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【安価】「提督!ラーメン食べに行くでち!」

1名無しさん@おーぷん:2018/09/13(木)19:39:43 ID:TrE()
現実逃避スレです。まずは注意事項を。

・提督とでっちとゲスト艦娘が安価で指定されたジャンルのラーメンを食べに行くだけのスレです。
出てくるお店は基本的に>>1が行ったことがある実在のお店です。
感想は個人の感想なのであしからず。実際に食べに行って後悔しても知りません。

・基本的に提督視点の地の文進行です。ゴーヤちゃん視点も慣れたらやります。

・二次創作は初めてなうえ、艦これ引退から2年近くたっているのでキャラが違うとのお叱りあるかもしれません。ご容赦ください。
また、更新は遅めです。不定期更新になります。

・ジャンル指定は細かいものも可です。ベジポタ系とかエビ系とか貝系とか、基本色々対応できます。
なお、一部を除き首都圏のお店になります。ご容赦ください。
「何でこの店じゃねえんだよ!」とのお叱りは甘んじて受けます。店選びは筆者の趣味です。
2名無しさん@おーぷん :2018/09/13(木)19:51:31 ID:XzH
よしこい
3名無しさん@おーぷん :2018/09/13(木)20:00:53 ID:TrE()
「提督ぅ、お腹すいたでち……オリョクルで限界でち……」

執務室のソファーで、ゴーヤが寝っ転がっている。この暑さもあって、汗だくだくだ。

「すまんな。だが大規模作戦が9月からあるのは知ってるだろ?平時の今のうちに資源貯めねえとやべえんだよ」

ゴーヤが青筋立ててガバりと起きた。

「提督はいっつもそうでちね!で作戦終わったら資源はすっからかんでち!
前なんか作戦中に資源切れて、オリョクル行かされるし……どうしてこんなブラ鎮に配属されたでちか。そんなに甲勲章が大事でちか」

「ブラ鎮じゃねえだろ。赤疲労どころかオレンジでも出撃はさせない。殉職未だゼロ。オリョクルも3交代制だろうが。
これで他よりいい待遇なんだ、文句言うんじゃねえ。冷暖房どころか床暖房まであんの、うちくらいだぞ?」

ゴーヤが深い溜め息をつく。

「ごめん、提督。分かってるでち。提督はよくやってるでち。
でもこの暑さ、この重労働。愚痴も言いたくなるでちよ。……何か精の出る食べ物食べたいでちねぇ……」

「精の出る、なあ……何だろうなあ……」

作戦前にステーキやら金のかかるものは出せない。困った。
だが秘書艦としてゴーヤはよくやってくれている。何か報いたいが……。

ゴーヤがポンと手を叩いた。

「そうだ!ラーメン!ラーメンでち!麺類だし消化もいいし、元気出るでち!
そうと決まったら、提督、行こ?」

にっとゴーヤが笑う。この笑顔に、俺は弱い。

「ラーメンは消化悪いはずだがな……まあいい。ただ、店選びは俺に任せろ。どんなのが食いたい?」

※安価下2でジャンル指定
4名無しさん@おーぷん :2018/09/13(木)20:03:58 ID:XzH
二郎
5名無しさん@おーぷん :2018/09/13(木)20:04:05 ID:TrE()
sageていたので上げます。
6名無しさん@おーぷん :2018/09/13(木)20:04:40 ID:w1g
>>4
7名無しさん@おーぷん :2018/09/13(木)20:19:16 ID:TrE()
「二郎でち!何かこう、元気でそうじゃない?」

俺は大きな溜め息をついた。

「お前なあ……二郎がどんな食い物か理解して言ってんのか?」

「え?野菜たっぷりのスタミナラーメンでしょ?そのぐらい知ってるでち」

「おーまーえーはばーかーかぁあ!!」

拳骨でゴーヤのこめかみの辺りをグリグリとやる。「痛い痛い!」と彼女が叫んだ。

「いたた……いきなり酷いでち!やっぱりブラ鎮でち!
単に量がタップリある、コッテリラーメンでしょ?そんなに怒る必要ないでち!」

「その認識が甘いのだ!二郎は戦場!ロット乱しは大罪!そしてそうなりがちな女子供は入るなり白眼視される!そういう場所なんだよ!
いかにおめーが大食いだろうと、そういう場所に行って耐えられるのか?」

ゴーヤは口を尖らせた。

「……二郎には行ったことないけど、そのぐらい余裕でち。提督こそ、ゴーヤを舐めすぎでち」

「言ったな??……まあ、覚悟があるようだからよしとしよう。ただ、行って文句は言うなよ。
それと、絶対大は頼むな。コールは基本のニンニクだけにしろ。それさえ守るなら、最高の二郎に連れていってやる」

「本当でちか??さっすが提督、頼りになるでち!!
……で、一つお願いがあるんだけど。もう一人、連れてきていいでちか?」

「ん、もう一人?」

「そうでち」とゴーヤが頷いた。

「疲れてるのはゴーヤだけじゃないでち。疲れと夏バテで、ぐっだぐだになってる子がいるでち。彼女にも元気になってほしいでち」

「んー、まあ構わんが。誰だ?」

※安価下2(最近過ぎる子は再安価をお願いすることがあります)
8名無しさん@おーぷん :2018/09/13(木)20:21:27 ID:XzH
かそくした
9名無しさん@おーぷん :2018/09/13(木)20:21:30 ID:zvm
天下一品
10名無しさん@おーぷん :2018/09/13(木)20:21:36 ID:USa
ポーラ
11名無しさん@おーぷん :2018/09/13(木)20:22:09 ID:zvm
間違えたすまそ
12名無しさん@おーぷん :2018/09/13(木)20:29:18 ID:TrE()
「ポーラでち。この前も夜廊下でバテバテになって潰れてたでち」

「……あの馬鹿の場合、疲れや暑さじゃなくて単に酔い潰れてるだけだろうが。ザラにでも任せとけ」

「でも、本当に辛そうだったでち。提督は薄情でち」

ゴーヤが頬をぷくっと膨らませた。

「ポーラか……そもそもラーメン食ったことがありそうもないんだが。いきなり二郎はハードルが高過ぎないか?」

「大丈夫でち。『全鎮守府B級グルメ王』の提督が選ぶ店なら、間違いはないでち」

「何だよそれ……そんなの獲ったことねえぞ……。まあいい。ポーラも連れていってやる」

「さっすが提督でち!じゃあポーラ呼ぶでちね。ちょっと待っててでち」

ゴーヤがパタパタと部屋を飛び出していった。……大丈夫なんだろうな……。
13名無しさん@おーぷん :2018/09/13(木)20:44:32 ID:TrE()
#

「Buon Giorno……あ、提督ぅ、元気ですかぁ……」

ポーラはゴーヤに肩を抱えられて現れた。顔面蒼白で、見るからに元気がない。

「俺はいい。問題はお前だ。どう考えても元気じゃねえよな?飲み過ぎだろうが」

「ひどいですぅ……お酒飲む元気もないんですよぉ……Giapponeの夏、おかしいですぅ……飲まなきゃやってられないのに、飲む元気もありません……」

ゴーヤが俺を睨んだ。

「ね?本当に元気ないでしょ?ゴーヤは正しかったでち」

「まあそうだな。だが、二郎は体力を要する食い物だ。それで本当にいいのか?」

※ポーラの二郎に対する知識
コンマ下!randomで、ただし海外艦につき-40修正。マイナスは0として扱う
(ゾロ目の場合ペナルティ解除で振り直し、100はゾロ目扱い)
14【90】 :2018/09/13(木)20:47:59 ID:XKV

15名無しさん@おーぷん :2018/09/13(木)20:49:25 ID:wsP
よく知ってるな
大食らい達から伝え聞いていたか
16【22】 :2018/09/13(木)20:50:31 ID:XzH
日本に染まってますねえ!
17名無しさん@おーぷん :2018/09/13(木)21:09:21 ID:TrE()
※90-40=50……少し詳しい一般人程度

「GIROU!いいですねぇ~。ヤサイニンニクアブラマシマシですぅ~」

「……!?ポーラ、二郎知ってるのか?」

「はい~。Giapponeは珍しいパスタの宝庫だって聞いてました~。特にGIROUは呪文を唱えると出てくるらしいですね~。量もたっぷり、元気出そうです~」

ポーラが急にシャキッとした。ゴーヤよりは知ってそうだが、何か根本的な勘違いをしてそうでもある。

「ん、まあ……合ってるような、そうでないような……というかそのコール、本気でやるつもりなのか?」

「はい~。テレビでやってましたし~。でも、食べたことはないんです~。ポーラ、楽しみです~」

天真爛漫に笑うポーラを見て、俺は頭を抱えた。マシマシは店によって基準が違う。少ないところならいいが、多いところだと……大惨事世界大戦だ。俺でも食えるわけがない。

となると、店選びは慎重にしないといかん。二郎といっても個性は色々。ここは……

1 やはり二郎は本店だ。まず基礎を知ってもらおう
2 やはり二郎は殺伐だ。地獄を見てもらおう
3 さすがに年頃の女の子に二郎はきつい。せめて食いやすい二郎を……
4 思いきって変化球だ。食えるかどうかは知らんが、こいつで勝負だ
5 もう二郎じゃなくていいや。だがインスパイア系最強、いや二郎系最強のあそこだ

※3票先取です。
なお、店はどれも違います。
18名無しさん@おーぷん :2018/09/13(木)21:10:13 ID:TrE()
なおJIROUではないのは仕様です。イタリア語にJの文字はないのです。
19名無しさん@おーぷん :2018/09/13(木)21:11:18 ID:tGh
3
20【12】 :2018/09/13(木)21:12:24 ID:XzH
3
21名無しさん@おーぷん :2018/09/13(木)21:22:46 ID:w1g
3
22名無しさん@おーぷん :2018/09/13(木)21:23:34 ID:TrE()


第1話
ラーメン二郎 関内店
23名無しさん@おーぷん :2018/09/13(木)21:23:34 ID:e9c
3

2は神保町
3は一之江
4は野猿
5は池袋
かなあ
24名無しさん@おーぷん :2018/09/13(木)21:24:38 ID:TrE()
今日はここまで。次回更新は来週火曜までには。
25【2】 :2018/09/13(木)21:26:31 ID:XzH
おつですー
26名無しさん@おーぷん :2018/09/13(木)21:29:48 ID:TrE()
>>23
ネタバレになりますが、私の中では

2 目黒
4 桜台
5 豚星。

でした。2は異論あるかもですが、最近取引先が行って痛い目見たとか。
4は平打ち&巨大豚ですね。あまり見ないタイプだと思います。野猿で康太登場も考えましたが、最近は川越ばかり行っているようで……。
5はまあ、無難でしょう。日吉生の聖地ですね。
27名無しさん@おーぷん :2018/09/13(木)22:08:55 ID:e9c
目黒は500円で食えることが売りだね
感じは確かに悪い場所

桜台か、あそこはなあ
昔は良かったけど今は店主もろくに立ってないし店員の態度も最悪だから行かなくなった、随分不味くなったし、不衛生すぎて変わり種以前な気も

豚星は行ったことないけど耳にはする
今度行ってみようかな
28名無しさん@おーぷん :2018/09/13(木)22:14:04 ID:e9c
あと今の桜台は巨大豚は常連にしか出さないぞ
一杯ツイッターとかブログで宣伝して媚び売らないと豚増ししても豚増されない位だから
29名無しさん@おーぷん :2018/09/13(木)22:19:04 ID:TrE()
>>27
ああ、店主が立たなくなったんですか。それは知らなかった……。
最後に行ったのが7年ぐらい前ですから、今とは違ってて当然ですね。失礼しました。

豚星。はデフォより限定ですね。旨いです。
なお、仮に選ばれていたらポーラには死んでもらうつもりでした。すり鉢と別盛り、推定3kgという危なすぎる代物が……
30名無しさん@おーぷん :2018/09/13(木)22:39:01 ID:e9c
軽く調べたけど豚星って色んな種類のメニューあるんだな
独創的で面白いわ、結構安いし
メニューはあまり変えない二郎とはある意味真逆
インスパイアの強みを活かしてるって感じだ

本家二郎は三田のjrが近年でしゃばってきてから油そばとかやりにくくなっちゃったからな
新しい試みしがちな野猿とか西台とかは目つけられてきたしどうも窮屈感ある
まだまだブランドの輝きはあるけどそのうち崩れるかもね
ついでにjrが店に出るほど三田も不味くなるしw
31名無しさん@おーぷん :2018/09/13(木)22:47:29 ID:CRC
>>30
本店については仰る通りで、コンマで店主かJrかやるつもりでした。ブレがでかすぎて、ちょっとキツいですね。
インスパイアのレベルが急激に上がっている今、二郎という看板だけではもう厳しい時代は来つつあります。
32名無しさん@おーぷん :2018/09/14(金)12:34:03 ID:4Gu
「よし分かった。関内行くぞ」

「関内?ちょっと横須賀からは遠いでちね。まあ、東京よりは近いけど」

ゴーヤが首をかしげた。

「二郎の大半は東京にある。最寄りの二郎が関内だってのが、まあ理由の一つだな。それと、二郎初心者には色々良い店だというのがでかい。
いきなり殺伐としたストロングスタイルの二郎でも良かったが、せっかくだから接客含めた『最高の二郎』を味わってもらいたいわけだな」

「さっき戦場とか言ってたでちね。そんなヤバいとこなんでちか?」

「まああれは脅しも込めてる。ただ店にもよるな。っと、詳しい説明は後だ」

時刻は11時を少し過ぎている。今からだと行列は避けられない。

「熱中症対策に帽子か何か用意しろ。それと飲み物。黒ウーロンは現地調達するが、1時間は並ぶからな」

「1時間ですか~?ずいぶん並びますねぇ~、何か軽くcocktailでも買っていいですか~?」

ポーラの能天気な言葉に、俺は盛大な溜め息をついた。

「お前なあ……この炎天下、酒なんて飲んで脱水症状起こしたらどうなるよ。関内はアーケードの屋根があるからまだ待ちやすい部類だ。お茶か何かで我慢しろ」

「むう、しょうがないですねぇ~。食べ終わったら飲みますよ~」

「好きにしろ」

俺はスマホで関内の情報を調べた。……ほう、今日は「アレ」があるのか。試さねばなるまいな。

「ゴーヤ、さっきコールはニンニクだけにしろと言ったな。あれは嘘だ。『アレ』も入れておけ」

「『アレ』?何でちかそれは」

ゴーヤが怪訝そうに俺を見た。

「それは行ってのお楽しみだ。他にはあまりないものだぞ。さて、そろそろ行くか」

俺はフェアレディのキィを取った。
33名無しさん@おーぷん :2018/09/14(金)13:14:31 ID:4Gu
#

「うわぁ……何でちかこれは……」

伊勢佐木長者のパーキングから歩いて数分。行列を見たゴーヤが心底うんざりしたように言った。

「これでざっくり1時間待ちだ。2時間待ちもあるから、まだマシな方だな。車が混んでてピークをずらせたのもでかい」

「これでマシって、あり得ないでち……」

「マトモな二郎はどこも似たようなもんだ。神保町に2時間並んだこともある。まあ、行列ができやすい形態ではあるんだが」

ポーラがノンアルコールビールを一口飲んで、俺の方を見た。

「何でですかねぇ~。それだけ人気ってだけじゃないんですか~?」

「もちろん、『ジロリアン』と呼ばれる信者の多さも理由っちゃ理由だ。だが、二郎という食い物の性質によるところも大きい。
何せ味は濃く、しかも量が多い。ポーラ、お前がテレビで見たのは大盛りじゃねえからな」

「えっ、そうなんですか~?」

「当たり前だ。店にもよるが、大頼めば1.5kgの代物が出てくるインスパイア系もある。コール次第じゃ3kgコースだ。
そんなもの、早食いできると思うか?」

ポーラは指を唇に当てて、うーんと唸った。

「アカギやムサーシなら?」

「奴らでもどうかね……。まあとにかく、量と味の問題で回転が悪い食いもんなんだよ。だから待つ人に配慮して早く食べるのが美徳とされてる。
ネットで伝説になってる客をしきる『ロットマスター』やら、早食い対決をする『デュエル』やらは存在しない。
だが、遅くだらだら食べるのが『ロット乱し』と忌み嫌われるのはそんなに間違いじゃないんだな」

行列が少し進んだ。前の学生がチラチラとこちらを見てくる。まあ、ゴーヤもポーラも、普通の服を着てりゃ美少女ではあるからな。
特に白いワンピースに帽子のポーラは、否が応でも周りの目を引く。中身はただのアル中だが。
34【6】 :2018/09/14(金)13:46:08 ID:ZJc
アル重だろ?
35名無しさん@おーぷん :2018/09/14(金)13:53:46 ID:4Gu
「そういえば~。二郎ってお店の人が怖いって、本当ですか~?それだけが怖いんですけど~」

とても怖いと思っていなさそうな顔でポーラが訊いてきた。

「それも店による。基本無口で淡々と作る店主が多いから、怖いと勘違いしているのもある。
ただ、ロット乱し行為についてキツい態度を取る店主もいるな。どことは言わないが、有名店でもあるぞ」

「げっ、そうなんでちか……二郎リクエストしたの、失敗だったかも……」

引いているゴーヤの頭を、俺はわっしわっしと撫でた。

「だから関内なんだよ。関内は接客がいい。ほれ、見ろ」

行列の先の方で、眼鏡の店員が腰を低くして色々誘導している。

「……確かに丁寧っぽいでちね。そういえば、ゴーヤみたいな女の子も、チラチラといるでち」

「二郎はほとんど男性客ばかりだが、関内は女性客もそこそこいるんだよ。接客に加え、味としても食べやすい。量も小ならそこそこ食べきれる。
あ、小でも普通の大盛りぐらいはるからな。自信がないなら麺半分にするのも手だ」

「ふむふむ、覚えたでち。というか、コールって何でち?」

ポーラがびっと手をあげた。

「ニンニクヤサイアブラカラメマシマシアレですね~」

「何を言ってるんでちか。暑さにやられたか、それともアルコールにやられたでちか」

「これがコールですねぇ、提督~」

「ん、まあ間違ってはいない。要は無料トッピングのことだな。元々入っているが、これを大盛りにするときに使う。
ニンニク、野菜は分かりやすいな。アブラは脂身、カラメはタレだ。インスパイア系ではマヨネーズや花椒(ホアジャオ)があるところもある。
マシマシは特盛で、これも無料。ただ、半端ではない量だから注意しろよ。『ニンニク入れますか?』と聞かれたら『ヤサイニンニク』みたいに答えるわけだ。
もちろん、普通に言っても構わない。下手に通ぶると痛いだけだからな」

列が進んだ。この分なら、思っていたより早くありつけそうだ。
36名無しさん@おーぷん :2018/09/14(金)13:55:15 ID:4Gu
次回更新で実食。

そういやポーラはアル重の方が正しかったですね……
37名無しさん@おーぷん :2018/09/15(土)10:49:38 ID:fQQ
再開します。
38名無しさん@おーぷん :2018/09/15(土)11:22:39 ID:fQQ
#

そろそろ行列の先頭に近づいてきた。眼鏡の店員が順番に量を聞いてくる。
3つ前のグループは全員汁なしを頼んでいた。さすがに人気だな。

「汁なしって何でちか?」

ゴーヤが脇腹をつついてきた。

「読んで字の通り。スープなしの二郎だ。油そばというよりは和えそばに近いな」

「そんなのもあるんでちね。おいしいんでちか?」

「卵黄やフライドオニオンが乗っていて、ジャンクで旨い。関内では半分がこいつを頼むが、今日はノーマルにしよう。ノーマルも十二分にいける」

ふぅんとポーラが呟いた。

「二郎って、ラーメンしかないんじゃないですか~?」

「普通はな。量とコール、そして豚かノワールかしか指定できないのが普通の二郎だ。
ただ、一部の店はこういう変わったものを出してくる。関内はその代表だな。野猿街道店では元常連の名を冠した狂った量のトッピングを出すらしいが、俺は見たことがない」

「へぇ~。意外と奥深いんですねぇ~」

「一口に二郎といっても、味は千差万別だからな。三田の本店からの暖簾分けでこれだけ広がってるが、醤油と麺に使う粉、基本のスタイルは同じでも味は随分違う。
そもそも三田の本店にしても、総帥が作る時とJrが作る時では味が違うと専らの評判だからな。だから各店にはそれぞれ固定の信者がいるわけだ」

「ふむふむ。ポーラ、覚えましたよ~」

「総帥って、悪の結社みたいでちね」

「まあある意味、二郎という沼は悪の結社かもしれんな。ハマると一気に体重が増えるからな。気を付けろよ」

ニヤリと笑うと、ゴーヤがお腹をつまんだ。

「ゴーヤ、太ると潜れなくなるでち……」

「一食程度ならいいだろ。っと、来たぞ」
39名無しさん@おーぷん :2018/09/15(土)11:36:52 ID:fQQ
眼鏡の店員が俺たちのところに来た。

「小3、ノーマルで」

恭しく店員が礼をし、店内に入っていった。ゴーヤが何かに気付いたようだ。

「中にも券売機があるでち。何で?」

「確認のためってのと、豚の量を指定するためだな。大体は券売機だけだが、関内はちょっと特殊かもしれん」

「豚ってチャーシューのことでちか?」

周囲の冷たい視線が、一斉にゴーヤに突き刺さった。

「……ひぃっ!?」

「おめー、滅多なことは言うもんじゃねえぞ?豚は豚。断じてチャーシューじゃねえ。食えば分かるが、二郎の豚はあくまで豚だ。二郎のアイデンティティを揺るがす発言と心しろ」

「わ、分かったでち……でも何がそんなに……」

凄む俺に、ゴーヤが震えながら言った。

「全てだ。量、形状、柔らかさ。箸で触れればほどけ、脂身の旨味が口の中で広がる神豚をジロリアンは求めていると言っていい。その意味でも、関内は上位にあるが。
……さて、入るぞ。っと、その前に黒ウーロンを買っておこう」

「ウーロンtè、ですか~?みんな買ってますね~」

「脂肪の分解を促進するってお茶だな。二郎の脂分は半端ではないから、ぶっちゃけただの気休めだが。口の中がさっぱりはするから、相性はいい」

人数分の黒ウーロンを買い、店内に入る。大将が無言で麺を茹でている。久々の二郎だが、この緊張感はたまらんな。

「提督ぅ、コール、コールですよ~」

ポーラが無駄にテンションを上げている。……嫌な予感しかしない。
40名無しさん@おーぷん :2018/09/15(土)11:38:07 ID:fQQ
>>39
文字化けしましたが、ポーラはイタリア語でウーロン茶と言ってます。
41名無しさん@おーぷん :2018/09/15(土)12:01:50 ID:fQQ
しばらく待つと、眼鏡の店員が「ニンニク入れますか?」と訊いてきた。俺は予定していた言葉を言う。

「ニンニクヤサイアレで。ゴーヤは?」

「ゴーヤはニンニク入れて欲しいでち。あっ、あとアレってのも」

ポーラに目線をやると右手を勢いよく上げた。

「ニンニクヤサイマシマシ、アブラカラカラメ、アレです~」

店内の全員が「マジか」という目で彼女を見た。
見かねた眼鏡の店員が「本当に大丈夫ですか?」と言ったが、ポーラは「何にでも挑戦です~頑張ります~」と意に介した様子がない。ダメだこいつは。


そして、着丼。


うず高く積まれた野菜の一角に、うっすらと黄色い粉が積まれている。スープは完全に乳化し、粉の匂いと絡み合っていた。
そのスパイシーな香りに食欲が刺激され、俺は思わず唾を飲み込む。

「てーとく、これは……!?」

「そう、アレとはカレー粉のことだ。アレを提供するのは、インスパイアの豚星。ぐらいしかないはず。関内はこいつをたまに出すんだよ。辛子高菜のこともあるけどな」

野菜の下に眠る麺を引き上げ、上下を引っくり返す。そして、それを勢いよく啜った。

くにゅとした歯応え。そして、抵抗なく喉に吸い込まれていく。
そして、カネシの強い味がまろやかな乳化スープに丸められ、実に程よい塩梅になっていた。


旨い。さすがだ。


そしてカレー粉がともすれば単調になりがちなスープの味を引き締めている。飽きが来ないのが、アレを入れる最大の効能だ。

「てーとく!!思ってたより、全然食べやすいでち!!それに、このチャー……じゃなかった豚。本当に豚って感じで、美味しいでち!!」

ゴーヤが顔を輝かせている。俺は満足して頷いた。本当に旨そうに食べるから、ゴーヤと飯を食うのは割と好きなのだ。


問題はポーラだ。巨大な野菜とアブラの山を前に、完全にフリーズしている。

「言わんこっちゃねえ……さっき言ったが、早く食わないとまずいぞ」

「は、はい~……頑張ります~……」

……さて、完食できるのだろうか?
42名無しさん@おーぷん :2018/09/15(土)12:04:01 ID:fQQ
※!randomで完食度を決定します。

コンマ下…ゴーヤ(補整+70)
コンマ下2…ポーラ(補整+25)

100以上で完食です。
43【47】 :2018/09/15(土)12:08:03 ID:Xyd
でち
44【86】 :2018/09/15(土)12:17:25 ID:Wvs
がんば
45名無しさん@おーぷん :2018/09/15(土)12:24:58 ID:fQQ
※二人とも完食!

エピローグは午後以降。
46【12】 :2018/09/15(土)12:26:07 ID:Jni
ポーラ…チッ(頑張ったな!)
47【58】 :2018/09/15(土)13:45:46 ID:s6b
でち → 47 → 補正後 117
酒乱 → 86 → 補正後 111

意外と同じ位の満腹度?
48名無しさん@おーぷん :2018/09/15(土)15:21:57 ID:rMp
#

「あー、美味しかったでち。大満足でち!」

「提督ぅ、buono、buonoでした~。Grazie、Grazieで~す」

ゴーヤもポーラも、満面の笑みで帰りの車に乗り込んだ。俺は呆れながらキィを回す。

「まあ、満足してくれたのはいいんだが……ゴーヤはともかく、ポーラはよく食えたな。しかもロットを乱さずに……」

「えへへぇ~。ポーラ、やればできる子なのですぅ~。というわけで、おっ酒、おっ酒~」

どや顔でのたまうポーラに、俺は盛大な溜め息をついた。

「お前なぁ、酒は鎮守府戻ってからだ。そもそもボーノボーノ言いながら凄まじい勢いで食ってるの見て客も店主もドン引きだったぞ。そこそこ食うのは知ってたが、そこまでとは……」

「普段からマミーヤでムサーシと飲んでますから~。あのくらいなら、何とか~」

艦娘といえど、元は人間だ。だが、赤城や武蔵など一部は明らかに常軌を逸した食い方をする。
一度赤城に訊いたときは「艦娘になって、お腹が一層すくようになった」とは言っていた。艦として動くには、多量のエネルギーを必要とするということなのか。
……とは言っても、赤城とは昔馴染みの加賀は「前からああでした」とか言ってるから参考にはならんな。

まあとにかく、恐れていたロット乱しはなくて済んだ。俺は安堵した。
49名無しさん@おーぷん :2018/09/15(土)15:22:23 ID:rMp
「それにしても食べやすかったでち。二郎、いいでちね」

「関内は味も量も割と食いやすい部類だからな。そこから野猿街道とか西台とかに手を広げるようなら、立派なジロリアンだ。
ああ、インスパイアも悪くないぞ。デッドコピーも多いが、一流どころはメニューも多いし本家を超えてる」

「ふむふむ、インスパイアでちか。……関東以外にはないんでちか?」

「札幌や仙台にもあるぞ。どっちもそこそこ旨いと聞いた。西日本にはほとんどないが、京都の『夢を語れ』というインスパイア系が人気らしいな。俺は行ったことがないが」

「そうでちか……佐世保や呉の友達にも教えてあげたかったでち」

寂しそうに窓の外を見るゴーヤに、俺は苦笑した。

「女の子が入りやすい二郎系なんて、本当に関内ぐらいだからな。友達がこっちに来たときに連れていてやればいい」

「……そうでちね。ってポーラ何やってるでち!?」

後部座席にいるはずのポーラを見ると、ストロングゼロをらっぱ飲みしていた。いつの間に買いやがったこいつ!

「お酒美味しい~。提督ぅ、早く帰って宴会、宴会ですよ~」

「てめー!あんだけ食った後に、しかも車内で飲んだらどうなるか分かってやがんのか?」

「大丈夫ですよぉ~うぷ」

「っててめぇ顔色が……!!おいパーキングエリアまでどのぐらいだ?ゴーヤ、奴が吐くのだけは阻止しろ、絶対だぞ!もし吐いたら、二人揃ってオリョールに沈めっぞゴラァっ!!!」

#

その後1週間の禁酒がポーラに言い渡され、自棄を起こしたポーラが某インスパイア系に乗り込んで爆沈したのは、また別の話。
50名無しさん@おーぷん :2018/09/15(土)15:23:37 ID:rMp
というわけで、第1話はおしまいです。二郎入門みたいな内容になってしまいました……

これからもコナンスレの合間に更新します。よろしくお願いします。
51名無しさん@おーぷん :2018/09/15(土)15:30:14 ID:rMp
さて、第2話のテーマを決めます。

安価下5までの多数決で決めます。
52【77】 :2018/09/15(土)15:56:51 ID:Wvs
札幌ラーメン
53【62】 :2018/09/15(土)16:06:17 ID:uOV
三田製麺所
54名無しさん@おーぷん :2018/09/15(土)16:09:04 ID:rMp
>>53
つけ麺として扱います。語れなくはないですが……
55名無しさん@おーぷん :2018/09/15(土)16:16:14 ID:GkP
ソラノイロ
56名無しさん@おーぷん :2018/09/15(土)16:23:18 ID:rMp
>>55
店舗指定ですが、一応対応可です。
57名無しさん@おーぷん :2018/09/15(土)16:25:47 ID:GkP
あっ店名じゃなくてジャンルだったわ…
58【56】 :2018/09/15(土)16:26:27 ID:Jni
油そば
59【4】 :2018/09/15(土)16:33:04 ID:dtp
台湾ラーメン
60名無しさん@おーぷん :2018/09/15(土)16:47:11 ID:rMp
見事にバラバラですね……ただ台湾ラーメンは語れる自信があんまりありません。それ以外であと1票です。
(ソラノイロは成立しそうなので採用)
61名無しさん@おーぷん :2018/09/15(土)16:57:24 ID:fQQ
なお店舗指定も一応OKですが、詳しく知らなかったり辛口の内容になりそうな場合は、ジャンルを拡大解釈して対応します。
62名無しさん@おーぷん :2018/09/15(土)17:31:54 ID:iPR
豚骨
63名無しさん@おーぷん :2018/09/15(土)19:06:51 ID:fQQ
バラバラなのでコンマ下で決めます。
!randomで

5の倍数…札幌(味噌)ラーメン
5の倍数+1…つけ麺
5の倍数+2…ソラノイロ
5の倍数+3…油そば(汁なし系含む)
5の倍数+4…豚骨

とします。
64【70】 :2018/09/15(土)19:09:50 ID:ebH
はい
65名無しさん@おーぷん :2018/09/15(土)19:12:41 ID:fQQ
では味噌ラーメンとします。(札幌ラーメンだと醤油も含むため、敢えてこうします)

ゲスト艦娘を安価下1~3のうち!random が最も大きいものから採用します。
66【37】 :2018/09/15(土)19:13:50 ID:ebH
利根!
67【7】 :2018/09/15(土)19:14:15 ID:MMu
ひえー
68【29】 :2018/09/15(土)19:14:31 ID:dtp
なかちゃん
69名無しさん@おーぷん :2018/09/15(土)19:58:49 ID:fQQ
では味噌ラーメンで利根とします。

更新はコナンスレの更新後。
70名無しさん@おーぷん :2018/09/15(土)20:13:22 ID:fQQ
なお、簡単な設定。

・時代は現代、艦娘は適性のある人間に艦の魂が憑依したもの。このため、各自本名がありますが基本無視していいです。
また、各鎮守府には整備員など男性スタッフが相応にいます。

・提督……
本名は小泉隆、33歳。自衛隊時代は一尉→横須賀第4鎮守府に着任して中佐。
職務面では極めて優秀で異例の出世を遂げた。
性格はやや荒っぽいが、理不尽ではない。183cm83kgの恵まれた体躯。
趣味は学生時代からラーメン店巡りで、既に500店舗以上を訪問済み。
艦娘とは親しげに接するが大体は一線を引いている。恋愛関係にある艦娘がいるかは現在不明(未設定)。

・伊58……
本名は後藤八重、21歳。高卒直後に艦娘となり約3年勤務。提督との付き合いはかなり古い部類。
元はインターハイにも出たことがある水泳選手だった。基本の性格は艦これのゴーヤに準ずるが、提督に対しては好意以上恋愛感情未満の感情を抱いている。
普段は提督はダメ兄貴ぐらいの感覚でいる(なお実兄は既に死去)。提督もダメ妹ぐらいの感覚。ラーメンは好きだがそこまで詳しくもない。まれに連れていってもらっている。

なお、これらの設定が生きるかどうかは一切未定です。
71名無しさん@おーぷん :2018/09/15(土)21:22:23 ID:rMp
読み返して誤解を与える箇所があったので念のため。

豚星。にもアレはありますが、コールではなく別メニュー扱いです。なお、追いライスというサービスがあります。カロリー過多ですが旨いです。
72名無しさん@おーぷん :2018/09/17(月)22:51:18 ID:AFt
ついでにこっちも少し再開します。
73名無しさん@おーぷん :2018/09/17(月)23:09:49 ID:AFt
「何か一気に涼しく……というより寒くなったでちね」

ゴーヤがテーブルに顎を乗っけてだらーっとしている。言葉とは裏腹の疲れ切った態度は、大規模作戦終了直後のためだ。

「まあな。激務の後だから、酷暑が続くよりは多少はありがたいんじゃないのか?」

彼女が盛大な溜め息を吐いた。

「激務というよりデスマーチだったでち。そりゃあの作戦をこれだけ短時間に済ませたのは、提督のおかげでちよ?
英雄の証たる甲勲章も、今回ももらったでちよ?
でも、お蔭でみんなくったくたでち。資源もすっからかんでち。またオリョクルの毎日が待ってるでち……あーあー」

これ見よがしに疲れているアピールをしている。こういう時のゴーヤは、本当にたちが悪い。

「だから数日間のオフを取ってるんだろうが。ていうか、何でお前は執務室に入り浸ってるんだよ」

「実家の佐世保は遠いでち。行っても友達いないし……寂しいよぉ、てーとく」

今度は俺が溜め息をつく番だ。毎回これだ。

「こんな時だけ媚びるな。魂胆は『何か奢れや』だろ?報奨金がどっちゃり出るから、それで旨いものを食いたいってことだろうが。
おめーとの付き合いもそれなりに長いからな。お前が甘えてきた時は、95%はそれだ」

「あ、ばれてるでち。でも平等を旨とする提督は、ゴーヤだけに高級懐石とかは奢らないでち。
そもそもそんなわがままはゴーヤは言わないでち。安くても本当に美味しいものさえあれば、ゴーヤは十分でち」

ゴーヤがにっと笑った。こういう笑顔はいいんだがなあ。

「安上がりなのはいいんだがな……上手い特選のB級グルメというのも、なかなか難しいぞ?
前はたこ焼き、その前はもんじゃ焼きだったな。今度は何焼きか?イカ焼きか?焼きそばか?」

その時だ。執務室のドアがばーんと開いた。
74名無しさん@おーぷん :2018/09/17(月)23:24:00 ID:AFt
「提督!寒いぞ!何とかならんか!!」

やってきたのは利根だ。また頭の痛いのが来たぞ。

「寒いのはお前の服装だろーが。履いてるのか履いてないのかわかんねー謎のスリットは何のためだ」

「何だと!?吾輩の服は、実に機能美に満ちたものなのじゃ!悪く言うのは許さんぞ!?」

「ってもなあ。そもそもこれで寒いとか言ってたら、冬はどうなんだよ」

利根が無い胸を張った。

「そこはぬかりない。実はストッキングを履いておるのじゃ。意外と温いぞ」

「それでも十分寒いだろ。というか何でストッキング履いてないんだよ」

うっと利根が言葉に詰まった。

「そ、それはじゃな……」

「大方急激な季節変動に対応できずに、出すのを忘れたんだろ。
んで、肝心の筑摩は出張中ときた。お前ほっんと筑摩なしじゃ何もできね……」

俺の言葉に、ゴーヤが冷たく割り込んできた。

「それはてーとくも同じでち。たまに執務室の大掃除してるの誰だと思ってるでち。
寝室だって酷いもんでち。ゴーヤや雷、霞辺りにはてーとくは足を向けて寝られないでち」

うぐっと俺は言葉に詰まった。利根がによによと俺を見る。

「提督も人のことは笑えんようじゃな。特に良いことを聞いたぞ?年下の駆逐艦に、身の回りの世話をさせてるとか……」

「ばーか、奴らはそういうのが好きなだけじゃボケ!!駆逐艦に手を出すほど女には困ってない……」

ゴーヤから暗黒のオーラを感じる。「女には困ってない」が地雷だったか。

「ほう、そういうことなんでちね。誰でち。金剛さんでちか?榛名さんでちか?はたまた大本命の加賀さんでちか??」

「あのなぁ、俺は職務と私生活はすっぱり分けてんだよ!てめーも付き合い長いから分かってるだろうーが!!」

ゴーヤがしゅんとした。

「……ごめんでち。言い過ぎたでち……」

「まあいい。だが、二人への暴言の詫びも兼ねて何か奢ってやろう。何がいい?」
75名無しさん@おーぷん :2018/09/17(月)23:32:09 ID:AFt
利根がぽんと手を叩いた。

