梨子ママ「この色・・・ これは私が塗った・・・」

梨子ママ「何もかも前と同じ、いやもっと進化しているところもある。でも間違いなくこれは私のR。」

美渡「えっ、どういうこと…」

梨子ママ「美渡ちゃん、この車100万、いや言い値で売ってくれない?替わりにうちの車あげるから」
11名無しさん@おーぷん平成30年 12/23(日)05:04:02 ID:sEl
~~数日後 関越自動車道~~

梨子「ねえママ、なんでこの車を買い戻したの?」

梨子ママ「これは梨子が生まれる前のお話になるんだけどーー」

当時首都高では最高速トライアルやタイムアタックが現在よりも盛んに行われており、平日の深夜から土日の夜まで毎晩のように走り屋達がサーキットの如く走り込んでいた。
そんな中ある赤い33GT-Rが猛威を振るっていた。それが【首都高のクイーン】と呼ばれていた梨子ママのR33GT-Rであった。
低い回転域からでも立ち上がるピックアップの良さ、荒れた路面の繋ぎ目から250キロ以上のスピードでスラロームしてもフラつかない安定した足、330キロオーバーへと導いてくれる800馬力超のモンスターエンジン。
そして乗り手もそれに応える現役最強とも言われる女性ドライバーであった。

噂が噂を呼び、全国からその車とドライバーに挑戦する者が居た。そのドライバーは東名の【女帝】と呼ばれたドライバーでクイーンと最後の最後まで熾烈なバトルを演じた。
その場で追走するものはあっという間に置いていかれ、下手なドライバーでは後ろから観戦することも困難であった。

環状でのバトルは大接戦の後に夜明けとともにタイムアップ。その後も決着は付かずに新環状で湾岸込みの最高速バトル。これも同じように決着が付かず最後の大勝負、首都高一周トライアルで僅差で勝ったのであった。

しかし梨子の妊娠が発覚した後、もうスピードの世界からは退こうと決意した。家族を持ち一人で死ぬわけにもいかなかった。勿論心残りもあるがまた新しい人生をスタートしようと決意したのだが。

娘が高校生になりその娘がなんと車の製作に携わるということ、昔の自分を思い出して止まっていた“もう一つの時間”が再び動き出そうとしていた。極め付きはこの音。その気にさせる音ではなく自分の魂に訴えかける音。
自分のすべてを掛けれる本当の愛車が目の前にまた再びやってきたのだからもう彼女の心は止められなかった。
12名無しさん@おーぷん平成30年 12/23(日)05:04:52 ID:sEl
梨子ママ「これが梨子が生まれる前の人生。」

梨子ママ「公道レース、するんでしょう?善子ちゃんが走るみたいだけど。」

梨子ママ「一人で走るのは別にいいのよ、けどね、バトルってなると自分自身や相手と闘うから一人で走るのとはまた違うものなのよ。」

梨子ママ「どうしても踏み入れないといけない領域で走らないといけない場合もある。踏むも抜くのも自由だけど今回はチーム、街の名前も掛かってるからね。簡単にはできないんだよ」

梨子ママ「関越トンネルに入るー ここから先は10キロのロングストレートよ。今からちょっと踏むから見てなさい。」

梨子ママ「あなた達はこういう次元で戦わければならないのよ」

5速から3速、ニュートラルを介してシンクロに負担をかけないようにブリッピングをしてシフトレバーを入れ、クラッチを繋ぐ。
トリプルプレート特有のガッツリしたフィーリングを体感しながらそのモンスターマシンは猛烈な加速をしていく。

体が一気に後方に押される。4輪はしっかり地面を蹴り上げ、あっという間に200キロの世界へと突入していく。

4速。

重いギアになってもドンドン回転を重ねていく。5速オーバードライブ。ここからは空気の壁とバトルしていく。外を見ると景色がすっ飛んでいく。

トンネルの中でも分かるくらいの非日常感だった。反響するエキゾーストが自分の体に響き渡り全身で体感できた。怖い中にも気持ちよさがあり慣れてくると不思議な心地よさがあった。

