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【艦これ】あきつ丸「我を崇めよ」【短編集】

1FfvRSd7Ma6:2018/10/12(金)04:00:46 ID:tHa()

ここは鎮守府の司令室。


あきつ丸「……報告は以上であります」

提督「ご苦労。ところで、今日は9月24日だな」

あきつ丸「はい」

提督「進水日おめでとう」

あきつ丸「ありがとうございます。提督殿に進水日を覚えて頂けているとは、光栄であります」

提督「堅苦しいのはよせ」

あきつ丸「……」
40FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)04:56:17 ID:tHa()

しかし当日、アイオワは鎮守府を抜け出し、演習場を訪れた。


アイオワ(Meは生まれてすぐに日本に来たので、シスターに会ったことがない。だから、どうしても会いたい……)


アメリカ海軍の艦娘を見つけ、話しかける。


アイオワ「Hi! ワタシは日本海軍のアイオワ! シスターに会いに来たの!」


姉妹と会ったアイオワは鎮守府に戻ると、まっすぐ指令室に向かった。


アイオワ「Admiral……。Please tell me the truth!

さぁ、本当のことを聞かせてちょうだい……私は……私は出来損ないなの……?」

提督「何を言い出すんだ?」

アイオワ「United States Navyのアイオワ級のシスターに会ったわ……」

提督「……そうか」

アイオワ「シスターはハープーン、ファランクス、トマホークを装備していた……でも私は装備できない……。

Why……? 私は出来損ない? 私は最強の戦艦アイオワではないの? さぁ……答えて……。 Admiral……」


アイオワの目から、ぽたりと涙がこぼれた。
41FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)04:57:35 ID:tHa()

提督「まず、日本向け輸出モデルである貴艦にはハープーン、ファランクス、トマホークは装備できない。

日米軍事機密協定により、装備出来るよう改造することも許されていない」

アイオワ「!?」

提督「次に、出来損ないかだが……断じて出来損ないではない!

貴艦の16インチ砲がその証拠だ! まさしく戦艦アイオワだ。

それに……悔し涙を流す気概のある者が、出来損ないであるはずがない!」

アイオワ「……」
42FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)04:58:21 ID:tHa()

提督「そして、最強かどうかだが……それは小官にも分からん。

言えることは、装備や艦種で強さが決まる訳ではないということだ。

あえて言うなら、勝ったものが強い。もし最強を証明したいなら……」

アイオワ「……」

提督「毎年、米海軍と合同演習をやっている。もちろん米軍のアイオワも参戦するぞ。そこで勝利してみせろ」

アイオワ「Admiral!」

提督「まあ、毎年ボコられてるがな……大和を頼れ。あいつが一番悔しがっている」

アイオワ「Yes, sir! Thank you so much! I love you, Admiral!」


アイオワと大和が米軍のアイオワから奇跡の轟沈判定をもぎ取るのは、この数年後のことであった。



43FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)04:58:53 ID:tHa()
Not even justice, I want to get truth.
「なぜアイオワはハープーンを装備していないのか?」と思い書いてみました。
44FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)04:59:25 ID:tHa()

【艦これ】カツカレー


ここは妙高型の部屋。


那智「はは。世の中には頭のおかしい奴がいるのだな」

足柄「なにかしら?」

那智「女体盛りカレーを出した店の店長が、逮捕だとか」

足柄「……」

那智「……」

足柄「……」

那智「……やるなよ」

足柄「なっ?! やるわけないじゃない!」

那智「……そうだな。許してくれ」
45FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:02:14 ID:tHa()

その日の深夜。誰もいない調理場。

配膳台車の上に、あおむけで寝そべる足柄。


足柄「……こうしてお腹を出して……」ゴソゴソ


上着をめくりあげ、お腹の上に直接ごはんを盛りつける。


足柄「あつっ! ぅあああああっつ!」


真っ赤な顔で耐えると……。


足柄「次はルーよ! 来なさいッ!」


ルーをお玉ですくって、ごはんにかける。


足柄「あ゙づッ! あ゙づッぅゔゔゔい゙!」
46FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:02:58 ID:tHa()