「そうじゃ!味噌ラーメンがいいのぉ。あれは温まるからなぁ。
全鎮守府『B級グルメの帝王』選手権優勝の提督なら、いい店を知っておろう?」

「また謎の選手権を……だが、味噌ラーメンか。難しいな」

ゴーヤが意外そうな顔で俺を見る。

「何ででちか?」

「ある某漫画の受け売りになるが、味噌は60~70点の店はとても多いんだよ。
味噌って旨味の塊みたいな調味料だから、あれをベースにするといった瞬間にほぼ味が決まっちまうんだ。
だから、誰が作っても、どんな作り方でも、そこそこは旨い。
だが、旨味が強過ぎてそこから先に突き抜けるにはなかなか難しい。
せっかく奢るんだから、いい店に連れて行ってやりたいんだが……」

利根がむうと唸った。

「そんなに難しく考えんでもいいのではないか?吾輩はコーンにバターの味噌ラーメンは好きじゃぞ?」

「個人的には同意しかねるな。スープの味が壊れるからだ。そもそもコーンは水気が多くて、ラーメンの具としてはちょい辛い。
まあ、あくまで俺個人の趣味だから、そこは無視してもいいんだが」

「面倒な男じゃのお。だからその実績、その外見でまだ独身なんじゃな」

俺は盛大に肩を落とした。

「普段はアレなくせに嫌なとこ突くな、お前……。自覚はしてるんだよ、自覚は……。
だが、せっかくだからいい店は紹介してやる。さあて、どうすっかな……」
76名無しさん@おーぷん :2018/09/17(月)23:34:52 ID:AFt
※安価選択です。

1 オフだし札幌行くか。見た目にも温まるあそこだ
2 札幌ラーメンの神髄を教えてやるか。ストロングスタイルで行こう
3 東京には東京の味噌がある。その最先端の限定ラーメンだ
4 寒いとか知ったことか!疲労時によく効く冷やし味噌ラーメンだ

※3票先取です。
77【83】 :2018/09/17(月)23:35:21 ID:gVo
1でオナシャス
78名無しさん@おーぷん :2018/09/17(月)23:40:37 ID:qe3
なお日付が変わるまでに決まらない場合は再投票です。
79【19】 :2018/09/17(月)23:41:37 ID:aEd
1
80【99】 :2018/09/17(月)23:42:04 ID:TXs
1
81名無しさん@おーぷん :2018/09/17(月)23:45:45 ID:qe3



第2話 炎神
82名無しさん@おーぷん :2018/09/17(月)23:53:14 ID:qe3
本日は以上です。

本来札幌なら炎神ではなく、全国屈指の彩未にするのが筋なんでしょうが、行ったことがないのでこちらに。
あと、炎神はある理由から盛り上がれるお店であるのも理由です。

なお、その他はこんな感じでした。

2 純連
3 なな蓮
4 よし丸

3と4はつけ麺の方で有名ですね。
どみそを入れるか迷いましたが、どう考えてもなな蓮の限定味噌の方が旨いのでこちらに。
83名無しさん@おーぷん :2018/09/18(火)01:05:50 ID:ePc
おつー
参考になるわ
84名無しさん@おーぷん :2018/09/19(水)09:02:28 ID:L8W
少し更新します。
85名無しさん@おーぷん :2018/09/19(水)09:17:06 ID:L8W
「じゃあ北海道に行くぞ。食うならせめて本場だ」

二人の顔がパアッと明るくなった。

「さすが提督、太っ腹じゃのぅ!やはり味噌ラーメンは札幌じゃからな」

「札幌は味噌ばかりじゃないぞ。醤油も塩もある。旭川なんかは醤油メインだし、俺が東京で一番旨いと思っている『札幌ラーメン』は醤油だ。
ただ、せっかくのオフだしな。慰労も兼ねてだ」

「てーとく、ありがとうでち!……でも札幌って」

ゴーヤの顔が少し暗くなった。

「そう、この前の地震の影響がまだ残ってる。ぶっちゃけ、この話がなくても北海道には行く予定だった。
後で連絡しようと思ってたが、復興支援について札幌で打ち合わせする予定があってな。お前らはオフだが、俺は休みがなかったんだよ。
だから、俺は少し外す。お前らは札幌を楽しんでくればいい」

「……何か悪いでち。手伝えることはないでちか?」

「やることと言っても、北海道の自衛隊の担当者と少し話すだけだぞ?暇だが、それでもいいなら。割り増しの俸給は出す」

ゴーヤはうーんと考えて、口を開いた。

「ゴーヤはそれでいいでち。利根はどうでちか?」

「吾輩も手伝おうかの。国を守るのが、艦娘の仕事じゃしな」

いい部下を持った。ラーメンだけでなく、色々奢らんとな。
86名無しさん@おーぷん :2018/09/19(水)09:25:14 ID:L8W
再開はお昼頃。
87名無しさん@おーぷん :2018/09/19(水)12:16:54 ID:L8W
#

「お疲れさまでち!復興、頑張らなきゃでちね」

「うむっ!馬力のある戦艦や重巡、航巡の出番ってとこじゃな」

利根がうんうんと頷いている。大規模作戦が早期に終わった俺の鎮守府は、数人の艦娘を復興作業に回すことになった。
その分、資源も貰える。資源が逼迫した我が鎮守府にとっては美味しいし、復興の手伝いもできる。被災地にとっても、馬力のある艦娘の派遣はありがたいだろう。
問題は誰を選ぶかだったが、利根がその場で立候補してくれたお蔭でスムーズに進みそうだった。献身的な大和、優等生の妙高辺りが手を挙げればなおいい。
もちろん、復興協力の艦娘には追加俸給とオフを用意する心積もりだ。オリョクルの回数も減るから、ゴーヤも多少は休めるだろう。

利根が目を輝かせて言ってきた。

「で、提督よ。ラーメンはどっちじゃ?」

「ああ、そう遠くはない。こっちだ」

すすきのの交差点手前で、アーケード方面に曲がる。目当ての店はすぐだ。

「『炎神』……エンジンと読むでちか?ってこれは!!?」
88名無しさん@おーぷん :2018/09/19(水)12:21:04 ID:L8W
ゴーヤが仰天した。彼女の視線の先には……

「提督!何じゃこれは!!鍋が、鍋が燃えておるぞ!!!」

利根が目を丸くしている。そう、ガラス張りの厨房の向こうでは……


調理人が大きめのバーナーで、スープを「焼いている」。
89名無しさん@おーぷん :2018/09/19(水)12:38:13 ID:L8W
「そう、この店は名前通り『炎』の店だ。スープをコンロの炎とバーナーの炎で、挟み撃ちして熱してるんだよ。その熱、実に1300度。
超高熱で熱することで、旨味が凝縮されるんだそうだ。個人的には『焦がし』によるコクの増強もあるんじゃねえかって見てるがな。
さ、突っ立ってねえで入るぞ。全員レギュラーの味噌でいいな」

「い、いいでち。それにしても、圧倒されるでちね……」

ほうほうと利根はいたく感心している。

「なるほど、これは見るからに暖まるのぉ……提督の言葉に偽りはなかったわけじゃな」

厨房前のカウンターに座る。店員がバーナーを使う度に、厨房が赤く染まった。

「何か、艦装の建造現場に来てるみたいでちね。明石さんや夕張が来たら泣いて喜びそうでち」

「……お前はあの二人をなんだと思ってるんだ……。まあしかし、パフォーマンスと味を両立した調理法ではあるな。観光地すすきのならではというか」

利根が眉を潜めた。

「提督よ、すすきのというのは、その……いかがわしい街と聞いたが?」

「そういうのもあるが、すすきのは基本飲み屋とかが多い普通の繁華街だ。歌舞伎町だって福岡の中洲だって、そういう店が集まる一角はあるが、普通の店も多いぞ?
すすきのは観光客も多いし、結構いいとこだ。安い居酒屋も多いしな」

ゴーヤがジト目で俺を見る。

「……随分と詳しいでちね。何度も行ってるんじゃないでちか?」

「あ、う……っと、来たぞ」
90名無しさん@おーぷん :2018/09/19(水)12:48:35 ID:L8W
スープは完全に白濁している。まるでポタージュか何かのようだ。中央には糸唐辛子が盛られている。

「じゃあ食べようか」

レンゲにスープをすくうと、気持ちトロリとしている。一口飲むと、濃厚な味噌のコク。それを魚介と野菜の旨味が追いかけて来た。

「おおっ、これは……!あまり食べたことがない味噌ラーメンじゃぞ?」

「本当でち!濃厚なだけじゃなくて、すごく複雑で……上品さすらあるでち。これが焼いた効果なんでちか?」

「どうなんだろうな。ただ、コクは普通の味噌よりあるのは分かるだろ。
あと、味噌ラーメンと言ってるが、実は白湯と野菜スープ、魚介スープを合わせたトリプルスープなんだ。
これに北海道産の味噌3種をブレンドしてる。味噌の旨味だけに頼ってないのが、この店のいいとこだな」

麺をすする。やや太めの縮れ麺がスープにとてもよく絡む。
単調になりがちな味噌ラーメンだが、糸唐辛子が適度に味を引き締めていてこれもいい塩梅だ。

「これは旨いぞ!提督!筑摩にも教えてやらねばのぉ……」

利根も大満足だ。連れてきた甲斐があったというものだ。
91名無しさん@おーぷん :2018/09/19(水)13:00:42 ID:L8W
#

「いやあ、美味しかったでち!てーとく、ありがとでち!」

ゴーヤがお腹をぽんと叩いた。

「うむ!……しかし夜が更け始めてきたのぉ……ホテルに戻るのか?」

俺は時計を見た。まだ19時前か。……飲める方の筑摩と違い、利根はあまり酒は嗜まない。ゴーヤもそこまで飲まないな。

となると……

「いや。せっかくだからもう一軒行こう。といってもラーメンじゃないぞ、パフェだ」

「パフェでちか?いや、嫌いじゃないけど……何ででちか」

「札幌には『夜パフェ』なる文化があってな。飲みの最後をこいつで締めるって感じらしい。言うまでもないが、北海道は甘味の楽園だ。食わん手はねえだろ」

利根の目がキラキラしてきた。

「夜パフェ!そんなものがあるのか!これは行かねばなるまいのぉ」

……

#

結局パフェを梯子し、お腹がさらに膨れたゴーヤが食事制限を命じられたのは、また別の話。
92名無しさん@おーぷん :2018/09/19(水)13:02:04 ID:L8W
第2話はここまでです。札幌は詳しくないので、間違いあったらごめんなさい……

第3話のテーマを決めます。

安価下5までの多数決で決めます。
93名無しさん@おーぷん :2018/09/19(水)13:09:14 ID:4Jx
旨辛or担々麺
94名無しさん@おーぷん :2018/09/19(水)13:18:03 ID:m8g

95名無しさん@おーぷん :2018/09/19(水)13:35:26 ID:Xs1
おつおつ

96名無しさん@おーぷん :2018/09/19(水)14:18:20 ID:5pl
>>95
黒とは富山ブラックですか?
97Try7rHwMFw :2018/09/19(水)14:20:35 ID:5pl
失礼しました。ID変わったので鳥付けます。
98【97】 :2018/09/19(水)14:28:04 ID:utm
せうゆ
99名無しさん@おーぷん :2018/09/19(水)14:29:21 ID:squ

100Try7rHwMFw :2018/09/19(水)14:30:31 ID:5pl
95はちょっと分からないので飛ばします。残り1票です。

>>98
醤油でOKでしょうか。
101【69】 :2018/09/19(水)14:42:25 ID:Hgm

102Try7rHwMFw :2018/09/19(水)14:49:39 ID:5pl
では塩で決定します。範囲が広くてなかなか難しいですね………

続いてゲスト艦娘を決めます。!randomで一番大きいものとします。

安価1~3でお願いします。
103【88】 :2018/09/19(水)14:50:41 ID:Hgm
羽黒
104【31】 :2018/09/19(水)14:51:29 ID:squ
神通
105【90】 :2018/09/19(水)14:56:02 ID:797
あきつ丸
106Try7rHwMFw :2018/09/19(水)14:58:13 ID:5pl
では塩であきつ丸とします。更新は夜にでも。
107Try7rHwMFw :2018/09/19(水)15:05:49 ID:5pl
その前に、一つ判定を。

コンマ下の!randomが65以上で……?
108【22】 :2018/09/19(水)15:09:03 ID:rGh

109Try7rHwMFw :2018/09/19(水)15:12:07 ID:5pl
※普通のあきつ丸

65以上なら新婚設定でした。(中の人関連)
相手はコンマ次第でしたが、整備士さんか誰かの予定でした。
110Try7rHwMFw :2018/09/19(水)19:18:39 ID:5pl
再開します。
111Try7rHwMFw :2018/09/19(水)19:49:13 ID:5pl
「やあ、提督殿。お邪魔してるであります」

執務室に戻ると、色白の巨乳の女が椅子に腰掛け、ずずっと日本茶を飲んでいた。呼んだ覚えは、ない。

「……あきつ丸か。何だ急に。いつ、どうやって入ってきた」

「客人を泥棒か何かのように言うとは、酷い提督殿もいるものですな。自分はちゃあんと許可を貰って入っているであります」

あきつ丸はふふんと得意気に笑った。

「誰にだよ。鎮守府の隠れ危険人物筆頭格のお前を呼ぶなんて、どんな権限が……」

「ゴーヤが呼んだでち」

奥からゴーヤがカステラ数切れを乗せた小皿を盆に乗せてやって来た。

「何でまた?接点なんてあったかお前ら」

「ちょっと前にカ号を使う側、使われる側でカ号トークで盛り上がったんでち。今じゃ立派なお茶友でち。だよね、あきつ丸さん」

勝ち誇ったようにあきつ丸が笑った。

「そうであります。ゴーヤはとってもいい子であります。提督殿の弱て……じゃなかった、面白い話も色々教えてくれるであります。時間が飛ぶように過ぎていくのであります」

「ちょ、ちょっと待て。今何か不穏なことを言わなかったか?ええ?」

「気のせいであります。それより、帰るのが随分と早いでありますな」

「演習が思いの外あっさり終わったんでな。練度も大事だが、戦略次第でどうとでもなる……ってひょっとして毎回?」

ゴーヤがぷいっと向こうを向いた。

「鬼のいぬ間のなんとやらでち。女子トークに野郎は不要でち。もうちょっと演習してくるでち」

「道理で最近俺の変な噂が流れてるわけだぜ……駆逐艦に部屋掃除させてるやら、すすきのマスターやら……出元はてめーかぁぁぁ!!
俺がいねー間にこのアホ女にあることないこと吹き込んで、それをこいつが面白おかしく改悪した結果がこれだ!!
加賀にゴミを見るような目で見られた俺の気持ちが分かるかぁぁぁ!!!」

俺はゴーヤに掴みかかった……と思った次の瞬間。

「いだだだだだだ!!ギブギブギブぅぅ!」

「いかんですな、女の子に手を出しては。そんなんだからモテないのであります」

俺の右手が、曲がってはいけない方向に曲がりかけていた。あきつ丸はニヤリと口の端を上げ、技を解いた。
忘れていた。あきつ丸は、元陸自空挺団。女性にもかかわらず、古武術で男性団員を捻っていたという伝説があるのだった。
112Try7rHwMFw :2018/09/19(水)20:01:30 ID:5pl
「全くでち。デリカシーに欠けてるでち。そもそも、ネタにされるようなことをされるのが良くないんでち」

ゴーヤはカステラを放り込み、お茶でそれを流し込んだ。

「……くっ、痛いところを……止める条件は?」

「そうでありますなあ……まあそもそも事実ですから止める理由はないでありますが。自分のお願いを聞いてくれるなら、取り消してもいいであります」

「お願い?」

コクン、とあきつ丸が頷いた。

「旨いものが食いたいであります。あまりコッテリしたものではなく、さらっと食えるのがいいであります。
陸軍も陸自も、贅沢をよしとしない文化であります。簡素、かつ奥が深いものでありますな」

「さらっと、なあ……お茶漬けか?」

「まあそれでもいいのでありますが。それではあまり芸がないでありますからなあ……。塩ラーメンなど、どうでありますか」

パン、とゴーヤが両の掌を合わせた。

「それいいでち!『全国利き塩選手権』優勝の提督なら、いいとこ知ってるはずでち!」

「だからそんな大会知らんぞ俺は……。だが塩か。うーむ」

俺は腕を組んだ。これは難題だ。
113Try7rHwMFw :2018/09/19(水)20:15:32 ID:5pl
「どうしたんでちか?難しい顔をして」

「塩はシンプルだ。だからそれこそバリエーションも多彩なんだよ。そして、誤魔化しも利きにくい。
だから店選びが実は結構難しいんだな。星の数ほどある塩の店の中で選ぶとなると……」

そう。塩はラーメンの基礎にして極致だ。醤油以上に、店の個性が出る。
無論、旨い店はそれなりに知ってる。だが「知りすぎている」が故に絞り込めない。こいつは困ったぞ。

1 塩はやはりシンプルさが命。上野に行くか
2 ミシュランも唸る塩の最先端。秋葉原こそ塩の聖地だ
3 鮮魚系塩といえばここが元祖。新宿で一勝負だ
4 あきつ丸の言うことは全て無視だ。二郎系塩を食わせてやる

※3票先取です。
114【7】 :2018/09/19(水)20:15:57 ID:R1I
4でw
115名無しさん@おーぷん :2018/09/19(水)20:19:53 ID:GzI
1
116名無しさん@おーぷん :2018/09/19(水)20:21:48 ID:xAX
1
117Try7rHwMFw :2018/09/19(水)20:21:53 ID:5pl
なお、特定の選択肢(複数)でゲスト艦娘が確率で追加されます。
118【8】 :2018/09/19(水)20:24:14 ID:bk9
1
119【65】 :2018/09/19(水)20:24:46 ID:Hgm

120Try7rHwMFw :2018/09/19(水)20:25:27 ID:5pl



 
第3話 大喜
121Try7rHwMFw :2018/09/19(水)20:27:01 ID:5pl
ちょっと休憩します。

その他は

2 饗 くろき
3 海神
4 豚星。

でした。(一度選択肢に出ても、再登場の機会はあります)
122Try7rHwMFw :2018/09/19(水)22:55:38 ID:5pl
再開します。
123Try7rHwMFw :2018/09/19(水)23:04:40 ID:Mao
「……よし、決めた。無難に端麗系にしよう」

「端麗系?ビールみたいなことを言うのですな」

「まあシンプルかつ上品という意味だな。お前のリクエストに応えてやる。今から行くとちょうど晩飯時だな」

場所は上野。時間はかかるが、乗り換えは楽だ。上野か……久々だな。

※コンマ下の!randomが50以下で提督やらかす
124【13】 :2018/09/19(水)23:04:55 ID:bk9
ほい
125Try7rHwMFw :2018/09/19(水)23:22:34 ID:Mao
#

「げっ……ない」

俺は自分の目を疑った。湯島天神の坂の下。そこにあるはずの店が……ない。

「提督殿、自信満々で来たら店がないとは笑止でありますな」

「そうでち。上野から結構歩いたのに無駄だったでち。潰れたとか言ったら怒るでちよ?」

ゴーヤとあきつ丸から冷たい視線が突き刺さる。こんなはずでは。

「いや、数年前に来た時はここにあったんだよ。……うわ、マジか」

冷や汗を流しながらスマホを弄ると、目当ての店は御徒町に去年移転していたらしい。……やっちまった。

「すまん、引っ越ししてた。しゃあないからタクシーで行くぞ。……とほほ」

「全く、情けないでありますな。これでイマイチだったら、約束はなかったことにするであります」

俺は肩を落とし、タクシーを探した。飲み屋とラブホ街が近いから、すぐに見つかるだろう。


……ん?


※ゲスト艦娘追加です。その前にシチュエーションを決めます。

コンマ下の!randomが

00~05 ???(自由安価)
06~60 飲み屋に行こうとしている(2人)
61~80 飲み屋を梯子しようとしている(2人)
81~98 デート中(1人)
99、100 デート中(2人)
126【75】 :2018/09/19(水)23:24:39 ID:94G
どうかな?
127Try7rHwMFw :2018/09/19(水)23:27:31 ID:Mao
※飲み屋を梯子しようとしている2人組

安価下1~3で!randomが最も大きいものにします。
飲んでそうな2人組を指定してください。
(なお、湯島近辺は安い飲み屋だけでなく、呑兵衛御用達のスペシャルなバーも複数あります。ご参考に)
128【70】 :2018/09/19(水)23:28:33 ID:Hgm
足柄、羽黒
129【70】 :2018/09/19(水)23:29:52 ID:94G
那智、隼鷹
130【61】 :2018/09/19(水)23:31:11 ID:bk9
千歳と雲龍
131【7】 :2018/09/19(水)23:31:53 ID:xRm
大和と武蔵
132Try7rHwMFw :2018/09/19(水)23:35:13 ID:Mao
これは……w

同コンマのため、コンマ下で決めます。

00~33 足柄と羽黒
34~66 那智と隼鷹
67~99 4人全員
100 ゲスト艦娘さらに追加
133【4】 :2018/09/19(水)23:35:55 ID:xRm

134Try7rHwMFw :2018/09/19(水)23:37:35 ID:Mao
では足柄と羽黒で決定です。容易にシチュエーションが想像できますね……

更新は明日。
135【7】 :2018/09/19(水)23:39:50 ID:Hgm
乙です
136【83】 :2018/09/19(水)23:46:11 ID:R1I
おつー
137名無しさん@おーぷん :2018/09/20(木)00:25:18 ID:BrI

138Try7rHwMFw :2018/09/20(木)09:11:19 ID:gcj
昼から再開しますが、判定を!randomで行います。コンマ下です。

00~95 餓狼、悲しみの咆哮
96~100 餓狼、勝利の咆哮
139【70】 :2018/09/20(木)09:15:13 ID:ebl
えい
140Try7rHwMFw :2018/09/20(木)09:16:03 ID:gcj
ですよね。

では、少々お待ちください。
141Try7rHwMFw :2018/09/20(木)13:11:21 ID:gcj
バーが並ぶ路地から二人の女がフラフラと歩いて出てきた。いや、泥酔しているのは片方だけで、もう一人が肩を貸している感じか。
まだ19時過ぎというのに随分なもんだな……ん??

「ちょっと待てよ、あれは……?」

よそ行きのドレスを着ちゃいるが、間違いない。ありゃうちの足柄と羽黒だ。
他の鎮守府の同型艦かと思ったが、どうにもそうじゃないな。あんなに泣き上戸なのは、そういるもんじゃない。

「はーぐーろ"ぉー……私のどごがわる"い"のよぉ……」

「姉さんには姉さんのいいところがありますよ。分かってくれる人も、きっといますって。……ほら、帰りますよ。……あっ」

羽黒がこちらに気付いて固まった。

「あっ、あの!あの、司令官さんっ、人違いですっ」

「いきなり人違い言うとは、正体ばらしてるようなもんじゃねえかよ……」

「いえっ、あのっ、これは……」

足柄が俺に気付いた。フラフラになりながら駆け寄ってくる。

「でーどぐー……!わだしね、まだかでながった……ううっ、えぐっ……うぷ」

「だーっ、吐くな!そこで吐くな!ていうか何でてめーら上野にいるんだよ!」

羽黒は涙目になりながら、ひたすら頭を下げた。

「ごめんなさい!だから、あのっ……とにかくごめんなさい!

「謝ってばかりじゃ何言いたいか分からんでち。まあ予想はできるでちが」

ゴーヤが半笑いのあきつ丸を見る。

「その格好、結婚式帰りでありますな。大方二次会での逆ナンに失敗して、自棄酒飲んだって辺りでありましょう」

「そうよ!だから何よ!私のこのしなやかで精悍な肉体!美しい獣のごときルックス!なのに何で男は私を選ばないのよー!あーむかつく!!」

「どうせまた豚カツ推しが過ぎて男がドン引きしたんでありましょうな。だからいかんのです、足柄殿」

「何ですってー!?あんたに言われたくないわ陸軍のへんた……うぷぷっ」

俺は具合が悪そうな足柄を路肩へと引っ張り、吐かせてやった。あきつ丸にもしゲロをかけたら、120%血の海になる。
142Try7rHwMFw :2018/09/20(木)17:32:24 ID:gcj
#

「落ち着いたか」

「……ごめんなさい、提督。私としたことが」

「まあお前が男絡みで飲んで取り乱すのは、今に始まった話じゃねえからな。俺に比べりゃまだ大分若いんだから、焦る必要もないだろうに」

一通り吐いて息が整ったか、足柄が申し訳なさそうにうつむいている。

「そうですよ、姉さん。あのっ、司令官さん、ごめんなさい」

「いや、いい。しっかし何で湯島にいたんだか。結婚式帰りって言っても、この辺りに式場なんてあったかね」

「えっ、あの、実は……那智姉さんがいつも連れていってくれるお店があるんですけど、どこか分からなくて。そうしたら、足柄姉さんが『どこでもいいから飲みたい』って……」

ゴーヤが溜め息をついた。

「羽黒さんは大変でちね。ダメな大人の世話は苦労するでち。今度お昼のお茶会に招待するでち。スッキリするでちよ」

「そうであります。辛いことは吐き出すがいいであります。自分もそうやってたのし……いや元気付けられているのであります」

俺は後ろの二人を一瞥した。

「問題児二人が優等生の羽黒を悪の道に引きずり込もうとしてるが……無視しろ、無視。
それはさておいて、那智が行きつけの店は何という店だ?」

「えっと……『EST』ってとこですけど」

※下の!randomが40以上で提督も知っている
143【52】 :2018/09/20(木)17:33:41 ID:PuX
ぽい
144Try7rHwMFw :2018/09/20(木)17:46:57 ID:gcj
※知っている

「マジか。流石だな」

ゴーヤが俺を見た。

「知ってるでちか?」

「無論。日本のオーセンティックバーの頂点にあると言っても過言じゃない。
もうマスターは80近いはずだが、腕は健在。とにかく全てのカクテルに仕事がしてある。
ただ、メニューはないし、お高い。あと、フードもない。本当に酒飲みが最高の酒を飲むために行くような店だな」

「ほう、何か凄そうな店でありますな……とはいえ、目的はラーメンであります。迷いますなぁ」

「目的の店は飲みの締めにはピッタリだったんだよ。あっさりして滋味がある。どうするよ」

ゴーヤは少し考えてから口を開いた。

「今回はやめとくでち。そもそもゴーヤ、そんなに飲めないし」

「陸軍……じゃなかった自分としては賛成でありますな。そこまで言うカクテルとは何か、気になるであります」

あきつ丸は乗り気のようだ。

「お前らは?」

「あのっ、せっかくですし、行きたいなって……姉さんは?」

「私はパスしたいわね……安酒なんざ飲むんじゃなかったわ」

こちらも意見が割れた。さあて、どうすっかな。

※安価下1~3で多数決します。
145名無しさん@おーぷん :2018/09/20(木)17:49:01 ID:Ak8
行く
146【86】 :2018/09/20(木)17:50:13 ID:hvH
ESTに行ってみる
147Try7rHwMFw :2018/09/20(木)17:53:25 ID:gcj



第3.5話 EST
148Try7rHwMFw :2018/09/20(木)17:55:12 ID:gcj
ラーメンではないですが、少しだけ。
大喜の開店時間的に多分1杯飲んだら撤収でしょうが……
149【31】 :2018/09/20(木)18:40:13 ID:BrI
狼さん……w
150名無しさん@おーぷん :2018/09/20(木)19:25:37 ID:PnX
^^
151Try7rHwMFw :2018/09/20(木)22:12:41 ID:W3z
「じゃあ行ってみるか。……金あるかな」

一応相応の給料は貰っているが、何せ高い。まあ、時間的にもそんな飲まないだろうからいいか。

「本当でありますか!いやあ、提督殿は太っ腹でありますなあ」

「その代わり、約束は守れよ。いいな」

「承ったであります」

あきつ丸は満足げだ。しかし言葉半分に聞いておこう。

「ていうか、お前ら店に気付かなかったのか。すぐそこだよ」

俺は足柄たちが出てきた路地の入り口を指差した。木の看板に「EST!EST!EST!」とある。

「あ、本当です……あの、姉さん、ごめんなさい」

羽黒が涙目になって謝る。俺はまあまあとなだめた。

「まあ見付けにくいしな。そもそもどこから入ればいいか分からんだろ。ほれ」

ドアは通りに直接面しておらず、少し隠れた位置にある。しかもこのドアがやたらと重厚で威圧感がある。一見で抵抗感なく入れたら、そいつはかなりの剛の者だ。
俺はそれを押し、店内に入った。
152Try7rHwMFw :2018/09/20(木)22:13:01 ID:W3z
中はカウンターとテーブルが一つ。それを茶色い落ち着いた光が照らしていた。
奇跡的に、カウンターには誰もいない。5人座れそうだ。

「いらっしゃい。5名様」

白髪の老人が出迎えた。にこやかで、親しみがわく接客だ。

「これがバーでちか……不思議な感じでちね。重たいのに、暖かい感じ」

「オーセンティックバーといってかしこまることはない。旨い酒を楽しめばいいだけだ」

さっきの老人がうんうんと頷いた。

「いかがしましょう。何がいいですか?」

「……メニューってないんだっけ。好みを言えばいいのかしら?」

足柄が困った様子だ。

「それで大丈夫ですよ。できるだけそれに沿ったものをお作りします」

「うーん、じゃあ甘くてスッキリしたの。あまりアルコールしてないのがいいかしら」

「かしこまりました。他の皆さんは」

「俺はギムレット。あきつ丸は」

「濃いのがいいでありますな。ラムベースで」

陸自出身でラムか。何気に海の適性があるんじゃなかろうか。

「承りました。そちらのお嬢さんは」

「あまり強くないのがいいでち。甘いので」

「あ、あの。あの、私は……ゴーヤちゃんと同じので。よく分からないですし」

「構いませんよ。少々お待ちを」
153Try7rHwMFw :2018/09/20(木)22:33:52 ID:W3z
そう言うと老人は軽やかな手付きでシェイカーを握り、猛烈な勢いで振り始めた。

「お、おお……」

あきつ丸が感嘆の声をあげる。その作業スピードは、到底80前の老人のそれとは思えない。

あっという間に、最初のグラスが出された。綺麗に切り揃えられたパイナップルがグラスに飾られている。中には黄色い液体だ。

「アプリコット・コラーダです。普通パイナップルジュースを使いますが、ここでは生搾りを。ココナッツも新鮮なのがあったので使ってみました。そこの八重歯がかわいいお嬢さんに」

「わ、私?あ、ありがとう」

一口飲むと、足柄の表情が一変した。

「何これ、美味しい!コクがあって、まろやかで……パイナップルの味がストレートに来るわ!こんなカクテル、飲んだことない……」

マスターは静かに微笑み、次のカクテルに向かう。すぐにショートグラスにシェイカーから酒が注がれる。

「ギムレットです。ただのギムレットではありませんよ。飲めば分かります」

俺はグラスに口をつける。

「……これはっ?まろやかさが全然違う……」

「ええ。いわゆるチャンドラー流のギムレットです。ライムジュースや絞ったライムにシロップを加えるのが一般的ですが、今回はローズ社のライムジュースを使いました。
『長いお別れ』で言及されているものですね。あのレシピそのままだと少し甘いので、ジンの比率を増やしてあります」

ゴーヤがぽかーんとしている。

「細かすぎてよく分かんないでち……」

「マスター、ひょっとして覚えてるのか?前に来たのは5年前だが」

マスターがにこやかに笑う。

「ええ、勿論。……と言いたいですが、那智さんからあなたのことは重々。妹さんのこともうかがってますよ」
154Try7rHwMFw :2018/09/20(木)22:48:12 ID:W3z
「わ、私たちのこともですか?ああっ、は、恥ずかしい……」

「あなたが羽黒さんですね。こちらを」

ゴーヤと羽黒の前に、薄く赤い液体入りのグラスが出された。

「これは?」

「ジャックローズというカクテルです。さ、どうぞ」

「……あ、美味しい!甘くて、少し酸っぱくて……」

「そして飲みやすいでち!アルコール、結構ある気がするけど……何杯でもいけそうでち」

最後に、あきつ丸に少し黒っぽいカクテルが出された。

「ダイキリです。飲める方と見て、一味変えました」

「ほうほう。……おおっ!これは……本当に濃厚でありますな!!」

「ラムでもブラックラムを使ってます。コクを出すため、ハチミツも隠し味に」

うんうんと頷きながらあきつ丸が飲む。

「ひょっとして、好みを事前に?」

「ええ。那智さんが『いつか来るだろうから』とお伝えになっていたのですよ。お気に召して頂いたようで何よりです」

「……脱帽です。完璧ですよ。俺の愛読書まで押さえていたとは……」

「いえいえ、この程度。……あ、いらっしゃい」

新たに客が入ってきた。時計を見ると、もうラーメン屋の閉店まで間もない。

「あ、行かなければ……マスター、ありがとう。今度は那智も連れてきます」

「いえいえ。また今度。お待ちしております」

味だけでなく、この丁寧な心配り。この店の常連になるとは、那智も流石、ただの酒飲みではない。
155Try7rHwMFw :2018/09/20(木)22:48:51 ID:W3z
ちょっと駆け足になりましたが、EST編はここまで。明日は本線です。
156名無しさん@おーぷん :2018/09/20(木)22:55:36 ID:06Z

157Try7rHwMFw :2018/09/20(木)22:55:46 ID:W3z
なお、ESTは1杯が2000円ぐらいします。カクテルの描写はうろ覚えなのでご注意を。
158名無しさん@おーぷん :2018/09/20(木)23:21:46 ID:hvH

159Try7rHwMFw :2018/09/21(金)13:02:30 ID:ruD
再開します。
160名無しさん@おーぷん :2018/09/21(金)13:17:13 ID:W4E
きた
161Try7rHwMFw :2018/09/21(金)13:20:43 ID:ruD
#

「美味しかったでち!お酒苦手なゴーヤもすっきり飲めたでち」

「そうでありますなぁ。もう少しいたかったでありますが……」

「まあしゃあないな。足柄は元々大分飲んでたし、店の閉店までそうない。次はゆっくりできるといいが」

羽黒が俺に笑いかける。

「できれば那智姉さんも一緒にですね、司令官さん」

「ん、まあそうだな。……しかし諭吉1枚が死んだぞ。やっぱキツいな」

「えっ……?そ、そんなにかかったんですか?あ、あのっ、ご、ごめんなさい!!」

涙目になった羽黒の頭を俺は撫でた。

「謝る必要はねえよ。こっちはそれなりに貰ってるし、部下の慰労も俺の仕事だ。さて、行くとしますかね……都合よくワンボックスのタクシーが来たな。行くぞ」

目的地は末広町と蔵前の間だ。数分もかからず、目当ての店に着く。行列はないな。

「『らーめん天神下 大喜』でありますか」

「そう。塩ラーメンの老舗といえば、ここと新座の『ぜんや』だ。かつては全国人気ランキング1位だったこともある」

足柄が後部座席から身を乗り出してきた。

「凄いじゃない!そんなお店なのね!」

「まあ昔の話だ。ただ、ここの味が落ちたというより、ここをきっかけに塩が大きく進化していったというのが理由で、名店には違いない。さ、降りるぞ」
162Try7rHwMFw :2018/09/21(金)13:39:05 ID:ruD
「ん、醤油もありますな……というか塩がないでありますが」

「とりそばが塩だ。醤油もハイレベルだが、ここは特製とりそばを頼もう」

5人前の特製とりそばを頼む。数分後、着丼。

「おー、これは……『鶏』って感じでち。鶏そぼろも乗ってるし。チャーシューも鶏なんでちね」

「その通り。まあスープからいってくれ」

俺もレンゲを口に運ぶ。じんわりと、鶏スープの滋味が拡がる。旨い。
塩が尖りすぎる塩ラーメンは多いが、ここはそんなことはない。鶏の味を引き立てるための塩だ。

「あっ、美味しい。というか、胃に優しいわぁ」

足柄がほっとしたような笑いを浮かべた。あきつ丸もうんうんと頷く。

「うむ、これであります。自分が求めていたものであります。見直したであります」

「それに、このワンタンでち。食感が変わって面白いでち」

「だろ。奇をてらわず、しかし工夫は見せる。だからこその老舗だな」

量がさほどでもないせいか、皆一気に平らげた。隣の羽黒が泣き笑いで言う。

「あ、あのっ、とっても、美味しかったです!突然お邪魔したのに、連れてきて下さって……司令官さんっ、本当にありがとうございます!」

「いやいや、だから泣くなよ。望むなら、また連れてきてやる」

「ほ、本当ですかっ!?」

羽黒が俺の手を握ってきた。……隣のゴーヤがコホンと咳払いする。

「ゴーヤたちも忘れないでほしいでち」

「あー、分かった分かった。さ、遅くなるから帰るぞ。……御馳走様でした」

店主に一礼する。今度は店の場所、間違えねえようにしないとな。
163Try7rHwMFw :2018/09/21(金)13:58:39 ID:ruD
#

「あ、司令官さんっ。お、お邪魔してます」

数日後。執務室に戻ると羽黒が恐縮しながら頭を下げていた。いつぞやの時のように、テーブルには湯飲みとカステラがある。……ということは。

「あー、また帰ってくるの早いでち。あっち行くでち」

「ここは俺の部屋なんだが?……例の女子会か?本当に羽黒を巻き込むとは。あきつ丸は」

「今日は留守でち。羽黒ちゃんと二人だけでち」

「……『ちゃん』?」

羽黒が笑顔で「はいっ」と答えた。

「帰りの電車で、ゴーヤちゃんとお話ししてて。同じ年だって分かったんです。それで意気投合しちゃって……」

「というわけでち。提督は邪魔でち」

「何でそんなに邪険に扱われなきゃあかんのだ……って羽黒。何でお前も笑ってる」

「い、いえっ。何でもないです……。でも、今日は、二人っきりの方がいいかなって」

「従順重巡」との異名を持つ羽黒にしては、珍しい態度だな。俺は首を捻りながら、部屋を後にした。

#

二人の会話内容を聞いて、俺が仰天するのは、また別の話だ。
164Try7rHwMFw :2018/09/21(金)13:59:12 ID:ruD
今回はこれまで。後でいくつか判定をかけます。
165【46】 :2018/09/21(金)14:15:46 ID:YxI

2人が何を話してたか気になる
166Try7rHwMFw :2018/09/21(金)15:20:49 ID:rot
まず、次回のテーマを決めます。

安価下1~5の多数決です。
167名無しさん@おーぷん :2018/09/21(金)15:23:47 ID:w9V
3
168【67】 :2018/09/21(金)16:07:51 ID:YxI
B級ご当地ラーメン
169名無しさん@おーぷん :2018/09/21(金)16:17:04 ID:mBq
坦々麺も入るのかな?

