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【艦これ】艦天って略すとカロリー低い食材みたい 第三章【天華百剣】

1L6OaR8HKlk:2018/09/26(水)08:20:02 ID:6Y6()

提督「触ってねえよテキサスクローバーホールド極めんぞ」
http://elephant.2chblog.jp/archives/52120878.html

武蔵がチャリで来た
http://elephant.2chblog.jp/archives/52124344.html

加賀「乳首相撲です」
http://elephant.2chblog.jp/archives/52125872.html

【艦これ】ウ○コマン あるいは(提督がもたらす予期せぬ奇跡)
http://elephant.2chblog.jp/archives/52128716.html

時雨「流れ星に願い事」
http://elephant.2chblog.jp/archives/52168266.html

【艦これ】居酒屋たくちゃん~提督のクソ長い夜~
http://elephant.2chblog.jp/archives/52172895.html

磯風「蒸発した……?」
http://elephant.2chblog.jp/archives/52182006.html

【艦これ】加古ちゃん空を飛ぶ、めっちゃ長く飛ぶ、すごい
http://elephant.2chblog.jp/archives/52183988.html

鈴谷「うわ不思議の国こわい、キモい」
http://elephant.2chblog.jp/archives/52188852.html

【艦これ】ヒトミとイヨの恰好がスケベなので
http://elephant.2chblog.jp/archives/52197537.html

川д川 ウホウホ!!鎮守府に颯爽と登場した貞子ゴリラ、トランスフォームウホ!!
http://elephant.2chblog.jp/archives/52198542.html

【艦これ】ウキウキ!!首相の鎮守府訪問!!のようです
http://elephant.2chblog.jp/archives/52215283.html

【艦これ】時雨「静岡グレーゾーン連盟」
http://elephant.2chblog.jp/archives/52220413.html

エンド・オブ・オオアライのようです ※連載中のコラボ作品(◆vVnRDWXUNzh3作)
http://engawa.open2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1536501657/2-
112L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)09:50:12 ID:Cqe()
( T) 、「ザコ助が」ペッ


最初の一発で口の中を切ったのだろう。血混じりの唾を吐きかける
流石にここまで頭をグチャグチャにすれば復活はしねえだろう。しないよな?しないでくれ頼む


「縺ゅ♀縺翫♀縺翫♀縺翫♀縺翫♀縺翫♀縺翫♀繧!!!!!!!」


一人加わって多少手こずるようになったのか。獣棲艦は足回りでウロチョロする天龍と菊さんの相手に夢中で砲撃はまだない
得物も無い丸腰の俺が加勢しても大した戦力にはならないだろう。なら、蛍ちゃん達の周りをウロチョロするゴミクズ共を相手した方がマシか
待てよ?もしかして無限湧きか?禍憑の大群が減るどころか増えて……


( T)「ッ!?」


遠くから聞こえる機銃の銃声の合間に『タタッ』と小動物の足音が混じる。フォウ君か?いやゲーム脳乙
野良猫か野良犬か、はたまた別の動物か?そんなワケがねえ。人間なんかよりも危険に敏感な野生動物が、銃声や砲火が響く戦場に近づく筈がねえ


(;T)「……」


その正体は、天龍が斬り落とした『茂名の右手』だった。死霊のはらわたかよ。アッシュはリターンズでもまた普通にやらかしたぞ
蜘蛛のように指を立たせ、カタカタと這う様は蜘蛛を連想させた。そして切り口である根元には、茂名が吐いた『禍魂』が吸い込まれている


(;T)「マジかよ……」


してやられた。奴は目くらましではなく、『解放』の為に禍魂を吐き出していたのだ
その証拠に、俺が今し方潰したばかりの死骸からもモクモクと噴き出している


(;T)「きっしょ!!!!!」


踵を返し這いまわる掌を蹴りつけるが、ピョンと跳ねて避けられてしまう
その間も禍魂は集まり色濃くなっていき、『人の形』を成し始めた
113L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)09:50:54 ID:Cqe()
(;T)「……まだ変身を一回残してたとはな」


『気体』は『液体』へ、そして『固体』へと凝固していく
中肉中背はどこへやら。身体のサイズは膨らみ、二メートル近い俺ですら見上げなければならないほど大きくなる
巨木の幹が如く太い脚が地を鳴らす。股にイチモツは無く、卵のようにツルリとしていた
両腕には鋭いエッジが生え、それに負けじと杭のような爪が伸びる
顔の禍々しさは肉の器に入っていた頃と変わらないが、頭髪の代わりに『兜』が顔を守っている
太く短い二本の角が生え終わると、そこには




以`゚益゚以「URRRRRRRRRRR……」



(;T)「あーあーあーあー……」



より凶悪な禍憑が、目の前に立ちふさがっていた
114L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)09:51:59 ID:Cqe()
以`゚益゚以「ドウシタ?憎マレ口の一ツデモ叩イタラドウダ?」


(;T)「あー……」


おいおい勘弁してくれ。こちとらボキャ貧だぞ


(;T)「男前になったな。きっとモテるぞ?メス猪限定でな」


ほらあんまりイケてない。メス猪が股開くわけねえだろ


以`゚益゚以「結構」


差して面白くもなかったのだろう。淡白な返答を皮切りに茂名『だったもの』の爪先が地面を抉る
『メリ』と捲りあがった土塊が、幾つもの礫となって襲い掛かって来た


(;T)そ「ハルクかよッ……!!」


距離が近く回避がままならない。いくら土と言えども固まれば『重し』だ
飛礫は当たっては砕け、身体を浮かし仰向けに倒れ込ませやがった
115L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)09:52:12 ID:Cqe()
(;T)「ゲホッ!!」


舞い上がる砂埃。そして運悪く喉に当たった一発が息を詰まらせる
それどころか目に入って痛い。ポル砂嵐かよ


以#`゚益゚以「ゴァァアア!!!!」


(;T)そ「うおっっぶねえ!!!!!!!!!」


胸の上に迫った足裏を両手で抑え込めたのは、不幸中の幸いだろう


以`゚益゚以「呆気ナイモノデスネ、提督殿」

:(;T):「ぐっ……口調戻ってんぞ今更お利口さんしても説得力がっ……!!」


ひと際力を込められ、肘が耐え切れず曲がってしまう。汚ぇ足裏が胸を圧迫し始めた
116L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:06:08 ID:Cqe()
以`゚益゚以「幾ラ身体ヲ鍛エヨウトモ、超常ノ力ニハ勝テナイ。コレデ証明ト成ッタ」

:(;T):「気が早ぇぜせっかちさんが……俺はまだ生きてる……若もっ……城和泉も……そこで戦ってる連中も……」


:(;T):「てめえらはまだ誰一人殺しちゃいねえぜ……」


以`゚益゚以「……時間ノ問題ダ」

:(;T):「ハハ、時間の、問題?ハハ……ハハハ、ハハハハハハ!!!!」

以`゚益゚以「何ガ可笑シイ……?」


例えば

やんちゃ坊主に刀のオモチャを与えればどうなるか?
不良に刃物を与えればどうなるか?
チンピラに銃を与えればどうなるか?
軍人に超能力を与えればどうなるか?