息も絶え絶えだが……。


足柄「こんなんじゃ帰さないわ……。カツ! カツよ!」


カレーにカツを乗せると、ひと切れ転げて地肌に触れた。


足柄「あ゙ッ! あ゙ッ! あ゙ッ!」
47FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:03:36 ID:tHa()

それを物陰から見守る妙高、那智、羽黒。


那智「……まさかとは思ったがな……」

羽黒「……羽黒、てっきり那智姉さんのネタフリだとばかり……」

那智「妙高型は、ダチョウ倶楽部ではない!」

妙高「静かに」

那智「失礼」
48FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:04:24 ID:tHa()

もう一度、足柄を見ると……。


足柄「んにゃ……!? こ、この体勢で、どうやって配膳台車を動かそうかしら……。

ピンチだけど……フフッ……なんだか、みなぎってきたわ! 狼のような身のこなしで、提督のもとへゴーよ!」


絶句する妙高、那智、羽黒。


妙高「……もう見るに忍びないので、足柄を止めましょう」

那智、羽黒「……」コクン


※結局、カレーは足柄さんが自分で食べました。



49FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:05:16 ID:tHa()
妙高型をダチョウ倶楽部にたとえると……

妙高:肥後 那智:ジモン 足柄:竜兵 羽黒:南部さん
50FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:06:27 ID:tHa()

【艦これ】アル中探偵 隼鷹 ―償いの報酬― 【嘘予告】


隼鷹「那智……あんた……殺したいヤツっている?」

那智「いや、いない。どうした?」

隼鷹「あたしもさぁ、さっきまではいなかったよ。でも今はいる。

誰かがウイスキーをぶちまけた……。断酒しているあたしの部屋にね!」


あたしは隼鷹。横須賀で探偵をやってる。

戦後、軍を放り出されたあたしは、艦娘の経歴を買われて婦警になった。

そこでドジを踏んじまってね……。

強盗との銃撃戦で、無関係の女の子を巻き込んじまった。

その子は命をとりとめたけど、視力が戻らない。

ショックを受けたあたしは酒に溺れて、入院、退職のお決まりコース。

それから色々あって……探偵になった。
51FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:07:26 ID:tHa()

那智「よく電話してくれた。今、部屋か?」

隼鷹「いや……部屋を出た……」

那智「そうか……酒の誘惑に打ち勝ったんだな……」

隼鷹「まぁ……そうだねぇ……でも……そう……あたしは飲まなかった……」

那智「すぐそちらに行く。一人にしておきたくない。頑張れ!」

隼鷹「あぁ……うん……」


現在、あたしはとある事件の調査をしている。このウイスキーは犯人からの嫌がらせだろう。

実際、断酒中のあたしに、これはこたえた。

もし誘惑に負けて酒を飲んでいたら、精神が崩壊したかもしれないねぇ……。

で、その調査ってのは……。
52FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:10:12 ID:tHa()

隼鷹「あたしは、今日一日……断酒出来ました……。だいたい一年、酒を飲んでません……」


ある日、あたしは横須賀の断酒会に参加していた。

断酒会ってのは、酒を止めたい人間が集まって、酒害の経験を話し合う会。

那智は断酒会の助言者、断酒を助けてくれる人。

酒の誘惑に負けそうになった時、少しでも酒が飲みたくなった時、那智はいつでも相談に乗ってくれる。

仕事中でも、休み中でも……。


??「あんた……元艦娘か……」

隼鷹「あんたは?」

元提督「俺は元提督。艦娘と話がしたかったんだ。会の後、コーヒーでもどうだい?