入らないなら豚骨ラーメンで
170Try7rHwMFw :2018/09/21(金)16:25:01 ID:rot
>>168
これは難しいですね……広島ラーメンとか竹岡式とかでしょうか?この分野は割と弱いので、除外させて頂きます。申し訳ありません。

>>169
担々麺は全く問題ありません。それでOKです。
171【66】 :2018/09/21(金)16:47:16 ID:pDF
煮干し系ラーメン
172【15】 :2018/09/21(金)16:47:43 ID:cgC
二郎インスパイア
173名無しさん@おーぷん :2018/09/21(金)16:48:08 ID:lpn
魚粉系なら>>171
174名無しさん@おーぷん :2018/09/21(金)16:49:52 ID:GMZ
>>171
175Try7rHwMFw :2018/09/21(金)16:58:18 ID:rot
では煮干し系で決定です。

ゲスト艦娘を決定します。コンマ1~3で!randomがもっとも大きいものを選びます。
176【92】 :2018/09/21(金)17:06:56 ID:F2w
伊8
177【48】 :2018/09/21(金)17:13:03 ID:693
多摩
178【74】 :2018/09/21(金)17:31:33 ID:YJo
霧島
179Try7rHwMFw :2018/09/21(金)17:40:20 ID:rot
はっちゃんで決定です。

最後に!randomで

00 ゴーヤ抜き
01~70 通常通り
71~95 +羽黒
96~99 +あきつ丸
100 自由安価(複数可)
180【37】 :2018/09/21(金)17:44:13 ID:f4G

181Try7rHwMFw :2018/09/21(金)20:29:23 ID:OVs
では、再開します。
182Try7rHwMFw :2018/09/21(金)20:51:35 ID:OVs
「あ、提督。Guten Tag、お邪魔してますね」

部屋に入ると、金髪碧眼の女が本を片手にくつろいでいた。スク水の上に、セーラー服を引っかけている。胸部装甲が、実に暴力的だ。

「ん、はっちゃんか。珍しいな。ゴーヤと一緒に休憩か?」

「ええ。ゴーヤはちょうど飲み物作ってます。今日のオリョクル、もうおしまいですし」

「1日の疲れを癒しに来た、というわけか。だが、自室でも構わんだろう。わざわざ執務室に来る意味はないんじゃないか」

ゴーヤがマグカップ2つを持って現れた。微かに湯気が上がっている。

「コーヒーか?これもまた珍しい……」

俺はすぐに額に皺を寄せた。マグカップから覗くシナモンスティック。これは……

「グリューワインか。まだクリスマスには大分早いし、夜もまだ早いぞ」

「いいんです。好きなものは好き、それでいいじゃないですか。それに、どこかのアル重と違って弁えてますし」

「そうでち。1日の重労働のご褒美ぐらいいいじゃないでちか。さ、乾杯でち」

俺は大きく溜め息をついた。

「お前なあ、ここは俺の部屋だぞ?何でお前の私室みたいになってんだよ、自分の部屋でやれ」

「くつろぐにはここがちょうどいいでち。……というかはっちゃん。お願いがあるんじゃないでちか?」

パン、とはっちゃんが手を叩いた。

「そうでしたそうでした。はっちゃん、すっかり忘れてました」

「ん?お願い?……まあどっかの歩く18禁と違って、お前はそんな無茶は言わない奴だが。本か」

「いえ。美味しいラーメンを食べたいんです。それも、煮干しがすっごく効いたのを」
183Try7rHwMFw :2018/09/21(金)21:12:58 ID:OVs
俺は思わず口をあんぐりと開けた。

「煮干しラーメン?何でまた」

「実はこの前、父方の実家がある長崎から大量に煮干しが送られてきまして……。どうしたものかなあと思ってたら、ラーメンにしたらいいんじゃないかなって。参考にしたいんです。
『全鎮守府煮干し王』の提督なら、ご存じかなって」

「お前なあ……また意味分からん称号を。それにラーメンは自前で作ると大変だぞ?鳳翔や間宮の力を借りても簡単じゃあない。特に煮干しラーメンは難しいんだ」

「そうなんですか?」

はっちゃんが碧い目をパチクリさせている。彼女は長崎の造船所の偉いさんんとドイツ出身の女性とのハーフだが、見事なまでに母親に似たらしい。

「そうなんです。特に煮干し特有のエグ味をどうするかは、プロでも持て余すんだ。濃厚さとエグ味を勘違いして、見るも無惨なものになってる店も相当多い。
当たり外れがプロでも極端になるのが煮干しラーメン。そして当たりは一握り。素人が手を出すもんじゃあない」

「そうなんですか……せっかくレシピ本も買ったのに」

はっちゃんが肩を落とした。どうやら手に持ってるのがそれらしい。こいつのガッカリした顔は、正直罪悪感に駆られるな……。

「むしろレシピ本が市販されてるのか……分かった。その覚悟に応え、旨い煮干しラーメンを紹介してやろう」

「本当ですか!?はっちゃん、感激です!」

「さすが提督でち。女の子の涙には弱いでち。ちょろいでち」

「てめーぶんなぐっぞ?おお?……っとはっちゃんの前で折檻はやめとこう。さて、どうすっかね」
184Try7rHwMFw :2018/09/21(金)21:20:15 ID:OVs
1 寂れた商店街にそれはある。煮干しの頂点を案内しよう
2 24時間営業!年中無休!怪しい街の怪しい一角こそ煮干しの聖地だ
3 隙間のない家の狭間にある行列の先。異端の煮干しがそこにある
4 煮干しはスープ?いや違うな、麺を食わせる煮干しラーメンここにあり
5 秋田のど田舎にたたずむ謎の店と謎の店主。こんな所に煮干しラーメンはあるのか?

※3票先取です。
185名無しさん@おーぷん :2018/09/21(金)21:21:07 ID:mDw
1で
186名無しさん@おーぷん :2018/09/21(金)21:21:12 ID:yrM

187名無しさん@おーぷん :2018/09/21(金)21:24:39 ID:f4G
5
188名無しさん@おーぷん :2018/09/21(金)21:31:56 ID:cv6

189名無しさん@おーぷん :2018/09/21(金)21:33:55 ID:SCg

190名無しさん@おーぷん :2018/09/21(金)21:34:28 ID:F2w
5
191【28】 :2018/09/21(金)21:34:34 ID:9RE
5
192Try7rHwMFw :2018/09/21(金)21:37:35 ID:OVs




第4話 自家製麺 伊藤
193Try7rHwMFw :2018/09/21(金)21:42:43 ID:OVs
中断します。

店のネタバレをしてもいいのですが、趣向を変えてクイズとします。3問以上正解で追加艦娘、全問正解で???とします。

2300ぐらいまで。
194Try7rHwMFw :2018/09/21(金)21:44:25 ID:OVs
多分4が難しいと思います。なお、全て東京にあります。
195名無しさん@おーぷん :2018/09/21(金)21:53:53 ID:W4E
煮干しは栃木と茨城と埼玉の店しかわからぬ……
196名無しさん@おーぷん :2018/09/21(金)21:57:22 ID:cv6
2はすごい煮干ラーメン凪 新宿ゴールデン街店 本館?
197Try7rHwMFw :2018/09/21(金)21:58:19 ID:OVs
>>196
正解です。ここは簡単ですね。
198名無しさん@おーぷん :2018/09/21(金)22:05:55 ID:SCg
1は「中華そば屋 伊藤」かな?
199Try7rHwMFw :2018/09/21(金)22:07:24 ID:OVs
>>198
こちらも正解です。今回の店主の弟さんがやられてる店のはずです。
200Try7rHwMFw :2018/09/21(金)22:09:05 ID:OVs
4だけヒントを。手打ち麺です。注文受けてから打ってます。
201名無しさん@おーぷん :2018/09/21(金)22:15:54 ID:F2w
4は麺や七彩八丁堀店でしょうか?
202Try7rHwMFw :2018/09/21(金)22:20:54 ID:OVs
>>201
正解です。煮干しとしては(個人的に)ライトな部類ですね。麺が本当に独特です。
203Try7rHwMFw :2018/09/21(金)22:44:55 ID:OVs
上げます。2300まで。
204名無しさん@おーぷん :2018/09/21(金)22:52:42 ID:GgT
うーん3は方南町の蘭鋳?
205名無しさん@おーぷん :2018/09/21(金)22:55:16 ID:SCg
調べてみたけど3はよく分からない……
煮干しつけ麺 宮元か中華ソバ 伊吹?
206Try7rHwMFw :2018/09/21(金)22:55:53 ID:OVs
>>204
違います。

ちょっと表現が悪くてあれなのですが、今はビル解体工事に伴いすごく見つかりにくい路地の先にありますね。
207【64】 :2018/09/21(金)23:04:40 ID:xco
纏やな
208Try7rHwMFw :2018/09/21(金)23:06:48 ID:jvT
タイムアップです。慰安旅行編ではなくなりました。提督たちが角館に行く理由を考えねば……

なお、3は新橋 纏です。平子煮干しという変わった煮干しを使ってます。
イカ干し鶏白湯という、強烈な品も……
本当にどこにあるかは分かりにくいです。毎回迷います。
209Try7rHwMFw :2018/09/21(金)23:09:09 ID:jvT
っと、一応書き込み前に正解が。
>>207を有効として慰安旅行編とします。

角館には確かほとんどホテルがなかったので、秋田市内としますかね……
210Try7rHwMFw :2018/09/21(金)23:17:03 ID:jvT
というわけで、慰安旅行の範囲を決めます。

コンマ下の!randomが
00~10 全艦娘
11~80 全潜水艦娘
81~100 ゴーヤ+はっちゃん+イベント功労者(自由安価で3人まで)
211【36】 :2018/09/21(金)23:17:54 ID:9RE
はい
212【24】 :2018/09/21(金)23:17:57 ID:GgT
どやさ
213Try7rHwMFw :2018/09/21(金)23:25:22 ID:jvT
※皆オリョクルお疲れ様慰安旅行

なお、艦これ現役勢ではないのでしおんはおりません。御了承下さい。
214Try7rHwMFw :2018/09/21(金)23:41:47 ID:jvT
また、性質上飲酒シーンが出ますが、このスレのみの設定として

・成人済み
ゴーヤ、イムヤ、イク、はっちゃん、ヒトミ、イヨ
・未成年
しおい、ろー、ごー、まるゆ、ニム

とします。
215Try7rHwMFw :2018/09/22(土)15:21:03 ID:2Ej
再開します。
216【56】 :2018/09/22(土)15:24:30 ID:dm1
うい
217Try7rHwMFw :2018/09/22(土)15:59:02 ID:2Ej
煮干しか……煮干しといえば王子神谷の伊藤だ。複雑かつ実に奥行きがある1杯を出す。そこでもいいのだが……。

そう言えば、この前の作戦の恩賞が結構あるな。北海道の復興支援の報酬もある。資源は日々のオリョクルで十分確保可能だ。
それに例年は熱海で全舷(宴会の意)をやってるが、うちも整備員などを合わせると150人以上の大所帯になっている。さすがに予約は難しかろう。

……よし、決めた。

「ちょっと今から鎮守府に一斉放送を流すぞ。お前らにも関係があることだ」

「え?ラーメンの話じゃないんでちか?」

「ちゃんと関係がある。まあ黙って聞け」

俺は執務室に備え付けのマイクをオンにした。これで鎮守府全室に俺の声が届く。

「あー、俺だ。小泉中佐だ。訓練、ないしは業務中に失礼する。
突然だが、今年の全舷について連絡事項がある。各班の班長は、1900までに執務室に集まるように。一応言うが、朗報だ。以上」

「朗報って何ですか?提督」

はっちゃんがグリューワインを一口飲んで言った。

「おう。全舷は各班ごとに行うようにした。予算があるのと、ホテルの予約が到底取れんのが理由だ。
予算は均等割で、1泊2日であればプランも自由。代わり映えのしない熱海の大宴会場とは、おさらばというわけだな。
予算内に収まれば海外へ行こうが夢の国に行こうが自由。班内で相談して、企画書を出してくれればいい。ただ、宴会代も予算から出してもらうがな」

「それはいいでちね!でも、提督はどうするんでち?」

「考え中。ただ、潜水艦班には同行するぞ。それが今回の真の目的だからな」

「真の目的、ですか?」

はっちゃんに俺は頷く。

「班ごとに目的地は決めてもらうが、潜水艦班は俺が決めるつもりだ。秋田に行く。呑兵衛がいるのも理由だが、それ以上に目当ての煮干しラーメンがあるからな」

「秋田に煮干しラーメン、ですか?ご当地ラーメンなんですか」

「煮干しを使ったご当地ラーメンといえば青森だな。しょっぱいが旨いのは旨い。だがここのはそれともまた違う。
日本における煮干しブームのルーツとも言える店が、秋田県角館にある。そこへ行こうってわけだ」
218Try7rHwMFw :2018/09/22(土)16:22:46 ID:2Ej
ゴーヤが呆れた様子で俺を見る。

「煮干しラーメンのために角館まで行くんでちか?ラーメン馬鹿とは知ってたでちが、そこまで行くと感心するでち。職権濫用して、予算も使ってまでラーメンでちか。恐れ入るでち」

「勘違いするなよ。全舷の分割開催は、元々想定してたことだ。福利厚生はホワイト鎮守府の必須条件だからな。
あと、大人数だとトラブルが起きやすいってのもある。昨年は響がポーラとつるんで危ないとこだっただろ」

ゴーヤの顔が引きつった。

「あー……あれは酷かったでちね。警察の御用になったら、提督の左遷は120%確定だったでち」

「暴走した連中が駆逐艦の連中に酒を飲ましまくって、それでさらに長門がながもんと化し、それが混乱を拡げる完全なるカオス状態だったからな。
未成年者への飲酒がバレてたら、完全にアウトだったな。あのホテルはもう使えないってのも、大きな理由なんだよ」

結局加賀や妙高といった年長組が武力行使し、ホテルに多額の口止め料を払って収まったのだが……おかげで資源がカツカツになってしまった。
それがゴーヤたちに負担となってのし掛かったため、彼女たちにとって全舷は軽いトラウマになっている。

「理解したでち。でも少人数だからといって大丈夫とは限らないんじゃないでちか?」

「全舷には目附役の男性陣が同行して監督することになるな。まあ、男女間の過ちを犯さんよう配置は工夫するが。
既にリアルで結婚してる奴が多いし、交際中のもいるからあまり悩まずに済むのは良いことだ」

「で、提督は潜水艦班ということですね」

はっちゃんの目線が一瞬だけゴーヤに向いた。

「そういうこと。イクとイヨは色々アレだが、まあ2人だけならなんとかなるだろ。他の班の全舷に同行するかは考えるが、まあ多分ないだろ」

「やめといた方がいいでち。で、全舷はいつにするでちか?」

「予約次第だが、まあ10月中メドだな。平日も使えるから、楽なもんだろ。
あとは班長のお前が皆と相談して決めてくれ。……っと、ぼちぼち1900か。じゃあ、会議ですかね」

はっちゃんがゴーヤに何やら耳打ちしている。……何を企んでるのやら。
219Try7rHwMFw :2018/09/22(土)16:23:07 ID:2Ej
再開は夜です。
220Try7rHwMFw :2018/09/22(土)21:30:57 ID:ABW
再開します。
221Try7rHwMFw :2018/09/22(土)21:59:25 ID:nmm
#

(2週後……)

「さあて、皆荷物は持ったか?忘れ物はないか?」

ツインテールの女がピョンと跳ねた。いつもの卑猥なスク水ではなく、露出の多いヒラヒラしたワンピースを着ている。当然だが。

「大丈夫なのー!イク、楽しみで仕方なかったのねー」

ちっこい白人の2人娘……とはいっても片方はまだ日焼けで黒いが……も手を取り合ってはしゃいでいる。

「ろーちゃんもジュンビバンタン?ですって!アキタって温泉あるって聞いたけど、楽しみですって!」

「あい!キリタンポ?ってなんだろ?食べたいなー」

皆テンションが高い。班長で秘書艦を務めることも多いゴーヤはともかく、他の奴らは遠出しても藤沢や横浜までだ。秋田に行くのは、大体が初めてだろう。そういう俺も2回目だ。

ゴーヤがコホン、と咳払いする。

「はい、みんなよーく聞くでち。これからのスケジュールを言うでち。
まず横須賀線で横浜まで。そして上野まで上野ラインで行くでち。乗り替え間違えないよう気を付けるでち。
そこで秋田新幹線で角館まで。チェックインは1600の予定でち。それまでは単独行動は厳に慎むでち」

「「はーい」」

ジーンズにシンプルなシャツを着たゴーヤが言うと、皆が口を揃えた。
ちんまい上に童顔だから舐められやすいが、何気に元はバリバリの体育会系だ。統率力は馬鹿にしたものでもない。

「……提督、他の班から異論は出なかったんですか?提督を好きな子、結構いるのはご存知でしょうけど」

近くにいたはっちゃんがぼそりと言う。

※コンマ下の!randomが30以上で誤魔化しきった
222【35】 :2018/09/22(土)22:03:13 ID:2M1

223Try7rHwMFw :2018/09/22(土)22:31:13 ID:nmm
※修羅場編はなし

「おう。てか前の会議では抽選で決めたことにしたしな。無論、仕込みはしている」

「……その周到さを身近な人相手でも発揮してほしいですけどね」

はっちゃんが溜め息をついた。

……まあ言わんとすることは分かってる。分かってるんだが……そう簡単にことが運ぶほど、男女の仲は簡単じゃあない。

俺ははっちゃんの呟きが聞こえないふりをした。

#

「で、ラーメン屋にはいつ行くでちか?さすがに夜は宴会だし。翌日昼でちか」

昼飯の幕の内弁当を頬張りながら、窓側の席にいるゴーヤが訊く。新幹線は大宮を通過したぐらいだ。

「そうだな。そもそも昼しかやってない。着いたら宴会以外は大体自由時間だから、その時に有志で行く感じだ。ただ、ぶっちゃけ歩きで行くのは無理だから、レンタサイクルだな」

こちらは崎陽軒のシューマイ弁当を食べながら、通路側のはっちゃんが俺を見た。

「サイクリングですか、楽しそう。角館って、何かあるんですか?」

「古い武家屋敷、それと温泉だな。今回は日帰り温泉と直結した旅館にしてある。飯は併設の居酒屋で食う感じだな。比内地鶏が旨いらしいぞ」

「いいですね!落ち着いてて、はっちゃんゆっくりできそうです」

「まー角館は小さな観光地だが、こういう宴会+αぐらいなら飽きずに済む。俺の私欲入りのチョイスだが、なかなか悪くねえな」

ツンツンとゴーヤが突っつく。

「宿のチョイスはゴーヤがやったんでち。てーとくは何もやってないでち」

「はいはい、そうですよ。……ってろーちゃんとごーちゃんは暴れない!まるゆ止めろ!」

あの二人は新幹線も初めてだからなあ……まあ仕方ないか。
イクとイヨはもうビール片手にご満悦状態、イムヤは何やらスマホを真剣な表情で弄ってる。
ニムとシオイが談笑中で、あとは昼寝を決め込んでいるようだ。……さあ、今回の旅行は無事に終わるのかどうか。
224Try7rHwMFw :2018/09/22(土)22:43:57 ID:nmm
#

「ふう」

チェックインを済ませ、俺は宿の部屋で寝転んだ。さすがに一人部屋だ。あとは4人部屋が3部屋。ざっくりと年齢別に分けてある。

宴会は1900。まだ3時間もある。どうすっかねえ。

1 温泉入るか
2 散歩でもするか
3 寝よう

安価下1~3の多数決
※どれでも艦娘の乱入が確率であります
225【44】 :2018/09/22(土)22:44:22 ID:CMc
1で
226【29】 :2018/09/22(土)22:45:17 ID:KpE
1
227名無しさん@おーぷん :2018/09/22(土)22:45:42 ID:Q36
2
228【14】 :2018/09/22(土)22:50:05 ID:2M1
1
229Try7rHwMFw :2018/09/22(土)22:59:54 ID:nmm
まあ温泉あるんだし、ここは温泉だろ。俺は浴衣に着替え、浴場に向かった。


浴場は日帰り温泉として解放されている、らしい。観光客らしきおっさんたちが、頭から湯気を出しながら出てきた。
何でも源泉かけ流しらしい。単純泉ではなく、ちゃんとした硫黄塩泉で肌にいいという。所謂「美人の湯」というやつだ。……ゴーヤの奴、この辺り狙って選んだな。
飲めるらしいが、大丈夫なのかは知らん。まあ、ご託は抜きにとっとと入るか。

#

「んー、なかなか」

俺は風呂から上がり、大きく伸びをした。キレイかと言われるとそうではないし、むしろ田舎の銭湯のような風情があるが、それがいい。
何より温泉だ。これはちゃんとしたヤツだ。長旅の疲れを芯からほぐしてくれる。併設のサウナにも入り汗を流して、また温泉。生き返るな。

後はコーヒー牛乳で締める。部屋帰ったら少し仮眠でも取ろう。まだ全舷はこれからなのだ。

※コンマ下の!randomが20以上で誰かと遭遇(ゾロ目だと?)
230【18】 :2018/09/22(土)23:00:46 ID:Q36

231【90】 :2018/09/22(土)23:01:10 ID:KpE

232【37】 :2018/09/22(土)23:04:02 ID:2M1
こういうときに限って低い確率を引くんだなぁ
233Try7rHwMFw :2018/09/22(土)23:19:39 ID:nmm
※遭遇なし

#

「ん……」

どうやら寝てしまっていたらしい。時間は……1845か?随分寝ていたな。
まあ、宴会までには間に合う。俺は軽く髪を調え、隣の居酒屋に向かう。

「あ、Ammiraglio!宴会に行くのー?」

部屋を出ると年少組の3人と出くわした。ろーちゃんとごーちゃんの浴衣の着方が怪しいが、まあいいか。

「おう。まるゆとは仲良くやってるか?」

「はいっ!マル・ユーってこう見えてスプラトゥーン強いんですって!ね、マル・ユー」

「えっ、そ、そんなでもないよ……」

まるゆが顔を赤くして縮こまっている。俺は彼女の頭を撫でた。

「おう、じゃあ今度相手してくれや。つーか、俺ら最後じゃね?」

他の部屋からはもう人の気配がない。先に飲んでるパターンか。

急いで行くと……

00 カオス状態
01~20 イクとイヨができあがってる
21~85 通常進行
86~95 皆温泉から直行してた
96~100 ???
234【88】 :2018/09/22(土)23:21:14 ID:kn0
直下?
235【19】 :2018/09/22(土)23:21:25 ID:KpE

236Try7rHwMFw :2018/09/22(土)23:22:44 ID:nmm
>>234
直下です。失礼しました。

今日はここまで。
237名無しさん@おーぷん :2018/09/23(日)10:00:41 ID:IBz
再開します。
238Try7rHwMFw :2018/09/23(日)10:01:20 ID:IBz
酉つけ忘れてました。
239Try7rHwMFw :2018/09/23(日)10:24:10 ID:IBz
「あ、提督!こっちだよこっち!」

声の方を見ると、イヨがビールを片手に手を挙げていた。風呂上がりらしく、浴衣姿だ。
少し顔が上気しているのは、酒によるものというよりは温泉によるものか。

「ちょっと前から始めてるのー。お風呂上がりの一杯はたまらないのねー」

「って飲んでるのはイクとイヨだけじゃない。ほら、ろーちゃんたちも来たよ。仕切り直し、仕切り直し」

イムヤが渋い顔でイクを見た。俺の席は……と。

「こっちでち」

あー、やっぱゴーヤの隣か。……何かいい匂いがするな。コンディショナーの匂いか。
提督という職業をやっちゃいるが、こうやって風呂から上がったばかりの奴と接する機会は滅多にない。
整備員の連中は別だが、こちらの仕事は作戦立案と鎮守府の管理が中心だ。
それだけに……何かこう、来るものがある。ほぼすっぴんに近いが、温泉で軽く赤く染まった顔も、妙な色気を感じさせる。

……いかんな、一線は守ると決めているのだが。特にこいつについては。

俺は動揺を悟られまいと、どすっと敢えて荒っぽく座った。

「まさかもう始めてたとはな。子供たちを待てんのか」

「あの2人は別でち。さ、てーとく」

ゴーヤが俺のグラスにビールを注いできた。……妙に殊勝だな。てっきりいつものように何か言い返してくるかと思ったが。
ふと見ると、はっちゃんがふふふと笑っている。ああ、そういうことか。お節介な奴だ。
あるいは、風呂から上がってすぐに宴会にしたのも、彼女の企てかもしれない。
240Try7rHwMFw :2018/09/23(日)10:50:13 ID:IBz
俺は少し息をついて、皆を見た。

「よーし、全員揃ったな。まず、日々の業務、そして先の作戦ご苦労だった。
北海道復興支援の留守中も資源回収に従事してくれたことも併せて礼を言う。
横須賀第四鎮守府が、全国でも屈指の武勲を挙げているのは、お前ら潜水艦班の働きに依るところが大きい。
これはお世辞じゃなく、本気で感謝している。ありがとう」

パチパチと拍手があった。一服置いて続ける。

「半面、厳しい任務を課したことがあった点については詫びの入れようもない。
俺の不徳の致すところだ。……というわけで、堅苦しい挨拶は抜きだ。
今日はぱーっとやっちゃってくれ。ただ、節度をもってな。んじゃ、乾杯」

「「かんぱーい!!」」

既に料理の注文はゴーヤが済ませている。酒は……っと。おお、さすがに一通り揃ってるな。
イクとイヨが心配だが、まあ席も離してるしイムヤとヒトミが見てるから大丈夫だろ。

「ゴーヤにも見せてでち。……こんなに種類があるんでちね」

「珍しいな。お前はそんな飲まない方だろ」

「せっかくの全舷でち。たまにはお酒を飲んでもばちは当たらんでち。
あ、この角館ってお酒にするでち。店員さーん」

「……何かすまんな。いつも負担をかけさせて」

「いいんでち。ゴーヤが好きでやってることでち。……提督との付き合いも長いでちね」

「まあな、もう3年になるか。うちでは古参の部類だな」

「でちね。その割に、あまり二人で飲んだことはないでち。
あまり互いの過去も離したことはないでちね」

「……まあそうだな。プライベートと仕事は一線を引く、というのが俺の主義だからな。
あと、恋愛沙汰で荒れた鎮守府は、列挙にいとまがない。そういうのは、嫌だったんでね」

俺は比内地鶏の炭火焼を放り込んだ。脂身自体に甘味があって旨い。

「……まあそうでちね。横暴だしいい加減だけど、そういう点は嫌いじゃないでち。でも……」

※コンマ下の!randomが80以下で邪魔が入る
241【38】 :2018/09/23(日)10:50:45 ID:EVY
ほい
242Try7rHwMFw :2018/09/23(日)10:55:01 ID:IBz
※邪魔が入る

00 カオス状態
01~25 イク
26~50 イヨ
61~95 ろーちゃん
96~100 はっちゃん

※コンマ下、!randomです
243【96】 :2018/09/23(日)10:57:54 ID:F55

244Try7rHwMFw :2018/09/23(日)11:31:54 ID:IBz
※はっちゃん乱入(?)

「ふふふ、いい雰囲気のところちょっとお邪魔しちゃおうかな」

いつの間にかはっちゃんが俺の隣に来ていた。ただでさえイク並みの巨乳なのに、風呂上がりの匂いがして実に股間に悪い。

「……何でち。無粋なことはするもんじゃないでち」

「ああ、違うの。……はい、これ」

はっちゃんが何かをゴーヤに渡した。

「……鍵、でちね。これは?」

「離れをこっそり予約取っといたの。これなら邪魔されないでしょ?
ここだとイクちゃんとかがいるから、落ち着いて話せないと思って。お節介だったかな」

「……さすがはっちゃん。それでこそ親友でち。恩に着るでち」

「いいの。今度オータムクラウド先生の新刊が出た時に融通してくれれば、それでいいかな。
宴会がちょっと落ち着いたら抜ける感じで。別々に出た方がいいかな」

そう言うと、はっちゃんはニムたちのいる方に戻って行った。

「……前から疑問だったんだが。はっちゃんとの付き合いは長いのか?」

「そうでち。はっちゃんがこっちに配属される前から、というより艦娘になる前からの付き合いでちね。
高校時代はライバルだったんでち。当時から速かったでち」

「なるほどな。しかし、同じ年にしては随分大人びてるな。スク水じゃなく、浴衣着てるとなおさらだ」

※コンマ下の!randomで……
00~30 お母さんの教育の賜物でちね
31~85 知らなかったんでちか?実は……
86~99 知らなかったんでちか?実はもう……
100 ???
245【70】 :2018/09/23(日)11:35:36 ID:Q0b

246Try7rHwMFw :2018/09/23(日)11:52:44 ID:IBz
※実はもう交際相手がいる

ゴーヤが意外そうに俺を見た。

「知らなかったんでちか?実はもう、彼氏いるでち。高校の時の同級生らしいでちよ。
彼氏が就職したら、結婚するんだとか何とか」

「ふあっ!??」

思わず声を出すと、皆の注目がこっちに集まった。何でもないと誤魔化し、会話に戻る。

「……ああ、すまん。艦娘の私生活は、余程でなければ立ち入らないようにしてたが……さすがにそれは分からんわ」

「本の虫になったのも、その彼氏の影響らしいでち。さすがにオータムクラウドがうちの秋雲ってことは伏せてるらしいけど。
まあそれはともかく、色々相談に乗ってもらってたわけでち」

「なあるほどなあ……。で、お前は秋雲から最新刊を入手して流してたと」

あの妙な余裕は、そういうことか。艦娘同士の人間関係は把握してるつもりだったが、そこまでは読めん。

「そういうことでちね。……で、どうするでち。これ」

「まあ、そうだな……。ぶっちゃけ、お前だけ特別扱いするわけにはいかんと思ってたが、最近ラーメンがらみでかなり崩れてきたからな。
……お前が俺をどう思ってるかというのにゃ、薄々気付いているわけだが。言わなきゃいかんこともあるし、それを聞いて判断してくれ」

「言わなきゃいけないこと、でちか?」

「ん……まあな。これは誰にも言ってない。墓場まで持っていくつもりだった。
俺が艦娘と一定の距離を置いてた理由でもある。これを話したら、多分お前は引くだろうな。
それでもいいなら、後で話してやる。どうだ」

「……いいでち。こっちも話してないことがあるでち」

「話してないこと?」

ゴーヤが強く頷いた。
247Try7rHwMFw :2018/09/23(日)11:54:21 ID:IBz
ちょっと休憩。ラーメンから話が脱線してますが、どうにもストーリー要素を入れないと気が済まない性分のようで……。
248名無しさん@おーぷん :2018/09/23(日)12:26:51 ID:F55
一旦乙
249【48】 :2018/09/23(日)13:11:32 ID:frb
たんおつ
250Try7rHwMFw :2018/09/23(日)14:30:37 ID:IBz
再開します。実食まで行けるかどうか。
251Try7rHwMFw :2018/09/23(日)14:55:33 ID:IBz
#

「上手く抜け出せたな」

「……でち。はっちゃんには感謝しかないでち」

俺らは離れの部屋で、向かい合って座った。どうにも緊張する。
既に酒とつまみは用意されている。俺は、グラスの日本酒を一口口にした。

「さて……。暴力や暴言でずっと誤魔化してきたが、お前が俺に好意があるのは知っている。
この前羽黒が来てたのも、それ関連だろ」

「バレてたでちか。羽黒ちゃんも憲兵長さんに片思い中でち。お互いどうするか話してた、というわけでち」

ペロッとゴーヤが舌を出した。一瞬驚いたが、まあ納得と言えば納得か。
憲兵長は警察からの出向で、バツイチのアラフォーだ。寡黙だが仕事はできる。
羽黒が恋するとしたら年上だろうと思っていただけに、さほどの衝撃はなかった。

「あの男にねえ。難攻不落だぞ、多分」

「でち。でも羽黒ちゃんは正面突破がいいと教えといたでち。きっと上手く行くでち」

「ま、上手く転がることに越したことはないがな。……っと、改めて乾杯」

「乾杯でち」

少しとろみがある透明の液体が、喉を通り抜けていく。切れ味があって、少ししょっぱめのここの料理にはとてもよく合う。

「で、お前は羽黒に何を言われた?……少しばかりらしからぬ感じだから、見当はつくが」

「もっと素直になった方がいいかも、ってぐらいでち。でもなかなか難しいでちね。
……先にゴーヤから言うでち。ゴーヤには、兄貴がいたでち」
252Try7rHwMFw :2018/09/23(日)14:55:48 ID:IBz
「……!!初耳だぞそれは。しかも『いた』だと」

ゴーヤが俯き加減に頷いた。

「そう。……死んじゃったでち。4年前に。深海棲艦の襲撃に巻き込まれて……。立派な、殉職だった……でち」

「海自か」

目に涙をためて、ゴーヤが首を縦に振った。

「ぐうたらで、いい加減で……かっこ悪い兄貴だったでち。でも、とても優しかったでち。
生きてれば、てーとくと同じ年だったでち」

当時の海自の殉職者はあまりに多い。同期とはいっても、ゴーヤの本名と同じ苗字の奴は知らない。
ただ、その悲しみは察するに余りあった。

「……そうか。それで艦娘に」

「でち。てーとくと兄貴は全然顔は似てないけど、どこか雰囲気が似てるでち。
きっと、いつの間にか兄貴に重ねてたんでちね……」

泣きながら、ゴーヤが笑う。

「だから、自分の気持ちが何なのか、よく分かってなかったでち。
最近になって、やっと自覚できてきたけど……。きっと兄貴と重ねるのをやめるのは、難しいかなって」

「そうか……。なるほどな」

俺はグラスの日本酒を飲み干した。溜め息をついて、頭を整理する。

「何か似ているな。俺も身近な人間を、対深海棲艦戦争の直後に亡くしている。

…………俺の嫁だ」
253Try7rHwMFw :2018/09/23(日)15:06:57 ID:IBz
ゴーヤが絶句した。

「そんなっ……!!一言も、聞いてなかったでち」

「聞かれなかったし、言うつもりもなかったからな。だから復讐のため、こうやって提督に志願したってわけだ。
嫁は最初期の艦娘だった。艦娘の取り扱いや、その性能について、まだ手探りだった頃だ。
俺は深く考えず、あいつを戦場に送り出した。元々、同じ職場だったし大丈夫だろうと思ってたからだ」

放り込むように、酒盗を口に入れる。

「……あっけないものだったよ。連絡があって駆け付けた時は、もう原形がなくなってた。
酷く非現実的でな……。悲しみより先に、怒りが湧いてきた。
原因は、担当提督の無茶な作戦。疲れていたのに、無理に戦場に出したらしい。
今ではタブーとされて常識になってるが、無茶な戦略を取ったあのクソッたれ提督に、散々怒りをぶつけたもんだよ」

「……だからでちか。提督が『被害ゼロ』にこだわるようになったのは。
そして、ゴーヤたちと線を引いてたのは……亡くなった奥さんのため、でちか」

「操を守る誓いを立てたわけじゃあねえんだ。だが、どうにも身を固めるつもりにならなくてな。
深海棲艦との戦いは、かなり落ち着いてきている。一部にはこちらに友好的なのも出てきている。
それでも、危険なことには変わりない。また同じことが起きないか、と言われると……自信はない。
一般人の縁談もあったんだがな。俺の仕事を理解してくれるかどうか怪しいんで、全部断ってた」