これがクイーンと言われた車の完成度なのか。気がつくとメーターは300キロに到達していた。
13名無しさん@おーぷん平成30年 12/23(日)05:05:16 ID:sEl
息の長い加速が伸びる。永遠とも思えるその時間。ワクワクする。一度知ってしまったらもう戻れない非日常の世界。スピードに魅了されたものが何度も体験したくなる悪魔でもあり天国でもあるこの世界。梨子はその世界へ確実に足を踏み入れてしまった。

梨子ママ「ここまで。」

アクセルを抜きドンドンスピードは下がっていった。急に元に戻る周りの景色。
お祭りが終わったときのような独特の倦怠感のようなものが体に駆け巡る。

梨子ママ「どうだった?300キロの世界は凄いでしょう。でもね、これでもまだまだ本気では踏んでいないし最高速には届いていないの。」

梨子ママ「この世界は知るべきではない。私のように忘れたかと思うとまた思い出して走り出してしまう… これが一番怖い。」

梨子ママ「一人で走るにはいいの。相手がいればもう引くにも引ききれなくなる。それで事故を起こして亡くなった仲間も何人かいた。」

梨子ママ「走るのも降りるのも自由。だけど引き際を間違えたら命を落とすのがこういう世界だということをしっかり覚えておいてね」

気がつくとあっという間に新潟県へ突入していた。私はこのスピードの感覚を家に帰るまで忘れることはなかった。折角山形の温泉に行けたのに全然行った気がしなかった。けれども自分の中でなにか新しい世界を見つけてしまったのか“もう一つの時間”が動き出そうかとしていた。
14名無しさん@おーぷん平成31年 01/01(火)02:19:12 ID:2Xd
〜〜黒澤家お山〜〜

善子はダイヤと共に練習へ来ていた。
新しく完成する車は、今乗せて貰っているワークスRよりもパワーが出ているのでそれに対応すべく練習していた。

軽い車重にハイパワーなエンジン。
適切なアクセルの踏み方をしないといとも簡単に車が暴れてしまう。
この車は四駆だが次の車は二駆。簡単にスピンしないとはいえ乱暴な踏み方をすると簡単にタイヤを消耗してしまう。

教わったのはアクセルもブレーキも最初のうちはゆっくりと踏んで離す、そこから徐々に限界のゾーンへ詰めていくこと。
身体は勿論スピード感に身体を慣らさないといけない。日常ではまず味わわない領域、車も身体も慣らさないと限界量域で破綻してしまう。
15名無しさん@おーぷん平成31年 01/01(火)02:19:40 ID:2Xd
ダイヤ「常に全開で練習するのではなくて7〜8割で留めておくこと。勿論ギリギリの領域での走り方も学ぶ必要はありますが、車に優しい練習をするならまずこの方法です」

ダイヤ「ラップタイムとかを揃えて走るのが1番いい練習ですがまずは加減速魔がるをしっかり覚えてから高度なことをやっていきましょう」
16名無しさん@おーぷん平成31年 01/01(火)02:21:31 ID:2Xd
二本目に入る。車のことを考えて7000rpmでシフトアップ。
本来は10000回転まで常用できるチューンが施されてるが不調のために押さえて走るようにしてる。

ほんの少しブレーキを遅らせていく。

ライン取りも前後のコーナーに合わせてクリッピングポイント(1番内側に寄る位置)を変える。
コース最大のストレートがあるときは奥側で寄るようにし、ストレートに対して手前でアクセルを踏めるようになる。
そうすことでトップスピードを伸ばすことができる。