ああ、警戒しないでくれ。口説いたりはしない」
53FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:12:02 ID:tHa()

カフェで元提督は話し始めた。


元提督「俺は……いわゆるブラック鎮守府の提督だった……。

轟沈させた艦娘も一人や二人じゃない……過労で自殺したのもな……」

隼鷹「……」

元提督「戦後……毎晩その娘たちが夢に出てな……そのままアル中ってわけだ……」

隼鷹「……」

元提督「……すまなかった……」

隼鷹「……あたしに言ってもしょうがないよ……」

元提督「……そうだな……」

隼鷹「……」

元提督「……『断酒のための十二ステップ』ってあるだろ……。

第八ステップ……我々が傷つけた全ての人々の表を作り、その全ての人たちに埋め合わせをする気持ちになる……。

第九ステップ……その人たち、または他の人々を傷つけない限り、機会あるたびに直接埋め合わせをする……」
54FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:12:36 ID:tHa()

元提督は手帳を取り出す。


元提督「第八ステップで俺が傷つけた艦娘のリストを作った。これから第九ステップ。

彼女たちに謝罪や埋め合わせをしようと思ってる」

隼鷹「……そうかい……」

元提督「艦娘たちは、どう思うかな?」

隼鷹「……正直、わかんないねぇ……」

元提督「そうか……」

隼鷹「……」

元提督「今日はありがとう……誰かに聞いて欲しかったんだ……」

隼鷹「うまくいくことを願ってるよ……」


過去の償い……あたしの心に鋭い痛みが走った。
55FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:14:19 ID:tHa()

その後……。


隼鷹「元提督が殺された?!」

ゲイ提督「そうなんだ……」


ゲイ提督は元提督の助言者。元提督にリストを作らせたのは彼だ。


ゲイ提督「彼はリストの艦娘を訪ねていた。そして艦娘は彼を激しく恨んでいる。

となるとリストの艦娘が犯人である可能性が高い。

恨んでる提督が目の前に来て、カッとなって思わず……ってね。

それでこのリストのコピーを警察に渡したんだけど……」

隼鷹「けど?」

ゲイ提督「警察は強盗殺人と考えているようで、まともに取り合わないんだ。

落ちぶれたアル中の元提督が死んだところで、誰が悲しむって感じ」
56FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:15:13 ID:tHa()

ブラック鎮守府の闇は深い。過去をほじくり返されると海軍のお偉方も都合が悪い。

警察としても面倒だ。 だから犯人不明のまま、さっさとケリを付けたいのだろう。


ゲイ提督「僕が彼にリストを作らせた。ということは僕が彼を殺したようなもの。

責任を感じている。隼鷹さん、このリストの艦娘を調査してほしい」


あたしは依頼を受けた。
57FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:15:52 ID:tHa()

リストの艦娘たちを訪ねてみると……。


明石「ええ、来ましたよ提督……資材横領の罪をなすりつけたことを謝罪したいって……。

殴ってくれてもいいって……ひっぱたきましたよ、何回も……。

そしたら……胸が一杯になって……涙があふれて……。

なぜか提督と抱き合って、二人で大泣きしました……」


長門「ああ……来たとも……無謀な作戦に意見した私を更迭したことを謝罪したいとな……。

消えろと言ったが玄関の前から動かなくてな……怒鳴ったらやっと行ったよ。

なに? 死んだ? ははっ、そうか……すばらしい……。今日はいい日だ……」


ポーラ「ええ~~、来ましたとも~~。でも~~、どうでもいいことでした~~。

昔、ポーラのお酒を盗んだって~~。 忘れてました~~、そんなこと~~、本当に~~。

提督が落ち込んでたんで、頑張れ~~、頑張れ~~、提督ぅって、応援しちゃいました~~」
58FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:16:48 ID:tHa()

大淀「はい、来ました。私から金をだまし取ったことを謝罪したいと。

あのお金は……大きな声では言えないようなお金でしたから、正直、どうでも良かったんですが……。

あの頃はお互い騙し騙されという感じで、単にゲームに一回負けたという気持ちでしたから……。

気にしてないと言いいました」


リストの艦娘はシロのようだねぇ……。じゃあ、犯人は……?
59FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:18:36 ID:tHa()

――探偵隼鷹が横須賀を舞台に活躍する


提督(恋人)「プロポーズの答えを聞かせて欲しい」


――恋の行方は?