力は安酒と同じだ。抑止の精神が無い奴に与えれば『悪酔い』する
その酔いは後先を予測する力を奪い、素面なら気づくはずの機微な変化を見逃す


:(;T):「耳を、澄ませてみる事だな……Mr.オーガ……お宅の精鋭たちは『連装機銃』なんて代物……持ち歩いているかね……?」


以;`゚益゚以そ「!!」


:(;T):「ガハハ!!時間の、問題!!全くその通りだ!!お前は悠長にも『時間を掛け過ぎた』!!!!!」


遠くから聞こえていた『機銃の銃声』は近づいてくる。兵士たちの断続的な悲鳴を引っ提げて
続けて、砲撃音が赤煉瓦の建物に穴をぶち開けた。獣棲艦からではない
そこにいた誰もが、敵も味方も一時停止をし、未確認の新規参戦者の方を向いた
正体を知っているのは、戦場でその音を『聞きなれている』俺達くらいだろう


それはこの世界で唯一、深海棲艦に対して大打撃を与えることが出来る奴だ



117L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:07:59 ID:Cqe()
「わ、り、とぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」


スクリューの代わりに『車輪』を回し、高速で駆けてくる姿
肩口から伸びた二つの砲塔。風に揺れる三つ編みと犬の垂れ耳のような跳ねっ毛、黒を基調としたセーラー服
脇には途中で拾ったであろう秋雲を抱え、両腰には彼女専用近接武器である『クナイ』のホルダーポーチ

透き通ったマリンブルーの瞳が、俺を踏みつけるバケモノを射殺さんばかりに睨めつけている


時雨「強めキックゥウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!!!!!」


出力四万二千馬力を誇る俺の『愛犬』が、誰の影響か知らんがクソダサい技名と共に茂名に飛び蹴りを放った


以;`゚益 以そ・'.。゜「ッッッッッ!!!!!!??????」


野郎の身長の半分にも満たない少女に蹴り飛ばされる様は見ていて爽快だ。いつもは俺がその立場だからな
地面を削りながら着地した『時雨』は、いつもの不敵な笑みと右手を差し出した


時雨「お待たせ、お姫様」

( T)「っはぁ……早かったな。王子様」


艤装を着けた王子様は、シチュエーションも相まってなかなか様になっていた


時雨「皮肉かい?助け甲斐が無いね」

( T)「我儘はお姫様の必須要素だ。黙って飲み込め」


手を握り返すと、力強く起こされる。ふと、抱えられたままの秋雲と目が合った


秋雲「再会して早々イチャイチャすんのやめて?」

( T)「落とせ」

時雨「はい」パッ

秋雲「ぎゃふん!!」グシャッ
118L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:08:57 ID:Cqe()
( T)「その車輪は?」

時雨「八宵の奴がやっぱり無断で改造しててさぁ。スクリュー用の動力をタイヤの方に回して陸でも高速走行できるようにしたんだって」

( T)「走り心地は?」

時雨「最悪だったよ。さーって、お荷物も減った事だし」

秋雲「酷くない……天龍ちゃん抜きでめっちゃ頑張ったのよあたし……?」


背中の艤装が半分に割れ、アームに繋がれた砲塔が時雨の手元に伸びる
折り畳み式のグリップが起き上がり、さながら『トンファー』のように逆手に握った
改修を重ねた12.7cm連装砲A型が『時雨型』専用のギミックによって臨戦態勢に入った


時雨「どれから殺……あ、やばい伏せて」


夜にも関わらず頭上に大きな影が過ぎって、すぐ傍に『着地』する
軽やかな動きだが、マタタビ酔いした猫のように無様に肩口から落ち、砂と瓦礫を舞い上げた


「縺斐m縺ゅ♀縺翫♀縺翫♀縺翫♀縺翫♀縺翫♀縺翫♀縺翫↓繧?≠縺ゅ≠縺ゅ≠縺!!!!!!!!」


野生の勘か。それとも深海棲艦の持つ艦娘への危機意識か
標的を此方へと変えた獣棲艦が、威嚇の咆哮を上げた


時雨「うわぁ……ゾイド化の波が深海棲艦まで来てるとはね……」

( T)「近くで見上げるとやっぱデケェなこいつ」

秋雲「いや夕立ちゃん捕まってんじゃん!!!!何してたのよ天龍ちゃん!!!!!」


<るせーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!


夕立は捕縛されたままだ。時間にして三分と言ったところか。目立つ外傷が無いのは


菊一文字則宗「提督さん!!」


彼女の奮闘が功を奏したからだろう
119L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:11:36 ID:Cqe()
菊一文字則宗「ハァーッ、ハァーッ……ングッ、すみませ……僕の勝手な行動で……」

( T)「汗ヤバい」


共闘していた筈の天龍を置いてけぼりに、俺達の場所まで即座に駆け付けた菊さんは滝のような汗を流している
砂埃による服の汚れが目立ったが、傷は見当たらない。だが、刀を持つ腕は小刻みに震えていた
『恐れ』ではない。恐らく、『疲労』によるものだろう

数多い巫剣の中でも『神速』とまで称されている彼女だが、その代償は持久力だ
最初の『主』である影響を強く受けているのだろう。かしゅーなら『吐血』だが、彼女の場合『虚弱』になる
身体の負荷が積もる前に高速で手数を叩き込み速攻で勝負を決める短期決戦タイプ
故に、デカくて硬い新種の禍憑及び『深海棲艦』との相性は最悪と言える


時雨「疲れてるならすっこんでなよ。僕がいるなら他は用無しだし」

( T)「言い方」

菊一文字則宗「お、お断りですね……僕が向こうの世界にっハァッ、飛ばされて……ハァー、ハァー……」


ガクガクと震える身体をそれとなく支えようとしたが、厳しい目線と手で払いのけられる


菊一文字則宗「神出鬼没も同然……見ず知らずの怪しい僕にっ、夕立さんは、つきっきりで、優しくしてくれた……向こうで出来た……大事な、友達なんです……」

菊一文字則宗「誰が止めようと……身体が砕け散ろうと……僕は絶対に退きません……夕立さんの為なら僕は……」


刀を持ち上げ刃を水平に保ち、顔の側面で構えた。『霞の構え』だ



菊一文字則宗「この一時だけ、修羅となる!!」



放たれる気迫に、無意識の内に自分の足が若干後ずさる
これが剣士の生の迫力とやらか。伊達に激動の幕末を戦い抜いた巫剣じゃあない
120L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:12:44 ID:Cqe()
( T)「だとよ」

時雨「……ふん、好きにしなよ」


バカなりの気遣いもこれじゃあ形無しだ。それに、同じく異世界に放り込まれた身としては、こいつも思う所があるのだろう
獣棲艦は新たに現れた時雨を警戒し、唸り声を上げて威嚇する。蹴飛ばされた茂名も、瓦礫を押しのけながら復帰し始めていた


( T)「そこまで言うなら倒せる算段はあるんだろうな?」

菊一文字則宗「誰に口を利いているんですか提督さん」

(;T)「ひえっ……ごめんなさい……」

秋雲「弱い(確信)」

時雨「強いの?」

( T)「ガールからスパイス・ガールになった感じ」

時雨「そう……一味……違うんだね……」


夕立の一撃を耐えただけでなく、捕縛まで行い
それで尚、菊さんや天龍と立ち回っているのだ。普通の深海棲艦と比べて禍魂による大幅な強化が施されていると見た
あいつらばっかりズルいんじゃないか?俺らだって巫魂とかなんかで強化されて然るべきなんじゃないか?殺すぞ?お?
121L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:13:17 ID:Cqe()
以`゚益゚以「……」