その後の中速コーナーではブースト圧を落とさないようにアクセルを開けたまま左足ブレーキで荷重移動を行ってコーナリング。

ターボ車はアクセルを離すとターボのブースト圧が落ち込んでしまう。再びマックスまで立ち上がるには若干のタイムラグ、すなわちターボラグがあり加速を有利にするためにこのような走りをするのである。
17名無しさん@おーぷん平成31年 01/01(火)02:21:55 ID:2Xd
ヒール&トゥもすっかり上達しフルブレーキングでもしっかり回転を合わせれるようになった。ギア比が離れていて上手く入れづらい1速にも瞬時に叩き込めるようになりブレーキングのテクニックもそれなりに上達してきた。

四駆なので細かいアクセルワークは取得しづらいがブレーキの踏み具合からすればアクセルワークの取得もそれなりに速いだろうと確信した。超ハイパワーのFRレベルまでとはいえないがそれなりに走れれば大丈夫だろう。

誰に教えられたというわけではないが次々にテクニックを繰り出していく善子。
気づいたら往復5本連続で走っていた。
18名無しさん@おーぷん平成31年 01/01(火)02:22:31 ID:2Xd
ダイヤ「水温と油温が上がってきているのでそろそろ今日はお開きにしましょう。」

そう言い善子を家まで送っていく。



帰り道家まで行く途中考えた。

四駆のワークスとFFのワークス、旧型と新型では全然別物のマシンで違う車に乗り換えて練習となると戸惑うはずーー大丈夫だろうか?
19名無しさん@おーぷん平成31年 01/01(火)02:23:03 ID:2Xd
いや、そんなことは彼女にとって問題ではないだろう。だってこの子のお父さんはーー


かつてこの車で激戦を繰り広げた自分の父親の最大のライバル
A1クラス最強の一人と言われたストーリアX4の乗り手の娘


津島善子とはそのような子なのだから


天才の娘は天才 それはかつて名勝負を繰り広げたこのワークスが、ハッキリとそう答えてくれた。
20名無しさん@おーぷん平成31年 01/01(火)02:23:39 ID:2Xd
〜〜後日 浦の星女学院 体育館〜〜

着々と各パーツが仕上がり取り付けられていた。内装も善子の体型に合わせたフルバケットシート、各部に張り巡らされたロールケージ、下回りは強化のメンバーに前後のタワーバー。

エアロパーツ、ボディデザインはCYaRon!プロデュースで各メンバーのイメージカラーとシンボル、協賛会社のロゴ類をまとめてレーシングカー風のデザインとなっていた。
21名無しさん@おーぷん平成31年 01/01(火)02:24:04 ID:2Xd
外装は前後リップスポイラーとディフューザー、サイドスカートの拡張、インタークーラーへ風を直接送り込むダクト付のカーボンボンネット、フロントバンパーも風を入れやすいようグリルは大型化され、オイルクーラーの位置に合わせて穴開け加工もされていた。

極めは車のアンダーフロアパネル。フルカーボンで制作されたそのパネルは整流効果をもたらし、超高速域で安定性を生み出す。
元々着いていない車だけあってその効果は計り知れないだろう。
22名無しさん@おーぷん平成31年 01/01(火)02:24:27 ID:2Xd
足回りは軽にしては極太の8Jのホイールが入るように大幅に改造。サスペンションも作り直しに近いほどの手の込みようで室内からダンパーの減衰を調整できるように仕込んだサスペンションが授けられた。

これによりボタン一つで3パターンセッティングが変更でき、低速域から超高速域でのカバーが可能となった。

タイヤは205/45R16を選択。8Jのホイールを履くことで205という極太のタイヤを履くことに成功した。梨子の知り合いの協力により試作品のハイグリップタイヤを製作。Sタイヤには及ばないが市販のタイヤよりドライ性能をアップさせたタイヤを数セット作成した。
23名無しさん@おーぷん平成31年 01/01(火)02:24:50 ID:2Xd
残るはエンジンのマウント。これは果南の手によって行われる。
数々のパーツが装着を終える頃、その心臓が体育館に運び込まれる。

ベールが脱がれたそのモンスターエンジン。200馬力近くを発生する心臓。
数々の人や企業、街をも動かして作られたそのパーツ達が組み合わさり、その車は産声をあげた。
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