鳳翔(女の子の母)「もう……来ないで下さい……」


――過去の償いは?


飛鷹(婦警)「皆、待ってるから。いつ戻ってきてもいいよ」


――姉との関係は?


青葉(情報屋)「きょーしゅくですが、その人の『ソブリケイ』……ニックネームを教えてもらえますか?」


――事件の行方は?
60FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:19:18 ID:tHa()

隼鷹「提督……本当のアル中は、ワンカップ酒は買わないんだぜ。

紙パック……給食の牛乳のような紙パックの酒を買うんだ……。

なぜかって?

飲めないんだよ……手が震えてさぁ……ストローじゃないと飲めないのさ……。

だから百円の紙パック……。あたしはさ……そこまで一度、落ちたんだよ……」


アル中探偵 隼鷹 ―償いの報酬―

公開予定無し



61FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:19:43 ID:tHa()
ローレンス・ブロックのマット・スカダーシリーズ「償いの報酬」を読んで、衝動的に書きました。
紙パック酒については、吾妻ひでお氏の「失踪日記」を参考にしました。多分……(うろ覚え)
なお、ゲイ提督は無理矢理ブッこんだのではなく、原作準拠です。
62FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:20:57 ID:tHa()

【艦これ】宇宙戦艦大和


人類は深海棲艦に追い詰められていた。


提督(なんとしても、この状況を打破しなければ)


提督は大和型を建造しようとしたが、うまくいかない。


提督(どうすれば……そうだ!)ピコーーン


建造資材にDVD-BOX「宇宙戦艦ヤマト」をこっそり混ぜると……。


大和「大和型宇宙戦艦、一番艦、大和。推して参ります!」

提督「おお! 来てくれたか!」
63FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:21:16 ID:tHa()

演習で能力を試したが……。


提督(三連装ショックカノンの威力は素晴らしく、煙突ミサイルで対潜攻撃も可能。

パルスレーザーの対空能力もなかなか。艦載機も強力。だが、少し強い艦娘といったところだ)

提督「さすが大和、優秀だな。ところでアレはどうした?」

大和「アレ?」ギクッ

提督「波動砲だ」

大和「は……はどうほう?」ダラダラ

提督「どうした? 装備していないのか?」

大和「いやーーそのーーあのーー」ダラダラ
64FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:22:42 ID:tHa()

その後……。


装甲空母姫「フフフ……」

戦艦夏姫「シズミナサイ……」

リコリス棲姫「イソガシイモンダナ……」

中枢棲姫「人間ドモメ トドメヲ サシテヤル……」


人類を殲滅すべく進撃する深海棲艦の大艦隊。

そこに……。


空母水鬼「ナニカ キタヨ……」


矢矧「うぉおおおおお!」ガラガラガラ


サングラスをかけた矢作が折り畳み台車を押しながら、まっすぐ向かってくる。

台車の上には体育座りの大和。
65FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:26:50 ID:tHa()

大和「ターゲット・スコープ、オープン……エネルギー充てん120%……」ブツブツ

戦艦棲姫「タッタ2隻デ ドウスルツモリダ?」

大和「対閃光防御……」ブツブツ


真っ赤な顔の大和が、手で顔を覆う。


大和「発射///」パカッ


大和は脚を開いて、M字開脚のポーズになると、股間から波動砲を発射した。

深海棲艦の大艦隊は光に飲まれ、射線上の棲地は消滅。

光が消えると、ズタボロの深海棲艦が残された。
66FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:27:30 ID:tHa()