奴さんも立ち直ったか。やれやれ、今夜は骨が折れる。実際折れた


時雨「さぁ、指示してよお姫様」

( T)「オホホ。良くってよ」

秋雲「さっきから何の遊びなんよ……?」


それを差し引いても実に熱いシチュエーションだ。いっちょ喝を入れ直すか


( T)「さぁさぁ正念場だ気合い入れろお嬢さん方!!!!!全ッ員……」




(#T)「殺せェッ!!!!!!」





122L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:14:43 ID:Cqe()
菊一文字則宗「ッ!!!!!!」

時雨「喰らえ!!!!」


号令と共にその場から『消えた』菊さん。時雨の右砲塔から獣棲艦に向けて放たれた榴弾……あっやべえ榴弾だ
驚くことに先に『着弾』したのは、獣の前足に鋭い三連突きを放った菊さんだった


菊一文字則宗「フッ!!」


「縺後≠縺ゅ>繧翫>縺?>繧翫>縺?>縺?>縺!!!!!!!!」


榴弾が胴に炸裂し、火薬の発破によって飛び散った破片が固い装甲に『皹』を入れる
その破片は一撃……いや、『三撃』与えた菊さんの方向にも向かったが、またもや目にも止まらぬ速度で回避する


時雨「おっと」

(;T)「『おっと』じゃねえもっと気ぃ使って撃てや!!!!!!!」

時雨「そんなこと言ったってさぁ。先に飛び出したのはあっちじゃんか」

秋雲「いや言い合い後にして来てる来てるデカいの来てる!!!!」


以#`゚益゚以「ゴガアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」


迫りくる2Pカラーハルクみてーな巨躯の茂名大尉。強力な火力を持つ時雨を最優先と睨んだらしい


時雨「一瞬時間稼いで。砲仕舞うから」

秋雲「えー、もー!!一瞬だからね!!」


火力はあるが、周囲への影響もデカいと踏んだであろう時雨は、出したばかりの砲塔を手放し、収納する


(#T)「マッスル~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!クソ本気キック!!!!!!!!!!!!」

秋雲「技名ダッ……サ!!!!!!!!」


一握りで時雨の頭三つは握り潰せそうな掌を、俺の本気後ろ回し蹴り ~めっちゃかっこいい技名を添えて~ で払い
小柄さを活かした秋雲が掻い潜り、逆手に持ったナイフで右の脇腹を数回刺す
123L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:15:40 ID:Cqe()
以#`゚益゚以そ「ガァアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」

秋雲「ヒエッ!!」


羽虫を払う程度の動きも、あのデカさなら当たれば致命傷だ。秋雲は頭上スレスレに迫った腕を辛うじて回避した


時雨「おまたs……あぶなーーーーーーーーーーい上から襲ってくるーーーーーーーーーー!!!!」


「縺?j縺?>縺?>縺?>縺?>縺?>!!!!!!!!」


間髪入れず名状しがたき鳴き声を上げながら、上空から推定数トン越えの獣の前足が迫る


(;T)そ「この身軽さは反則だらっしゃあああああああああああああああ!!!!」

秋雲「ぎゃあああああああああああああああす!!!!!」


地面が板チョコのようにバキ割れ、土埃が舞う。幸いにも回避が間に合った俺と秋雲は煎餅にならなかった
そんな中、浮き上がった土埃を斬り裂く横風が鋭く吹く


以#`゚益゚以そ「ギッ!?」

「繧ー繝後Φ!!!!!????」


その場にいた二体の禍憑に『三撃』ずつ。修羅と化した菊さんの攻撃は続く
124L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:16:55 ID:Cqe()
時雨「その大物は僕の獲物だよッ!!提督、肩借りるね!!」

(;T)「えっ、お前マジ……」


軽快な足取りで駆け寄る時雨は、俺の前で大きく跳躍し


(;T)そ「いや重っ……!!!!!!!!!!」


こともあろうに『艤装』を身に着けたまま俺の肩に足を掛けた。常人なら潰れて死ぬ


(#T)「っっっっっめえええええええええええええええええええええええんだよアホがーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」


しかし大変遺憾な事に既に常人レベルの筋肉じゃない俺ならクソガキ駆逐艦の踏み台にはなれる
筋肉激おこパワー上乗せで高く舞い上がった時雨の手には、砲塔に代わり『クナイ』を握っていた


時雨「目玉も硬いかどうか……試させてよ!!!!」


獣棲艦の顔に飛び掛かり、青白い眼にクナイを突き立てる


「縺?$縺?>縺?>縺?≧縺?≧!!!???」


時雨「アハハッ!!」


目玉は並みの強度だったらしい。深海棲艦特有の青い蛍光色に禍魂由来であろう黒い墨が混ざった血が飛び散る
ブンブンと頭を振って時雨を払おうとするが、更に深くクナイを突き刺し、耐える


時雨「酔う酔う酔う酔う!!!!!」


見てて面白かった
125L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:17:52 ID:Cqe()
菊一文字則宗「提督さん、好機です!!斬り崩すので夕立さんを!!」

( T)そ「うおっ!!お、オッケー!?何?斬り……ええ!?」


傍らに一瞬だけ現れた菊さんは、短く告げるとまた掻き消える
見逃せないレベルの発汗と、それに見合わぬ青白い顔色だったが、引き留める暇も無い


以#`゚益゚以「余所見トハ舐メラレタモノダナッ!!」

(#T)「うるせえ今テメーの相手してる暇ねーんだ秋雲と遊んでろタマナシ野郎!!!!!!」

秋雲「ちょっとォ!?みんな秋雲さんに任せすぎじゃない!?」

(#T)「索敵も砲撃も雷撃もお任せって言ってんだろちょっとは有言実行しろやアホ雲ォ!!!!!!!!」

秋雲「それ青葉ちゃんのセリフゥ!!!!!!!!」


茂名の大振り右パンチを掻い潜る。巨大化の代償はデカかったな(上手い)
すれ違いざまに治りきっていない脇腹の刺し傷に一発肘を入れる。よく見りゃ菊さんの刺突も加わって酷い有様だ
126L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:19:00 ID:Cqe()
以#`゚益゚以そ「オオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!」

秋雲「はいはい鬼さんこちら!!!!早く戻ってよほんと!!!!」


痛みの断末魔か、それとも怒りの咆哮か。背中と鼓膜にビリビリと響く
茂名を抜き去り俺の目標は獣棲艦へ。今だ時雨を振り解こうとジタバタともがく


(;T)「夕立をっつっても……!!」


地団太を踏む動きに合わせて、尻尾に巻かれたの夕立も揺れる
マチェットは握ったままだ。あれなら直に復活するだろうが、建物や地面にもう一度衝突してしまえば艦娘と言えど無事では済まない
回収を急がねばならないのは重々承知だが、こんな巨大ロデオにどう飛び乗れと……


(;T)「ん?」


ふと、獣棲艦の動きに違和感を覚えた。左の前脚と後ろ脚の動きがぎこちない
硬い装甲に覆われた脚に、大きな『切れ込み』が刻まれている。少量だが、血も流れ出ていた
そう言えば、時雨の出現によって此方側へと跳んできたこいつは、ネコ科の動物の姿らしからぬ無様な着地を晒していた。これが原因か


菊一文字則宗「ハァア゙ッ!!」


最早苦痛による喘ぎ声と遜色ない掛け声と共に、切れ込みに『火花』が散る
なるほど、『雨垂れ石を穿つ』ってやつか。彼女は最初から『左側』しか攻撃していないのだ
獣棲艦の脅威は『火力』『防御力』、そして『機動力』。その内一つを奪おうって算段か