ゴーヤがちびり、と日本酒を飲んだ。

「ゴーヤじゃ、ダメででちか」
254Try7rHwMFw :2018/09/23(日)15:13:23 ID:IBz
俺は大きく息をついた。

「……正直、迷ってる。お前がいい女なのは、これまでの付き合いで分かってる。
歳は一回り離れてるが、まあそこはあんま問題じゃない。
ただ、俺の心の問題だ。まだ整理できていない」

「……そうなんでちか」

「……変な話をするが、いいか?ラーメン屋巡りは、俺と嫁の共通の趣味だったんだよ。
だから、そういう楽しみを共有してくれる奴なら、いいんじゃねえかって思い始めてはいる。
ただ、まだ結論は出てない。お前がダメとかそういう話じゃなくって、俺が女々しいだけだ」

「一つ、いいでちか?奥さんは、どんな人だったんでち?」

※安価下1~3で!randamが最も大きい艦娘が提督の嫁(故人)とします。
ただし、重巡、戦艦、空母から選んでください(一部特殊艦も可としますが、こちらで判断します)
255【75】 :2018/09/23(日)15:16:10 ID:kNg
雲龍
256【32】 :2018/09/23(日)15:17:48 ID:frb
伊勢
257【94】 :2018/09/23(日)15:18:15 ID:F55
翔鶴
258Try7rHwMFw :2018/09/23(日)15:47:53 ID:IBz
「翔鶴型1番艦、翔鶴と呼ばれていた。おっとりとしてはいたが、妙な芯のある奴でな。
細身だったが、結構よく食べる奴だったよ」

「ああ、何か納得でち。ただ、うちにも翔鶴さんがいるけど?」

「性格や外見が似た奴が同じ艦娘になる傾向はあるが、それでもやっぱりうちの翔鶴はうちの翔鶴で、俺の嫁じゃねえんだよ。
第一、うちのはショタコンだぞ。俺は恋愛対象になり得ねえよ」

「げっ、それは初耳だったでち。本当でちか?」

「ホントホント。この前高校生との交際が分かって、厳重注意をしたとこだ。
……っと話がそれたな。とにかく、奴は奴、お前はお前だ。そこは気にしなくていい」

沈黙が部屋を包んだ。お互い、秘めていた過去を教えた。踏み出すかは、お互いの心次第だ。

※コンマ下2の!randomで判定

00~40 考えさせてほしいでち
41~90 それでも、てーとくのことが好きでち
91~99 てーとく?
100 ???
259【20】 :2018/09/23(日)15:48:42 ID:Q0b

260【97】 :2018/09/23(日)15:50:48 ID:MEt
どうや
261【45】 :2018/09/23(日)15:51:02 ID:frb

262【3】 :2018/09/23(日)15:51:18 ID:MEt
あれ俺のrandomになるの?
263Try7rHwMFw :2018/09/23(日)15:54:19 ID:IBz
再開は夜です。判定は260を採用。

一回判定噛ませてから実食編になります。
264Try7rHwMFw :2018/09/23(日)21:17:37 ID:5Ei
では、再開します。
265Try7rHwMFw :2018/09/23(日)21:33:14 ID:5Ei
俺は日本酒のグラスを飲み干した。これで4合目か、徐々に酔いが回ってきたな。

……右腕の辺りに、柔らかい感触がする。……まさか。

「てーとく?」

ゴーヤが濡れた瞳で、俺を上目遣いで見た。控えめな胸に、俺の腕を押し付けるようにしている。

「……冗談が過ぎるぞ。酔ったなら今日は仕舞いだ」

「冗談でも、酔ってもないでち。……どうやったら、てーとくに気持ちが伝わるか、ずっと考えてたでち。
ゴーヤは奥さんの代わりにはなれない。当たり前でち。てーとくがゴーヤの兄貴の代わりにもならない。それも当たり前でち。
ゴーヤはゴーヤだし、てーとくはてーとく。だから、それを感じさせてほしいでち」

「……何が言いたいんだ」

うつむいていたゴーヤが涙を流して叫んだ。

「分かんないでち!ゴーヤ自身も何を言ったらいいのか、全然分からないでち!
だったら……こうやって触れて、てーとくを感じたかったんでち……」

ゴーヤの顔が近くなったかと思うと、一瞬だけ唇が柔らかいものに触れた。
彼女が俺を抱き締める。艦装のない艦娘の力は、人間の娘のそれに等しい。

俺はゴーヤが何を言いたいか、やっと理解した。そっと抱き返し、頭から背中へと撫でる。
胸の中で、ゴーヤの嗚咽が響いた。
266Try7rHwMFw :2018/09/23(日)21:41:44 ID:5Ei
「……さっき言ったが、俺もまだ吹っ切れてるわけじゃねえ。それでいいのか」

「……いいでち。ゴーヤはゴーヤだから」

「デリカシーないし、すぐ手が出るが、いいのか」

「知ってるでち。それも含めててーとくでち」

「……今、この場でお前を襲いたい気分なんだが……それでもいいのか」

ゴーヤは一瞬だけ身を固くしたが、コクンと頷いた。

「そういう覚悟がなかったら、ここに来てないでち。初めてをあげるんだから……」

俺は苦笑した。どうやら俺の負けであるらしい。

俺はゴーヤの顎をあげ、自分の唇と彼女のそれを合わせようとした。

00~70 ……何見てんだよ
71~95 ……ゆうべはおたのしみでしたね
96~100 はっちゃん以外に気付かれず完遂

※コンマ下2、!random
267【68】 :2018/09/23(日)21:44:02 ID:F55
ksk
268【23】 :2018/09/23(日)21:44:19 ID:w1c

269Try7rHwMFw :2018/09/23(日)22:03:24 ID:5Ei
「……何見てんだよ」

俺は窓の外から気配を感じ、バンと開けた。そこには……

「あ、バレたなの」

「ちぇっ、いいとこだったのにー」

「わーお……やっちゃった」

そこにいたのはイクとイヨ、そしてイムヤ。イムヤに至ってはスマホを構えていた。しかも全員酒臭い。
後ろの方ではヒトミとはっちゃんが、「なになに?」と興味津々の年少組を抑えていた。

ゴーヤの頭から湯気と怒気が立ち上ってるのが見えた。

「あーんーたーらーぁぁぁぁ!!なめんじゃねーでちぃぃぃぃ!!!!
そもそもはっちゃん、何でこの馬鹿を止めないんでち??」

「いや、止めたんだけどねえ……酔っ払いの馬鹿力?はっちゃん、一瞬の隙を突かれちゃった、ごめんなさい」

俺は静かに、しかしできるだけ重く目の前の3人に言った。

「『人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじまえ』って諺があるわけだがな……まあ殺しはせんよ。大事な部下だからな。
その代わり当面オリョクルは貴様ら3人だけでやってもらう。心配するな、ギリッギリで疲労は抜いてやる」

「……マジなの」

「当然。あと、イムヤのスマホは没収。画像データと音声データは削除させてもらう。
今回の件、口外したらどうなるか分かってるよなぁ??」

「「「ごめんなさい(なの)」」」

ゴーヤに目線を送り、苦笑する。まあ、そんなに焦らなくてもいいってことかもな。彼女も同じように笑い返した。
270Try7rHwMFw :2018/09/23(日)22:25:35 ID:5Ei
#

「昨日は酷い目にあったな」

「……全くでち。まああの3人は自業自得でち」

話を聞くと、やっぱりというか何というか、青葉にタレ込みするつもりであったらしい。
酔いが覚めてジャンピング土下座してきたが、さすがにこれは許されんわな。

とはいえ、俺とゴーヤが交際することになったのは、潜水艦班の中では共有されることになった。ヒトミは「前からそうなんじゃないかと思ってました」と薄々勘づいていたようだが。
とにかく、あの後イクら3人以外で簡単なお祝いをやった。しばらくは潜水艦班の中だけの秘密ということにしたが、どこまでもつかな。

「まあオリョクル集中砲火で多少は懲りるだろ。で、今日の自由行動は?」

俺は朝食の焼き魚を頬張った。

「ラーメン行くのは確定でちね。ただ、他の子にも声かけるでちか?」

「そうだな。聞いてみるか」

※手を挙げたのは……

00~20 全員
21~40 年少組(ろーちゃん、ごーちゃん、まるゆ)
41~70 年中組(しおい、ニム)
71~95 ヒトミ
96~100 気を使って誰も手を挙げない

コンマ下、!random
271【1】 :2018/09/23(日)22:27:17 ID:4hZ
あはい
272Try7rHwMFw :2018/09/23(日)22:40:50 ID:5Ei
「おう……まさか全員か」

「そりゃそうだよー。そんな美味しいとこあるんだったら、ニムも食べたいよー」

「日本のラーメン、食べたかったですって!しかもニボーシ……どんな味かなあ」

皆目が輝いている。マジか。

「あー、わーったよ。ただ、店は狭いから全員一気には食えないぞ?
それと……ラーメン自体というより、店主がな……ビビらんように」

「そんなに変な店主なのー?」

納豆をモグモグさせているイクに言う。

「まあ変だな。方言もあいまって、なおのこと怪しい。ただ、味は保証する。旨いのは旨い。じゃあ、開店時間までレンタサイクルでぶらつくぞ」
273Try7rHwMFw :2018/09/23(日)23:09:18 ID:5Ei
#

「着いたぞっと」

時刻は1055。角館駅から大体10分弱のところにそれはある。

「『自家製麺 伊藤』でちか。ちっちゃいお店でちね。……もう並んでるでち」

「まだ開店前だからな。この分だと、半々で分かれる感じか。……さて、と」

話し合った結果、未成年組をヒトミが引率することになった。しっかり者がいると助かる。

次々と食券を買うため客が入る。食券機を見た瞬間、ゴーヤとはっちゃんの表情が固まった。

「『支那そば』と『肉入り』しかないでち!?これは、支那そばを買えばいいんでちか?」

「それは罠だ。それはネギしか入ってない『素ラーメン』。ちゃんとチャーシューがほしいなら肉入りだ。てか肉入り以外あり得ないと、俺から後ろの奴らに言っておく」

俺が行列の後ろの連中に伝えている時、ゴーヤとはっちゃんが「「ひいっ?」」と同時に声をあげた。中に戻ると……

「おぎゃぐざん……うぢのみへはんずめでだが」

ぬっと白いシャンプーハットを着けたボサボサのロン毛男が、厨房から話し掛けてきた。
274Try7rHwMFw :2018/09/23(日)23:22:06 ID:5Ei
寝落ちしそうなのでここまで。明日でこの回終わりです。
275Try7rHwMFw :2018/09/24(月)08:55:37 ID:oUS
少し更新。
276Try7rHwMFw :2018/09/24(月)09:08:38 ID:oUS
……「うちの店初めてですか」と聞いてきたのか??訛りがキツくてよく分からないが、多分そうだ。

「いえ、数年前に1度……。ああ、連れは初めてです」

「んだか、めごいこだちだな」

シャンプーハットの男は、厨房へと戻っていった。ロボットのような独特の手付きで調理に入っている。

「えっ、あれが店主でちか?」

「そう。訛りはともかく、あの風貌は驚くわな。シャンプーハットの意味は、俺も怖くて聞けなかった」

「髪を切ればいいのに。よく分からないですね」

「まあ、ラーメンさえ旨いのが出れば俺はいいよ」

待つこと数分。店主が丼を持ってきた。

「にぐいり中盛りふだづ、大盛りひどづ」

スープは少なく、麺の3分の2ほどしか浸かってない。そこに小さめのチャーシューが乗っているという具合だ。

「スープは少ないから混ぜて食ってくれ。んじゃ、頂きますかな」
277Try7rHwMFw :2018/09/24(月)09:27:33 ID:oUS
スープはよくある煮干し系のドロリとしたものではなく、むしろさらっとしている。
麺は中細のストレート。啜ると、パッツンと口の中で弾け、粉の香りが広がっていく。
煮干しの香りはやや抑えめだが、それがこの麺の旨さを引き立てているというわけだな。

「美味しい!煮干し系って癖のある印象だったけど、これならはっちゃんでも食べられます!
少ししょっぱいけど優しい味ですね」

「んめぇか」

いつの間にか店主が来ていた。

「はっ、はい。とても美味しいです………」

何回か頷いた後、「んだか」とまた去っていった。

「……意外と話すんですね、あのご主人」

「みたいだな。何か世界を放浪したことがあるとかないとか、面白い人らしいが。常連になると楽しいんだろうな」

「とにかくラーメンは美味しいでち。これ、いわゆる『無化調』なんでちか?
具も何もかも最小限なのに、十分満足でち」

「そうそう。醤油と煮干し、それと鶏の旨味だけでこいつを仕上げてるのは凄いな。
これを煮干し成分多目にしたのが、王子神谷の伊藤だ。どちらがいいかは、まあ好みの範疇だ」

向こうの席を見ると、イクが「美味しいの~」と悶え、イムヤがインスタ用に写真を撮っている。味含め、いい話の種になるだろうな。
278Try7rHwMFw :2018/09/24(月)09:49:09 ID:oUS
#

1週間後。

俺とゴーヤは付き合うことにはなったが、何かが大きく変わることはない。一応一度は致したが、まあ慣れ親しんだ距離感はそう変えられるものではないらしい。
ただ、能力増強のためのカッコカリ指輪を、時々いとおしそうに撫でている。やっぱ、本物が欲しいのかね。

そんな中、執務室をノックする音が飛び込んだ。

「できました!はっちゃん特製、煮干しラーメンです!」

はっちゃんの後ろにいるゴーヤが、丼の乗ったお盆を持ってうんうんと頷く。

「角館のお店の味を参考に、鳳翔さんと協力して作ったでち。てーとくにも食べてもらうでち」

「あそこのをか?無化調は難しいんだがな……」

※お味は……

00 磯風召喚したのか?
01~20 うーん、こんなもんかな
21~60 おお、いけるんじゃないか
61~99 旨いな。どうやって作った
100 シェフを呼べ
279Try7rHwMFw :2018/09/24(月)09:49:35 ID:oUS
コンマ下の!randomです。
280【21】 :2018/09/24(月)09:53:33 ID:L1Z
はい
281Try7rHwMFw :2018/09/24(月)10:07:12 ID:oUS
「おお、いけるんじゃないか?まだまだ麺に改良の余地はありそうだが、十分旨いぞ」

「提督、ありがとうございます!」

はっちゃんがペコリとお辞儀をした。胸部装甲が強調されるのは、どうにも目に悪い。
それに気付いたかゴーヤが少しムッとした顔になった。

「提督はやっぱりスケベでち。あとで覚えとくでち。……それはともかく、麺はなかなか難しいでちね……」

「あそこは自家製麺だからな。あの店で打ってるわけで、再現は無理だ。鶏成分を少し多目にして、市販の太麺に変えておいた方がいいかもだな。
……ってはっちゃん、これは誰に食わせるの?」

「鳳翔さんのメニューに加えられないかって思ってるんです。彼、実は提督採用試験に合格したんで、その時に食べさせてあげようかなって。
今度研修に来ると思うので、よろしくお願いしますね」

「おう。……ってことは結婚するのか?」

はっちゃんは頬を染めて「……はい」と答えた。

その情報が瞬時に鎮守府中に伝わり、また一騒動になるのは別の話。
282Try7rHwMFw :2018/09/24(月)10:08:38 ID:oUS
今回はここまでです。提督とゴーヤは付き合い始めましたが、まだ続きます。

なお、伊藤の店主は割とこんな感じです。もっと寡黙ですが。
私は何話しているか理解できずにスルーしてしまいました……
283Try7rHwMFw :2018/09/24(月)10:09:18 ID:oUS
というわけで、次回のお題です。

安価下1~5で多数決とします。
284【58】 :2018/09/24(月)10:11:21 ID:0DQ
博多ラーメン
285【29】 :2018/09/24(月)10:14:41 ID:L1Z
豚骨系
286【47】 :2018/09/24(月)10:19:08 ID:10k
二郎インスパイア
287【2】 :2018/09/24(月)10:19:44 ID:l9y
担々麺
288【6】 :2018/09/24(月)10:20:13 ID:xtV
>>286
289【91】 :2018/09/24(月)10:20:43 ID:r8Q
油そば
290【33】 :2018/09/24(月)10:25:41 ID:5mu
混ぜそば
291Try7rHwMFw :2018/09/24(月)10:26:32 ID:oUS
二郎インスパイア……できなくはないですが。候補に邪道なのがいくつか入りますがご容赦を。

とりあえず安価下1~3で豚骨と二郎インスパイアの決戦投票です。
292【60】 :2018/09/24(月)10:27:13 ID:O66
豚骨
293【71】 :2018/09/24(月)10:27:14 ID:aOM
豚骨
294【3】 :2018/09/24(月)10:27:41 ID:0DQ
豚骨で
295Try7rHwMFw :2018/09/24(月)10:31:31 ID:oUS
では豚骨で決定します。

ゲスト艦娘を決めます。コンマ下1~3、!randomが最も大きいものとします。
296【64】 :2018/09/24(月)10:31:36 ID:AkQ
瑞鶴、葛城
無理なら瑞鶴のみ
297【82】 :2018/09/24(月)10:31:46 ID:L1Z
木曾
298【13】 :2018/09/24(月)10:31:47 ID:UvL

299【57】 :2018/09/24(月)10:31:52 ID:WWm
雲龍
300Try7rHwMFw :2018/09/24(月)10:32:40 ID:oUS
木曾ですね。了解です。

更新は夜か明日です。
301名無しさん@おーぷん :2018/09/24(月)10:35:34 ID:UvL

302【40】 :2018/09/24(月)11:14:07 ID:HPf
おつー
303名無しさん@おーぷん :2018/09/24(月)12:46:53 ID:Onq
おつおつ
304Try7rHwMFw :2018/09/24(月)14:10:37 ID:oUS
少し早めに更新します。
(できなかったらすみません)
305Try7rHwMFw :2018/09/24(月)16:49:48 ID:oUS
ちょっと無理でした。2100以降です。
306Try7rHwMFw :2018/09/24(月)21:02:41 ID:oUS
再開します。
307Try7rHwMFw :2018/09/24(月)21:48:50 ID:oUS
「……暇でち」

執務室の机に顎を乗せて、ゴーヤが愚痴る。

「確かになあ。資源確保もイクたちにやらせてるしな」

俺は書類をパラパラ捲りながら言った。

「提督は忙しそうでちね。手伝うでちか」

「や、各班から全舷の企画書が上がってきててな。そのチェックやってるだけだから、さほど重荷じゃない」

「へえ、皆どんなとこ行くんでちか?」

「……っと、睦月型は箱根か。陽炎型は研修を兼ねて舞鶴。空母班は沖縄らしいが、予算オーバーだから持ち出しでやりたいらしいな」

「色々なんでちね。……気持ち西日本が多い気がするでち」

ゴーヤが書類のファイルを覗き込んできた。

「艦娘としての魂の出身地は、やはりそっちに片寄ってるからな。呉や佐世保、長崎を巡ったり、激戦地を見たり、まあ色々だ。球磨型と長良型は福岡から佐世保らしい」

「福岡でちか、懐かしいでちね」

「ああ、佐世保出身だったな。福岡はよく行ってたのか?」

「育ちは横浜だけど、実家に戻った時に。豚骨ラーメン、懐かしいでちねえ……」

その時、執務室のドアがノックされた。

「提督、木曾だ。入るぞ」
308Try7rHwMFw :2018/09/24(月)22:16:04 ID:sP4
「木曾か、珍しいな。どうした」

「いや、大した用じゃない。すぐ終わる。旨い豚骨ラーメンを知りたくてな」

木曾は執務室のソファーに腰を下ろした。

「何だいきなり唐突に。お前のことだ、それなりの筋があるのは分かるが」

「全舷のことは知ってるだろ。で、福岡に決まったわけだが生憎俺には土地勘がない。
そうしたらまるゆが潜水艦の全舷で旨い煮干しラーメンを食った、提督は『全鎮守府ラーメン王』だとか言うじゃないか。
折角福岡に行くなら、豚骨ラーメンを食いたいじゃないか。で、軽く教えてもらいたいと思ったわけだ」

俺はゴーヤと顔を見合わせた。

「噂をすればなんとやら、だな」

「でち。でも木曾、福岡に美味しい豚骨ラーメンは、実は少ないんでち」

木曾が心底驚いたように目を見開いた。

「そうなのか?」

「でち。ゴーヤはそこそこ福岡に詳しいけど、本当に美味しいのは一握りでち。どこに行ってもそこそこは美味しいでちけど、この前ほどのはすっごく少ないでち」

俺は頷いた。

「さすがよく分かってるな、その通りだ。それはある程度仕方ないとこはある。博多ラーメンは、あくまで飲みの絞めだ。コッテリしすぎると良くないから、敢えてさらっと作ってる」

「ちょ、ちょっと待て!豚骨って、濃厚なんじゃないのか??」

「それは久留米ラーメンだな。一般的な博多ラーメンは『切り取り』というスープの取り方をする。
一回使ったらその日に使いきるわけだ。屋台商売的には、まあ当然と言えるな。
半面、久留米ラーメンは『継ぎ足し』という手法だ。余ったスープに、新しい別の釜で取ったスープを足す。だから濃厚になる。
だが、これは管理が難しい。屋台文化の博多じゃ、定着しなかったというわけだな」

ゴーヤが呆れたように俺を見た。

「何でそこまで知ってるんでち……。提督って横浜の出身じゃ」

「ラヲタを舐めるなよ。……とは言っても、これは俗説だ。福岡にも『赤のれん』や本当の元祖の血を引いた『うま馬』などいい店はある。
あと、久留米だからといって旨いかというとそれは好みによるな。やはり臭さが問題になるし、さらっとしたのがいいって奴もいる」
309Try7rHwMFw :2018/09/24(月)23:00:54 ID:sP4
木曾が感心したようにふむ、と声を漏らした。

「まるゆが言ってたのは大袈裟じゃなかったな。じゃあ、東京には旨い豚骨はないのか?」

「ほぼ皆無だな。これも理由はある。豚骨は臭いんだよ。大昔豚骨が東京でも流行ったが、定着しなかったのはあの臭さからだ。
店舗運営上、周辺からの苦情は出やすいからな。慣れてる福岡とかならともかく、東京じゃちときつい。
そもそも旨い豚骨は福岡でも希少なわけでな。東京じゃストロングスタイルは大塚のぼたんぐらいじゃないのか」

「そんなにないのか。じゃあ俺たちが普段食ってる豚骨は?」

「大体はライトにアレンジされたもんだな。海外で流行ってるのも同じだ。まあ、大衆の舌を満足させるにいいんだろうが、ラヲタ的には実に物足りないものと言わざるを得んな」

木曾がガックリと肩を落とした。

「そうか……本当の豚骨ラーメンは、幻想に過ぎんのか……」

「とは一言も言ってないぞ。なあゴーヤ」

「でち。『ごく一握り』、日本のラーメン全体でも頂点に位置する豚骨はあるでち」

ゴーヤがうんうんと首を縦に振った。まあこいつが考えている店は、多分あそこだろう。
だが、それ以外にも旨いのはあるっちゃある。……さて。

1 博多ラーメンの頂点。二郎に並ぶ偏屈伝説のあの店以外にない
2 博多ラーメンの最先端にしてトラディショナル。今一番話題のあの店だ
3 あの食通が認めた博多ラーメン。上品で美しい1杯ならあの店だ
4 やっぱり久留米だな。店員も強烈なあの店だ

※3票先取です
310【14】 :2018/09/24(月)23:10:24 ID:HPf
3
311【46】 :2018/09/24(月)23:12:25 ID:KPz
3
312名無しさん@おーぷん :2018/09/24(月)23:12:50 ID:rKm
1
313【31】 :2018/09/24(月)23:14:09 ID:ryJ
1
314名無しさん@おーぷん :2018/09/24(月)23:14:51 ID:L1Z
3
315Try7rHwMFw :2018/09/24(月)23:22:58 ID:oUS
意外な結果に……というか、あそこは今調べたら醤油メインになってるらしいですね。
六本木は豚骨メインですが、切り替えますか?夜が会員制という、ちょっと変わった店ですが。

安価下3までで決めます。

1 六本木に変更
2 投票やり直し
316名無しさん@おーぷん :2018/09/24(月)23:28:31 ID:L1Z
2
317名無しさん@おーぷん :2018/09/24(月)23:44:37 ID:rKm
2
318Try7rHwMFw :2018/09/24(月)23:44:42 ID:sP4
上げます。
319Try7rHwMFw :2018/09/24(月)23:51:19 ID:sP4
では0000から投票やり直します。チェックが甘く、申し訳ありません。
(なお3は麺劇場 玄瑛でした。本店は随分前に行きましたが、多分今は六本木店の方が旨いかと思います。
あれを豚骨と呼ぶべきかは難しいですが)

選択肢を下のものに変更します。

1 博多ラーメンの頂点。二郎に並ぶ偏屈伝説のあの店以外にない
2 博多ラーメンの最先端にしてトラディショナル。今一番話題のあの店だ
3 豚骨ラーメンが白濁と誰が決めた?透明な豚骨の名店に行こう
4 やっぱり久留米だな。店員も強烈なあの店だ

※3票先取です
320【24】 :2018/09/24(月)23:55:13 ID:ryJ
1
321【44】 :2018/09/24(月)23:59:13 ID:HPf
1
322名無しさん@おーぷん :2018/09/25(火)00:03:03 ID:Cr4
1
323Try7rHwMFw :2018/09/25(火)00:07:47 ID:F4h
320-321はフライングのため無効です。
投票は継続中です。
324【26】 :2018/09/25(火)00:08:06 ID:NsU
1
325名無しさん@おーぷん :2018/09/25(火)00:14:26 ID:ua9

326名無しさん@おーぷん :2018/09/25(火)00:29:38 ID:fC3
1
327Try7rHwMFw :2018/09/25(火)00:30:28 ID:F4h



第5話 元気一杯
328Try7rHwMFw :2018/09/25(火)00:36:32 ID:F4h
今日はここまで。なお、ゴーヤが言ってたのはこの店です。

なお、他の店ですが……

2 一双 本店
3 来来軒(宮若市)
4 味壱家(モヒカンラーメン)

2は説明不要ですね。開店当初から目をつけてたらやっぱりブレイクしました。
3は透明なのに豚骨という謎な一杯です。超絶辺鄙ですが、結構旨いです。
4は髪をモヒカンにするとただで食えます。マジです。なお、ラーメンそのものより焼き替え玉などのサイドメニューが絶品だったりします。
329Try7rHwMFw :2018/09/25(火)12:41:23 ID:3v0
少し進めます。
330Try7rHwMFw :2018/09/25(火)12:59:39 ID:3v0
「……やっぱりあそこにするか」

「あそこ、でちか?ひょっとしてピンクのバケツの?」

俺はにやっと笑った。やはりか。

「察しがいいな。福岡でマトモな豚骨を食いたいっていったら、ここか一双だろ。んで、ネタ的に考えたらこっちっきゃない。元気一杯だ」

木曾が怪訝そうな顔をした。

「ネタ?どういうことだ」

「あー、ネットで検索すると色々伝説が出てくるぞ。後で暇な時調べるといい。ただ、味は本物も本物。後悔はさせない」

「そ、そうなのか?何か不安になってきたな……とりあえず、ありがとよ」

木曾は敬礼をして去っていった。

「てーとくも人が悪いでち。あのマナーに異常に厳しい店を教えるとは、結構な外道でち」

「んー、それは昔のことらしいぞ?まあ、行きゃ分かる。……あいつらの全舷は来週か。ふむ」

「何か考えごとでちか?」

「いや、来週連休が取れるだろ。お前の実家、見ておきたいと思ってな」

ゴーヤの顔が真っ赤になった。

「じ、じじっ、実家でちか???そ、それって……」

「ばーか、単にお前の兄貴の墓参りをしたいと思っただけだ。まあ、少し早いがご両親に簡単な挨拶ぐらいするつもりだったが。
別にもう結婚を決めたわけじゃないぞ」

「そ、そうでちか……心臓止まるかと思ったでち」

ゴーヤがほっとしたような、ガッカリしたような溜め息をついた。

「まあ俺もそこそこいい年だしな。意識してねえと言われたら嘘になるが、翔香……前の嫁のことを考えると、もうちょい時間が欲しいとは思ってる。すまんな」

「……そう、でちか。それは、しょうがないでち。……でもそれとラーメンに何の関係があるでち?」

「佐世保に行くなら、福岡は経由するだろ。俺たちも行こうかって話だ。木曾たちに出くわすかもだが」
331Try7rHwMFw :2018/09/25(火)13:00:48 ID:3v0
※30以下で羽田で木曾たちに出くわす
332Try7rHwMFw :2018/09/25(火)13:01:10 ID:3v0
コンマ下、!randomです。
333【39】 :2018/09/25(火)13:03:18 ID:5sw
そい
334Try7rHwMFw :2018/09/25(火)13:16:11 ID:3v0
#

「久々でちねえ」

福岡空港に着くと、ゴーヤがうーんと伸びをした。秋の福岡は、存外に涼しい。

「だな。さ、地下鉄に乗るか」

「でち。それにしても、大分慣れてるでちね。……ああ、佐世保鎮守府の関係でちか」

「ん、まあそんなとこだな。じゃあ、まずは宿に行くか。明日は早いから、福岡を楽しむなら今のうちだな」

ゴーヤがうーんと何か考える素振りをした。ラーメンは夜の予定だが、昼は食べてない。その関係か?

1 その前にうどん食べるでち
2 その前にパン食べるでち
3 キャナル行くでち
4 大名行くでち

※3票先取です。
335Try7rHwMFw :2018/09/25(火)13:19:00 ID:3v0
注:
キャナル……キャナルシティのこと。大規模商業施設で、色々ある。すぐそばには中州のソープ街やラブホ街があある
大名……東京で言う銀座的なオサレな一角。
336名無しさん@おーぷん :2018/09/25(火)13:29:14 ID:3cZ
3
337名無しさん@おーぷん :2018/09/25(火)13:33:45 ID:ywK
3
338【69】 :2018/09/25(火)14:27:45 ID:5sw
3
339Try7rHwMFw :2018/09/25(火)22:41:17 ID:tAb
こちらも少し更新します。
340Try7rHwMFw :2018/09/25(火)23:02:56 ID:tAb
「じゃあ、キャナル行くでち。ご飯も食べたいし」

ゴーヤがニッと俺を見上げ、腕を絡ませてくる。……ああ、そういうことか。

「あー……すまんな。二人きりでどこかに行くの、初めてだもんな」

「やっぱり気付いてなかったでち。鎮守府じゃ、一緒にどこかお出かけって難しいし……せっかくだから、デートするでち!」

キャナルシティは福岡人のデートの定番だ。ここか天神か、あるいは大名というのがお約束ではある。
ゴーヤの育ちは横浜だが、どうやらそのことを知っていたらしい。

「ま、しゃあないな。手順は狂ったが、付き合ってやるよ」

ゴーヤが満面の笑顔になった。……しかし、キャナルといえば……一応観光の定番でもあるんだよなあ。球磨型や長良型の奴らとバッタリ、なんて面倒なことにならなきゃいいんだが。

#

「お洒落なお店、多いでちね。中高生の子も多いでち」

ゴーヤがきょろきょろ辺りを見回した。確かに、若い女性、それとカップルが目立つ。俺らも年の離れたカップルに見えているのかどうか。

キャナルでの飯は、グランドハイアットのレストランにした。さすがに普通のチェーンというのも風情がない。
キャナルにはラーメンスタジアムというラーメン屋が集まった一角もあるが、晩飯に元気一杯に行くのでさすがにやめておいた。

「だな。あと中国人観光客も多いな。グランドハイアットもあるし」

「そういえば、中国語と韓国語の表記目立つでちね。やっぱ近いからか、人気なんでちね」

「その気になれば釜山まで1時間で行けるしな。船で」

「そうなんでちか?韓国には興味ないけど、それはそれですごいでちねえ」

近くのアクセサリショップに立ち寄ったゴーヤは、商品を手に取りうんうん唸り始めた。……まあ、買ってやるのが男だろ。

「それ欲しいのか?買ってやるぞ」

「本当でちか!……てーとく、大好きでち」

持っているのは、ハートのネックレスのようだ。頬を染めるゴーヤが、たまらなく愛しく感じる。

「……よせや、照れるだろ……」

俺は思わず視線を反らした。……?
341Try7rHwMFw :2018/09/25(火)23:04:54 ID:tAb
00 提督……!!
01~40 見付かった
41~80 見付けた
81~100 気のせいか

※コンマ下、!randomです
342【22】 :2018/09/25(火)23:05:36 ID:ua9

343Try7rHwMFw :2018/09/25(火)23:09:35 ID:tAb
※見付かった

00 球磨型、長良型全員
01~15 球磨型
16~30 長良型
31~50 球磨型から木曾含む3人
51~70 長良型から2人
71~85 北上(再判定)
86~99 木曾
100  木曾と?
344Try7rHwMFw :2018/09/25(火)23:10:00 ID:tAb
※コンマ下、!randomです
345【77】 :2018/09/25(火)23:10:48 ID:VT4
はい
346【38】 :2018/09/25(火)23:10:49 ID:NsU

347Try7rHwMFw :2018/09/25(火)23:13:27 ID:tAb
※北上

00~30 &大井
31~80 &大井と整備副長
81~100 &整備副長

※コンマ下、!random
348【20】 :2018/09/25(火)23:15:05 ID:eYy

349【34】 :2018/09/25(火)23:15:14 ID:eYy
たんたんたんぬ
350Try7rHwMFw :2018/09/25(火)23:16:51 ID:tAb
今日はここまで。347に北上だけというのを入れ忘れましたが、とりあえずこれで。
351Try7rHwMFw :2018/09/25(火)23:35:51 ID:tAb
明日に入る前に、簡単に北上と大井との関係を決めておきます。

北上(コンマ下)
00~03 実は提督LOVE勢
04~20 レズ
21~85 ノンケ
86~95 彼氏持ち
96~100 結婚済み

大井(コンマ下2)
00~07 実は提督LOVE勢
08~35 レズ
36~80 ノンケ
81~95 彼氏持ち
96~100 結婚済み

※北上がレズなら大井もレズで確定
352【40】 :2018/09/25(火)23:36:41 ID:eYy
それや!
353【79】 :2018/09/25(火)23:36:53 ID:VT4
えい
354【51】 :2018/09/25(火)23:37:02 ID:6We
おやすミンチェ
355Try7rHwMFw :2018/09/25(火)23:38:57 ID:tAb
※二人はごく普通の親友同士

これで明日進めます。
356Try7rHwMFw :2018/09/26(水)09:07:35 ID:PGB
再開します。
357Try7rHwMFw :2018/09/26(水)09:17:43 ID:PGB
「あれ??あそこにいるの提督じゃん。おーい」

二つ先のブティックから、見慣れたお下げの少女が手を振ってきた。……げっ、見付かったわ……。
横からひょっこりと、長めの茶髪の少女が顔を出す。大井も一緒か……参ったな。

うちの北上はそこまで変な奴じゃない。大井も他の鎮守府のに比べりゃ大人しい奴だが。

1 とりあえず逃げとく
2 ゴーヤを残して出ていく
3 ゴーヤを呼んで出ていく

※安価下3多数決
358【79】 :2018/09/26(水)09:25:38 ID:5kK
さん
359名無しさん@おーぷん :2018/09/26(水)09:31:31 ID:er8
3
360Try7rHwMFw :2018/09/26(水)09:53:18 ID:PGB
……仕方ないな。素直に話すか。

「ゴーヤ、ちょっと。……北上に見付かった。来てくれ」

「えっ??」

俺はゴーヤの手を引いた。

「あー、やっぱり提督だ。どしたのさ、こんなとこで。ゴーヤも一緒じゃん」

「ん、まあな。……ちょっと話がある。他の奴らは?」

「別行動。なになに、これはそういうことですかねー」

大井がこほんと咳払いした。

「提督、ちゃんと説明してもらいましょうか?」

ゴーヤが不安そうに俺を見る。……まあ、大丈夫なような気はするが。

#

「ん、この抹茶パフェ美味しいねえ~。わびさびだねー。提督、ありがとね♪」

向かいの北上が満面の笑みを浮かべた。その横で大井が静かにスプーンを運ぶ。身体に纏う空気が冷たい。

「これは口止め料、ですか。……しかし、普段から公私の別を言ってる提督がゴーヤさんと交際とは」

「……それを言われると、正直辛いな。だが、本気だ。俺の過去を引っくるめて愛してくれる女は、そうはいない」

「てーとく……」

ゴーヤが俺の手をぎゅっと握った。大井は溜め息をつく。

「まあ、提督も人間ですし法に触れてるわけじゃないですから。これまでの功績もありますし、黙っててあげます。
ただ、見付かったのが私たちで本当に良かったですね」

「そうだよー。提督LOVE勢が見たら、確実に修羅場になるとこだったよー。ねー、大井っち」

もぐもぐと口を動かしながら、北上が頷く。

「提督LOVE勢?……金剛や鹿島は聞いているが。そんなにいるのか?」

ゴーヤが俺を睨んだ。

「まったく鈍感でち。結構いるでちよ?雷や霞だってそうでち。ゴーヤも苦労したでち」

「そ、そうなのか?……まさか、球磨型や長良型にも?」

※コンマ下の!randomで60以下ならいる
361【17】 :2018/09/26(水)10:00:33 ID:5kK
それよ
362Try7rHwMFw :2018/09/26(水)10:03:41 ID:PGB
※いる