リコリス棲姫(アフロ)「イヤー!!! 自慢ノ前髪パッツンガ!!!」

装甲空母姫(アフロ)「服ガ消エテ……コレ裸ジャナイ!」

戦艦夏姫(アフロ)「水着ガ……」

中枢棲姫(アフロ)「全裸デハ戦エナイ! 撤退ダ!!!」


人類は乾坤一擲の戦いに勝利した。


提督「これからも頼むぞ!」ニッコリ

大和「やだもーーーー///」



67FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:28:22 ID:tHa()
「宇宙戦艦ヤマトが艦娘になったら、どうやって波動砲を撃つのか?」という疑問から書きました。
彼女をSSに出すと、圧倒的な火力で話が成り立たないので、波動砲を撃てるけど「撃ちたくない」設定にしてみました。
しかし、なぜ折り畳み台車が海の上に浮いているのか? 謎ですね……。
68FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:29:53 ID:tHa()

【艦これ】深海提督誕生


男は海を見下ろす断崖に追い詰められた。

体に爆弾を巻き付けた男は、警官たちを一瞥すると笑みを浮かべる。


警官「もう逃げられないぞ。大人しく投降しろ!」

男「いやだね……撃てばいいだろ? どうした? やれよ? 俺は何十人と殺したテロリストだぞ?」


男はテロリストだった。

祖国への多国籍企業による政治介入を止めるため、先進国で爆弾テロを実行。

被害は甚大で、数十人の犠牲者を出した。
69FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:31:27 ID:tHa()

警官「開き直るな! このテロリストが! 何十人と殺したお前に正義はない!」

男「俺は正義だとは思ってないぜ。ただ、お前らの国の繁栄は、

貧乏な国の犠牲で成り立ってることを思い出させただけだ」

警官「なんだと!?」

男「お前らの国の企業は、俺の国の資源を安く買いたたいて、製品にして売りつけている。

買値を上げろと言えば、他の国から買うか……政治介入して政府を転覆させるか……」

警官「……」

男「どちらにしても、ろくなもんじゃねえ! 俺の国は絶対貧乏を抜け出せない!」

警官「……」


男は爆弾の起爆スイッチに手をかけた。
70FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:32:14 ID:tHa()

男「それだけじゃねえ! 鉱山の権利争いにまで介入しやがって……」

警官「……」

男「民族独立過激派というチンピラに資金提供して飼いならし、

鉱山を占拠させて、安値で資源を買う……」

警官「……」

男「俺はアカでも民族主義でも原理主義でもねえ! 俺がテロリストになったのは、

その民族独立過激派が……俺の妹の結婚式で……爆弾テロをしたからだ!」

警官「!?」

男「チンピラになびかない村の有力者が出席していた……それだけだ……。

それだけで、妹夫婦ごと爆弾で吹き飛ばしたんだ!」


警官たちが気圧される。
71FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:32:42 ID:tHa()

警官「妹さんには同情する。しかし、テロをしても妹さんは喜ばんぞ!」

男「妹が喜ぶかどうかは関係ねえ……俺は考えたよ……なぜ妹は死んだのか……」

警官「……」

男「結局、俺の祖国が弱いからだ……。 金も知識も人材もない……。

政府や役人は腐敗し……祖国に命をかけるやつもいない……」

警官「……」

男「だから外国の企業ごときにいいようにされるんだ!」


警官「それと、テロがどう関係するんだ……?」

男「本気になった人間が三人いれば、世界を変えられる……俺はそう思う。

祖国のために命を捨てるやつが一人、ここにいるとアピールした」

警官「……」

男「世界中から見えるように、デカい花火を打ち上げてな。

俺のやり方は間違っているが、どこかの三人が本気になってくれれば、それでいい……」
72FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:33:38 ID:tHa()

別の警官が前に出た。


警官「偉そうなことを言うな! お前は平和と秩序の敵だ!」

男「世界の平和とは……秩序とは……国の階級……身分の固定化だ!

富める国はますます富み、貧乏な国はますます貧乏になる!」

警官「……」

男「だれだったか……トマ・ピケティだかが言っていたな……。

『戦争によって富の再分配が起きる』と。富める国は再分配なんて望んじゃいない!