( T)「そうと分かればッ……!!」


立ち位置は獣棲艦の左側、下半身付近。尻尾の長さを目測で確かめ、大よその落下位置を予測する
この近さ。奴にとっては格好の獲物だろうが、顔に纏わりつくクソガキに手間取ってそれどころじゃないようだ


( T)「いいぞッ!!やれェッ!!」
127L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:20:13 ID:Cqe()
菊一文字則宗「ッッッ……アァッッッ!!!!!!!」


ひと際輝きを放つ火花が、連続して二つ。同時に、耐久値を超えた鉄の壊れる耳障りな音


(;T)「やっ……!!」


「諢壼セ。邱堤キ堤キ堤キ!!!!!??????」


切れ込みとは『逆方向』からの斬撃。伐採の基本だ。『倒れ込ませたい方向に切れ込みを入れてから、逆方向から斧を叩き込む』
彼女の目論見、そして俺の予想通りに、獣棲艦の二つの左脚は、支える巨体の重さに耐えきれず折れ曲がっていく


(;T)「そん、で……」


尻尾に巻かれた夕立も、倒れる胴に引っ張られ落ちてくる。俺の仕事はここからだ


(;T)「マッスル~~~~~~~~~~~~!!!!!んんんんんキャッチおおおおおおおおおっしゃあああああああああい!!!!!!!!!!!」


破壊力と同じく包容力にも優れた筋肉で夕立を受け止め、尻、腰、背中の順に地面へと落としクッション代わりとなる。凄く痛い
素早く首筋に触り脈を確認。正常に動いている。呼吸も出来ている。面も奇跡的に壊れてなかった。さすが明石製だなんともないぜ


(;T)そ「そんで次ぃ……!?」


身体を駆け巡った悪寒に、思わず声が上擦る。この感覚は銘治に来て何度も味わった。『禍魂』だ
夕立に巻き付く尾から、じわじわと漏れ出ている。たった一撃で昏倒したのはこれが原因か!!


(;T)「ふざけんなよ年端もいかねえ小娘にキモいもん流し込みやがって!!」


尾がキュウと夕立を締め上げ始めたのを見て、咄嗟に鷲掴みにする
弾力と滑りけのある太いワイヤーのようなそれは、俺の握力を以てしても握り潰すのは難しい
128L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:21:09 ID:Cqe()
菊一文字則宗「ゼハァーッ、ゼハァーッ!!ゲホッ、ゲホッ!!」


(;T)「……クソ!!」


獣棲艦から攻撃を受けた様子は見えなかった。それでも、菊さんの衣服はボロボロになっている
小夜と同じく、『刃こぼれ』の状態だ。獣棲艦の装甲を削る度に、刀身にもダメージが入ったのだろう
それでも尚、彼女は膝を着く様子が無い。荒い呼吸と血を含む咳を抑える事も無く、小刻みに震える脚を前に進める


(;T)「っ……」


息が詰まった。彼女はまだ『修羅』なのだ。夕立を解放するまで、例え両脚を捥がれようが、刀が折れようが前に進む
そんな菊さんを前に『来るな』の一声を、『充分だ』の労いを言える筈が無い。言葉を失うとは、正にこの事か
129L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:22:54 ID:Cqe()
(;T)「……」


ではどうするか?ご自慢の筋肉は通用せず、頼みの綱は瀕死一歩手前
抵抗する?勿論。だが解決には到らない。諦める?論外だ。お精子からやりなおせ


なら答えは一つ


(#T)「時雨ェッ!!!!!」


頼りになる『愛犬』にご登場願うのみだ


時雨「はいよっと!!!!!」


獣棲艦の身体を跳び越え、砂埃と青白い血で身を染めた時雨が尾をまたぎ着地する


時雨「失礼するよ……んぎぎぎぎぎ!!!」


尾を両手で掴み、歯を食いしばり持ち上げる。背中の艤装が燃料を燃やし煙を上げた
娘と言えど艦娘。駆逐艦と言えど艦の馬力。尾は少しずつ浮き上がり始める
130L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:23:09 ID:Cqe()
時雨「しつこいな……クソザコナメクジの分際で!!!!」


尾から伝う禍魂が時雨の手に纏わりつくが、接着した瞬間に蒸発する
ソボロ先生も言っていたな。『艦娘と巫剣は似たような存在』と。禍魂を祓う力があるのだろう


「そのまま抑えてろ時雨ェェェェエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!!!!!!!」


おっと、頼りになるのがもう一人


天龍「オオオオオオオオオオオオオオッッッッッラァアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」


禍憑の大群を切り刻んで来たであろう天龍が、ご自慢の得物を力強く叩きつけた
幾千もの深海棲艦をぶった斬って来た『艦娘の刀』は、ハイブリッド種の獣棲艦の尾も


「逞帷李逞帷李逞帷李逞帷李!!!!!!!!!!!!!」


例外なく一刀の下に切断した
131L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:24:29 ID:Cqe()
(;T)「助かった!!大群は!?」

天龍「大方ぶっ殺した!!蛍、菊さん保護しろ!!」

蛍丸国俊「はい!!」


菊一文字則宗「ゼハァー……夕立、さ……」


深く息を吐いた菊さんは、天龍達の登場で緊張の糸が切れたのか
駆け寄った蛍ちゃんに受け止められる形で気を失った


時雨「キモいキモいキモいキモい!!早く立ってほら!!」


切断した尾を解いた時雨は手に纏わりついた禍魂の感触が余程気持ち悪かったのか、スカートのすそで執拗に拭いた


時雨「秋雲ヤバそうだから僕行くね!!あと任せるから!!」

( T)「気ぃつけろよ!!」

時雨「僕を誰だと思ってんのさ!!」


ホルダーポーチから新たにクナイを抜き取り、息つく間もなく茂名の相手をしに駆ける


天龍「サッサと離れろ!!まだ死んじゃいねえぞ!!」


天龍の言う通り、獣棲艦からワンダウンを奪っただけだ。菊さん必死の攻撃も、『脚を痛めつけた』だけに過ぎない
倒しはしたが完全な切断とはいかなかったようで、よろめきながら立ち上がっている
三浦中尉も言っていたが、デカい対象にはそれだけの禍魂を必要とする。駆逐イ級なら相当な量を注ぎ込まれたのだろう
それは巫剣一人じゃ祓いきれる量ではないらしい。だが、奴の半分は『深海棲艦』だ


( T)「遊んでやれ天龍!!」

天龍「おうよ!!」


連中の駆除は俺らの生業。殺せぬ道理はない
132L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:24:58 ID:Cqe()
「譁ー荳也阜!!!!!!」


胸が膨らむ。『砲撃』の予備動作だ。だが生憎、『距離が近い』
砲弾がどこから発射されるのかわかっていれば、幾らでも対処が出来る。そう、例えば


天龍「おっと!!打ち止めだ!!」


懐に潜り込み、開いた下顎を斬り上げ、閉じさせてしまえば


「!!!????!?!???」


行き場を失った砲弾は口の中で炸裂するって算段だ


天龍「ハハッ!!恐くて声も……うおッ!?」


グシャグシャのジャンクになった顔面から重油のように液状化した禍魂が溢れ出る
強い粘性を持つそれは、慣性の法則を無視した動き……例えるなら、『上から鋭利な刃物で斬りかかるように』天龍を襲う