誰か決定します。安価下1~3で!randomが大きいものを採用。ただし、大井と北上、木曾は除外します。
(遭遇してもラーメン食べさせれば済む程度の場合もあります。あまり変にシリアスにはしません)
363【62】 :2018/09/26(水)10:07:55 ID:er8
五十鈴
364【35】 :2018/09/26(水)10:14:46 ID:AVm
球磨
365【73】 :2018/09/26(水)10:58:55 ID:n8X
多摩
366Try7rHwMFw :2018/09/26(水)13:04:30 ID:cOo
「提督、知らないの?多摩姉だよ」

「……へ?」

大井が盛大な溜め息をついた。

「提督ってほんっとに女心分からないんですね。ゴーヤさんも苦労したでしょ」

「全くでち。最後は強攻手段に出たでち。多摩だって提督に好意を持ってないのにじゃれついたりしないでち」

「ちょ、ちょっと待てよ!多摩は猫だろ?どこの鎮守府でも大体猫だろ?にゃあにゃあ言ってじゃれつくのは猫だからかと……」

北上がじと目で俺を見る。

「あのさあ、アタシらは人間よ?軍艦の魂が宿ってるし、多少はそれに影響されてるけどさー。
艦娘である前に、一人の女の子なわけ。もし多摩姉がにゃあにゃあ言わなかったら、スキンシップとして過剰だとすぐ思うでしょー」

考えてみれば、たまに奴と会うと頭をすり付けてきたり、身体を密着させて猫パンチで肩を叩いてきたりしていた。……冷静に考えると、確かに思い当たる節はある。

ゴーヤがパフェのアイスを掬った。

「まあ多摩はあまり提督と接点ないから要注意リストには入れてなかったけど。でも、この状況がバレると結構まずいでちね。
多摩自身はそこまで過激じゃないけど、金剛辺りに話が広まると厄介でち。提督LOVE勢ネットワークは、馬鹿にならんでち」

「……そんなのあんの?」

「あるんでち。ゴーヤは当然入ってなかったでち。まあ、てーとくとは兄妹のような関係と思われてたっぽいでち」

もむもむと口を動かして、北上が言う。

「じゃあカミングアウトはどうすんのさ。いつかはやらなきゃダメでしょー」

「……まあ付き合い始めたばかりだから、先のことはよく分からんが。結婚まで決めた時点でやるつもりだ」
367Try7rHwMFw :2018/09/26(水)13:18:57 ID:cOo
ゴーヤの顔が一瞬で赤くなった。大井がぽんと手を叩く。

「あら、素敵じゃないですか!さすがにそこまで考えてたんですね。何も考えてなかったら、五連装酸素魚雷ぶち込んでやろうかと思ってましたけど」

「ていうか、そもそも俺らがここにいるのはゴーヤの実家への挨拶だからな。まあ俺も歳だ、そういうのを考えなくていい年齢じゃねえんだよ。……ってゴーヤ、大丈夫か」

ゴーヤは「ケッコン、ケッコン……」と壊れたオモチャのように呟いている。もう少し時間がいると言ったのを、もう忘れているらしい。やれやれだ。

俺は少し息をついて、北上と大井を見た。

「まあそんなわけだ。お前らにはこの件を黙っておいてほしい。大丈夫か?」

「他の娘は知ってるんですか?」

「潜水艦の連中は、この前の全舷でな。他はまだだ。いや、羽黒はゴーヤ経由で知ってるかもな」

ゴーヤが目をぱちくりさせ、我に戻った。

「羽黒ちゃんには確かに言ってるでちね。木曾はどうでちかね。まるゆから聞いてるかもでち」

「あー、そうだったな。知らない気もするが、こうなった以上教えといた方がいいか。
せっかくだから、あいつに教えた店に一緒に行くとしようか。お前らも来るか?」

「店?何の?」

「聞いてないのか。豚骨ラーメンだよ」
368Try7rHwMFw :2018/09/26(水)13:22:12 ID:cOo
※コンマ下2、!random

00~10 あー、夜に皆で行く予定の
11~40 あー、夜に球磨型で行く予定の
41~65 あー……ここに来る前に行ったけど、見付からなかったとこかー
66~80 何それ
81~100 あー、重雷装艦の集いで行く予定の
369Try7rHwMFw :2018/09/26(水)13:28:00 ID:cOo
100のみ内容変更。ある艦娘が乱入します。
370【27】 :2018/09/26(水)13:30:27 ID:5kK
ほいよ
371【8】 :2018/09/26(水)13:30:50 ID:09Q
ちくまま
372Try7rHwMFw :2018/09/26(水)15:33:27 ID:cOo
「あー、夜にみんなで行く予定の?奢ってくれんの!?」

北上が身を乗り出してきた。まじかー。

「みんなで、ってことは多摩もいるよなあ。ゴーヤを除け者にはしようがないし、さあどうしたものか」

「正々堂々言えばいいんじゃありません?多摩姉さんなら、分かってくれますって」

「まあそんな気もするんだがな。情報が漏れると鎮守府の秩序がなあ……。
てか、どういう店か聞いてんの?」

※コンマ下の!randomが50以下で聞いている
373【25】 :2018/09/26(水)15:34:34 ID:wIq

374Try7rHwMFw :2018/09/26(水)15:47:03 ID:cOo
「あーうん、聞いてるよー。何かすごい店なんだって?ルール破りはお代頂かず即退場とか」

「あ、やっぱ調べてたか。木曾は何だって?」

「『それに値する店かどうか、俺が確かめてやる。値しなかったら成敗する』だってさ。木曾らしいよねー」

俺は頭を抱えた。

「あの馬鹿、ネタを本気にするなよ……」

「あれ?ネタだったんでちか?あれって本当って聞いてたでち」

「あー、それ10年ぐらい前。数年前から大分緩くなって、最近じゃメディア出演も解禁したらしい。
まあ『スープから飲まなきゃ即退場』『辛子高菜をすぐ入れたら即退場』『私語やスマホいじりは即退場』と伝説には事欠かなかったが」

「げっ、昔は本当だったのね……そもそも問題は味よ。提督、本当に美味しいんですか?」

大井に俺は頷く。

「博多ラーメンの数少ない例外の一つだ。マジで旨い。ただ、木曾の誤解だけは解いておかねえとな。奴をここに呼べるか?」

「あー、いいよ~。ちょっと待ってて」

北上がポチポチとスマホを弄り始めた。

※コンマ下の!randomで
00~15 皆といるってさ
16~60 球磨姉と多摩姉といるってさ
61~95 5階のミリタリーショップだって
96~100 ???
375【61】 :2018/09/26(水)15:55:17 ID:wIq

376Try7rHwMFw :2018/09/26(水)16:49:13 ID:cOo
「あ、今5階のミリタリーショップだって。呼ぶ?」

「一人か」

「そりゃあそうでしょ。球磨姉も多摩姉もこういうの興味なさそうだし」


数分後。木曾がラフな格好で現れた。デニムの短パンにシャツ、シルバー系のアクセサリを幾つか付けている。
私服を見るのは初めてだが、まあ大体イメージ通りだな。とはいえ……

「眼帯はそのままなのか……」

「悪いな。これは俺が俺である証明だ。外せん」

「いや、それだけでメッチャ目立つだろ。気にならんのか」

「構わない。外国人がえらい写真を撮ってたがな。そこまで珍しいものでもないだろうに」

「いや、珍しいだろ。……まあそれはいいわ、少し話しておきたいことがある」

俺は元気一杯の真実と、ゴーヤとの交際の話を伝えた。木曾が大きく肩を落とす。

「何だ……不届きものの店主はいないのか。つまらんな……。
それはともかく、提督よ。おめでとう。まるゆの見立ては正しかったな」

「……!気付いていたのか」

「薄々な。この前まるゆと会ったときも、全舷で良いことがあったとか言ってたからな。まあそれなら納得だ。ゴーヤ、幸せになれよ」

「……ありがとうでち。木曾はイケメンでちね」

木曾はばつが悪そうに頭をかいた。

「あまりそう言われるのは好きじゃねえんだがな。ちゃんと男も欲しいんだが、眼鏡にかなうのがな。
で、相談は多摩姉のことだな。まあ、確かにショックは受けるだろうが……むしろお喋りな鬼怒や阿武隈の方が問題だろ」

「確かに。妙案はないか?俺らも食いに行きたいし、お前や北上たちに奢らなきゃいかん」

木曾が腕を組んで唸った。

00~20 変装だな
21~85 確か、行列店だったな
86~100 あいつに相談するか

※コンマ下の!randomで判定
377【90】 :2018/09/26(水)16:56:53 ID:09Q
ぴゃー
378【90】 :2018/09/26(水)16:57:04 ID:Z9k

379Try7rHwMFw :2018/09/26(水)19:13:52 ID:cOo
「あいつに相談するか」

「あいつ?」

木曾は黙って頷くと、電話を掛けた。

「あー、俺だ。そっちはどうだ?……おう、楽しそうで何よりだ。えっ、これから中州?
……あー、ちょっとだけ時間くれねえかな。うん、うん……いや、提督絡み。……おう、待ってる。グランドハイアットの1階カフェな。んじゃまた」

「誰に電話でちか?」

「由良だよ。長良型なら、こいつが話せると思ってな」

※コンマ下で!randomが30以上だと……70以上の場合は別ルート
380【48】 :2018/09/26(水)19:16:54 ID:rv3

381Try7rHwMFw :2018/09/26(水)19:50:15 ID:cOo
※由良は彼氏持ち
※オリキャラが少しだけ出ます

由良と言えば……ああ、そういうことな。

「引率の鈴木三尉も一緒、ということか」

「そういうことだ。多摩姉が俺の言うことを聞くかは分からんが、鈴木整備士なら多少は聞くだろ。長良型の方は、由良に任せるって算段だ」

「なるほどね。鎮守府随一の馬鹿っプルも、こういう時は頼もしいというわけか」

うちの艦娘の中には、何人か男性陣と交際している奴がいる。本当に籍を入れたのもいないではない。
公私の別を厳しく言ってはいるが、それでも年頃の男と女が一つ屋根の下にいれば間違いも起きる。
そうした場合、聞き取りの上で問題がなければ交際を認めるのが俺のやり方だ。そもそも、公私混同を禁ずというのは俺を縛るためのルールに過ぎないし、それはある程度共有されてる。

とはいえ、鈴木と由良は多少……いやかなりベタベタする方だ。何回か注意もしているが、なかなか直りそうもない。
というか、中州っていうことは……つまり、あれだよな。

「何難しい顔してんのー?提督」

「あ、いや……考え事をな。あ、来た来た」

弱気そうな笑顔を浮かべる長身の男と、独特の長髪の少女がこっちにやって来た。由良は笑顔を浮かべているが、「早く終わらせてね、ね?」という無言の圧力を出している。

そんな彼女だが、さすがに俺を見ると驚いたようだ。

「提督さん?来てたんですか?」

「あー。すまん。完全にプライベートだ。鈴木もすまん。簡単に説明するわ」

#

「なるほど。そういうことだったんですね……」

「そういうことな。多摩を傷付けたくないってのもあるが、それ以上に情報漏洩に伴う今後の鎮守府秩序の悪化・崩壊リスクを何とかしたいわけだ。
話が球磨型と長良型で済むならいいが、どうにも嫌な予感しかしない」

「確かに……金剛さんたちもそうですけど、病みそうな子も何人かいますし、ね。それで私に?」

「まあそういうこと。妙案がないかと思ってな……」

俺は鈴木を見た。頼りない男だが、艦娘の彼女持ちという意味では先輩でもある。

1 もう、ここで完全カミングアウトしては?
2 変装ですね
3 店に行くの、時間で何人かに分けましょう
4 自由安価

※安価下5の多数決
382【27】 :2018/09/26(水)19:54:09 ID:vqm
1
383【83】 :2018/09/26(水)19:54:50 ID:09Q
2で
384【44】 :2018/09/26(水)20:04:11 ID:Z9k
1
385【64】 :2018/09/26(水)20:06:12 ID:AVm

386Try7rHwMFw :2018/09/26(水)21:43:32 ID:cOo
「えっ、僕ですか?え、えっと……」

鈴木はあわあわと視線をさまよわせている。由良がニッコリと笑うと、ビクッと凍り付いた。ああ、そういう関係なのか……。

鈴木は少しだけ目を閉じて、遠慮がちに切り出した。

「えっと……僕の時もそうだったんですけど。思い切って完全にカミングアウトした方がいいんじゃないかと。下手に長引かせるより、バッサリ切った方が傷は浅いと思うんです」

「……なるほどな。そうかもしれんな」

確かにその通りだ。肚をくくった方がいいのだろう。要は俺に、まだ覚悟が足りなかったということだ。

由良がクスクス笑っている。

「ええ。私たちもそれで上手く行きましたし、ね。ね」

「う、うん。そうだね……」

何か俺の預かり知らぬ事情がありそうだが、追求するのはやめておいた。
俺はゴーヤを見る。

「すまないが、覚悟決めてもらっていいか?」

「もちろんでち。むしろ嬉しいでち」

ゴーヤが笑う。こいつがそうなら、迷うことはない。

「分かった。じゃあ、1830に皆を○○○ホテルのロビーに集めてくれ。そこで一通り話そう」

#

「すまんな、とんだ初デートになっちまった」

「仕方ないでち。てーとくの気持ちも分かったし、これはこれでいいでち。でも、結構中途半端な時間でちね……」

話し合いが終わると、重雷装艦の3人はゲーセンに行った。鈴木と由良はというと、視線を外した隙にどこぞへと消えていた。由良たち軽巡は、天龍と龍田以外は未成年なんだがな……。
時間は1530。さあ、どうしたもんかね。

「ゴーヤはどこか行きたい所あるか?」

00~40 ゲーセンに行きたいでち
41~80 ちょっと疲れたでち。ホテルにチェックインするでち
81~100 ところで、由良たちはどこに行ったんでち?
387Try7rHwMFw :2018/09/26(水)21:43:51 ID:cOo
※コンマ下、!random
388【29】 :2018/09/26(水)21:44:31 ID:ijB
せいや
389Try7rHwMFw :2018/09/26(水)21:52:56 ID:cOo
「ゲーセンに行きたいでち。プリクラとか取りたいし……」

「了解。カップルっぽいことしなきゃな」

「でち!」

#

ゲーセンにはやはり北上たちがいた。まあ色々からかわれたりもしたが、ゴーヤが楽しんでたのでよしとしよう。
しかしそれにしても大井が音ゲーをあそこまでやり込んでいたのには驚いた。思わず「ゴリラだな……」と呟いたらどこに隠し持っていたのか魚雷を飛ばされそうになった。
女でトイサイダー村の住民というのは、どう考えてもゴリラでしかないと思うのだが。


まあそんなこんなで、1830は来た。
390Try7rHwMFw :2018/09/26(水)22:00:41 ID:cOo
#

「以上だ。休み明けに、一斉放送で情報は共有する。まだ付き合い始めたばかりで結婚するという話じゃないが、俺もゴーヤも覚悟は決めてる。そういうことで、了解してほしい」

ロビーで事のあらましを告げると、反応は様々だった。おおーと声をあげる鬼怒。素直に喜ぶ長良と名取。顔を真っ赤にしている阿武隈。
そして……ショックを受けている多摩と、それを支える球磨。

「……多摩、お前の気持ちは今日知った。正直、すまないと思っている」

※多摩の反応は……

00~20 逃げた
21~35 酷いにゃ!!
36~60 だ、大丈夫だにゃ……
61~100 薄々分かってたにゃ

※コンマ下2、!random
391【2】 :2018/09/26(水)22:02:05 ID:rv3

392【57】 :2018/09/26(水)22:02:18 ID:AVm

393Try7rHwMFw :2018/09/26(水)22:16:28 ID:cOo
「だ、大丈夫だにゃ……。何とか、なるにゃ」

無理矢理作り笑顔を浮かべて、多摩が言う。目には光るものがあった。

「提督!酷いクマ!公私混同を言っておきながら……」

叫ぶ球磨に、ゴーヤが一歩前に出た。

「それは、ゴーヤにも責任があるでち。でも、気持ちを抑えられなかったでち。それは、本当に皆に悪いと思うでち。
だから、もし提督を許せないなら……ゴーヤも殴ればいいでち。覚悟はできてるでち」

球磨は握り拳を握ったが、すぐに首を振った。

「ゴーヤは悪くないクマ。鈍感男が悪いクマ」

「……球磨姉、提督も悪くないにゃ。多摩の気持ちが届かなかったのは、多摩自身のせいにゃ。
提督、ゴーヤ、ごめんだにゃ。きっとそのうち、また元気になるにゃ」

「……すまない」

俺はうつむいた。……これから先、こういうことが何度もあるのかもしれないな。


パンパンっ!!


手を叩く音が、ロビーに響いた。北上がニヤニヤ笑っている。

「湿っぽいのはそこまでにしときましょー。女の子を泣かせた悪い提督には、ちゃんと罰を受けてもらうことにしますよ~。
今日はぜーんぶ提督の奢りですよっと。じゃあまずは手始めに、豚骨ラーメン行ってみましょうかね」

ぷぷっと大井が吹き出した。

「そういうことだ。それでいいか?多摩」

「まずかったら承知しないにゃ」

多摩が涙を拭った。さあ、行くとしましょうか。
394Try7rHwMFw :2018/09/26(水)22:17:05 ID:cOo
長い前振りはここまで。明日実食です。
395Try7rHwMFw :2018/09/26(水)22:32:27 ID:cOo
自己レス。五十鈴の存在を忘れてました……逝ってきます。
396Try7rHwMFw :2018/09/27(木)09:10:49 ID:QEv
少しだけ進めます。
397Try7rHwMFw :2018/09/27(木)09:37:00 ID:QEv
#

「提督よ、どこに店があるんだ?……あの行列か」

博多駅から歩いて10分強。マンションの一角に5人ほどが並んでいるのに、木曾が気付いた。

「本当にここなの?看板も何もないじゃない。バケツが置いてあるだけで」

「そのバケツこそが、開店の目印だ。知らないと延々とさまようことになる。それ、並ぶぞ」

俺は五十鈴に呼び掛ける。

「司令官、こんなに並んでると待ってて退屈しちゃいますよ。少しこの辺り、走ってきていいですか?」

「アホか。ただでさえJKの大軍と引率の野郎2人で目立ちまくってんだ。これ以上悪目立ちするんじゃねえ」

コツンと長良を小突く。実際、道行く人がこちらをチラチラ見ていて居心地は悪い。

「んんっ、何かやな感じです。阿武隈たち、そんなに目立ちます?」

「まあ、艦娘は大体見た目はいいからな。ただ、HKT48を見りゃ分かるが、福岡は若くてかわいい子が伝統的に集まりやすい土地柄なんだよ。
人口も女が多いし。俺らも多分、テレビか何かの企画で並んでると思われてるんじゃねえか?カメラも何もないけど。
それと福岡でラーメンに並ぶのは、ここぐらいだ。ちょこっと『だるま』や『一風堂本店』に観光客が並ぶぐらいだから、珍しいとは思われてるかもな」

「そんなものですかねぇ」

下らない話をしている間に、少しずつ列は進んでいく。先頭はもうそろそろだ。

「よし、最終確認だ。以前ほどうるさくはなくなったが、何やかんやでマナーにはうるさいから私語厳禁な。
あと、くれぐれもスープから飲んでくれ。ルールだから、というのもあるが、実際そうした方がこの店の凄さを体感できるからな。同様の理由で、辛子高菜による味変も後でやってくれ」

「「「はーい」」」
398Try7rHwMFw :2018/09/27(木)10:12:00 ID:QEv
先頭は俺とゴーヤ、そして木曾と多摩だ。4人ずつ入れることにしたらしい。
店内には携帯に斜めの線が入った、交通標識のような絵が書かれている。「ラーメンはスープが命です。まずスープから召し上がって下さい」との念押しも健在だ。
……ただ、「ラーメン撮影はOKです」との真新しい張り紙もある。変われば変わるもんだな。

とはいえ、このピンと張り詰めた空気だけは以前のままなんだが。

「……すごい緊張感にゃ……大変な店に来てしまったにゃ」

「私語厳禁。食うことに専念しろ」

俺とゴーヤが人差し指を唇に当てる。しばらく待つと、白濁したスープのラーメンが出てきた。

「スープからどうぞー」

女将が柔らかい声で言う。レンゲにスープを入れ、口に運ぶ。

……

「「「濃っっ!!」」」

3人が思わず口にした。俺も頷く。

そう、ここのスープはとにかく濃厚だ。スープというより、ポタージュと言うべき濃度、そして粘度。
舌にスープの旨味がまとわりつく、とでも言うべきだろうか?よく味わうと、さらりとした粉のようなものも感じる。確か、骨粉だろうか。

「すごいでち……!!前に一度だけ食べたけど、思ってた以上に濃いでち!」

「全くだな。驚きはこの癖のなさ。獣臭さが全然ない。どうなってんだこりゃ」

豚骨ラーメン特有の臭さは、元気一杯にはない。どうやってこのスープを作っているのか、非常に不思議だ。

麺を上げる。細麺ストレートの博多ラーメン特有のものだが、加水率がさほど低くなく黄色っぽいのがまた面白い。
これがまたスープに絶妙に絡む。スープと一体化した旨さを感じる。

麺を半分ほど食ったら、辛子高菜を投入する。辛子分が強く、もたれそうなスープの濃さが一気に引き締まる。
そこに替え玉を投入。スープが濃いから、一切薄くならない。一気にスープまで完飲した。丼の底には、灰色の粉のようなものが溜まっていた。
399Try7rHwMFw :2018/09/27(木)10:13:50 ID:QEv
中断します。

なお、現在は高菜不作で辛子高菜は置いておらず、一味唐辛子とカレー玉なるもので代用しているようです。
とはいえ、辛子高菜の効果が絶大である店のため、敢えて辛子高菜を登場させています。
400Try7rHwMFw :2018/09/27(木)12:42:06 ID:dYP
#

「いやー、マジパナイラーメンだったねー」

「ええ、美味しかったですね。提督さん、ありがとうございます!」

最後に出てきた名取が一礼した。皆満足そうだ。

「多摩、すまなかったな。これでどうこうなる話じゃないが」

「いいにゃ。その気持ちとラーメンだけで十分にゃ。元気一杯で元気出たにゃ」

多摩はいつも通りの笑顔だ。ゴーヤがこほんと咳払いする。

「てーとくは渡さないでち。で、どうするでち?」

「そうだなあ……」

北上がまたパンパンと手を叩いた。

「博多といえばもつ鍋でしょー。提督、美味しいとこ知ってるんじゃないのー?」

「ぐっ……しゃあないな。だが酒はダメだぞ。お前ら、一応未成年なんだから」

「ちぇっ、つまんないの。でも奢りでしょ?じゃあ二次会行きますよ~」
401Try7rHwMFw :2018/09/27(木)12:42:15 ID:dYP
#

結局屋台まで行くことになり、終わったのは2300。鈴木と由良だけはとっととどこかに消えてたが、さすがに疲れた。
明日は佐世保。早めに寝たいとこだが……

「てーとく。どうしたでちか?」

「あー、いや。色々あったなあ、とな。シャワー空いたか」

「でち。……やっと二人きりでちね」

ゴーヤが俺の隣に座る。シャワー上がりの彼女の身体から、ふわりとシャンプーの匂いが香った。

「すまんな。こんなドタバタになっちまって。平気か?」

「大丈夫でち。てーとくも覚悟決めてくれて、嬉しかったでち。……でも、それはそれでち」

ゴーヤが腕にもたれ掛かってきた。……バスローブの下は、多分裸だな。

「まだ俺はシャワー浴びてないぞ?」

「いいでち。この匂いがいいんでち」

胸の中に収まると、満足そうにすんすんと鼻を鳴らした。

「……ったく。年寄りなんだから、労れよ?」

俺はゴーヤをベッドに押し倒した。ゴーヤがにししと笑う。

「一杯てーとくを感じさせてほしいでち。……愛してるでち」

俺は苦笑した。こんな可愛いことを言われたら、疲れも消し飛ぶわな。


当然のように、翌日は寝不足になった。
402Try7rHwMFw :2018/09/27(木)12:57:00 ID:dYP
#

「ここか」

小高い丘の上に、年期の入った墓石があった。苔が少しついたそれには、「後藤家代々之墓」とある。
俺は持ってきた花を花瓶に生け、線香を取り出す。


ご両親への挨拶は、実に無難に終わった。歳の差を何か言われるかと思ったが、お二人も教師と教え子という夫婦だったのでそこの理解はあったようだ。
元高校教師の父親は寡黙で少し怖い印象があったが、「君の評判は聞いている。娘を頼む」とすんなりと認めてくれたようだ。

そんなわけで、ゴーヤの兄の墓参りに来ている。


「兄貴、久し振り。帰ってきたよ」

ゴーヤが微笑みながら墓石に語りかけた。

「……ここではでちでち言わないんだな。他の鎮守府の伊58以上に、でち言ってた気がするが」

「元々験担ぎで始めたようなもんでち。ほら、スラムダンクの山王の」

「あれか。お前の歳でも読んでるんだな」

ゴーヤは墓石に柄杓で水をかける。

「兄貴が好きで読んでたでち。で、でちって語尾に付け始めてから水泳の成績が伸びたでち。
でも、兄貴はいつもゴーヤの語尾を馬鹿にしてたから、兄貴の前では付けないことにしてたでち」

「……なるほどな。いい、兄貴だったんだな」

俺は線香を入れ、しゃがんだ。

「アホ兄貴だったけど。でも、今でもそこにいる気がするでち」

ゴーヤもしゃがみ、手を合わせた。
403Try7rHwMFw :2018/09/27(木)13:20:20 ID:dYP
「兄貴。……大切な人ができたんだ。兄貴みたいに馬鹿だけど、ほっとけなくて、優しい人。いざという時には、とても頼りになるの。
一緒になるかは、まだ分からないけど……見守ってくれると嬉しいな」

ゴーヤが静かに呟いた。俺も目を閉じて、手を合わせ心の中で呟く。


あんたの妹さんは、俺が幸せにする。だから安心してくれ。


秋の風が、俺たちの間を通り過ぎていった。

#

帰ってからゴーヤとの交際のカミングアウトを巡り色々騒動があったのだが、それはまた、別の話。
404Try7rHwMFw :2018/09/27(木)13:22:34 ID:dYP
第5話終了です。多分あと3話ぐらいで終わらせます。(だらだら番外編とかやるかもですが)

次のテーマを決めます。安価下5までの多数決です。
405Try7rHwMFw :2018/09/27(木)14:49:26 ID:dYP
夜メドに再開したいと思います。
406名無しさん@おーぷん :2018/09/27(木)15:14:11 ID:Ir4
担々麺
407名無しさん@おーぷん :2018/09/27(木)17:46:27 ID:Jpp
豚骨醤油
408【52】 :2018/09/27(木)18:00:16 ID:lq2
つけ麺
409Try7rHwMFw :2018/09/27(木)18:24:38 ID:dYP
上げます。
410名無しさん@おーぷん :2018/09/27(木)18:36:42 ID:lV0
富山ブラック
411【85】 :2018/09/27(木)18:58:57 ID:NKl
家系
412Try7rHwMFw :2018/09/27(木)19:09:58 ID:dYP
見事にバラけましたね……

安価下3まで範囲を広げます。
413名無しさん@おーぷん :2018/09/27(木)19:11:08 ID:xsz
担々麺
414名無しさん@おーぷん :2018/09/27(木)19:12:15 ID:DIJ
家系
415名無しさん@おーぷん :2018/09/27(木)19:12:58 ID:vGD
たんたん
416Try7rHwMFw :2018/09/27(木)20:00:23 ID:P1O
担々麺で決定です。

ゲスト艦娘を決めます。安価下1~3まで、!randomがもっとも大きいものにします。
417【16】 :2018/09/27(木)20:01:21 ID:5YP
千代田
418【56】 :2018/09/27(木)20:03:46 ID:hAg
雲龍
419【85】 :2018/09/27(木)20:03:55 ID:xsz
時津風
420【11】 :2018/09/27(木)20:04:01 ID:vGD
千歳
421Try7rHwMFw :2018/09/27(木)20:23:04 ID:P1O
時津風ですね。少し判定を入れます。

00~02 提督LOVE勢
03~25 時津風のみ
26~75 時津風&雪風
76~90 第十六駆逐隊
91~100 第十六駆逐隊(ただし初月ではなく島風)

コンマ下、!randomです。
422【42】 :2018/09/27(木)20:23:44 ID:hAg
はい
423Try7rHwMFw :2018/09/27(木)20:24:20 ID:P1O
ではゲストは時津風&雪風とします。少々お待ちを。
424Try7rHwMFw :2018/09/27(木)20:56:44 ID:P1O
「はぁぁ、つっかれたでち……」

口から白い煙のようなものを吐きながら、ゴーヤがふらふらと執務室のソファーに倒れ込む。

「大丈夫か?」

「大丈夫なわけないでち!一昨日は金剛、昨日は鹿島。で今日は時雨でち。
時雨、『提督は、渡さないよ……』とかハイライトの消えた目で言ってきやがったでち。久々に心から恐怖を覚えたでちよ……」

ゴーヤはうつ伏せのまま動かない。余程キツいようだ。

カミングアウトの日以来、ゴーヤに色々な勝負を挑む艦娘が出てきた。
例えば金剛は紅茶の入れ方勝負。鹿島は料理勝負(最初奴は早逝かせ勝負を申し出てきたが、さすがに全力で拒否した)。
一応両方ともゴーヤが勝ったが、「負けるわけにはいかんのでち……」と相当必死な様子だ。どうも提督LOVE勢とは何かしらの裏取引があるらしい。
そして今日の時雨の場合は、演習形式の「死合い」だ。一応ゴーヤが勝ったが、ゴーヤは手加減してるのに時雨はガチで殺しに来ていた。ありゃあさすがにマズイ。

「あー、なんつーか、すまん。聞き分けのない部下で」

「時雨が病んでるって噂は聞いてたでち。……でもあそこまでガチとか聞いてないでち。さすがに移籍させるよね?」

俺ははーっっと特大の溜め息をついた。

「あれで駆逐艦のWエースじゃなきゃな。まあ上には相談するし更正プログラムも受けさせるが、子供ってのは諦めが悪くて困るな」

「大人にも諦めが悪いの、いそうでち……。まあいいでち。少し寝るでち」

ゴーヤがそれから数秒ですうすうと寝息をたて始めたその時。

「おーいしれー!いるいるー??」

「しれぇ!雪風、ただいま戻りました!」

空気を読まずに大声を張り上げ、二人の少女が入ってきた。
425Try7rHwMFw :2018/09/27(木)21:15:35 ID:P1O
「だぁぁぁぁ!!誰でち!!休ませろでち!!」

「あ、ゴーヤさん。こんちはー!それはそうと、しれーしれー、かまえかまえー」

俺は頭に乗ろうとする時津風を、「とうっ」と軽く放り投げた。奴は器用に1回転して着地する。

「あー、しれーひどいー。大切な部下をそんな風に扱うなんて、ぎゃくたいだぎゃくたいだー」

「お前なあ、状況考えろよ……秘書艦のゴーヤが疲れて寝ようとしてるわけだぞ?空気読めや……」

「えーつまんないのー。ていうか、お願いがあってきたのにねー、雪風」

「そうです!でもお邪魔なら改めます!では、失礼します!」

ゴーヤが苦り切った顔で言う。

「あ"ー、もうどうでもいいでち。でもボリュームは下げるでち。うるさくてかなわんでち……」

「そうでしたか!!では!!」

雪風はぴょこんと椅子に座った。全然声は小さくなってない。

「静かにしろや……で、用件は」

「よいしょっと……。ああごめんごめん。しれー、ラーメンに詳しいんだよね?」

「まあ、人並みにはな。それがどうかしたのか」

「うん、そうそう。雪風ってさー。親戚が台湾にいるんだってー。で、今度来るから案内したいんだってさー」
426Try7rHwMFw :2018/09/27(木)21:34:07 ID:P1O
雪風がなぜかピシッと敬礼した。

「はいっ!何か辛いのが食べたいらしいんで、担々麺のお店がいいかなと思ってます!しれぇ、御存知ですか!?」

「……うるせぇでち。眠れないでち……」

ゴーヤが雪風を睨み付けた。雪風は、「あっ、ごめんなさい!気をつけます!」と言うが、そもそもその声自体がうるさい。

「雪風よ、元気なのはいいが、もう少し周りを見ような?ゴーヤが時雨とバトってたのは聞いてるだろ……。
で、担々麺か。ラーメンとは別物なんだが、なぜ俺に聞くのか……」

「えっ、担々麺ってラーメンじゃないのー?」

きょとんとした顔で時津風が訊く。声はやっぱり大きい。

「ちげーよ。元は四川の汁のない辛いのが原型だ。それを日本における四川料理の産みの親、陳建民が改良し、汁のある胡麻風味の担々麺になったらしい。
まあ、最近は中国式の汁なしが急速に人気になってるがな。味は結構違う。ラーメンとはそもそもルーツが違うって訳だ」

「へぇへぇ。じゃあしれーは担々麺のお店しらないんだー」

「とは一言も言ってないが?それなりには知ってる」

「さっすがしれー!やっぱ『全国鎮守府旨辛王』だけあるねー」

ゴーヤの眉がピクリと動いた。「とっととこいつらを追い出せ」とでも言いたげだ。
店を教えて、早く済ませるとするか……。
427Try7rHwMFw :2018/09/27(木)21:39:13 ID:P1O
1 東京における担々麺の名店。赤坂のあそこなら、観光にもいいだろう
2 東大生御用達。胡麻の担々麺ならここだろう
3 ラーメン屋も担々麺は作れる。六本木のこの店はどうだ
4 本格中華の奇才が作る担々麺。夜のディナーと共にどうだ
5 うるさいガキには罰ゲームを食らわせてやれ。超痺れる超本場の汁なし担々麺で泣き叫べ

※3票先取です
428名無しさん@おーぷん :2018/09/27(木)21:50:51 ID:2em
4
429名無しさん@おーぷん :2018/09/27(木)21:54:13 ID:ZrZ

430【36】 :2018/09/27(木)21:58:34 ID:hAg
4
431【72】 :2018/09/27(木)21:59:42 ID:ZG4
2
432【33】 :2018/09/27(木)22:02:30 ID:vGD
4で
433Try7rHwMFw :2018/09/27(木)22:07:14 ID:P1O




第6回 虎穴(フーシュエ)
434Try7rHwMFw :2018/09/27(木)22:12:32 ID:P1O
今日はここまで。ディナーは超うろ覚えなので食べログ先生をカンニングしますがご勘弁を。

なお、他の店はこんな感じです。

1 希須林
2 瀬佐味亭本店
3 成都正宗担々麺 つじ田
5 中国家庭料理 楊 2号店
435Try7rHwMFw :2018/09/28(金)09:42:54 ID:EIr
再開します。
436Try7rHwMFw :2018/09/28(金)10:20:23 ID:EIr
「雪風、その親戚ってのはどんな奴だ」

「お金持ちです!『シュエフェン』っていう名前です!いつも自信満々です!」

「……ふむ?お前と同じ名前なのか。まあいいわ、せっかくだからそれなりのとこを紹介してやる」

「ありがとうございます、しれぇ!!」

目を輝かせながら、雪風が元気に叫んだ。……寝ようとしているゴーヤの眉が、ピクピクと動いている。こりゃ爆発寸前だな。

「虎穴って店だ。場所は東日本橋、詳しくはググれ。昼は担々麺、夜は創作中華の店だ。本場から来たなら、まあ満足できるだろ。……これでいいな?」

「さっすがしれー。じゃあかまえかまえー」

「それ以上やると、ゴーヤがマジでぶちきれんぞ?ほら、用件が済んだならとっとと消えた消えた」

「ぶー。つまんなーい」

「分かりました!しれぇ、お疲れさまです!!」

最後まで騒々しく時津風と雪風は去っていった。駆逐艦は往々にして個性的な奴が多いが、あの二人は特に疲れる。

「やっと帰ったでちか。……そのお店、美味しいんでち?」

ゴーヤはまだ起きていた。まあ、あれで寝られるのは加古くらいだわな。

「おう。多分奴らは昼に行くだろうが、夜も旨いぞ。むしろ夜が凄い。ミシュランでもビブグルマンとして載ってるぐらいだ。ありゃあそのうち星が付くな」

「そうなんでちか?じゃあ今度の休みに行くでち!もちろん、ディナーでち」

ゴーヤの機嫌が少し良くなったようだ。

「ぶっちゃけそこそこ値は張るが……ま、いっか。俺も何とか都合付ける。予約しとくぞ」
437Try7rHwMFw :2018/09/28(金)10:35:44 ID:EIr
#

「随分買い込んだな」

俺が持つ紙袋を見て、ゴーヤがにっと笑った。

「実家へのお土産でち。日本橋って、色々あるんでちね」

「昔は三越しかなかったがな。コレドができて、大分賑やかになったもんだ。俺も数年ぶりに来てビックリしたわ。
土産を買うのに使えそうな店が増えたのは、中国人観光客が増えたのもあるんだろうな。インバウンド様々ってヤツだ」

ゴーヤの顔が、少し曇った。

「数年ぶりって……」

「あー……気にすんな。お前はお前だ。それに、あいつが体験したことをお前が体験してないってのは、なんつーか不公平だろ。そういうこった」

ゴーヤが微妙な表情をした。

「……ゴーヤだけの体験も欲しいでち」

「心配すんな。これから嫌っつーほどさせてやる。……っと、すっかり忘れてたな。俺としたことが」

「何でち?」

「担々麺だよ。そういや、この近所にもあったな……」

※コンマ下!randomが70以下で昼は食べてる
438【47】 :2018/09/28(金)10:37:35 ID:g3L
ほい
439Try7rHwMFw :2018/09/28(金)11:50:15 ID:EIr
※昼は食べてる

「そうなんでちか。でも、もうお昼食べちゃったでち」

「まーしゃあないな。担々麺、というよりは『担々麺風味噌ラーメン』という感じで旨かったんだが。ま、次の機会だな。映画でも見るか」

「でち!」

あの店には、翔香と来たことはない。ゴーヤだけの体験をさせてやろうかと思ったが、まあいくらでも機会はあるだろう。

(筆者注:「なな蓮」の担々そばのことです)

#

「いいお話だったでちね……子供向けかと思ったら、とんでもなかったでち」

「だな。まあ監督も実績がある人だし、随分贅沢なアニメだったわ」

映画を見終わり、ほっこりした気分で時計を見る。ん、ちょうどいい時間だな。

「じゃあ、東日本橋に行くか。少し歩くが大丈夫か」

「問題ないでち」

散策がてら、のんびりと街を歩く。数年前に比べれば、随分世情も安定してきたもんだ。
深海棲艦の強硬派が早く折れて、終戦になってくれればいいが……生憎、まだそれには遠そうだった。まあ、こうやって休日を楽しめるぐらいになったのには、満足すべきかもしれないが。


20分弱歩くと、目当ての店が見えてきた。

…………
440Try7rHwMFw :2018/09/28(金)11:56:28 ID:EIr
※コンマ下!randomで判定

00 ?????
01~30 時津風、雪風×2に成人済み艦娘×2
31~80 時津風、雪風×2に成人済み艦娘
81~97 時津風、雪風×2
98~100 邪魔者なし
441【23】 :2018/09/28(金)12:00:14 ID:3ST

442Try7rHwMFw :2018/09/28(金)12:22:55 ID:EIr
成人済み艦娘(戦艦、空母、軽空母、最上型以外の重巡、阿賀野型(除く酒匂)、大淀、水母、大半の特殊艦、一部潜水艦)から選択してください。
安価下1~5、!randomが大きい順に2人選びます。
(選ばれた艦娘次第で追加判定)

※台湾の雪風はアズレン雪風です。
443【48】 :2018/09/28(金)12:24:08 ID:HGa
雲龍
444【3】 :2018/09/28(金)12:27:11 ID:3ST
大鳳
445【48】 :2018/09/28(金)12:27:26 ID:GjN
千歳
446【26】 :2018/09/28(金)12:28:20 ID:g3L
鳥海
447【54】 :2018/09/28(金)12:29:51 ID:5CJ
扶桑
448Try7rHwMFw :2018/09/28(金)12:32:20 ID:EIr
雲龍と千歳で再判定です。

コンマ下の!randomが奇数で雲龍、偶数で千歳
449【72】 :2018/09/28(金)12:34:11 ID:3ST

450Try7rHwMFw :2018/09/28(金)12:45:20 ID:EIr
扶桑と千歳で決定します。

提督との関係は……(!randomで決定)

扶桑(コンマ下)
00~50 提督LOVE勢
51~80 普通の上司と部下
81~100 既婚者

千歳(コンマ下2)
00~60 提督LOVE勢
61~85 普通の上司と部下
86~95 彼氏持ち
96~100 既婚者
451【0】 :2018/09/28(金)12:51:15 ID:5CJ
はい
452【97】 :2018/09/28(金)12:52:54 ID:LbS
ろい
453【93】 :2018/09/28(金)12:53:27 ID:ICR
真っ二つだなぁ
454Try7rHwMFw :2018/09/28(金)12:54:01 ID:EIr
再開は最速1500ぐらいです。
455名無しさん@おーぷん :2018/09/28(金)15:08:21 ID:LTv
ほい
456Try7rHwMFw :2018/09/28(金)17:10:57 ID:Tjf
夜にずれ込みそうです。

扶桑は過激派、間違いない。
457【52】 :2018/09/28(金)18:16:11 ID:aMD
西村艦隊だから、ま、多少はね?
458Try7rHwMFw :2018/09/29(土)00:08:48 ID:dPK
更新は無理そうです。申し訳ありません。

まあ、結果的にいい伏線になったのではないでしょうか。
459Try7rHwMFw :2018/09/29(土)15:29:24 ID:gTV
少し進めます。

その前に、千歳旦那が同行しているかを判定します。コンマ下!randomです。

※60以上でいる
460【37】 :2018/09/29(土)15:29:54 ID:gRt
どうかな?
461Try7rHwMFw :2018/09/29(土)15:31:37 ID:gTV
※千歳旦那(軍医)は不在

少々お待ちを。
462Try7rHwMFw :2018/09/29(土)15:54:27 ID:gTV
「あっ、しれー!しれーも来てたんだー」

店の前には、犬のような髪の少女がぴょんぴょんと飛び跳ねている。小動物を思わせるような小柄な少女も一緒だ。……私服のはずだが、ほぼ制服に近いな。
その後ろには見たことがないツインテールっぽい銀髪の少女がいる。……彼女が噂の親類か?