だから平和なんだ! そんな平和は欺瞞で偽善だ!」
73FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:35:57 ID:tHa()

男「祖国はもともと王政だった。腐敗もあったが、別に国民は困っていなかった。

国王は富国強兵を目指して、国民に教育を施し、産業の保護・育成を始めた」

警官「……」

男「それが金持ち国への挑戦と見えたんだろう……。なぜか民主化運動が勃発してな……。

先進国からの強い圧力もあって、選挙をしたよ。 結局、狂信的な宗教原理政党が政権についた……」

警官「……」

男「科学よりも宗教の教えを優先する素敵な政府だ……。結局、教育も産業も秩序も壊滅した……。

国力は衰え、外国や多国籍企業にいいようにもてあそばれ、内戦で滅茶苦茶になった……」


男は起爆スイッチを高く掲げた。


男「しゃべりすぎた。俺は、お前らの言うこのくそったれな『平和』を、

恨んで、恨んで、恨みぬいて死ぬ! お前らを道連れにな!!!」


その時、警察の狙撃手が男の眉間を打ち抜いた。

男がガクンと崩れ落ち、海に落ちる。
74FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:37:09 ID:tHa()

死体は海を流れて……。


男「ここは……まさか……!?」


目覚めた男は、男の生家にいた。

内戦で消え去ったはずの、貧しくも幸せだった小さな家。


女「お兄ちゃん、気がついた?」

男「バカな……妹そっくりだが……お前は誰だ?」


女は男の妹に瓜二つだが、肌は純白で瞳は赤かった。
75FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:37:55 ID:tHa()

女「ふふっ……この姿と家はサービスよ」

男「ここはどこだ?」

女「現実と夢の境界……」

男「俺は……どうなったんだ?」

女「現実のあなたはとっくに死体になって、海にプカプカ浮かんでるわ」

男「!?」

女「でもあなたは運がいい……あなたの強い怨念が奇跡を起こして、

地獄の扉を開けてわたしを呼びだした」


女がこぼれそうな胸元を押し上げて、顔を近づけささやいた。


女「取引しましょう……わたしは『深海棲艦』。船の悪魔とか怨霊とかと思ってくれればいいわ。

あなたの魂と引き換えに、あなたの望むことをしてあげる」

男「何が出来るんだ?」

女「船を沈めることができる。どんな船を何隻でも。

ゴムボートでもタンカーでも……あなたが望むなら戦艦でもね……」
76FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:39:28 ID:tHa()

男がくくっと笑う。


男「船を沈めることが、俺の望みだというのか?」

女「ええ、そうよ。世界の秩序やルールを決めているのは『海』を支配している『覇権国家』。

わたしならその支配を壊せるわ」

男「どういうことだ?」

女「近代以降、世界の覇権を握った国はオランダ、イギリス、アメリカ……。

もれなく『海洋国家』よ。『海』を支配して貿易で莫大な国富を築いた……。

今の支配者は……国じゃなくて、アメリカの覇権を政治献金で乗っ取った『多国籍企業』かしら……」

男「……」

女「でね……もし覇権国家が『海』の支配を失ったら……?

船が沈められて、物流が途絶えたら……?

覇権国家の築いた秩序、ルールは崩壊するでしょうね……」


女は満面の笑みを浮かべる。


女「彼らの言う『平和』さえもね……」
77FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:42:02 ID:tHa()

男は息の飲んだ。


男「おまえ……俺の心を読んだのか……」

女「まあね……それで妹さんと家を再現できたわけだし……。それでどうするの? 契約する?」

男「魂を差し出したら、俺はどうなるんだ?」

女「それは教えられないわ」

男「まあいい。今さら魂なんぞ惜しくない。俺が心配しているのは、お前の能力だ」


女が笑う。


女「証拠を見せてあげたいけど、契約しないと実体が持てないし能力も使えないし……。

そうだ……仮契約しない? 一週間のお試し契約。それで能力を証明するわ」

男「いいだろう。仮契約だ」


男は差し出された契約書にサインした。
78FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:43:40 ID:tHa()