天龍「気持ちッ悪いし、往生際も悪ぃ!!」


咄嗟に刀で振り払い、大きく下がる。禍魂は地面へと飛び散ると、『禍憑』として形を作り始めた
狐のようなシルエットに、両前脚には『鎌』を携えている。身体からは陽炎のように邪気を放っていた
大きさこそ一メートル足らずと小柄だが、数が多い。顔面から零れる度に増えていく


天龍「護衛艦隊ご到着ってか。楽しませてくれるじゃねえか!!」


天龍(変態)は嬉々として斬りかかっていくが、そう長い時間楽しめないだろう
禍魂は護衛を生み出しているだけじゃない。破損した砲塔部の修復も始めている
アメーバが餌を捕食するかのように損壊部分を禍魂が包み込むと、動画を逆再生したかのように直っていく
133L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:26:11 ID:Cqe()
( T)「……」

夕立「ガ……ア……」


速攻で片を着けねばならない。その為に必要なのは、戦力の増強
腕の中の夕立は、尾から解き放たれた影響か既に目を覚ましている
すぐに暴れださないのは、『指示』を下していないからだ。言わば、『スリープ』の状態にある


( T)「夕立。大好きな菊ちゃんが、命削ってお前を救った。今度がお前が、その友情に応えてやれ」

夕立「ゴッ……ゴガガガ……」


彼女の身体が熱くなっていく。気を失っても掴んだままだった山刀が、血を欲さんと揺らいだ


( T)「『ゴー』!!!!」

夕立「ガゴゴゴゴゴガッゴオガアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」


俺の身体を射出台代わりに飛び出す。余りの力強さに倒れこみそうになったのを、踏ん張って堪えた


夕立「ゲガガガゴゲガァァァ!!!!!!」


『鎌鼬』風の禍憑数体を切断、勢い余って宙に消し飛ぶ。目もくれずに『本体』へと突貫
134L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:27:18 ID:Cqe()
夕立「ガゴガァァ!!!!」


跳躍し、顔面を両刀で殴るように斬りつけた。修復中の禍魂が飛び散り、獣凄艦の身体が大きく揺らぐ
着地と同時に地面を蹴り、今度は菊さんが削った右前足をぶっ叩く


「縺弱□繧後≠縺オ縺√↓縺!!!!!」


耳障りな破壊音と悲鳴が響く。元々折れる寸前だった前脚は、今度こそ耐久値を越えて断裂した
支えを一つ失った獣棲艦はガクリと体勢を崩す


夕立「ガッ!!」


山刀を逆手に握り返し、振り返りもせず背後に迫った鎌鼬を二体突き刺す
血飛沫のように吹き上がる禍魂を背に、今度は時雨の砲撃によって出来た装甲の皹に


夕立「ゴガガガガガガガガガガ!!!!」


山刀を刺し込んで大きく『抉る』。硬い装甲が瘡蓋の如く剥がれていった
135L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:27:56 ID:Cqe()
天龍「邪魔くっせえな!!!!紅葉、合わせろ!!」

紅葉狩兼光「よしきた!!おっちゃん、よろしく!!」

( T)「えっ?」


天龍は纏わりつく禍憑を鬱陶しそうに斬り払い、紅葉を呼んだ
何をよろしくすればいいのだろうかと考える間もなく


抜丸「あああああああああ!!!!???」

(* ー )「」


紅葉がいた方向から飛来する二人


(;T)そ「うおお無茶すんなお前ェ!!!!」

抜丸「うぶっ!?」


俺が類稀なる肉体の持ち主でなければ押し潰されて終わりだろうが、そんなヘマもなく受け止める
抱えてた二人の代わりに自前の刀を抜いた紅葉は、猫っぽい姿に恥じぬ高さの跳躍をする


紅葉狩兼光「紅葉狩ッ!!!!」

天龍「くたばりなァッ!!!!!」


上空から獣棲艦の頭への斬り落としと、地上からの斬り上げ。即席コンビの挟撃は


「縺?繧九≠縺ゅ§繧?>縺!!!????」


強烈な火花を散らし、既に半壊状態であった頭を完全にカチ割った


紅葉狩兼光「よし!!どう……うわっと!?」


それでも尚、獣棲艦の息の根は止まらなかった。犬が身に付いた水滴を払うかのような身震いを見せる
追撃をかまそうとした二人も、一度間合いを取らねばならなかった
鋼鉄の巨体が行えば、触れただけでも只じゃ済まないだろう。夕立は―――
136L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:30:25 ID:Cqe()
夕立「ゴゴゴグガガ!!!」


山刀を突き刺したまま、粘り強くしがみ付く。身体が縦に横にと大きく揺さぶられても尚、獲物に食らいつく狂犬は牙を放そうとしない
それに、負担は夕立だけではない。彼女と言う『振り子』を付けた山刀は、遠心力とテコの原理で次々と装甲を剥がしていった


「豁サ縺ャ豁サ縺ャ豁サ縺ャ豁サ縺ュ豁サ縺ュ……!!!???」


目に見えて弱っている。畳みかけるなら今だ


( T)「天龍、紅葉!!動き止めろ!!」

天龍「簡単に言ってくれるじゃねえかボケ!!」

紅葉狩兼光「任せてよ!!もう一発、ぶちかますよ天龍!!」


犬の身震い、今じゃ『柴ドリル』とも呼ばれているそれは、激しく動く身体に釣られ脚も多少ガクつく
つまり重量があれど、通常時より『不安定』になると言える。加え、今の奴は足下の損傷がデカい


天龍「せー……」

紅葉狩兼光「のォッ!!」


左前脚の両側から、タイミングを合わせた横薙ぎを脛に放つ。菊さんとはまた別の、豪快な太刀筋だ
掬い上げるように振り抜き、前脚を後方へと浮き上がらせる。両前脚の支えを失った獣棲艦は、前のめりに倒れ込んだ
137L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:30:36 ID:Cqe()
天龍「よっと」


内側から斬りつけた天龍は、潰される前に股の間を潜り抜けた


天龍「決めろ夕立!!」


夕立「ゴガガガガガァァァァ!!!!」


天龍達の働きと呼びかけに、咆哮で応える。産み出された鎌鼬が、『母体』の危機に標的を一つに絞った
夕立は周囲から自らに向けられた殺意を一切の反応を見せず、突き刺した山刀の柄を


夕立「ガッ!!!!」


肘で叩き更に深くへと沈みこませていく
138L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:31:18 ID:Cqe()



一撃


「髦ソ……!?」


ビクリと獣棲艦の身体が跳ねる


二撃


紅葉狩兼光「夕立ちゃ……!!」


禍憑の鎌が空気を裂いて夕立に迫る


三撃


夕立「ガァァアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!!!!」


ひと際大きく振り上げ、落とされた肘が、山刀の柄を完全に埋め込み
鎌鼬の集団が、夕立の姿を『飲み込んだ』




139L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:31:58 ID:Cqe()
(;T)「ッ……!!」


心臓が跳ね、息が止まった。これで殺せなければ夕立は引き裂かれてしまうだろう
鼓動一つすら長く感じる僅かな時間の後、変化が訪れる


「豁サ……」


獣棲艦の弱弱しい鳴き声を皮切りに、夕立を包む禍憑の集団が霧散していく
黒い繭が解けていくような現象の中から、深海棲艦の青白い血で染まった『金髪』が浮かび上がる


夕立「……」


ズルズルと獣棲艦の身体から滑り下りた夕立は


夕立「ゴ……ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!」


朝日で明るみ始めた空に、勝鬨を上げた
彼女は見事、勝利を以てして菊さんの『友情』に応えたのだ


(;T)「夕立、『解除』!!」


しかし喜ぶのは後だ。早めに『狂化』を止めないと、夕立は心臓ぶっ壊れるまで動き続ける
『変身』と同じく脊髄反射で熊さんのお面を外した途端、体力の限界からか膝から崩れ落ちる