そう思った時、後ろから声をかけられた。

「あら、提督。偶然ですね……それと、ゴーヤさん」

ゴーヤの顔が険しくなった。引きつった笑顔を辛うじて作り、振り替える。

「……扶桑でちか。何でこんなところにいるでち」

「雪風さんの親類の子の歓迎会よ。せっかくこっちに来たのだから、目一杯もてなそうという話になって。
雪風は幸運艦だし、うちのエースでお世話になってるから。あなたこそなぜここに?」

「休日にどうしようと勝手でち。まさかこいつと鉢合わせるなんて……今日はやめるでち。帰るでち」

「ちょ、待てよ。予約取れたの、結構ラッキーだったんだぜ?次いつ取れるか……。てか何でそんなにギスギスしてんだ……あっ」

俺は思い出した。扶桑が俺に惚れていたらしいこと。そして、彼女の妹分である時雨がゴーヤとの決闘で敗れたこと。……そりゃ、こうなるな。
てか本来昼食べるべきところを夜に来ているってことは、あるいは狙って被せてきたかもしれない。時雨の師匠とも言える扶桑なら、やりかねない。

「てーとく。さすがに察したでちね。扶桑こそ、提督LOVE勢の中核。テーブルは違っても、こいつとは一緒の空間にいられんでちよ。
もったいないけど、帰るでち。担々麺は、別の日にするでち」

「ごめんなさーい。ちょっと遅れちゃった」

立ち去ろうとしたその時、胸の大きいポニーテールの女がこっちに駆けてきた。
463Try7rHwMFw :2018/09/29(土)16:20:28 ID:gTV
「あ、千歳さんです!お疲れさまです!」

「雪風ちゃん、ごめんね。ちょっと遅れちゃった……って提督!?それに、ゴーヤちゃんも」

千歳が驚いた表情になった。俺は溜め息混じりに言う。

「あー、なんつーか『偶然』同じ日の同じ時間に店を予約してたらしくてな。それでこうなってるってわけだ。ただ、ちょっとな……」

千歳がゴーヤと扶桑を交互に見た。「……ああ」とすぐに察したようだ。

「なるほど、そういうことですか。扶桑さん、時雨がああなって怒ってるのは分かりますけど、ここはちょっと抑えて。
ゴーヤちゃんも提督絡みで怒ってると思うけど、せっかくの歓迎会なんだから……」

「歓迎会?」

銀髪の少女がずいっと前に出る。そして思いきり胸を張り、なぜかドヤ顔で自己紹介を始めた。

「お前が雪風の指揮官か。わたしは雪風の従姉にして高貴なる幸運艦、『シュエフェン』なのだ!漢字で書くと同じ雪風なのだ!」

「まーた変なのが出たでち。しかも利根とちょっとキャラ被ってるでち」

「失敬な!雪風様は最強なのだ!日本のそんじょそこらの艦娘と一緒にしないでほしいのだ!」

「あー、こいつが噂の中華艦娘か。こっちと違った形で運用しているらしいな。しかし、日本語上手いな」

今度はこっちの雪風がえへんと胸を張った。

「シュエフェンさんは天才なんです!お母さんが日本人で、お父さんがロシアと中国のハーフなんです!飛び級で大学も出てるんです!」

「そうなのだ!これから研修でお世話になるのだ!よろしくなのだ!」
464Try7rHwMFw :2018/09/29(土)16:42:48 ID:gTV
中断します。
465【49】 :2018/09/29(土)16:48:54 ID:gRt
軍医だと!けしからん!千歳のおっぱいでお医者さんごっこでもやってるんだろう!触診しますよーって!けしからん!
466Try7rHwMFw :2018/09/29(土)21:05:56 ID:d5L
再開します。
467Try7rHwMFw :2018/09/29(土)21:23:18 ID:d5L
「研修って……あの噂のか。中国との交換の。
しかし俺の所に誰が来るかという話はまだ聞いてないぞ」

「それはそうなのだ。明日正式に発表なのだ。でも雪風には最初に知らせたかったのだ」

妙に得意げに白い雪風が言う。

「……ってことは、ここで帰るわけにもいかなくなったな……どうよ、ゴーヤ」

「でち……。あの女さえいなければ話は早かったんでちけど」

扶桑も額に皴を寄せている。

「全くね。忌々しいったらありゃしない」

二人の間に千歳が割って入る。

「もう!二人ともいい加減にする!シュエフェンちゃんが怖がるじゃない!
特に扶桑さん。主人から聞いてるでしょ?あまり過激にやるようだと、『ドクターストップ』かかるわよ」

扶桑が大きく息をついた。

「……分かってるわよ。情緒不安定な艦娘に対しては、軍医の判断で『特殊更正プログラム』が課される。
時雨はその前段階で留め置かれたけど、本格治療が必要と判断されたら転属は確実。
……雪風は意識しなかったんでしょうけど、実に嫌な同行者の選択をしてくれたものね」

「お褒めの言葉どうも。今日は喧嘩はなし。いいわね、二人とも」

「しょうがないでち。千歳が正しいでち」

ゴーヤが苦笑する。鎮守府で最初に結婚した千歳は、その経緯も含めて皆から一目置かれている。
彼女がここにいてくれて本当に助かった。

「じゃあ、店に入るか。テーブルは一つにまとめてもらおう」
468Try7rHwMFw :2018/09/29(土)21:41:01 ID:d5L
#

店は薄暗く、ジャズが静かに流れている。厨房の奥からシェフと思われる男が「予約のお客様ですか」と呼び掛けてきた。

「ああ。予約していた小泉だ。こっちの予約客とは偶然知り合いでな。
テーブルと料理も一緒にしてくれると助かる。会計もな」

「かしこまりました。こちらが本日のコースメニューになります。お飲み物はアラカルトで」

軽く目を通す。……まるでフレンチだな。

「しれー、何かよく分からないよー。レバニラとかスープは分かるけどさー」

「だから言っただろ、夜は子供が来る店じゃないって。
飲み物は大人組はビールでいいな。後で紹興酒頼むが。時津風と雪風は適当にジュースでいいとして……君はどうするんだ?」

「ビールは苦いからサワーがいいのだ。雪風様は大人だけど、甘いのがいいのだ」

「……本当に成人なのか?」

訝し気に白い雪風を見ると、「何を失礼な」というように睨み返される。

「雪風様を舐めるななのだ。さっき雪風も言ったけど、大学も出てるのだ」

「とはいってもどう見ても、なあ。うちの雪風より年上っぽいが、どこからどう見ても」

※コンマ下!randomで80以上なら本当に成人
469【58】 :2018/09/29(土)21:41:22 ID:W1s
そい
470Try7rHwMFw :2018/09/29(土)22:45:22 ID:d5L
「せ、成人なのだ!向こうでは、大学出てるって言えばお酒飲ませてく……」

「シュエフェンちゃんは雪風より2つ上なのです!とってもいいお姉さんなのです!!」

天真爛漫な笑顔で雪風が言う。2つ上?

「……って15歳でちか!?アウトでち。完全にアウトでち」

「だよなあ。お前もジュースな」

「ケチなこと言わないのだ!日本の海軍は厳しいのだぁ!!」

こほんと咳ばらいをして店主がやってきた。

「お飲み物は」

「ビール4、マンゴージュース3で。騒々しくて済まない」

「いえ、今日はお客様だけですので。あまり大声でなければ構いません」

そう言うとまた厨房に去っていく。ホールには誰もいない。扶桑が不思議そうに訊く。

「まさか、夜は全部一人でやってるのですか?」

「らしいな。だから夜は完全予約制、時間帯で区切られてて、そこで2組のみだったはずだ」

ビールとジュースのグラスがやって来る。

「じゃあ、シュエフェンの来日を祝って。……変な奴ばかりの鎮守府だが、まあ仲良くやってくれ」

「大丈夫なのだ。向こうも結構にぎやかだったのだ」

「そうなのか……。まあいいわ。んじゃ、しばしよろしくってやつだ。乾杯」

「「「かんぱーい」」」

ビールを口にすると、白い方の雪風が俺とゴーヤを見た。

「さっきそこの扶桑って人と何かあったみたいなのだが、指揮官とそこのちっちゃいのは恋人か何かなのか?三角関係なのか?」

俺とゴーヤは顔を見合わせた。扶桑が心底嫌そうな顔をしている。
471Try7rHwMFw :2018/09/29(土)22:47:49 ID:d5L
「半分正しいな。俺とゴーヤは付き合ってる。ただ、三角関係かというとノーだな。
そもそも、何でそんなにゴーヤに突っかかって来るのか、未だに分からんな。
俺に惚れていたというのはまだ分かるが、何でお前といい時雨といいそこまでやる?」

扶桑が軽く溜め息をついた。

「提督、あなたに振り向いてもらえるとは思ってません。あなたの心は、あなただけのものですから。
ただ、これは一種のけじめなんです。ゴーヤさんは知らなかったことですけど、私たちは一種の相互不可侵条約のようなものを結んでいたんです。
提督は、私たちに一種の線を引いていました。それが戦争によるものとも知っていました。
だから、戦争が終わるまで、提督のことを好きな子たちは敢えて動かない。そう決めてたんです」

ゴーヤが「理解できない」とでも言いたげに首を振った。

「ゴーヤはそういうグループに入ってなかったでちからね。知る由もなかったでち。
まあ、知ってても同意はしなかったと思うけど。感情を無理して抑えるのは、不自然でち」

扶桑がキッとゴーヤを睨みつけた。千歳が「こらこら、喧嘩しない!」と割って入る。

「私は確かにあなたの言う通りだと思うし、ゴーヤちゃんは悪くないと思うの。
でも、『公私混同を禁ず』は提督については固く守られてた。
ゴーヤちゃんがそれを破ったのも、また事実。だから、落とし前を付けろってことよね」

「そういうこと。だから、勝負に負けたら、ゴーヤは鎮守府を出ていく」

扶桑の言葉に、ゴーヤが苦り切った顔になった。

「てーとく、別に負けたからといって別れるとかそういうんじゃないんでち。
ただ、『一緒に戦う権利はない』というのが、こいつらの言い分でち。
むかつくけど、乗らざるを得ない事情があるでち」
472Try7rHwMFw :2018/09/29(土)22:57:36 ID:d5L
「事情?」

扶桑が頷く。

「ええ。提督、私の父が誰かは、よくご存じですよね」

「……お前なぁ……」

扶桑の父は、海自の幕僚長だ。彼にこのことを言えば、俺とゴーヤは左遷確実。しかも引き離されるだろう。

元々、彼女は父が海自の大物という経緯で艦娘になっていた。
艦娘としての適性のなさを涙ぐましい努力でカバーし、山城ともども主力の一角を担うまでになった扶桑への人望はそれなりに厚い。
これまでは血縁のコネを見せびらかすことは一切してこなかったが……こういう使い方をするとは。

「扶桑、ちょっとおかしいでち。そこまでするでちか」

「狂ってるのは自覚してるわ。ただ、納得したいのよ。みんな。
だから、勝負に負けたら潔くあなたを認め、身を引く。そういうルールでしょ?」

「だからこそ、ゴーヤは負けられんでち。……扶桑、今勝負の内容決めるでちか。
扶桑が負ければ、多分これで終わるはずでち」

「……いいわ。受けましょう。でも、武力系はダメ。小池軍医に目を付けられてるし」

その時手を挙げたのは……時津風だった。
473Try7rHwMFw :2018/09/29(土)23:13:08 ID:d5L
「わたし恋愛とか難しいことよく分かんないんだけどさー。
しれーが好きなもので勝負すればいいんじゃない?例えば、ラーメンとかさー」

「ラーメン?作れってか」

「そうそう。でも、ラーメン作るのって大変らしいから、誰かヘルプ使っていいみたいな感じでー。
あるいは、有名なお店のラーメンの再現とかでもいいかもねー」

千歳がぽんと手を叩いた。

「それいいわね!2人とも、異論は?」

「……ないでち」

「ないわ」

何か話が妙な方向に転がっていってる。ゴーヤの料理の腕は並みだ。これから上達するでちとこの前息まいてたが。
半面、扶桑は大和程ではないが相当上手いらしいとの評判だ。
ゴーヤが俺の好みを知っている分、扶桑は腕で優位ということか。
……俺が絡んでなければ、いい勝負だと乗り気になっただろうな。

「一応言うが、ゴーヤが負けても別れる気は微塵もないぞ」

「それで構いません。鎮守府内の秩序のためです。
それに、一緒に戦えないのが何よりの苦痛というのは、提督が一番よくご存知でしょう?」

ゴーヤの苦渋に満ちた表情を見ると、心が痛んだ。……だが、どうもこれしかないらしい。

「ゴーヤは、負けないでち。だから心配しなくていいでち。……扶桑、いつやるでち」

「3週後。……覚悟しておきなさい」
474Try7rHwMFw :2018/09/29(土)23:15:14 ID:d5L
今日はここまで。シリアスパートもここで一区切りです。
明日から実食。筆者も食べた謎のレバニラが出ます。

なお、第7話はゴーヤ視点の予定です。
475Try7rHwMFw :2018/09/30(日)22:34:34 ID:ZOc
再開します。
476Try7rHwMFw :2018/09/30(日)22:51:10 ID:ZOc
「はいはい、女の喧嘩はそこまで。さっきも言ったけど、今日はシュエフェンちゃんの歓迎会よ。
次やったら、2人そろって主人に言いつけますから、そのつもりで」

「分かったでち」

「了解よ」

千歳の仲裁で、一応その場は収まった。……しかし困ったことになった。ゴーヤは絶対勝つと言ったが……。
白い方の雪風を見ると、妙に感心した様子でこちらを見ている。

「ん、どうした?」

「いや、どこも似たようなもんだと思ったのだ。指揮官というものは、大変なのだ。
むしろこうやって平和的解決が図られる辺りは、こっちの方が随分いい感じなのだ。
うちの赤城に詰めの赤を煎じて飲ませてやりたいのだ」

「赤城が?あの?」

うちの赤城と言えば、とりあえず食い物さえあれば幸せという暢気な奴だ。
一応職務には真摯だが、それ以上のことはない。人畜無害、ある意味うちの(というか間宮の)マスコットのようなものだ。

「……噂には聞いたことがあるわね。色々な意味で危ないんですって?」

「指揮官や指揮官のことを好きな奴には容赦しないのだ。殺人未遂は日常茶飯事なのだ。
本気で何とかしてもらいたいものなのだ……」

扶桑の問いに、がっくりと白雪風が肩を落とす。

「あー、そういや同じ艦娘でも大分違うらしいでちね。性格も外見も。
大鳳なんてうちのが愕然とするぐらいおっきいらしいでち」

「おっきい大鳳って想像も付かんな……っと、最初のが来たぞ」
477Try7rHwMFw :2018/09/30(日)23:10:52 ID:ZOc
シェフが持ってきたのは、何かを揚げたものだ。衣は緑色だが……。

「空豆の揚げ雲吞です」

雲吞、ねえ。これが……。2つしかないが、前菜的な何かということか。

「ほうっ?」

……噛むとサクッとした歯ごたえと共に、空豆の風味が一気に広がる。皆も一様に驚いている。

「これは美味しいですね!ビールととってもよく合います。
私、紹興酒頼んじゃっていいですか?もっと食べたいけど、量がないのは残念ね」

千歳はえらく気に入ったようだ。確かに、酒のつまみと言えば空豆は定番の一つだが、
その旨味を凝縮したような味だ。あまり中華っぽくはないが。

「いけるのだ!でもサワーが……」

「だから酒は禁止。日本、というよりうちの鎮守府は全体的に厳しいんだよ。
話を元に戻すと、ケッコンカッコカリみたいな制度もあるわけか」

「うむ!ただ、こっちの方は本当の結婚みたいになってることも多いのだ。
だから血で血を洗うことになってる指揮官もいるらしいのだ」

ふむ、そこは日中の文化の違いなのだろうか。ゴーヤが手を挙げる。

「ということは、向こうにもゴーヤがいるでち?」

「??ゴーヤはいないけど、伊58さんならいるのだ。
見た目は大分違うけど、ちっさいのだ。あと静かでお姉さんっぽいのだ」

「ちっさいんでちか……」

ゴーヤが微妙な表情を浮かべた所に、2皿目が来た。
478Try7rHwMFw :2018/09/30(日)23:25:34 ID:ZOc
「白レバーペーストと黄ニラのレバニラです」

皿にはパテ・ド・カンパーニュと見間違えるほどのレバーのブロックが3切れほど。
その上にニラが乗っているわけだが……ただのニラじゃない。

「しれー、レバニラってあるけどこれ本当にレバニラなのー?
時津風の知ってるレバニラと全然違うんだけど」

「……レバーとニラの料理だから、レバニラなのは確かなんだが……とにかく食おう」

口にして最初に感じた一語は、濃厚。そして蕩ける。
上等なフレンチが出すパテ・ド・カンパーニュをさらに濃くし、しかも一切の臭みを取り除いた感じだ。
黄ニラの風味もそれに絡み合い、ただの臭み消し以上の物になっている。絶品だな。

「しれぇ!!美味しいです!!」

「なのだ!!台北にもこんな料理はないのだ!!
昔父様に連れて行ってもらった、フランス料理みたいなのだ!!」

俺と同じ感想を持った奴がいた。千歳はというと、紹興酒を飲んでご機嫌だ。

「これもお酒にとっても合いますね、提督。あの人も来ればよかったのに」

「確かに。軍医は出張だったな」

「はい。舞鶴に。全国鎮守府の軍医による勉強会だそうで。
戻ってきたら、今度は二人で来たいですね♪」

「あー、あいつも飲むからな……。しかも健啖家だから、さぞかし喜ぶだろうな」

「そういえば、小池先生とは付き合い長いんだったけ?
高校の時からの友達だって、前言ってたでち」

俺はレバーを一切れ口にして頷いた。

「まあな。ある種の腐れ縁だ。もうお前らが結婚して2年か」

千歳が小さく頷く。

「そうですね。その節はお世話に。子供は戦争が終わってからと決めてますけどね」
479Try7rHwMFw :2018/09/30(日)23:36:50 ID:ZOc
鎮守府関係者と艦娘との正式な結婚は、海自内規で禁じられていた。
それを押し通した全国初の事例が、小池軍医と千歳だったわけだ。あの時は俺も随分苦労したものだ。

「子供か……」

何か言おうと思ったが、扶桑からの視線が鋭くやめておいた。また火に油を注ぐことになりかねない。

「……しかし、羨ましいのだ。雪風も、そういう人が欲しいのだ」

白雪風が凹み気味に言う。うちの雪風が、ピンと手を挙げた。

「そうなんです!!シュエフェンちゃんは、向こうのしれぇのことが好きなんです!!
でも好きと伝えられなくて苦労しているのです!!」

「あー!お前、それだけは言うなと……!」

「ごめんなさい!雪風、言っちゃいました!!」

なるほどなあ。そっちもそっちで苦労しているというわけか。

#

コースはその後生春巻き、シイタケのスープ、甘鯛のあんかけ、子豚のグリルと続いた。
中華というよりはヌーベルシノワ、あるいはフレンチに和食を足して割ったような感じだ。
どれも食材の旨味が引き出されていて、とても旨い。
ゴーヤと扶桑のいさかいが心配だったが、食事のおかげもあって話の話題の中心は白雪風になっていた。

そして、今日の目当ての一品がやっと登場した。
480Try7rHwMFw :2018/09/30(日)23:37:28 ID:ZOc
担々麺まで辿り着けませんでした……。
明日この回を終わらせます。
481【0】 :2018/09/30(日)23:48:05 ID:Lwr
おつー
482Try7rHwMFw :2018/10/01(月)09:07:38 ID:Mwl
少し進めます。
483Try7rHwMFw :2018/10/01(月)09:31:33 ID:Mwl
「和えそばです。よく混ぜてどうぞ」

皿の中央には、小さく盛られた麺。辛味オイルがかかり、上には肉味噌が乗せられている。皿の底には胡麻ソースと、カシューナッツだ。そして、鮮烈な香りが皿の周りに拡がる。

「凄い香りでち。これがてーとくが言ってた担々麺でちか?」

「そそ。昼はこれが主力で、絞めにジャスミンライスをかけて食うらしい。少なく見えるが、見た目よりもボリュームあるぞ」

よく混ぜて持ち上げると、太めの麺に胡麻と肉味噌がしっかり絡んでいる。
そして口にすると、最初に感じるのは肉味噌と胡麻の甘さ。そこからじっくりと辛味が拡がり……花椒の香りと鋭い痺れが舌を襲う。

「旨いのだ!この辛さと痺れ、成都のよりはマイルドだが濃厚でいけるのだ!もっとないのか?」

白い方の雪風は上機嫌だ。一方、うちのお子様二人は辛さと痺れからフリーズしている。

「し、しれー……美味しいんだけど、辛いよー」

「お子様舌には分からんだろうな。そこにある黒酢を入れれば多少はマシになるぞ」

俺はもう一度担々麺を噛み締める。太麺そのものの旨さを、複雑な構成のタレがしっかり引き立てている。
汁無し担々麺というと花椒の痺れで殴り付けてくるタイプの店が少なくないが、ここのはマイルドでありながら花椒も生かしている。まさに職人の技だ。

「うん、美味しい♪お酒で酔った頭をピシッと引き締めてくれる感じでいいですね」

「でち。さっすが提督でち。……奥さんも、美味しいの好きだったんでちね」

「まあな。……ってそれは」

皆の顔が俺に向く。特に扶桑は驚愕のあまり固まっている感じだ。

「て、提督……?それって」

「あー、しゃあねえなあ。まあ、もう隠す意味もねえだろ。俺は昔、結婚してたんだよ。嫁も艦娘でな……殉死だ」
484Try7rHwMFw :2018/10/01(月)09:47:01 ID:Mwl
#

「しれぇにそんな過去があったなんて……知りませんでした」

締めのプーアル茶を使ったデザートを口に、雪風がしょぼんと下を向く。

「公私混同の禁を自らに課してたのは、もう二度と愛する女を失いたくなかったからだ。結局、自分で反故にしちまったが。
実は、ゴーヤも似たような経験をしてる。だから、そこの想いは良く似てたってのはある」

扶桑が俺を見た。

「……提督のお考え、良く分かりました。少しだけ、腑に落ちた気がします。……ただそれでも理解できない子はいるでしょう。時雨みたいに」

「……けじめは必要、ってことか」

「ええ。私の気持ちに決着を付ける、という身勝手な理由ももちろんありますけど」

「お前も難儀な奴だな」

溜め息を俺は一つついた。ゴーヤは真剣な表情で扶桑を見据える。

「だからこそ、負けないでち。ゴーヤだって、それなりの覚悟を背負ってるでち。それを扶桑に見せてやるでち」

「……そう」

千歳がやれやれと首を振った。

「はいはい、そこまでそこまで。じゃあ提督、そろそろ終わりにします?」

「ん、了解だ。飲み代はまさか……」

00~50 もちろん、提督持ちですよ♪
51~80 さすがに悪いですし、割り勘で
81~100 ここはくじ引きで♪

※コンマ下、!random
485【87】 :2018/10/01(月)10:06:40 ID:ad3

486Try7rHwMFw :2018/10/01(月)12:39:53 ID:Mwl
千歳が紙をよった奴を4本取り出した。一つだけ先端に赤い印がついている。

「ここはくじ引きで♪雪風ちゃんたちには払わせられないですし。提督にお願いしようと思いましたけど、さすがにかわいそうかなって」

「お前どこから取り出したんだよ……じゃあ、いっせーのせっで引くぞ。せーの」

01~03 ゴーヤ
04~06 提督
07~09 千歳
10~100 扶桑

※コンマ下、!random
487【40】 :2018/10/01(月)12:41:39 ID:VPz
ほい
488Try7rHwMFw :2018/10/01(月)12:55:40 ID:Mwl
#

「ふ、不幸だわ……改二になって人並みになったと思ったのに……」

「まあ扶桑さん、お金はあるからいいじゃないですか」

ニコニコと笑いながら店の前で千歳が言う。……こいつ、狙ってたな。
幸運艦のゴーヤがくじ引きで悪いのを引くわけがない。俺もそこそこ悪運は強い方だ。千歳自身はそこまで運がいいわけじゃないが、何か仕込んでたのかもな。

まあ、ある意味の心遣いとでも思っておくか。

「扶桑さん、ありがとうございます!!美味しかったです!!」

「ああ、うん……いいのよ。それはともかく」

扶桑が真剣な目でゴーヤを見る。

「ゴーヤ、3週間後を忘れないで。私が勝つわ」

「……望むところでち」

寄るところがあるらしく、時津風たちとはここで解散になった。残された俺は、ゴーヤに訊く。

「ゴーヤ、勝算はあるのか?あいつ、かなり料理できるぞ。確か、奴の仲間も料理上手が多いし……」

「知ってるでち。だから修行するでち。てーとくの側にいるために、ゴーヤは負けられないんでち」

決意を秘めた目で、ゴーヤは力強く言った。

「修行って……何するんだ?」

「それは内緒でち。協力者もいるでち。
それはそうと、てーとく、帰ろ?」

協力者?誰だろうか……不安を抱えながら、俺たちは家路についた。

#

研修に来た白い雪風ことシュエフェンが鎮守府でブランコ設置に関して一騒動起こすのは、また別の話。
489Try7rHwMFw :2018/10/01(月)12:58:28 ID:Mwl
第6話終了です。次回はゴーヤ視点になります。参考になりそうなラーメン店に行ってヒントにするという感じです。

というわけで、今回は協力者から決めます。まず人数です。
コンマ下の!randomで

00~30 一人
31~80 二人
81~100 三人
490【0】 :2018/10/01(月)13:00:44 ID:h77
はい
491Try7rHwMFw :2018/10/01(月)13:02:39 ID:Mwl
協力者を決めます。!randomが最も大きいものとします。登場済み艦娘でも可です。

コンマ下1~3
492【95】 :2018/10/01(月)13:06:10 ID:ad3
羽黒
493【74】 :2018/10/01(月)13:09:54 ID:h77

494【86】 :2018/10/01(月)13:16:36 ID:rsq
雲龍
495Try7rHwMFw :2018/10/01(月)13:18:48 ID:Mwl
羽黒に決めます。

続いて今回のお題です。安価下1~5で多数決です。
(なお、扶桑が出すラーメンは決めてます)
496【82】 :2018/10/01(月)13:37:03 ID:ad3
鶏白湯
497【73】 :2018/10/01(月)13:52:19 ID:qQ9
醤油
498名無しさん@おーぷん :2018/10/01(月)14:56:37 ID:xDP
カップ麺
499名無しさん@おーぷん :2018/10/01(月)15:03:49 ID:3N9
鶏白湯
500Try7rHwMFw :2018/10/01(月)15:08:23 ID:Mwl
再開は夜の予定です。
501Try7rHwMFw :2018/10/01(月)15:09:19 ID:Mwl
なお、>>498は除外します。申し訳ありません。
502名無しさん@おーぷん :2018/10/01(月)15:09:56 ID:oTw
醤油
503名無しさん@おーぷん :2018/10/01(月)15:24:12 ID:EGb
鶏白湯
504【64】 :2018/10/01(月)18:09:59 ID:mdB
みっそー
505Try7rHwMFw :2018/10/01(月)21:34:28 ID:qhM
再開します。

その前に判定を。

コンマ下98以上でゴーヤが
コンマ下2が90以上で羽黒が

ある中毒に罹患中です。!randomで。
506【57】 :2018/10/01(月)21:35:22 ID:akp
やあっ
507【21】 :2018/10/01(月)21:36:03 ID:w6y
はい
508【52】 :2018/10/01(月)21:36:33 ID:Khq

509Try7rHwMFw :2018/10/01(月)21:37:08 ID:qhM
※二人とも真人間

この判定は今後別の艦娘で出る可能性があります。
510Try7rHwMFw :2018/10/01(月)21:45:15 ID:qhM
「ゴーヤちゃん、あのっ、こっちですよ」

駅前で羽黒が汗かきながら手を振ってるでち。秋も半ばというのに、無駄に暑いのは何なんでちかね。

「羽黒ちゃんも早いでち。待ち合わせ10分前でち」

「あのっ、待たせちゃうかなって思って……ごめんなさい!」

「いいでち。遅れるよりずっといいでち。付き合わせて悪かったでちね」

「い、いえっ。ゴーヤちゃんにはいつもお世話になってますし……」

※羽黒と憲兵長は?
00~05 憲兵長はひっそり結婚してた
06~10 憲兵長には彼女がいた
11~20 フラれた
21~40 現状維持
41~80 いい感じ
81~95 付き合い始めた
96~100 いきなり婚約中

※コンマ下、!random
511【91】 :2018/10/01(月)21:45:38 ID:w6y

512Try7rHwMFw :2018/10/01(月)21:50:33 ID:qhM
「それに、あの……ゴーヤちゃんのアドバイスで憲兵長さんとお付き合いできたんですから。このくらいはしないと」

「上手く行くとは思ったけど、こんなに早く行くとは予想外だったでちね」

羽黒と憲兵長はあれからすぐに付き合い始めたでち。元から羽黒のことは娘のように思ってたらしいけど、それにしてもビックリしたでち。
羽黒は庇護欲というか、父性を掻き立てる何かがあるでちからねえ……。まあ、役に立てて良かったでち。

「はいっ!それで……」

※コンマ下70以上で憲兵長も登場、!random
513【42】 :2018/10/01(月)21:51:11 ID:Khq

514Try7rHwMFw :2018/10/01(月)21:54:12 ID:qhM
※憲兵長は出ない

「それで、2週間後の扶桑さんとのラーメン勝負について、ですよね。考えはまとまりました?」

「難しいでち。普通に作っても、あの女に勝てるイメージは湧かないでち。料理の腕は向こうが上でち。それに……」

※扶桑の助っ人は?安価下
(扶桑と仲の良さそうな艦娘か、メシウマ系の艦娘で)
515【20】 :2018/10/01(月)21:56:38 ID:VGg
鳳翔
516Try7rHwMFw :2018/10/01(月)22:10:59 ID:qhM
「それに、よりによってあの鳳翔さんが助っ人でち。洒落にならんでち。ていうか、あの人提督のこと好きだったんでちか??」

「えっと、結構そういうオーラ、出してたような……。司令官さんと小料理屋開きたいとか、前冗談めかして言ってましたし……本気だったんですね」

「ゴーヤとしては泣きたくなるでち。鳳翔さんなら、多分何でも作れるでち。負けたくはないけど、かなり厳しいのも確かでち。
でも、諦めたらそこで試合終了でち。安西監督も言ってたでち」

羽黒が目をパチパチとしばたかせたでち。……このネタは分からないでちか。

「あのっ、安西監督さんって誰か分からないですけど……でも、ゴーヤちゃんの言う通りです!だから参考になりそうな店に行くんですよね?」

「でち。ただ、ゴーヤが作れるラーメンというのがミソでち。これは大変でち。
ラーメンはスープでち。凄く微妙なバランスの上で成り立ってるのがスープでち。普通に塩ラーメンとか作ったら、間違いなく玉砕でち。
……そこで、あるスープを思い付いたでち。これならゴーヤも作れるでち」

「あるスープ、ですか?」

「でっち。鶏白湯でち。ゴーヤの出身は佐世保でち。たまに水炊きは食べてたでち。基本的な作り方も、母から教わってるでち。それに何かを足せば……何とかなるでち」

「あのっ、いいと思います!確か、ええっと、流行ってるみたいですし」

ゴーヤは頷いてスマホを見たでち。そこには、いくつか下調べした店があるでち。どれに行くでちかね……
517Try7rHwMFw :2018/10/01(月)22:17:58 ID:qhM
1 銀座最高のラーメンでち。料亭顔負けのあそこなら、何とかなるでち
2 ラーメンは優しさでち。胃にも優しいベジポタで勝負でち
3 煮干しの名店が作るハイブリッド白湯でち。白湯の弱点を補うでち
4 邪道とか知らんでち。烏賊白湯で思いきるでち

※3票先取
※今回、複数のお店に行く可能性があります
518Try7rHwMFw :2018/10/01(月)22:20:14 ID:qhM
すみません。少しだけ中断。追加します。
519Try7rHwMFw :2018/10/01(月)22:20:19 ID:qhM
すみません。少しだけ中断。追加します。
520Try7rHwMFw :2018/10/01(月)22:21:33 ID:qhM
1 銀座最高のラーメンでち。料亭顔負けのあそこなら、何とかなるでち
2 ラーメンは優しさでち。胃にも優しいベジポタで勝負でち
3 煮干しの名店が作るハイブリッド白湯でち。白湯の弱点を補うでち
4 邪道とか知らんでち。烏賊白湯で思いきるでち
5 鶏も鴨も一緒でち。確か、噂では復活したらしいでちね……