女「ありがとう」


女が手を差し出し、握手をする。

女は泊地棲姫と名乗った。


男「礼は後にしろ。期待外れなら本契約せんぞ」

泊地棲姫「ご期待にそえると思うわ」


にこりと笑う泊地棲姫。


泊地棲姫「それとね、船を沈めると、一緒に沈んだ人間の数に応じて『報酬』がもらえるの」

男「報酬?」

泊地棲姫「沈んだ人間の魂が報酬になるの。貯まった報酬で新しい『深海棲艦』を地獄から呼んだり、

小悪魔を使役して施設を拡充できるのよ」

男「ふん。すべては能力を見せてもらってからだ」
79FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:44:19 ID:tHa()

数日後、某国の原子力空母が沈没。

深海提督誕生の瞬間であった。



80FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:45:12 ID:tHa()
崖の上で犯人が自白する「火サス」メソッドを使いました。
実際には、爆弾を持ったテロリストと会話できる距離まで、警官は近づかないと思います。
なお、深海提督のイメージは「カウボーイビバップ 天国の扉」のヴィンセント。
81FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:48:00 ID:tHa()
早速ですが、誤記訂正です。
ガバガバすぎんだろ……。

>>50
次レスが正しいです。
82FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:49:00 ID:tHa()

【艦これ】アル中探偵 隼鷹 ―償いの報酬― 【嘘予告】


隼鷹「那智……あんた……殺したいヤツっている?」

那智「いや、いない。どうした?」

隼鷹「あたしもさぁ、さっきまではいなかったよ。でも今はいる。

誰かがウイスキーをぶちまけた……。断酒しているあたしの部屋にね!」


あたしは隼鷹。横須賀で探偵をやってる。

戦後、軍から放り出されたあたしは、艦娘の経歴を買われて婦警になった。

そこでドジを踏んじまってね……。

強盗との銃撃戦で、無関係の女の子を巻き込んじまった。

その子は命をとりとめたけど、視力が戻らない。

ショックを受けたあたしは酒に溺れて、入院、退職のお決まりコース。

それから色々あって……探偵になった。
83FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:50:32 ID:tHa()
次に、微妙に投稿ミスしたレスです。

>>20
以下2レスに差し替え。
84FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:51:34 ID:tHa()

摩耶「うっせ! オカマ野郎は黙ってな!」

提督「ダメよ、摩耶ちゃん。オカマを舐めちゃダメ。ワタシ、軍人の家系だから、

小さいころから鉄砲(意味深)をイジってたのよ? 腰と尻が大事なのよ! 的に当てたかったら……」

摩耶「当てたかったら……」

提督「腰をこう!」クネッ

摩耶「こう?」クネッ

提督「尻をこう!」プリッ

摩耶「こう?」プリッ

提督「撃てッ!」

摩耶「!」ドーーン
85FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:51:54 ID:tHa()

提督が双眼鏡を覗き込むと……。


提督「当たったわよ」クネッ

摩耶「へっ……提督……やるじゃねえか」ニッ


この提督が後に「オネェ提督」と呼ばれ、大括約したことは言うまでもない。



86FfvRSd7Ma6 :2018/10/12(金)05:52:50 ID:tHa()
おまけは以上です。
ではでは。
87【49】 :2018/10/12(金)09:53:29 ID:4fL
全部書いて?
あつ
88名無しさん@おーぷん :2018/10/12(金)18:10:19 ID:TMN
ナチジュンの刑事ものを企画してた人か
本編も書いていいのよ
89FfvRSd7Ma6 :2018/10/13(土)01:28:30 ID:COL()
ナチジュンを企画していたのは私じゃないです
たまたまネタがかぶってしまいました……

ところで、あれほど居た艦これSSの作者の方々は今どこに……?
SS速報VIPの復帰を待ってるのか、深夜VIPに行ったのか?
はてさて

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【艦これ】あきつ丸「我を崇めよ」【短編集】
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