夕立「ハァー、ハァー……!!」

(;T)「天龍、周辺の警戒!!紅葉、悪いが夕立背負ってくれ!!暫く動けねえ!!」

紅葉狩兼光「りょーかい!!」


紅葉と共に夕立に駆け寄り、状態の確認をする。身体に幾つかの切り傷が見受けられたが、どれも浅い
ギリギリ間に合ったらしい。流れる冷や汗を拭いたかったが、今は両手が塞がっていた
140L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:33:20 ID:Cqe()
夕立「ハァー、……っ、菊ちゃん、は……?」

(;T)「ちゃんと生きてるよ。よくやった」

夕立「良かった、けど……い、痛いよぉ……」グスグス


いつもの夕立に元通りだ。泣きべそをかき始める
急激な豹変を見て呆気に取られたのか。それとも頭可笑しくなったのか。抜丸がなんか弱弱しく笑った


天龍「おい」

( T)「なんだこの野郎。警戒はどうした」

天龍「警戒もクソもねえよ。見ろ」


天龍が刀で差す先では


以;メ益゚以「ガハッ……グゥ……」

時雨「……」


ワンサイド・ゲームが終わろうとしていた


時雨「クソザコナメクジにしては、頑張った方だよ」


時雨も無傷とは言えない。切れた頬の傷口から垂れる血を拭う
秋雲に到っては出番が無かったのか、座って休憩してる。呑気かよ
しかしそれ以上に、茂名の状態は酷かった。顔面の半分は切り刻まれ、胴は機銃によって風穴だらけだ
アレでまだ息があるのには驚きだが、回復に使う余力すら既に無いように見えた


抜丸「凄い……」

( T)「せやろ」


後はトドメを待つばかりか。最後に何を吠えるか、聞きに行くのも一興だろう
141L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:35:20 ID:Cqe()
( T)「良い様だな、大尉殿」

以;メ益゚以「っ……」

時雨「僕の無双っぷり見てた?」

( T)「見てないけど?」

時雨「なんで?????」

( T)「いや……向こうの相手してたから……」


以;メ益゚以・'.。゜「ガボッ!!ゴボ……」


喀血のように禍魂を吐く。今度こそダメージに依るものだったらしく、地面に出来た黒だまりは蒸発を始めていた


以;メ益゚以「ココマデ、トハ……」

時雨「ねぇねぇどんな気持ち?手違いで呼び寄せた最ッ高に可愛い女の子にぶっ殺されるのってどんな気持ち?ご褒美?」

( T)「ねぇねぇどんな気持ち?こんなアホにぶっ殺されるのってどんな気持ち?」

時雨「死ね」

( T)「お姫様に向かって死ねとはなんだお前」

天龍「ほんとお前ら二人揃うとふざけてばっかだな」


時雨はクナイをクルクルと弄んだ後、上に投げてホルダーポーチの蓋を開ける
空中で回転しながら落下したクナイは、寸分違わず内へと収納された
ポーチの蓋を親指で弾いて閉めると、片側だけ展開した砲塔を代わりに握った


時雨「しぃの誘拐に城和泉の暴走、桜禍糖の流通に、部隊の私物化。僕の私物を連れ去った上に、世界一可愛い僕の顔に傷までつけた」

( T)「誰がお前の私物だ」

時雨「執行猶予無しで余裕の死刑だね。最後に言い残すことは?」


こいつ絶対言い終わる前に殺るよ
142L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:38:20 ID:Cqe()
以;メ益゚以「……浜の真砂はt 時雨「はい時間切れ」


言い終わる前に、砲塔が火を噴く。榴弾が爆散し、茂名の上半身が吹き飛んだ
辛うじて残った下半身もバタンと呆気なく倒れ、徐々に融解していく
やるかなって思ったら本当にやりやがった。情け容赦無さ過ぎて笑う


抜丸「キュウ」


そんで砲撃音で抜丸が伸びた。わかるけど、すげーうるさいけど


時雨「はぁー、お腹空いたし、帰ろうか」

秋雲「さんせー」

( T)「『さんせー』じゃねえよ。まだなんも解決してねえだろうが」

時雨「そうだっけ?」

( T)「お前、あの洋館で茂名の話聞いてた?」

時雨「オッサン同士の会話なんて覚えとく必要あるの?」

( T)「はいアホ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!」

時雨「クソ提tあだっ!?」


天龍のゲンコツが時雨の頭に落ちる。余程痛かったのか、時雨は頭を抑えながら呻いた


天龍「秋雲見たか。こいつらの会話はこうやって終わらせろ」

秋雲「それマジで限られた人と艦しか出来ないから。そんで、まだ何かあんの?」


まだ何かもクソもない。俺達は『共犯者』をぶっ殺しただけで、肝心の目的を完遂してはいないのだから
143L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:39:20 ID:Cqe()
( T)「夕立がぶっ殺したハイブリッド棲艦は『時雨』と同時に特異型禍要柱によって呼び込まれた深海棲艦だ」

夕立「ぽい……」

秋雲「だからそれはもう倒したじゃん」

( T)「確かに倒した。『時雨』と同じタイミングで呼び込まれた深海棲艦はな」

天龍「って事は……」


ここまで言えば、この場にいる全員が察するだろう。時雨がここに来て約一か月後、今度は俺達が銘治に現れた


天龍「俺達と同じタイミングで呼び込まれた深海棲艦がまだ残ってるってか?」

( T)「そう考えるのが筋だろうよ。世界を相手取るには駆逐艦一匹じゃ物足りねえだろ?」

秋雲「でも、ウチらは貞子ちゃんの霊力的な何かでここに来たわけじゃん?時雨ちゃんの時とは条件違わなくない?」

天龍「いや、同じだろ。そもそも、時雨も呪い的な何かで送り込まれちまったんだろ?それが意図的かどうかの違いだけだ」

紅葉狩兼光「大分ふんわりした感じで来たんだねキミたち」

( T)「いつもの事だ。つまり、菊さんと俺除く三艦分に該当する深海棲艦が追加で呼び込まれている可能性はある」
144L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:39:58 ID:Cqe()
もしかしたらアレだ。銘治側の何某が向こう行ってるかも知れないが、菊さんの場合『特異型に触れた』という条件があった筈
両世界間の今のバランスは、マッスル鎮守府側マイナス5、銘治側プラス5とかなんかそういう感じかもしれないふええむずかしいはなしわかんないよぉ


( T)「思わず幼女になっちまうかのようなややこしい話だがな……」

天龍「幼女の要素どこにあんだよ」

秋雲「じゃあ、少なくとも残り三体は深海棲艦がどっかにいるってこと~?」

( T)「恐らくはな。それに……」



「おい、無事か!?」



おっと、おいでなすった



(;゚д゚ )「砲撃音が聞こえたが、其方の仕業か!?」



何処かに潜んでいたであろう『首謀者』が
145L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:40:49 ID:Cqe()
(;゚д゚ )「なんだこのバケモノは……蛍くん、何があった?」