※3票先取
※今回、複数のお店に行く可能性があります
521【56】 :2018/10/01(月)22:23:31 ID:ad3
2
522名無しさん@おーぷん :2018/10/01(月)22:25:59 ID:OE6
3
523Try7rHwMFw :2018/10/01(月)22:32:01 ID:qhM
上げます。
524名無しさん@おーぷん :2018/10/01(月)22:32:15 ID:Khq
3
525【57】 :2018/10/01(月)22:33:01 ID:VGg
3
526Try7rHwMFw :2018/10/01(月)22:37:23 ID:qhM




第7話 おおぜき中華そば店
527Try7rHwMFw :2018/10/01(月)22:40:14 ID:qhM
今日はここまで。ネタばらしは今回なしです。
528【60】 :2018/10/02(火)00:41:18 ID:l3c
おつー
529名無しさん@おーぷん :2018/10/02(火)00:44:13 ID:CHx
乙です
530Try7rHwMFw :2018/10/02(火)12:45:37 ID:EtO
少し進めます。
531Try7rHwMFw :2018/10/02(火)12:55:45 ID:EtO
「決めたでち。恵比寿行くでち」

「恵比寿ですか?」

「そうでち。鶏白湯は色々弱点があるでち。そこをどう補うか考えるでち」

羽黒ちゃんの頭に?が浮かんでるでち。

「……弱点?濃くて美味しいと思いますけど」

「羽黒ちゃん、本場の水炊き、食べたことあるでち?」

「えっと、一度だけ。黄色がかったスープで、濃いですよね」

「でち。で、冷めたところは?」

「すぐにおじやにしちゃったから……あのっ、それが関係あるんですか?」

「大有りでち。鶏白湯にはコラーゲンがたーっぷり含まれてるでち。温度が高いうちは、スープに溶けてるでち。
でも、これが冷めると、また固体に戻ろうとするでち。つまり膜が張るでち。濃いだけだと、この膜が邪魔をするでち。
あと、何より飽きるでち。水炊きにゆず胡椒が欠かせないのは、味変がどうしても要るからでち」

羽黒ちゃんがほわーと感心したように言ってるでち。

「司令官さんも食べ物に詳しいですけど、ゴーヤちゃんも結構すごいんですね……」

「九州にいたから分かるだけでち。……で、今から行くところはその弱点を解消してるらしいでち。濃厚でも膜が張らない、飽きないラーメンとはどんなものか食べてみるでち」
532Try7rHwMFw :2018/10/02(火)13:01:58 ID:EtO
※恵比寿に着いて……

00~10 道に迷う
11~75 通常進行
76~90 艦娘と遭遇(再判定)
91~99 彼氏連れ艦娘と遭遇
100 艦娘2人と遭遇(関係は固定)

※コンマ下、!random
533【1】 :2018/10/02(火)13:06:36 ID:SNP
そい
534Try7rHwMFw :2018/10/02(火)13:08:35 ID:EtO
的確に道に迷って草。なお、割と分かりにくいです。

再開は夜。
535Try7rHwMFw :2018/10/02(火)21:12:37 ID:g6X
再開します。
536Try7rHwMFw :2018/10/02(火)21:20:37 ID:g6X
#

「道に迷ったでち……全然それらしいのがないでち。本当にこっちなんでちか?」

「あ、あのっ……その、はずなんですけど……ごめんなさいっ!」

羽黒が涙目になってるでち。ゴーヤもガックリでち。そもそも駅から徒歩3分っていうのに、全然分からないでち。
恵比寿ガーデンプレイスの辺りはこじゃれたお店はあるけど、ラーメン屋はどこにもないでち。

「羽黒ちゃんは悪くないでち。店を選んだのはゴーヤの責任でち。
しかし、もう30分も歩いてるでち。疲れたし、お腹もすいたでち……」

「ううっ、本当にごめんなさい……」

「だから泣くなでち。周りから変な目で見られてるでち」

ゴーヤはともかく、羽黒ちゃんは美少女でち。嫌でも目立つでち。……早く見付けないと……

00~10 ここどこでち?
11~50 結局駅に戻ったでち
51~99 艦娘と遭遇(再判定)
100 お嬢ちゃんたち、俺のラーメン食わねえか
537Try7rHwMFw :2018/10/02(火)21:20:52 ID:g6X
※コンマ下、!random
538【5】 :2018/10/02(火)21:21:49 ID:pNT
はい
539【51】 :2018/10/02(火)21:23:07 ID:l3c
おお、もう……
540Try7rHwMFw :2018/10/02(火)21:23:55 ID:g6X
※再判定

歩いて辿り着いた先は……

00~50 目黒
51~98 渋谷
99、100 あんた誰でち??
541【3】 :2018/10/02(火)21:24:18 ID:l3c
どうだ
542Try7rHwMFw :2018/10/02(火)21:24:18 ID:g6X
※コンマ下、!random
543【1】 :2018/10/02(火)21:25:01 ID:bFC
目黒
544【48】 :2018/10/02(火)21:25:15 ID:2lV

545【77】 :2018/10/02(火)21:25:15 ID:bFC
中目黒
546【21】 :2018/10/02(火)21:25:58 ID:7U7
んふ
547Try7rHwMFw :2018/10/02(火)21:32:30 ID:g6X
#

「……ここどこでち?」

まだ泣きべそをかいてる羽黒と来たのは、来たことがない場所でち。おまずは大通りに出ないと……

「え、ええっ??ここは……」

「目黒駅、ってあるでちね……どんだけ歩いたんでちか」

大通りにある道路標識には、目黒駅を指す矢印があったでち。

ゴーヤも方向音痴な自覚はあるでち。てーとくなしでの街歩きなんて、全く自信ないでち。海の中ならソナー使えば迷わないけど、地上じゃソナーなんて使えないでち。
でも、羽黒まで方向音痴なんて聞いてないでち。自信ないからナビ役任せたんだけど、もろに裏目でち……。

「ゴーヤちゃん!あの、あのあのっ、ど、どうしましょう……」

「だーかーらー泣くなでち!腹減ったし、近場で何とかするしかないでち。恵比寿まで山手線で戻ってもいいけど……」

1 戻ってみる(目的地が変更になるかもしれません)
2 近場で探す(目的地が変更になります)

安価下3多数決
548【6】 :2018/10/02(火)21:35:15 ID:2lV
2
549【53】 :2018/10/02(火)21:36:35 ID:CHx
2
550【96】 :2018/10/02(火)21:38:14 ID:l3c
2
551Try7rHwMFw :2018/10/02(火)21:40:19 ID:g6X
やっぱり近場で探すしかないでちね。スマホを弄ると、目黒にも色々お店があるらしいでち。どうするでちかねえ……

1 鶏白湯のお店、あるでち!行くでち!
2 心底疲れたでち。殺伐と二郎でも食うでち
3 ミシュランに載ったお店……行ってみるでちかねえ
4 オンリーワン?なんでちかここは
5 じゅる麺?カテゴリーが分からんでち

※3票先取
552【17】 :2018/10/02(火)21:43:29 ID:7U7
1
553【98】 :2018/10/02(火)21:43:39 ID:FF9
2
554【95】 :2018/10/02(火)21:43:50 ID:2lV
2
555【95】 :2018/10/02(火)21:44:22 ID:CHx
1
556名無しさん@おーぷん :2018/10/02(火)21:44:31 ID:pNT

557Try7rHwMFw :2018/10/02(火)21:46:42 ID:g6X




第7.1話 麺屋 藤しろ
558Try7rHwMFw :2018/10/02(火)21:50:58 ID:g6X
ちょっとだけ中断。なお、ちゃんと何回か食べたことがあるお店です。

こちらは種明かし。

2 二郎 目黒店
3 麺や 維新
4 オンリーワンヌードル イチフジ
5 づゅる麺 池田

4はソースの組み合わせで味が激変するという謎の塩ラーメン&もちです。藤しろの下にあります。
559Try7rHwMFw :2018/10/02(火)22:42:57 ID:g6X
「あっ、近くに鶏白湯のお店あるでち!そっちにするでち!」

「え、ええっ!?そんなに簡単に決めていいんですか??」

「これも何かの縁でち。食べてみるでち」

今度は駅前だから間違えようがないでち。……とかなんとか言いながら、どこか分からず10分ぐらい探したのはてーとくには言えないでち。

雑居ビル、飲み屋とかが並ぶ雑居ビルの奥まったところにその店はあったでち。「麺屋 藤しろ」。そこそこ並んでるでちね。
下にも「一富士」ってお店があるらしいけど、それはまた今度にするでち。とにかく鶏白湯でち。

看板の裏に、スープのうんちくがあるでち。無化調で……これは。

「……鶏白湯に仔牛の骨と牛バラを合わせ、魚介で整えた、でちか。なるほど、ここは分かってる店でち」

「ゴーヤちゃん、あのっ、どういうことなんですか?」

「横須賀で話した通り、鶏白湯には弱点があるでち。単調、そして膜が張る。これを解消するには、いくつか方法があるでち。
野菜と煮詰めて煮詰めて、ポタージュのように逆に粘度を高める店もあるにはあるでち。でも、そんな技術はゴーヤには無理でち。
そこで、鶏白湯に別のスープを合わせるわけでち。本当は行くはずだった『おおぜき中華そば店』は豚骨と合わせてるでち。そうすることで、旨味を残しつつ弱点を多少解消できるでち」

「ということは、ここは牛のスープで割ってるんですか?」

「そういうことでち。……フレンチのフォンみたいなのを合わせてるんでちかね」

券売機で鶏白湯味玉ラーメンを買うでち。お店そのものは、普通のラーメン屋でちね。

しばらく待つと、どんぶりが出てきたでち。クリーム色のスープに、桃色の半生っぽいチャーシュー。そこに九条ネギっぽいのと……この黒いのは何でちかね。
560Try7rHwMFw :2018/10/02(火)22:56:39 ID:g6X
細麺を箸で持ち上げるでち。見た目ほど粘度はないでちね。一気に啜るでち。

「……!!濃いけど、ベタつかないでち」

「あのっ、本当ですね!後味がすっきりしてるというか……しつこくないです」

もう一度啜ってみるでち。スープとの絡みの良さは残しつつ、もたれるような重さはないでち。これはこれでありでち。

麺の横には、メンマ……じゃなくてタケノコでち。かじると爽やかな風味が鶏白湯のわずかなしつこさを中和してるでち。
この黒い香味油は……なんでちかね?にんにく?少し肉っぽい固体の感じもあるでち。甘さとコク、そして香ばしさをラーメンに加えてるでち。
鶏白湯の味が飽きやすい難点を、具と香味油で解消しようとしてるわけでちね。考えてるでち。

「ゴーヤちゃん、この『生姜レモン』って……」

「味変用の薬味でちかね」

黄色がかった液体を少し垂らすと、味が一気に引き締まったでち。

「あっ!全然変わりました!さらにサッパリ感が強くなって……」

「本当よく分かってる店でち。濃厚一辺倒じゃ最初は美味しくても飽きてしまうでち」

よく見ると、お客には女の子がそこそこいるでち。この優しさは、確かに女の子受けする味でちね。
561Try7rHwMFw :2018/10/02(火)23:03:43 ID:g6X
#

「あのっ、美味しかったです!チャーシューもすごく柔らかくて……もっと食べたかったです」

「でち。牛骨を使うのは面白いでち。でも、フォンの取り方は簡単じゃないでち……」

そう、予定外だったけどかなり美味しかったでち。ただ、これだけで扶桑と鳳翔さんに勝てるでちか……?

時間を見ると、1430でち。来週の休みは試作に使いたいでち。夜にもう一軒、行ってみたいところでち……

00~50 通常進行
51~95 ん?電話でち
96~100 お嬢ちゃん、お悩みのようだね
562【42】 :2018/10/02(火)23:03:55 ID:7U7

563Try7rHwMFw :2018/10/02(火)23:03:57 ID:g6X
※コンマ下、!random
564?random :2018/10/02(火)23:04:15 ID:nKg
ぽい
565【91】 :2018/10/02(火)23:04:42 ID:nKg
ミスった
566Try7rHwMFw :2018/10/02(火)23:07:39 ID:g6X
※電話あり

00~03 敵襲だ!
04~35 多摩でち
36~60 千歳でち
61~95 協力者追加(再設定)
96~100 ……磯風???
567Try7rHwMFw :2018/10/02(火)23:07:53 ID:g6X
※コンマ下、!random
568【6】 :2018/10/02(火)23:08:44 ID:CHx

569【46】 :2018/10/02(火)23:09:12 ID:JjZ

570Try7rHwMFw :2018/10/02(火)23:10:22 ID:g6X
今日はここまで。なぜ磯風か分かる時が来るかもしれません。
571【32】 :2018/10/02(火)23:32:43 ID:l3c
分かりたいような…分かりたくないような…

おつ!
572名無しさん@おーぷん :2018/10/02(火)23:33:55 ID:CHx
乙です
573Try7rHwMFw :2018/10/03(水)09:11:20 ID:X79
少し進めます。
574Try7rHwMFw :2018/10/03(水)09:25:50 ID:X79
ん?電話でち。……多摩?

「何でちか。敵に電話とは余裕でちね」

「そうとげとげしないにゃ。この前のこともあるにゃ。多摩はある程度納得してるにゃ。
……扶桑さんと鳳翔さんと戦うにゃ?普通にやっては勝てないにゃ」

「……分かってるでち。でも何で電話したでち」

「二人が作るラーメン、少し知ってるにゃ」

ゴーヤは羽黒と顔を見合わせたでち。

「本当でちか??でも、そんなこと教えたら……」

「これぐらいしないと勝負にならないにゃ。それに、多摩も全部知ってるわけじゃないにゃ。
昨日、鳳翔さんの小料理屋の前を通ったら変な臭いがしたにゃ。多分、あれはチーズにゃ」

「……チーズ?ラーメンにチーズでち?何か別のを作ってるんじゃ……」

「扶桑も一緒だったみたいだし、鶏と魚介の香りもしたから多分そうにゃ。多摩はラーメン分からないけど、そんな感じにゃ」

チーズラーメン?聞いたことがないでち。てーとくなら知ってるかもだけど、てーとくはヨーロッパに出張中であと10日は帰らないでち。

多摩にお礼を言って、少し調べてみたでち。……チーズラーメン……これでちかね。

「『黄金の塩らぁめん ドゥエ・イタリアン』ですか……ゴルゴンゾーラチーズとラーメンって、合うんですか?」

「分からんでち。でも扶桑たちが参考にしてる可能性はあるでちね」
575Try7rHwMFw :2018/10/03(水)09:29:56 ID:X79
まだ晩御飯までには余裕があるでち。あの藤しろのラーメンを参考にしてさらに高められるような店に行くか、扶桑の手の内を知るか……難しいところでち。

1 扶桑の手の内を探るでち。市ケ谷に行くでち
2 あの半生のチャーシューは真似できないでち。チャーシューを探すでち
3 タケノコは大きなヒントでち。具を考えるでち
4 やっぱり地下から怪しい感じがするでち……

※3票先取
576名無しさん@おーぷん :2018/10/03(水)10:23:50 ID:P6d
1
577【83】 :2018/10/03(水)10:46:19 ID:oMK
4
578Try7rHwMFw :2018/10/03(水)12:01:08 ID:X79
上げます。
579【45】 :2018/10/03(水)12:02:31 ID:dFd
2で
580【68】 :2018/10/03(水)12:23:19 ID:EIj
3
581Try7rHwMFw :2018/10/03(水)12:36:01 ID:X79
再開は多分夜です。投票は継続中です。
582【31】 :2018/10/03(水)12:37:12 ID:FPc

583【23】 :2018/10/03(水)12:47:25 ID:uqh
4
584名無しさん@おーぷん :2018/10/03(水)12:53:02 ID:IZ9
2
585Try7rHwMFw :2018/10/03(水)12:57:54 ID:X79




第7.2話 末廣家
586Try7rHwMFw :2018/10/03(水)12:59:18 ID:X79
これで進めます。なお、家系ですがここのチャーシューは色々特記事項があるので敢えて。
587Try7rHwMFw :2018/10/03(水)20:31:07 ID:4ys
再開します。
588Try7rHwMFw :2018/10/03(水)20:47:32 ID:4ys
この店に行ってみるでちか?確かに、向こうの出方は分かるかもでち。
でも、分かったからどうなるってもんでもないでち。今は自分のラーメンをどう仕上げるかでち。

「……羽黒ちゃん。ちょっとそこのスタバで作戦会議でち。さっきのラーメンに何を足すか、考えるでち」

#

「基本は鶏白湯。それはいいでち。そしてそれに牛骨ベースのスープを合わせ、魚介系の出汁で整える。これもいいでち。配合は試行錯誤しなきゃダメだけど、方向感は定まったでち。
でも、それだけじゃ勝てない気がするでち。……何が必要でちか?」

羽黒はフラペチーノを少し吸って、うつむいたまま黙っちゃったでち。

「あ、あのっ……さっきのとても美味しかったんですけど……あれじゃダメなんですか?」

「さっきのお店、女性客が多めだったでち。鶏白湯なのに。それはつまり、優しい味だからでち。ゴーヤは味がそんなに分かるわけじゃないけど、これは多分当たってるでち。
でも、てーとくは男でち。もっと個性の強い何かがいるでち。スープか、具か……」

「具……さっきのチャーシュー、柔らかくて美味しかったんですけど、あれって作れないんですか?」

「……難しいでちね。そもそも、ゴーヤが作れるとしたら煮豚になっちゃうでち。硬めの味の染みた煮豚は美味しいけど、鶏白湯には合わないでち。
かといって、あんな柔らかいチャーシューを作るには、特殊な何かが……ああっ!!」

思い付いたでち!!これなら……?

「あのっ、ど、どうしたんですか?」

「作れないなら、買えばいいんでち。調理済みのものを買うのは、ルール違反じゃないでち。メンマとか全部自前で作るのは無理だから、ある程度許されてるでち。
問題は、チャーシューを売ってるラーメン屋がどこまであるか、でち。羽黒ちゃん、ちょっと協力してでち」

「は、はいっ!!」
589Try7rHwMFw :2018/10/03(水)20:53:57 ID:4ys
そこからスマホで調べること15分。無さそうだという結論に辿り着くその寸前、遂に見つけたでち!

「あったでち!!横浜の『末廣家』。自家製釜焼きチャーシューを別売りで売ってるらしいでち!場所も白楽だから、目黒からならそう遠くないでち!!」

「や、やりましたね!……う、ううっ……良かったぁ……」

羽黒が目に涙を浮かべてるでち。

「だから泣くのは早いでち。問題はそのチャーシューが美味しいかでち。早速行ってみるでち」

ネットで見る限り、お店の評価は凄く高いでち。……突破口になるんでちか?
590Try7rHwMFw :2018/10/03(水)21:15:37 ID:4ys
#

「ところで、あの、末廣家って何系なんですか?」

「家系でち。この辺り、語り出すとちょっと長くなるけど、『正真正銘の』家系らしいでちね」

「あ、ゴーヤちゃんって確か育ちは横浜でしたね」

電車は武蔵小杉に着いたでち。ゴーヤは頷いたでち。

「でち。だから家系にはそこそここだわりがあるでち。家系は、元祖の吉村家から暖簾分けして広がったんでち。でも、実は世の中の家系の99%は家系を名乗っちゃ本当はダメなんでち」

「え、えええっ??そ、そうなんですか??」

「そうなんでち。横浜の家系総本山、吉村家の創業者が直々に腕を認め家系を名乗るのを許した『直系』こそ本物の家系でち。その数、全国でたったの数店舗でち。
残りは直系で修行した店か、総将の吉村氏と喧嘩して直系じゃなくなったか、あるいは勝手に名乗ってるだけでち。
横浜市民は、区別するためにこういう家系を『横浜家系』と呼ぶでち」

「えっ、じゃあ直系じゃないと美味しくないんですか?」

「そんなことは全然ないでち。非直系でも直系を上回る最高の評価をされてる店もあるでち。ただ、直系は使う材料や麺に色々決まりがあるでち。そこのこだわりをどう考えるかでち。
そして、末廣家は『最後の直系』というのが引っ掛かるでち。気になるでち」

いつの間に電車は日吉に着いたでち。ここで各駅停車に乗り換えでちね。

※コンマ下が75以上で艦娘と遭遇、!random
591【91】 :2018/10/03(水)21:19:06 ID:lOT

592Try7rHwMFw :2018/10/03(水)21:32:05 ID:4ys
※艦娘を決めます。条件は以下の通りです。

・阿賀野型
・天龍、龍田
・千歳、千代田以外の軽空母
・金剛以外の金剛型
・雲龍型
・ザラ、ポーラ
・大淀
・明石

その他、外見推定年齢18~20ぐらいなら可

安価下1~3、!random
ゾロ目か0、100が出た場合さらに追加
593【66】 :2018/10/03(水)21:32:56 ID:lOT
雲龍
594Try7rHwMFw :2018/10/03(水)21:33:56 ID:4ys
※言い忘れていましたが、最大のものを使います。
595【39】 :2018/10/03(水)21:34:16 ID:7Ha
能代
596【38】 :2018/10/03(水)21:34:19 ID:FPc
榛名
597Try7rHwMFw :2018/10/03(水)21:36:16 ID:4ys
※追加艦娘を安価下1~3で。同じ要領とします。(追加は3人まで)
598【62】 :2018/10/03(水)21:37:40 ID:fk5
隼鷹
599【74】 :2018/10/03(水)21:38:18 ID:FPc
榛名
600【25】 :2018/10/03(水)21:38:40 ID:dFd
葛城
601Try7rHwMFw :2018/10/03(水)21:53:45 ID:4ys
雲龍と榛名で決定します。榛名はそれっぽいですが、雲龍は……

一応二人への判定です。

雲龍(コンマ下)
00~20 提督LOVE勢
21~85 特になし
86~100 彼氏がいる

榛名(コンマ下2)
00~05 提督LOVE勢
06~40 提督は好きだが扶桑はいかがなものか
41~80 特になし
81~95 彼氏がいる
96~100 彼氏連れ

ともに!random
602Try7rHwMFw :2018/10/03(水)21:54:23 ID:4ys
なお、それっぽいの意味はそのうちに。日吉なので……?
603【10】 :2018/10/03(水)21:55:38 ID:FPc
はい
604【70】 :2018/10/03(水)21:56:29 ID:Uyp

605Try7rHwMFw :2018/10/03(水)21:58:25 ID:4ys
雲龍…提督LOVE勢
榛名…特になし

続きは明日。時雨との関係を考えればさもありなんではありますね。
606【45】 :2018/10/03(水)22:39:48 ID:aMj
おつ
雲龍さん!?
607Try7rHwMFw :2018/10/04(木)12:33:54 ID:6lW
少し進めます。
608Try7rHwMFw :2018/10/04(木)13:13:29 ID:6lW
「あ、ゴーヤさん!」

振り返ると長髪のカチューシャを付けた女がいたでち。その後ろには、少し背の高い癖っ毛の女……。

「榛名でちか。そして……雲龍」

各駅停車はドアが閉まろうとしてるでち。一本やり過ごさなきゃいけないようでちね。

「あなたには、会いたくなかったわ……どうしてここに」

「どうだっていいでち。早く行くでち」

雲龍が眠そうな目でゴーヤを睨んできたでち。

「そういうわけにはいかないわ。時雨の件、忘れたわけではないもの」

「やる気でちか?」

羽黒がわたわたしてる所を、榛名が割って入ったでち。

「そこまでです。勝手は榛名が許しません!そもそも、ここは鎮守府じゃないんですから。雲龍さんも抑えて」

「……分かった」

ふうと、榛名が溜め息をついたでち。彼女も苦労人でちね。

「あ、あのっ!二人はなんでここに?」

「ああ、私たち日吉生なんです。……今日は講義の日というわけです」

うちの鎮守府では、学業との両立が推薦されてるでち。駆逐艦や軽巡は鎮守府で勉強してるのが多いけど、大学はそうもいかんでち。
ゴーヤは高卒だけど、羽黒はひっそりと教師資格を取ってたりするでち。大淀に至っては最高学府でち。

「榛名は分かるけど、雲龍は初耳でちね。全くイメージにないでち」

「馬鹿にしないで。……彼女とは相性が悪いわ、日吉で食べ……」

雲龍がフラフラし出したでち。

「雲龍さん?……そんなにお腹すいてるんですか?お金は??」

「……ないわ。でも何か食べないと……」

「そもそも何でそんなにお金ないんでち。俸給は?」
609Try7rHwMFw :2018/10/04(木)13:14:35 ID:6lW
※雲龍がお金のない理由は?

安価下1~3で自由安価、適切なものを採用(複数を組み合わせることもあります)
610【83】 :2018/10/04(木)13:48:34 ID:C9Z
実家に仕送りをしている(今回のみの話なら、家族が怪我か病気で入院して仕送りの額を増やしたで)
611名無しさん@おーぷん :2018/10/04(木)14:00:00 ID:9Je
雲龍型ハーレムの為の資金
612【80】 :2018/10/04(木)14:49:32 ID:CYi
ただ単に倹約家なだけ
613【62】 :2018/10/04(木)17:56:17 ID:eVC
重課金兵
614Try7rHwMFw :2018/10/04(木)19:10:33 ID:02c
610を採用します。再開は2100ぐらい。
615Try7rHwMFw :2018/10/04(木)21:58:37 ID:02c
再開します。
616Try7rHwMFw :2018/10/04(木)22:16:33 ID:02c
雲龍の表情が沈んだでち。

「……仕送りで、お金がないの。父さんがガンで、お薬にお金がかかって……」

「あのっ、学費は国持ちですよね。お給料はまさか……」

「大体全部仕送りに回してる。そうしないと、足りないから。天城や葛城もそうしてるの」

「ええっ!?そ、そうなんですか……」

羽黒も驚いてるでち。日々の生活は鎮守府にいればいいけど、学生生活はそうもいかないでち。これはさすがにしんどそうでち。

「なるほど、いつも葛城がひもじそうにしてる理由が分かったでち。で、榛名が今日は奢りと」

「はい。榛名は、大丈夫ですから……。日吉でも美味しいお店はありますし、そっち行きましょう?」

「うん、分かったわ。でも、できれば家系がいい……。いつもの武蔵家以外で」

家系でちか。末廣家も家系でち。武蔵家は無難なチョイスだけど、それじゃダメなんでちかね。

羽黒がゴーヤを見たでち。

「あのっ、せっかくだから雲龍さんたちも誘いません?」

「……奴は扶桑サイドでち。手の内は明かしたくないでち。……ん?」

ゴーヤは少し考えたでち。……これで行くでち。

「雲龍、今日はゴーヤが奢るでち。その代わり、今日のことは黙るでち。それで手を打つでち」

「誰があなたなんかに……!!」

グゥゥゥゥ……

険しい声と表情とは別に、お腹の音が聞こえたでち。本能には逆らえないでち。雲龍ががっくりした感じになったでち。

「……身体は正直でちねぇ。榛名、今日はゴーヤが雲龍に奢るでち。それでいいでちか?」

「ええっ?いいんですか?というか、お店にあては」

「あるでち。白楽まで行くでちよ」
617Try7rHwMFw :2018/10/04(木)22:18:41 ID:02c
#

「結構並んでるでちね」

着くと5人ぐらい外で待ってるでち。ロードバイクで来てる人もいるでちね。サイクリングスーツを着た女の子が座ってるでち。

※80以上で知り合い。コンマ下、!random
618【49】 :2018/10/04(木)22:19:45 ID:qhQ
はい
619Try7rHwMFw :2018/10/04(木)22:33:51 ID:02c
※知り合いではない

サイクリングスーツには「総○高校」とあるでち。……コスプレで来るでちか。

店内は子連れもそれなりにいるでち。店員が帰りがけの子にうまい棒をあげてるでち。家系なのに、やたらサービスがいいでちね。

「あのっ、『家系総本山吉村家直系店』ってありますね。本当に違うんですね……」

「そうでち。でも、吉村家のような殺伐さはないでちね……むしろ真逆でち」

雲龍が落ち着きがない感じになってるでち。

「ゴーヤさん、ここは量、食べれるんでしょうね?」

「知らんでち。来たの初めてだし。でも、それなりにあるっぽいでちね」

神奈川大の学生っぽいのが大盛りを頼んでるでち。前食べた二郎ほどじゃないけど、結構ありそうでち。

#

15分ぐらいして、やっと入れたでち。

「「らっしゃい!!」」

統率が取れた感じでち。店内を見渡すと……あ、あったでち。

『自家製釜焼きチャーシュー、売ってます』

確かに間違いはなかったでち。あとは、チャーシュー麺でちね。本当に美味しいのか、そこが問題でち。

「ゴーヤさん、『野菜畑』って?」

榛名の言葉に、眉の太い大将っぽい人が厨房から反応したでち。

「お嬢さん、横浜の農園で取れた野菜だよ。人参、小松菜など6種の野菜を刻んでる。ラーメンに乗せてみな、旨いよっ」

「えっ?は、はい……」

榛名がビックリしてるでち。フレンドリーな大将でちね。いよいよ家系らしからぬ感じでち。
620Try7rHwMFw :2018/10/04(木)22:44:38 ID:02c
食券を渡してしばらく待つと……来たでち。スープはやや茶色かった感じで、家系としてはちょっと珍しいでち。
そこに、パリッとしてそうな海苔が3枚。ほうれん草の下にはピンク色の、半生っぽい大きなチャーシューが5枚くらいあるでち。

「あの、これって……?」

同じのを頼んだ羽黒が、チャーシューの量に驚いてるでち。

「伸びないうちに食べるでち。いただきますでち」

まずスープでち。……これはっ。

「……切れがあるでち。醤油の鋭さがまず来て、後からスープのまろやかさが出るでち。コクがないわけじゃないけど、凄い『斬れる』スープでち」

「榛名もビックリです。普通の家系だと、濃さとかまろやかさが先に来るのに、ここは醤油が際立ってる……」

「でち。直系の方が醤油寄りでちけど、ここはその中でもちょっと違うでち。酒井製麺の麺とも、よく合うでち」

雲龍は一心不乱に大盛りラーメンとライスを食べてるでち。余程飢えてたんでちねぇ……。

さて、問題はチャーシューでち。こいつが問題でち。まず一口……



……えっ!!?



「「「え……っ!!このチャーシュー……何て香ばしさ!!?」」」
621Try7rHwMFw :2018/10/04(木)22:52:38 ID:02c
皆が同じタイミングで同じ言葉を吐いたでち。これはちょっと、今まで食べたことがないチャーシューでち。

「柔らかい!!それだけじゃなく、何かこう、溶けるような……」

「驚きは柔らかさだけじゃないでち。この、スモークしたような薫りでち。吉村家直系はスモークしたチャーシューを使うけど、この薫りはちょっと図抜けてるでち。一体……」

大将がニコニコしながらこっちを見てるでち。

「どうだい、それが『釜焼きチャーシュー』だ。しっかり焼いてるからこその、この風味だ。
それを、スープの余熱で完全に火が通るよう調整して切ってる。旨いだろ」

「あの!あのあのっ、本当に美味しいです!!今まで食べたことがないチャーシューです!!」

「そう言ってもらえると嬉しいねえ。っと、調理だ。お嬢さん、ありがとうな」

大将が厨房奥に戻っていくでち。……本当に、凄いチャーシューでち。これなら、鶏白湯の濃さに負けないチャーシューになるでち……!!
622Try7rHwMFw :2018/10/04(木)22:56:57 ID:02c
#

「本当に美味しかったです!!ゴーヤさん、ありがとうございました!」

「榛名、礼はいいでち。……雲龍、どうだったでちか」

雲龍は少し黙った後、微笑みながら首を振ったでち。

「……参ったわ。本当に美味しかった。礼を言わなきゃいけないわね、ありがとう」

「分かればいいんでち。約束は守るでちか?」

「約束は約束。仕方ないわ」

※コンマ下、!random
00~80 通常進行
81~100 情報提供あり
623【95】 :2018/10/04(木)22:58:00 ID:2nP

624Try7rHwMFw :2018/10/04(木)23:03:36 ID:02c
※情報提供あり

00~70 扶桑さんは……
71~100 そう言えば、この前磯風が……

※コンマ下、!random
625【9】 :2018/10/04(木)23:04:10 ID:0mF
どうかな
626Try7rHwMFw :2018/10/04(木)23:05:41 ID:02c
今日はここまで。

なお、磯風が出ると強制的にあの悪魔的店に連行されます。
627Try7rHwMFw :2018/10/04(木)23:09:05 ID:02c
余談ですが、総○高校の話は実話です。箱○学園の子と一緒でした。
628【7】 :2018/10/04(木)23:41:12 ID:eVC
おつー
629Try7rHwMFw :2018/10/05(金)12:13:26 ID:3Eg
再開します。
630Try7rHwMFw :2018/10/05(金)12:24:32 ID:3Eg
「それと……扶桑さんのラーメン。美味しいチャーシュー麺のお礼に少しヒントをあげる。
食材に、イベリコ豚の生ハムを使ってるらしいわ。ハモン・ベジョータ、とか言ってたかしら」

「ハモン・ベジョータ?……聞いたことがあるでち……」

榛名が「えっ」と声を出したでち。

「それって……生ハムの最高級品じゃ??そんなの使うラーメンなんて、聞いたことないです……」

「チーズに生ハム、いよいよよく分からんでちね。鳳翔さんの考えでちかね」

「どうかしら。扶桑さん、『提督が初めて食べるようなラーメンにしたい』って言ってたから。
あなたがどんなラーメンを作るか分からないけど、手強いのは確か。私は扶桑さんを応援するけど、心することね……」

ゴーヤは唸ってしまったでち。チャーシューは最高のものが入ったでち。麺も、藤しろが使ってる製麺所から買えばいいでち。でも、まだ勝つには足りない気がするでち。

残された時間は2週間。それまでに、何とかしなきゃいけないでち。
631Try7rHwMFw :2018/10/05(金)12:34:03 ID:3Eg
※1週後に話が移ります。

ゴーヤが強化したいと思ってるのは?

1 扶桑のラーメンについての情報
2 スープ
3 具
4 味変

3票先取
632【64】 :2018/10/05(金)12:37:05 ID:SvB
2で
633【45】 :2018/10/05(金)12:49:58 ID:vwh
2
634【56】 :2018/10/05(金)12:56:30 ID:xLw
2
635Try7rHwMFw :2018/10/05(金)19:17:01 ID:3Eg
再開します。
636Try7rHwMFw :2018/10/05(金)19:36:55 ID:3Eg
#

「どうでちか?」

目の前のあきつ丸が麺を啜ってうーんと唸ってるでち。

「70点、でありますな。鶏の旨みは出ているし、チャーシューは香ばしく柔らかいであります。ただ、どうにも何か足りないであります」

「……羽黒ちゃんは?」

「あのっ、美味しいと思います!普通のお店で出てくるのと、そんな変わらないぐらいで……あっ、あのっ、普通って言ってごめんなさいっ!!」

ゴーヤが渋い顔をしてるのに気付いて、羽黒が謝ってきたでち。

「いいんでち。ゴーヤも分かってるでち。そこそこ美味しいのは作れるようになったでち。……でも、何かがないでち。はっちゃん、意見あるでち?」

「うーん、はっちゃんもよく分からないけど……飽きるというか、引きが弱いっていうか?そんな感じがするなあ」

「飽きる……うーん、そこでちねえ」

食べてる間に飽きやすい。それは鶏白湯の弱点でち。だから味変を上手くやらないといかんでち。
あるいは、スープに何かが足りないかもしれないでち。鶏白湯とサブの牛骨スープはいいでち。とすると、味に深みを与える魚介スープ?
今はオーソドックスな魚介スープを使ってるでち。改良するとすれば、ここでちか?

「やっぱりどうもスープに難がある気がするでち。特に魚介……どうでち?」

「そこはありますな。もうひと味、後を引くような……」

※コンマ下!randomが85以上であきつ丸に意見あり
637【6】 :2018/10/05(金)19:42:19 ID:ZF8

638【16】 :2018/10/05(金)19:42:20 ID:SvB
どうかな
639Try7rHwMFw :2018/10/05(金)19:47:12 ID:3Eg
「ただどうすればいいのかは自分にもさっぱり。羽黒はどうでありますか?」

「……えっ、あのっ、よく分からない、です……」

あきつ丸がふんと鼻を鳴らしたでち。

「まあそうでありましょうな……」

※コンマ下!randomが95以上で羽黒に心当たりあり
コンマ下2が90以上ではっちゃんに心当たりあり
640【34】 :2018/10/05(金)19:47:40 ID:W8y
まかして
641【42】 :2018/10/05(金)19:48:12 ID:Km7
やあっ
642【23】 :2018/10/05(金)19:49:39 ID:XdQ
が……だめ……っ!
643Try7rHwMFw :2018/10/05(金)19:51:31 ID:3Eg
皆黙ってしまったでち。……これは援軍が必要でちね。
でも誰を呼ぶでちかね……

※磯風以外で艦娘を選んでください。コンマ下1~3で!randomが大きいものを選びます。飯ウマっぽい子がベターです。

なお、90以上で強制的に磯風がセットです。
644Try7rHwMFw :2018/10/05(金)19:53:54 ID:3Eg
なお、間宮は審査員枠のため不可です。
645【80】 :2018/10/05(金)19:54:27 ID:Km7

646【27】 :2018/10/05(金)19:55:33 ID:vwh
大和
647【54】 :2018/10/05(金)19:55:49 ID:M6S
対馬
648【25】 :2018/10/05(金)19:55:53 ID:W8y
天城
649【27】 :2018/10/05(金)19:56:32 ID:XdQ
夕雲
650Try7rHwMFw :2018/10/05(金)20:50:21 ID:3Eg
嵐で決めます。が、彼女は料理ダメなような……?