蛍丸国俊「えっと……」


(#T)「そこで止まれ三浦中尉ィッ!!!!!」


三浦、そして彼と一番近い蛍ちゃんの身体が怒号によって跳ねる


(;゚д゚ )「な……どうしたと言うんだ?」

( T)「今までどこで何してやがった?」

(;゚д゚ )「私では足手まといになると思い、他の援護に当たっていた……それについて怒っているのか?」

( T)「違ぇよ。もっと根本的な話だ」



( T)「この事件、お前が主導だろ」



(;゚д゚ )「は……何を根拠に?我々は協力者だろう!!」

( T)「協力?ああ、まぁ、行動は共にしてたが、俺は一度たりともお前を信用しちゃいねえ」

(;゚д゚ )「それは私が陸軍と言う立場だからか?」

( T)「いーや、ちゃんと理由はあるぜ。そもそも、地下牢で出会った時から会話の違和感と矛盾があった」
146L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:41:23 ID:Cqe()
そう、例え捕らえられているとは言え、敵勢力側の人員をハナから信用する筈が無い
だから俺は『観察』と、会話の中に幾つかの『仕掛け』を施した
奴は気を抜いていたのか、そもそもアホだったのか、まんまと引っかかりやがった


( T)「一つ一つ説明してやろうか?最初の違和感はお前の手首だ」

(;゚д゚ )「手首?」

( T)「今はもうヤバめの薬で治ってるが俺は両手首に『擦り傷』があった。陸軍に連れ去られて、拘束された時に出来たもんだろうな」

時雨「拘束具何製だったの?」

( T)「革だけど?」

時雨「なんで引き千切って皆殺しにしなかったの?やる気あるの?」

( T)「ごめんちょっと静かにしてて?」
147L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:41:45 ID:Cqe()
( T)「お前は言ったな?『多少手ひどく痛めつけられた』と。まぁ、結構ボコボコにされたんだろうなってわかる程度の怪我は見受けられた」

( T)「だが、俺がお前を壁に押し当てた時、『手首』は綺麗なもんだったよ。つまり、『拘束』の痕は残ってなかった」

( T)「可笑しいよな?裏切りがバレた奴を縛り付けもせず、フリーハンドのまま制裁を加えるなんてよ?」

(;゚д゚ )「……憶測で物を語るのは賢い行いとは言えんぞ」

( T)「最後まで聞けや。これと関連してもう一つ違和感が生じる。お前が飲まされたっつー『桜禍糖』だ」

( T)「危険性をわかっているなら、当然抵抗はする。いくら茂名の頭が悪かろうが、それくらい察するだろうよ」

( T)「なら当然、確実に注ぎ込むためには俺と同じく椅子にでも縛り付ける必要がある。まぁ、飲まされてる間は気絶してたとでも言い訳は出来るがな」


所がどっこい、目の前のアホはその逃げ道すらもテメーで潰した


( T)「だがお前はこうも言った。桜禍糖を飲まされた時、『すぐに吐き出した』と。意識のねえ人間には出来ねえ芸当だよなぁ?」

(;゚д゚ )「だが実際、私の身体はあの毒によって犯されている。それは貴様も見た通りだ」

( T)「そんなもん幾らでも演技出来んだろうが。証明にはなりゃしねえよ。ついでに言うと、『すぐに吐き出した』ってのも怪しい証言だぜ?」

(;゚д゚ )「何が……?」

( T)「俺が飲まされた時は、一気に身体の力が抜けた。抵抗する余力も残されないほどにな」

( T)「テメーも同じ物を飲まされたかどうかは知らんが、裏切り者に薄めた毒を注ぎ込むとは思えねえし、ますます疑惑は深まった」


(;゚д゚ )「……」


お喋りは得意ではないらしい。いいだろう、続けさせてもらう


( T)「次。これはキモい洋館で茂名と会話してからずーっと残ってた謎なんだがな、奴は俺達の帰還を引き換えにこれから起こることに対して一切の手出しをするなと要求した」

( T)「当初、俺達は時雨……『艦娘』の兵力と未来の情報を引き換えにそれを引き出す筈だった。だが、奴はほぼノーリターンで特異型禍要柱を差し出すと言った」

紅葉狩兼光「時雨を売るつもりだったの!?酷いよ!!」

( T)「しねえよそういう体で陸軍を白か黒かハッキリさせようって作戦だったんだよ」

時雨「酷いよねー、僕をあんなやらしい場所に連れて行ってさぁー」

( T)「お前ちょっと黙れ」
148L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:42:48 ID:Cqe()
( T)「まぁ、求めていたものが『艦娘』ではなく『深海棲艦』なのは誤算だったが、それで『情報』はいらないって事にはならねえ。戦争に置いて戦力よりも重要なファクターだからな」

( T)「そこで俺は思った。もしかしたら情報は『必要ない』のではなく、既に『ある』んじゃないかってな」

(;゚д゚ )「……それと、私に何の関係が?」

( T)「あるんだな、これが。俺との会話を覚えているかどうかは知らんが、一度こう言ったんだ」



( T)「『ロシア、アメリカを手中に収める為に圧倒的兵力の増強を企み始めた』」



( T)「お前はそれにこう返したよなぁ?『その通りだ』と」

(;゚д゚ )「……ああ」

( T)「間違っちゃいねえ、間違っちゃいねえよ。だがな、アメ公共とかち合うのはもっと先の話だ」

( T)「それに、茂名は『来るべきロシアとの戦争』とは言ったが、アメリカの事は一言も話しちゃいねえ。なのにお前は俺の問いかけに対してすんなりと『その通りだ』と答えた」

(;゚д゚ )「早かれ遅かれの話に過ぎない。どちらにせよ、茂名の標的は世界へと向いていたはずだ!!」

( T)「かもな。だが、ここに到るまでのお前の隙や違和感を鑑みれば、疑問視して当然の反応だと思うぜ?」

時雨「バカなりに考えて喋ってたんだね。普段からそうならいいのに」

( T)「ああ、お前と違って頭賢いからな」

天龍「一々バカの言う事に反応すんな」


めいじ館からの助っ人も、目の前の男に対して警戒を強める
一番近くにいた蛍ちゃんは、菊さんを抱えたままゆっくりと下がり
逆に俺らの傍にいる紅葉は尻尾の毛を僅かに逆立てて一歩前に出る
149L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:43:37 ID:Cqe()
(;゚д゚ )「……めいじ館と、流石殿と内通を謀ったのは私だ。過去にも協力関係がある。キミ達は、素性も知らぬ男と私、どちらを信じる?」

紅葉狩兼光「考えるまでも無いよ!!そうだよね、蛍!!」

蛍丸国俊「紅葉さんの言う通りです。城和泉さんや若旦那さんを助けて下さった方々が、嘘を吐くとは思えません」


全く、これまでの苦労が吹き飛ぶね。身体張った甲斐があるってもんだ


(;゚д゚ )「っ……それでも私は……!!」

( T)「わかったもういい。そこまで食い下がるのなら、最後に一つだけ決定的な情報を伝えてやる」

(;゚д゚ )「なんだ……?」

( T)「西暦1885年9月13日から、同年11月25日」

(;゚д゚ )そ「ッ!!!!???」


おっと、青ざめたか。心当たりはあるようだな


( T)「前回の特異型禍要柱による異世界人召喚期間だ。富士見支部……みやこ屋周辺で起こった事件らしいな」

( T)「そして今回、そのクソ柱によって時雨と菊さんが互いの世界間で入れ替わった。『入れ替わり』、女将はそこが引っかかった」

( T)「御華見衆本部、そしてみやこ屋に『前回の特異型発生時に捜索願を出された奴はいるか』と調査依頼を出したらしい」

(;゚д゚ )「……」

( T)「そしたら、一人だけその期間に該当する行方不明者がいたそうじゃないか。なぁ?」




( T)「異世界旅行は楽しかったか?三浦中尉殿」



(;゚д゚ )「……」





150L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:44:12 ID:Cqe()
抜丸が俺にこっそり隠し渡した紙に書かれていた、女将からの情報
菊さんが今回発生した特異型で俺ら側に送られてきたのなら、前回も同じような現象は起こったのではないかという仮説からの調査結果
その被害者が、まさかめいじ館と内通していた陸軍将校だったとは思っても居なかっただろう

前回の特異型発生時に、別世界側の人間と三浦が『入れ替わった』としたなら、未来の情報源の説明もつく
もしもそれが『俺達の世界』であるならば、艦娘や深海棲艦の情報すらも手に入るだろう
当然、これも推測に過ぎないが、だとしても行方不明期間の一致はあからさまに怪しい。少なくとも、捕縛及び尋問の対象にはなる


( T)「まだ『違う』と言い張るのなら、同行と留置のご協力を願いたいもんだがね?疑惑が晴れた時には、既に何もかも終わってるだろうが」

( T)「それとも……化けの皮を剥がしてみるか?こっちはまだまだ遊び足りねえ奴が残ってんでな」


( д )「……」


下手な言い逃れが尽きたのか、三浦は言葉を失くしガクリと項垂れた
余裕のある天龍と紅葉に目くばせをし、身柄の確保を命じる
だが茂名であの暴れ振りだったのだ。何か隠していないワケが無い


( T)「……」


『大人しい』。二人が駆け足で近づいて行っても、逃げる素振りすら見せない
諦めたか?それとも、俺の推理が間違っていた?いや、怪しい事に代わり無い。間違いだとしても容疑者は一人減るんだ


( д )「……」


( д )「『迂闊』だな」


(;T)そ「ッ!!」


右脇、抱えている若から『悪寒』が腕を伝わり身体を昇る。咄嗟に逆側の抜丸を投げ飛ばした
『しまった』。若も『桜禍糖』を流し込まれていたのなら




(* Д )「オオオオオオオオオオ……!!」




体内に『禍魂』を宿してるって事になるじゃねえか!!
151L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:46:32 ID:Cqe()
(* Д )「ガァア!!!!!」


乱暴に振られた左肘が、下腹部にめり込む。細腕から放たれたとは思えない威力に、身体が苦痛で前のめりになった
しかも悪い事に右腕は茂名に殴られ皹が入っていた。これも力づくで解かれる


(* Д )「ゴァァァァ!!!!」

時雨「こいつっ……!!」

(;T)「やめろッ!!!!!」

時雨「なぁ!?」


抑え込もうとした時雨を止め、俺の首元に伸びた若の手を掴んで抑える
やはり人の力じゃない。このままだと、若の身体が先に潰れちまう


(;T)「奴が操作しているなら……生死の剥奪権すら手の中にある可能性がある!!」

(;T)「若はまだ『人質』だ!!迂闊に手を出せば、どうなるかわからん!!」

(* Д )「ゴ……ガ……!!」
152L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:46:51 ID:Cqe()



( ゚д゚ )「見た目より聡明だな。驚いたよ」



まんまと俺から『禍魂退治の専門家』を引き剥がした三浦の表情に、先ほどまでの焦りはない
『バレた所で問題ない』とでも言いたげな、余裕すら感じる


天龍「てめぇ……」

( ゚д゚ )「おっと、私を刺激しない方が良い。彼の言う通り、私の指先一つ傷つけば、椎名くんの中にある禍魂は何をしでかすかわからんぞ」

紅葉狩兼光「ひ、卑怯者……!!」

( ゚д゚ )「用意周到と言ってもらいたいものだがね。ああ、安心したまえ。椎名くんをどうこうするつもりはない」


確かに、奴の協力者には未だ姿を見せない『北谷菜切』がいる。若に何かあれば、矛先は三浦にも向かうはずだ
なら、目的は一体何か?考えるまでも無い。追い詰められた悪党が取る道は片手で数えられるほどしかない


(;T)「『時間稼ぎ』か……!!」

( ゚д゚ )「その通り」
153L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:48:01 ID:Cqe()
( ゚д゚ )「安心しろ。巫剣が適切な処置をすれば元の彼に戻るだろう」

紅葉狩兼光「ッ……」

蛍丸国俊「……」


比較的傷の浅い二人が目を合わせ、下がろうとするが


( ゚д゚ )「『まだだ』。話は終わってない」


三浦は許さなかった


抜丸「て、提督さん……」

(;T)「大丈夫だ、まだいける」


と、不安げな表情を向ける抜丸に強がりを言ったが、正直な話、禍魂と右腕の皹で限界が近かった


( ゚д゚ )「艦娘とやらの練度、装備の火力、そして率いる隊長自身の強さ。見事だった」

(;T)「そりゃどうも……賞賛はいいから結論だけ話せ」

( ゚д゚ )「これは失敬。では本題を」
154L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:48:25 ID:Cqe()




( ゚д゚ )「『海で会おう』。無事で済んだらな」




(;T)「無事……!?」


それだけ言い残し、三浦は背を向けた。言葉の意味は、すぐに理解した


(* Γ )「ゴプ……」


頬を蛙のように膨らませ、唇の端から黒い液体を垂らせる若
『またゲロか』。呆れと共にそう思った瞬間には


(* Д )・'.。゜「ゴボボボボボゴゴボボボ!!!!!」


噴水のように勢いよく、顔面に禍魂が吹きかけられた
155L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:49:30 ID:Cqe()
(;T)「オップ……!?」


「「提督!!」」


時雨と秋雲の声がするが、応えられない。スライムのように粘り気のある禍魂が、気道や食道を塞いでいた
体内に入って直ぐにわかった。今度は『ガチ』で俺を獲りに来たと


(;T)「……!!」


掴む腕越しに、若の身体の力が抜けていくのを感じて放す。その手を広げて、『近づくな』とボディランゲージで伝えた
気分はシンビオートに犯されるエディ・ブロックか。異世界に来てヴェノム化とか、弥生が聞いたらどんな顔するかな?


(;T)「……」


クソ、意識が遠のいてきやがった。これはもう任せるしかない
『無事で済んだらな』と言ったなあの野郎。その言葉、覚えてろ




(;T)「」




絶対にテメーの元まで辿り着いて、顔面陥没するまでぶん殴ってy――――
156L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:50:16 ID:Cqe()








「繝槭ャ繧ケ繝ォ繝槭ャ繧ケ繝ォ繝槭ャ繧ケ繝ォ!!!!!!!!!」







ようやく喉から発せられた声は、散々聞いた獣棲艦と全く同じ、おぞましい叫びだった






157L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:50:34 ID:Cqe()







第四章へ続く
158L6OaR8HKlk :2018/09/27(木)10:52:54 ID:Cqe()
終わりです。お疲れさまでした
次回で銘治時代編最終章になります
159名無しさん@おーぷん :2018/09/27(木)20:09:33 ID:zTc
初めて読んだけど艦これだけのネタの前作までは
面白いけど他のゲームとのクロスだと
やったことがないゲームだし話についていけなかった...
160名無しさん@おーぷん :2018/10/06(土)04:03:31 ID:TGf
更新乙!
また続きが読めて嬉しいです!
161名無し :2018/10/08(月)03:49:55 ID:h2e
シビれるぜ…(ゾクゾク

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【艦これ】艦天って略すとカロリー低い食材みたい 第三章【天華百剣】
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