追加判定します。コンマ下!randomです。

00~30 特になし
31~95 萩風もセット
96~100 中毒患者
651【86】 :2018/10/05(金)20:51:14 ID:2PL
はい
652名無しさん@おーぷん :2018/10/05(金)21:09:30 ID:T11
やあっとか書き込んでるしID:Km7はSS速報の時から変な安価良く出してた顔文字の奴か
653Try7rHwMFw :2018/10/05(金)21:28:58 ID:3Eg
#

「ゴーヤさん、こんにちは。私でお役に立てるなら」

萩風が丁寧にお辞儀したでち。……招かれざる客もいるでちね。

「や!嵐だぜっ!うまいラーメンが食えるって聞いたから、萩についてきたんだー」

「萩風、よろしくでち。嵐は別に呼んでないけど、まあいいでち。大体セットだし」

「ごめんなさい、ゴーヤさん。どうしても行くって聞かなくって……もう準備はできてるんですね」

「でち。テーブルの上に丼が置いてあるでち。軽く食べてみるでち」

萩風がレンゲをすくって匂いを嗅いでるでち。中学生だけど、さすが料亭の娘でちね。様になってるでち。

「ひゃー、うんめー!!ゴーヤさん、うまいっす!……ずずっ」

嵐は一心不乱に食べてるでち。まあ、そんなもんでちね。問題は萩風の感想でち。
丁寧に麺を啜って、スープを飲んでるでち。……時々手が止まってるでち。

そして、半分ぐらい食べたところで箸を置いたでち。

「どうでち?足りないのは分かってるでち。遠慮しなくていいでち」

「美味しいと思います。スープもコラーゲンたっぷりで、化学調味料もなくて、健康にも悪くなさそうです。
ただ、確かに扶桑さんと鳳翔さんにこれで勝つのは……」

「それはいいでち。何か気付いたこと、あるでちか?」

00~05 ???
06~15 うーん
16~50 タレ、どうしてます?
51~95 魚介スープ、使ってますよね?
96~100 麻薬が足りません

コンマ下、!random
654【88】 :2018/10/05(金)21:29:29 ID:XdQ

655【68】 :2018/10/05(金)21:30:31 ID:Q97
ほい
656Try7rHwMFw :2018/10/05(金)21:39:09 ID:3Eg
「スープは鶏白湯に牛骨、それに魚介スープを少々といったところですね。ただ、隠し味的な魚介スープがちょっと普通かなって」

「さすがでちね。ゴーヤも同じ結論でち。ただ、どこを変えればいいのかが分からないでち」

「使ってる出汁はどんな感じですか?」

「普通の和風出汁でち。少し濃いめの鰹と昆布出汁……」

ふむ、と萩風が考えているでち。

「それじゃ鶏白湯の強い味に負けますね。だから隠し味が隠し味として機能してないのかも。もっと強いスープが必要ですが……」

※コンマ下、!random

00~70 お手本になりそうな店が秋葉原に
71~90 お手本になりそうな店が秋葉原「ちょっと待った!」
91~100 ???
657【81】 :2018/10/05(金)21:39:44 ID:Q97
ほい
658Try7rHwMFw :2018/10/05(金)21:47:26 ID:3Eg
「それならお手本になりそうな店が秋葉原に……」

「ちょっと待った!」

嵐が叫んだでち。

「嵐、どうしたの?」

00~35 のわっちや舞も連れていこうぜ
36~70 秋葉原に行きたいって奴がいるんだ(安価指定)
71~100 そうだ、こいつには……あれが足りねえ……!!!
659Try7rHwMFw :2018/10/05(金)21:48:06 ID:3Eg
※コンマ下、!random
660【82】 :2018/10/05(金)21:48:22 ID:XdQ

661Try7rHwMFw :2018/10/05(金)21:56:39 ID:3Eg
嵐がわなわなと震えてるでち。

「どうしたんでちか?」

「そうだ、こいつには……あれが足りねえっ……!『引き』だ、食べた後もう一杯食べたくなるような『引き』だよっ!」

あきつ丸が呆れたように嵐を見るでち。

「何を言ってるかよく分からんでありますな。萩風の店でいいのでは?」

「いや、萩の言う店でもいいと思うんだけどさー。前に1回、四ッ谷で食べたラーメンのような、あれが足りねえんだ。あの『悪魔』のような……」

「『悪魔』?」

※コンマ下、!randomが50以上で磯風登場
662【83】 :2018/10/05(金)21:56:49 ID:Q97
はい
663Try7rHwMFw :2018/10/05(金)22:15:41 ID:3Eg
バンッ!!!!!

「話はこの磯風が聞かせてもらったぞ」

派手に扉を開け、いきなり執務室に長髪の女がどや顔で現れたでち。……一番こういう話題で来てはいけない人物でち。

「いや、だから呼んでないでち。一番要らないでち。飯マズは引っ込んでろでち」

「ゴーヤちゃん!?あのっ、磯風さん、ごめんなさい!」

磯風は余裕の笑みを浮かべているでち。

「羽黒、詫びは不要だ。何故ならこの磯風が、鎮守府で最もラーメンを知っているからだ。何を言われても動じぬぞ」

「なーに勘違いしてるでありますか。味覚どころか頭までおかしくなったでありますか」

「ふふふ、まだお前は本当のラーメンを知らぬからそう言えるのだ。嵐、さすがだな。あの店の良さを分かってくれたか」

あきつ丸の挑発にも一切動じず、磯風が泰然と微笑んでるでち。何でちかこの自信は??

「磯風!いや、師匠!ちょうど『あれ』が切れてきたんだ。もう一度連れていってくれよ!!」

嵐は目を輝かせてるでち。磯風はよしよしと嵐の頭を撫でているでち。

「そう言うと思って明日の整理券を取ってきたぞ。……お前らも来るか?」

「整理券??何でちか。何を食うんでちか」

フフン、と磯風がさらにどや顔になったでち。




「『ヒロポン』だよ」
664Try7rHwMFw :2018/10/05(金)22:18:28 ID:3Eg





第8話 一条流がんこラーメン総本家
665Try7rHwMFw :2018/10/05(金)22:20:22 ID:3Eg
今日はここまで。分かる人には何故磯風か分かったかと思われます。
磯風は正常なんです。ただ、「やり過ぎた」だけなのです。
666Try7rHwMFw :2018/10/06(土)11:35:51 ID:gEM
再開します。
667Try7rHwMFw :2018/10/06(土)11:59:30 ID:gEM
「……ついにイカれたでち。小池先生を連れてくるでち」

「ちょっと待ってくれ!磯風師匠が言ってるのは、ちゃんとしたラーメンなんだ。ですよね??」

「その通りだ。そういう名前なのだ。あまりに悪魔的、あまりに麻薬的。それが故に名付けられた、それが『ヒロポン』だ」

磯風が胸を反って言い放ったでち。

「それは本当に合法でありますか。磯風のことであります、何かヤバいものでも入ってるんでありましょう?」

「ちょっと待ってあきつ丸さん。この店のことじゃない??……ほら、実在する」

はっちゃんがスマホの画面を見せたでち。「一条流がんこラーメン総本家」……店主のブログもちゃんとあるでち。

「えっと、本当にあるんですね……。『明日は純正ヒロポンの日』ってありますよ」

「しかしえらい癖のある文でちね。◆とか%とか変な場所にあるでち。
『腹が減ったらまた食べたい!その引きを体感してください%だからヒロポンなのです!』……分かるような、分からないような」

「えっと、毎日スープに点数つけてるんですね。85点とか、90点とか……。
しかも、あの……使ってる具材が毎日違うんですね。……ええっ!?フジツボ??亀の手??そんなのも使うんですか??」

磯風がうんうんと頷いてるでち。何かイラっとくるでち。

「そう、そこが家元の凄い所だ。味が分かればその凄まじさに震え、もはや家元のラーメンでなければ満足できなくなるのだ。
しかも毎日味が違う。マズい日もある。だが、それこそが総本家なのだ」
668Try7rHwMFw :2018/10/06(土)12:13:15 ID:Oxn
ちょっと中断。
669Try7rHwMFw :2018/10/06(土)14:55:12 ID:yu3
「しかし、よく分からんでちね……上品とか下品とか。100ってのもあるし、そもそも悪魔ってそういう名前なんでちか」

「その通りだ。さらに不純と純正、そしてスペシャルがある。詳しくは、明日話そうか」

「……って何でもうゴーヤも行くって話なんでち?萩風はそれでいいんでちか?」

萩風が人差し指を口に当てて「うーん」と言ったでち。

「私もちょっと興味が湧いてきました。嵐がそこまで気に入ったラーメン、気になります」

「だろ??ほんっとやみつきになるんだよ。師匠には感謝しかねえぜ」

何か妙なことになったでち。……こんな変な店に行って、ヒントが見付かるなんて思えないでち。

ただ、ネットの評価はどれもやたら高いでち。……溺れる者は藁をも掴む、というでち。磯風の料理は壊滅的だけど、ここは一つ賭けてみるでち。
670Try7rHwMFw :2018/10/06(土)15:18:38 ID:yu3
「……すごい行列ですね……はっちゃん、ビックリです」

1100に磯風に連れられて行った先には、物凄い行列があったでち。マンションの1階の入り口に、30人以上。
もう店は開いてるみたいだけど、今までで一番の行列でち。

「この奥にあるみたいですな。……看板はないでありますか」

「あの牛の頭の骨が看板代わりだ。見ろ、目が赤く光っているだろう?……おお、家元!!」

店の中から頭の禿げたお爺さんがひょこっと出てきたでち。手には……丼に箸??そして、おもむろに食べ始めたでち!!

「うん、旨い!!今日のヒロポンは95点!!滅多に食えないね、そこのあんたもどうだい……って磯ちゃん!よく来たね。1週ぶりかい」

箸を持ちながらこっちに手を振ってるでち。まさかあれが店主?開業中に客の前でラーメン食べてるなんて店主、見たことも聞いたこともないでち……。

「家元、今日はもっと連れてきたぞ。家元の一杯、是非食わせてやりたくてな」

「そうかそうか、磯ちゃんも悪い子だねえ。そこまで悪の道に引きずり込みたいか。
……そこのきれいなお姉さんたち、最初はマズいと思うかもしれないが、食べていくうちに良さが分かってくるよ。そしてこいつじゃなきゃダメになるんだ。磯ちゃんみたいに」

磯風がにぃ……と笑った。

「この前連れてきた嵐はそうなったぞ。家元、今回も期待してくれ。そうそう、後で渡すものがあるからよろしく頼む」

「そのスーツケースの中身かい?そりゃあ楽しみだ。じゃあ、後でな」

確かに、磯風は小さめのスーツケースを持ってきてたでち。

「あのっ、磯風ちゃん。それは……」

「内緒だ。絶対に言えない。大丈夫、薬物とかじゃあない」

絶対に大丈夫じゃないものでち。禍々しい何かがあの中にあるでち……。
671Try7rHwMFw :2018/10/06(土)15:56:35 ID:yu3
「それにしても、すごい人ですね。……それに見た感じ、プロもいますね」

「さすが萩風、分かるか。そう、ここは全国のラーメン職人や料理人も虜になる、まさに『伝説の店』だ。ラーメン界で信者が多い店の極致でもある」

「信者というと二郎を思い出すでちね。それに近いでちか?」

ふふんと磯風が鼻で笑ったでち。

「あんな豚のエサと一緒にしてくれては困るな。
確かに似たところはある。二郎は三田本店の社長を頂点に暖簾分けがされて広がった。がんこも同様に、弟子がやってる店が幾つもある。がんこを名乗るものもあれば名乗らぬものもあるがな。
だが決定的な違いは、がんこは徹底して無化調、天然ダシにこだわっているという点だ。そこには一点のごまかしもない。しかも、スープに対する限界までのこだわりは類を見ん。
二郎や家系は系列なら多少なりとも味は似る。だが、がんこは違う。スープの熱さと塩っ辛さ、鹹水の効いた固いちぢれ麺は共通するが、それ以外は全く別物だ。
特に家元の総本家は別格とすら言っていい。神保町の『覆麺 智』は、家元が前までいただけあって比較的近いが、やはり純正ヒロポンには及ばん」

「……随分と詳しいでありますな。グルメとは180度の場所にいる磯風が、何故そこまで知ってるでありますか」

「この磯風、幼少の時より家元のラーメンで育ってきたのでな。その味は身に染み付いているのだ。
しかし、家元の味を再現しようとすればするほど、珍妙なものしか作れんのは歯痒くて仕方がない。いつかは家元の味をと思っているのだがな……」

磯風が肩を落としたでち。しかし、再現できないのはやっぱりセンスがまるでないからじゃないでちかねえ。
672Try7rHwMFw :2018/10/06(土)16:20:48 ID:yu3
「なー、師匠。そもそも純正とか不純とかって何なんだ?この前も純正だったよな」

嵐が頭の後ろで手を組んで訊いたでち。まだまだ行列は長いでちね……。

「いい質問だぞ、嵐。まずそのためには『スペシャル』の存在を言わねばならんな」

「スペシャル?」

「そうだ。毎週日曜に出される、高級食材を惜しみ無く使った特別なラーメン。それがスペシャルだ。
ズワイガニ12kgを潰したり、亀の手やクモエビをどっさり使ったりした超特濃の魚介ラーメン。値段も普段の800円ではなく、1200円とかになるな」

「それと今日のとは違うんでちか?」

「話は最後まで聞くものだ。で、そのスペシャルの余りを通常のスープにブレンドしたのが『不純』。純粋じゃないから不純だな。
そして、ノーマルなスープが『純正』だ。ただ、純正の日は不純に使うより素材をどっさり入れるから、やっぱり超特濃になる。
家元は『純正ヒロポンこそ本当のスペシャル』と言ってるな。これがまた麻薬的に旨い。だからヒロポンなのだ。
今日は本来スペシャルの日なんだが、家元が『純正ヒロポンに目覚めた』とか言い出してな。で、その極まったのを出すそうだ」

「なるほど、よく分からないけどこだわってるのははっちゃん分かったよ。で、100とか上品とかは?」

「タレの量、そしてスープの種類だな。上品はさらっと食べられる程度にスープを調整してあるものだ。で、100はタレなしの純正ヒロポンだ」

あきつ丸が渋い顔をしたでち。

「タレなしでありますか?タレのないラーメンなんて、味がしないであります」

「ところが違う。まあ、食えば分かるが100でも凄まじい濃さだ。下品は100にカエシを入れたもの。そして、その上に『悪魔』がある。ヒロポンでも通じるがな」

「……その上ということは……」

「そう、悪魔は超絶特濃の純正ヒロポン。あまりの濃さに、常人は一口で諦める。それほどの濃さだ。家元も『週1~3回来れないなら、悪魔は絶対にやめろ』と言うな。
普通の人は10段階評価で2か3しか付けないと思うが、しかし食べ続けるうちにそれ以外を受け付けなくなるのだ。……この磯風のようにな」

また磯風がにぃっ……っと怪しく笑ったでち。
673Try7rHwMFw :2018/10/06(土)16:22:28 ID:yu3
再開は夜です。なお、家元の行動はフィクションではありません。
674Try7rHwMFw :2018/10/06(土)16:25:37 ID:yu3
それと追加判定。

※コンマ下、!randomが75以上で追加艦娘(大食い限定)
675【46】 :2018/10/06(土)16:27:29 ID:Xh4
はい
676【35】 :2018/10/06(土)16:27:45 ID:mwE
一旦乙
677Try7rHwMFw :2018/10/06(土)21:48:46 ID:gEM
再開します。
678Try7rHwMFw :2018/10/06(土)22:11:11 ID:gEM
#

そうしているうちに、ようやく列の先頭が見えてきたでち。
店の中は……案外普通でちね。カウンター席だけで、結構狭いでち。ゴーヤたち全員入ってちょうどいい感じでちかね。
「本当にラーメンが好きな方のみお入りください」と張り紙にあるでち。

1時間ちょっと待って、やっと全員入れたでち。
お店はさっきのお爺さんと、その奥さんっぽい人2人で回してるでちね。

「お、磯ちゃんたちが来たね。そこの元気そうなお嬢さん以外は初めてだね」

「でち。磯風から簡単に聞いたけど、正直よく分からないでち」

「それなら上品か100だね。まずはそれで慣れてね。
で、大盛りにするかい?……艦娘ってのはたくさん食べるんだろ?うちのはちょっと多いが、右端から行こうか……」

「艦娘のことを知ってるんでちか?」

「磯ちゃんとはこの子がちっちゃい頃からの付き合いだからね。
それはともかくまず注文だ。右端の金髪さんは?」

はっちゃんは上品の普通盛りを頼んだでち。あきつ丸と萩風は100の普通盛り、羽黒は100の大盛り。そして……。

「俺は下品の大盛りだ!本物の悪魔は、まだちょっと怖えからなー」

「よしよし、下品と言えば龍角散。よく分かってるねぇ。磯ちゃんはいつものかい」

「勿論だ、大悪魔で。今日が純正の中の純正である以上はこれしかあるまい?」

くっくっくとお爺さんが笑ったでち。

「うちの常連でも大悪魔でないとダメなのは数人だねえ。まあ、磯ちゃんなら味が分かるからいいだろ。
で、そこのかわいらしいお嬢さんはどうするかい?」
679Try7rHwMFw :2018/10/06(土)22:12:16 ID:gEM
1 上品
2 100
3 下品
4 悪魔

※安価下5多数決(量は普通盛りです)
680【95】 :2018/10/06(土)22:15:44 ID:TZP
4
681名無しさん@おーぷん :2018/10/06(土)22:17:26 ID:2rH
4
682【11】 :2018/10/06(土)22:17:33 ID:mwE
2
683名無しさん@おーぷん :2018/10/06(土)22:18:42 ID:u1v
2
684名無しさん@おーぷん :2018/10/06(土)22:19:30 ID:kaP
4
685【34】 :2018/10/06(土)22:19:31 ID:cT9
2
686【33】 :2018/10/06(土)22:19:39 ID:Tdu
2
687名無しさん@おーぷん :2018/10/06(土)22:21:39 ID:Wp4
2
688Try7rHwMFw :2018/10/06(土)22:24:20 ID:nDY
「……悪魔にするでち」

お爺さんと磯風が渋い顔になったでち。

「お嬢さん、興味本位で悪魔はやめときな。週1~3回来れないようなら、ただのまずいラーメンにしか感じないから。
引き返すなら、今のうちだよ?」

「そうだ、ゴーヤ。せめて下品にしろ。嵐も同じような説得をされたんだ。
悪魔はスープまで完飲するが礼儀。それでもやるのか?」

00~30 やるでち
31~60 下品にするでち
61~100 100にするでち

※コンマ下、!random
689【41】 :2018/10/06(土)22:24:44 ID:cT9
はい
690Try7rHwMFw :2018/10/06(土)22:32:25 ID:nDY
二人の表情は真剣そのものでち。……これは忠告に従うべきでちね。

「分かったでち、下品にするでち」

「……ファイナルアンサー??」

「……でち」

うんうんと頷いてお爺さんが調理を始めたでち。磯風が大きな溜め息をついたでち。

「さすがのこの磯風も肝を冷やしたぞ……下品ならまだいいだろう。家元も軽い気持ちで悪魔は作りたくないんだ」

「磯ちゃんいいこと言うねえ。じゃあ腕によりをかけて最高の大悪魔を作ってやろうか」

「家元よ、楽しみにしてるぞ」

お金は先払い制でち。800円、まあ普通でちね。


ところが、出てきたのは……


※悪魔は本当に興味半分で頼むものではないため、安価判定を噛ましました。ご了承を。
なお、悪魔の味についてはちゃんと言及があります。
691Try7rHwMFw :2018/10/06(土)22:42:11 ID:nDY
#

「お待ち。下品普通盛り」

これがデフォルトでちか?海苔に葱、そしてでっかくて見るからに柔らかそうなチャーシューが2枚。あと煮卵がまるっと1個分。
そしてその上に、茶色く煮込まれた豚バラ肉がどんっと鎮座してるでち。デフォルトのボリュームじゃないでち。こんなんで800円って、採算は取れるんでちか?

そしてスープ。茶色くて、家系みたいに透明度はないでち。薄く油の膜も張ってるでち。
ただ、匂いが……謎でち。凄く複雑な香りでち。

隣の磯風を見ると、一心不乱に食べてるでち。迷わず行けよ、行けば分かるさ、でちね……茶色く変色した麺を、ゴーヤも一気に啜ったでち!

00~45 しょっぱ!!
46~95 しょっぱ!……いけど、これって?
96~100 その時ゴーヤに電撃走る
692【13】 :2018/10/06(土)22:42:37 ID:4OU

693Try7rHwMFw :2018/10/06(土)22:43:55 ID:nDY
※コンマ下、!random
694【79】 :2018/10/06(土)22:45:45 ID:mwE
はい
695Try7rHwMFw :2018/10/06(土)22:49:49 ID:nDY
寝落ちしそうなのでここまで。
696【55】 :2018/10/06(土)22:59:45 ID:Xh4
おつー
697Try7rHwMFw :2018/10/07(日)14:12:23 ID:1Xp
少し進めます。
698Try7rHwMFw :2018/10/07(日)14:50:26 ID:VsC
夜にずれ込みそうです。
699名無しさん@おーぷん :2018/10/07(日)17:22:15 ID:oSp
>>698


面白い
よく出来てるな

ラーメンの種類枠ではなく
エリア枠ってのは難しいかな?
700Try7rHwMFw :2018/10/07(日)22:00:15 ID:92r
再開します。それにしても、井上は人ではないですね。

>>699
ありがとうございます。エリアは難しいですね。
千葉県と東京東部が極端に弱いのです……。
701Try7rHwMFw :2018/10/07(日)22:18:41 ID:92r
一口食べた瞬間、口の中に塩分の波が襲い掛かってきたでち。

「むぐっ……!!」

思わず絶句してしまったでち。こんなの、食べられるわけないでち。
萩風たちも微妙な顔をしているでち。磯風と嵐だけが、嬉々として麺を啜ってるでち。

「どうした?麺は固めに限るぞ?早く食え」

もむもむと上機嫌そうな顔で口を動かして、磯風が言うでち。しかし、こんなのどうやって食べきるでちか。
下品にしたのを心底後悔したでち。いや、萩風たちの反応を見ても、この店に来たこと自体後悔したでち。
……でも、このまま帰るのもお爺さんに悪いでち。とりあえず、スープも少し飲むでち……やっぱりしょっぱいでち。
何で磯風はこんなのをありがたがるんでち?やっぱり味覚障害でちね。
そう思ってまた麺をすするでち。うーん、やっぱりよく分からないでち。

「……あれ?」

いつの間にか丼の量が減ってるでち?もう半分ぐらい食べたんでちか??
レンゲにスープをすくって飲むでち。……しょっぱい……いや、これは??

萩風が呆然としてるでち。

「これ、旨味の塊ですね……。魚介系の旨味が、物凄い濃度で凝縮されてる……!!」

そうでち。よく味わうとしょっぱさの向こうに色々な風味が広がってたでち。
節系の旨味、貝系の旨味、乾物の旨味、鶏の旨味……それら全てが混然一体となって、しかも矛盾せず存在してるでち。
そして、この塩辛さが、それを引き立てている……ただのラーメンじゃ全くないでち。
702Try7rHwMFw :2018/10/07(日)22:37:28 ID:92r
ゴーヤは味玉にかぶりついたでち。味は当然染みてるでち。黄身の甘さが箸休めになるでち。
そして、チャーシュー。すこぶる柔らかい、上質のものでち。これも美味しいでち。
で、この豚バラ……いかにも濃そうでちね。

「うわっ、これ……スープの味と一体化してるでち!?」

磯風がうんうんと頷いてるでち。

「よく分かるな。それこそが『悪魔肉』。家元のラーメンには不可欠なものだ」

「……確かに、美味いでありますな。タレなしでも十分に味がしっかり出てるであります。
しかし、この肉。ご飯が欲しくなりますな。主人、ご飯は売ってないのでありますか?」

お爺さんが苦笑するでち。

「悪いね、うちはラーメンを食べる店だから、ラーメンだけなんだよ。
もし悪魔肉で飯を食いたいなら、タッパーでご飯を持ち込んでいいよ」

「持ち込み可能!そんなのもあるんですね家元!!」

嵐が目を輝かせてるでち。

「……今度てーとくと来たら、ゴーヤもそうするでち」

「ふふん、今『今度』と言ったな。もうゴーヤも立派な中毒だ。
……さて家元。折り入って頼みが」

「何だい磯ちゃん?長い付き合いだが、珍しいね」

「こいつにラーメンの作り方を教えて欲しい。というか、相談に乗ってやってほしい。
家元も忙しいし、身体もきついから本当に申し訳なく思っている。だから、できればでいい」

ふむ、とお爺さんが腕を組んだでち。そして「よし!」と手を叩いたでち。

「面白そうだね。俺も一枚噛ませてくれないか?店が終わったら、また来なさい」
703Try7rHwMFw :2018/10/07(日)22:53:06 ID:92r
#

「ふむ、なるほどそういうことか。面白いねえ。
男を巡ってラーメンの腕勝負か。で、今それに向けてこのちっこいお嬢さんが頑張ってると」

「……でち。で、さっき話した感じで作ってるでち。でも、何かが足りないでち」

「だろうね。俺はスープに便利調味料や便利スープは一切入れない。
たまーにお客の舌を試すためにいじわるで入れるけどさ。でもそんなのは『料理』じゃない。
料理とは、素材の味を引き出すことだ。そして、そうするためには、惜しげもなく素材を使うのが一番いい。
俺が『スペシャル』にどれぐらいの量の素材を使ってるか、ブログで読んでるかい?」

「確か……10kgとか、15kgとか」

お爺さんが険しい表情で頷いたでち。

「そう、そのぐらい入れるんだよ。で、煮詰めて煮詰めて、味を引き出す。
もちろん、素材は生き物だから同じスープは二度とできない。マズいスープになる日もたまにある。
ラーメンを作り続けて40年近くになる俺でもそうだ。そういう時は店を休むし、今日みたいに95点の日なんて滅多にない。
だけど、素材をケチっちゃあおしまいだ。大体のラーメン屋は、それができないから便利スープや便利調味料に逃げるんだよ」

羽黒が恐る恐る手を挙げたでち。

「あ、あのっ……えっと、申し訳ないんですけど……それで商売になるんですか?」

「ならないよ。もう先がない老いぼれが道楽でやってるからね。
だが、俺は皆に本当に旨いものを食べてもらいたいと思ってやってる。だからこの値段で出す。
採算なんて二の次よ。まして、お嬢さんの場合はそうだろう?」

「……ああっ!!」

お爺さんが嬉しそうに笑ったでち。

「そうよ。お嬢さんが一番食べて欲しいと思ってる相手が喜んでくれるように思って作りなさい。
そして、そのためには労力を惜しまない。鶏白湯、良いと思うよ。
後は手抜きせず、隅々まで心を砕いて作ること。『料理は愛情』なんて古く臭せえ言葉だけど、それは正しいんだよ」

ゴーヤは目に熱いものを感じたでち。……お爺さんにただ感謝でち。

「あ……ありがとうございます!!今日のこと、一生忘れないでち!!」

「例なら磯ちゃんに言いな。磯ちゃんがお嬢さんをここに連れてきたんだから」

磯風が今まで見た中で一番のどや顔をして見せたでち。
704Try7rHwMFw :2018/10/07(日)22:53:49 ID:92r
今日はこれまで。明日か明後日でこの回が終わると思います。
705【45】 :2018/10/07(日)22:59:46 ID:uVr
おつおつ
706【36】 :2018/10/07(日)23:20:14 ID:ql1

この磯風は許せる……許せる?
707Try7rHwMFw :2018/10/08(月)11:58:19 ID:rXf
再開します。
708Try7rHwMFw :2018/10/08(月)12:06:05 ID:rXf
#

「……どうでちか」

あきつ丸が無言でサムズアップしたでち。

「あのっ、美味しいです!深みがあって、濃厚なのに飽きがこなくて……」

「うんうん、これはいいと思うよ。優しいけど、ちゃんとインパクトもあってはっちゃん好きだな」

羽黒とはっちゃんも満足そうでち。……これなら、勝てるでち。

「ありがとでち。皆のおかげでち。てーとくが戻るのは明日でちね。……決戦の日でち」

「でありますな。提督殿は勝敗の判断はされぬという話でありますが」

「そりゃそうだよ。話を聞く限り、見た目でどっちがどっちのラーメンか分かっちゃうし。問題は審査員だよね」

はっちゃんがうーんと考え込んだでち。確か審査員は……

※審査員3人を選びます。安価下1~5から!randomが大きい順
(飯ウマ艦娘かそれっぽい艦娘であるのが条件)
709【73】 :2018/10/08(月)12:06:37 ID:UsJ
葛城
710【56】 :2018/10/08(月)12:06:55 ID:Gkt
プリンツ
711【3】 :2018/10/08(月)12:07:19 ID:7P8
大鷹
712【44】 :2018/10/08(月)12:09:35 ID:wOO
御召艦比叡
713【94】 :2018/10/08(月)12:11:50 ID:P9C
妙高
714Try7rHwMFw :2018/10/08(月)12:11:53 ID:rXf
>>712
比叡はさすがに却下です。
715Try7rHwMFw :2018/10/08(月)12:15:17 ID:rXf
一応まだ一票あります。
716【78】 :2018/10/08(月)12:15:53 ID:TB7
龍田
717Try7rHwMFw :2018/10/08(月)12:19:08 ID:rXf
葛城も調べたら飯ウマではないですね(一度も料理は作ってない)。

妙高、龍田、プリンツとします。
718Try7rHwMFw :2018/10/08(月)12:33:25 ID:rXf
「審査員は妙高さん、龍田、プリンツでち。……妙高さんと龍田は分かるけど、なんでプリンツなんでちかね?」

「ビスマルクさんのお世話してるうちに腕が上がったんですって。ほら、彼女家事とか壊滅的だし」

「……ああ、あのおっきい暁なら納得でち。プリンツも苦労人でちねえ……。
ただ、そうなると扶桑にちょっと有利かもでち。ドイツはチーズよく食べるんじゃなかったでち?」

「そうだねえ、はっちゃんもよく食べるし。条件としてはちょっと不利だね。でも、なんとか勝たなきゃだね」

ゴーヤは頷いたでち。人事を尽くして天命を待つ、でち。やるだけのことは、やったでち。

#

「……ゴーヤ。久し振りだな。元気してたか?」

「でち。てーとくは?」

「お陰様でな。……何というか、すまん。俺の不甲斐なさで、迷惑をかけちまった」

ゴーヤはぶんぶんと頭を振ったでち。

「そんなことはないでち。勝負を受けたのはゴーヤでち。……てーとくに、今までで最高の一杯を届けるべく頑張ったでち。待っててほしいでち」

「……ありがとう。楽しみにしてるぞ」

ごほん、と咳払いが聞こえたでち。

「イチャイチャされると胸焼けするからそこまでにするであります。そろそろ入場の時間でありますよ」

「分かったでち、行くでち。……大丈夫、勝つでち」

てーとくが頷くのを見て、ゴーヤは会場に足を踏み入れたでち。
719Try7rHwMFw :2018/10/08(月)12:54:36 ID:rXf
#

「さあ始まりますは世紀の一戦!まずは赤コーナー、ゴーヤこと伊58選手の入場ですっ!!」

やたら派手なカクテル光線の中を、ゴーヤは進むでち。「頑張ってー!」との声とブーイングが入り交じってるけど、動揺はないでち。覚悟は決まってるでち。

審査員席からちょっと離れた所にてーとくがいるでち。落ち着いてるように見えるけど、あれはかなり心配してるでちね。汗の量がそれを物語ってるでち。

「ゴーヤ選手はこの対決に向けて色々修行を積んできたといいます。果たして強力タッグを前にその成果は発揮できるのかっ?
……続いて青コーナー、扶桑選手の入場ですっ!!」

扶桑さんが割烹着に身を包み、静かに現れたでち。横にはお揃いの服を着た鳳翔さんでち。

「鎮守府屈指の料理人、鳳翔さんの協力を得た扶桑選手はまさに鬼に金棒!一体どんなラーメンを繰り出すのか?
なお、事前オッズはゴーヤ選手6倍、扶桑選手1.6倍となっております。投票はお早めに」

……賭けられてたんでちか?胴元は一体誰でち?分かったらグーで殴ってやるでち。

「実況は私青葉、解説は間宮さんでお送りします。どうぞよろしくお願いします」

「はい、よろしくお願いします」

「さて、試合開始の前に主催者からの挨拶があります」

ズズズっと舞台中央から何かが反り上がってきたでち。……そこには??

※黒幕を指定します。安価下3で!randomが最も大きいものにします。
(いかにもやってそうな艦娘が望ましいです)
720【28】 :2018/10/08(月)12:55:15 ID:A5l
リシュリュー
721【35】 :2018/10/08(月)12:56:46 ID:Dax
隼鷹
722【28】 :2018/10/08(月)12:59:03 ID:4ft
アイオワ
723Try7rHwMFw :2018/10/08(月)13:03:03 ID:rXf
中断します。あー、やってそうですねえ……
724【26】 :2018/10/08(月)13:09:07 ID:ywF
中華一番かな?
725Try7rHwMFw :2018/10/08(月)14:09:05 ID:rXf
ちょっと謝罪。がんこ総本家のスペシャルですが、最近整理券がなくなったそうです(隣のカップルが昔の整理券持ってて差額で食べてました)。
磯風の整理券の下りは無視して下さい。失礼しました。

なお2時間待ちます。
726Try7rHwMFw :2018/10/08(月)18:17:28 ID:rXf
「ひゃっはー!!みんな~、飲んでるかーい??」

そこには酒瓶を右手に、マイクを左手に上機嫌な隼鷹がいたでち。……あんの馬鹿……!!

「隼鷹ー!!何賭けの主催やってるでち!!ゴーヤは一切聞いてないでち!!」

「え、そうなの?あれ~、ゴーヤも喜んでオッケー出したって聞いたけどな~。まいっか!楽しければ全部オッケー!」

舞台袖を見るとあきつ丸がニヤニヤしてるでち。てめーもぐるでちね!!

「後で覚えとけでち!!……っててーとく??まさか一枚噛んでないでちね??」

「あー、すまん……お前の勝ちに10万ほど……だってオッズ美味しいんだもん」

「んっとにどいつもこいつもぉぉ!!」

「まーどうだっていいじゃん、まずこの賭けの利益はぜーんぶ飲み会に使わせてもらうぜぇ~。
ゴーヤが勝ったら提督とゴーヤの結婚祝賀会、負けたら大送別会って具合だぁ!!
どっちにしても、全舷で暴れきれなかった分の宴会が待ってるぜひゃっはー!!だから皆、楽しんでくれよー!!」

うぉぉぉぉと歓声が響き渡ったでち。こうなったらうちの鎮守府は止まらんでち。何でどんちゃん騒ぎ好きの馬鹿ばっかなんでちか……。

扶桑が騒ぎに関わらず、こっちをじっと見てるでち。

「……負けないわよ。女の、いえ私の意地にかけても」

「……こちらの台詞でち」

「さぁ主役二人もヒートアップしてきたようだぜぇ??じゃあカウントダウンいっくぞー?ごー、よん、さん、にー、いち……始めぇ!!!」
727Try7rHwMFw :2018/10/08(月)18:38:45 ID:rXf
「さあ試合が始まりました。今回スープの仕込みのみ、2時間の猶予を与えています。まずゴーヤ選手は……圧力鍋ですか??」

「何をするんでしょうか……ああ、丸鶏ですね、それと大量の鶏ガラともみじ(鶏の手の部分)、香味野菜も見えます。既にかなり煮込んでありますね」

「これはいきなり奇策に打って出たぁ!!そしてもう片方の鍋も……圧力鍋??いや、圧力鍋が3つ???これはどういうことなんでしょう間宮さんっ!?」

「うーん、ちょっと分かりませんね……多分、あの最初の鍋のスープからして鶏白湯ラーメンだと思うんですが……」

ゴーヤはひたすら鶏白湯のアク取りに励むでち。これは絶対手を抜いてはいけないでち。

鶏白湯の水炊きを作るのに一番楽で手っ取り早く、かつ味が出せるのが圧力鍋を使う技法でち。母さんに教えてもらったやり方でち。
これだとせいぜい数人前しかできないから店で出すのは不可能でち。でも、根気さえあれば誰でも濃厚な鶏白湯ができるでち。後は、第2と第3の圧力鍋の完成を待つだけでち。

ちらっと扶桑を見るでち。観客席最前列の鳳翔さんが「まだですよ!」とか叫んでるでち。……何をするつもりでちか??

「さあこちらは扶桑選手!!こちらは牛スネ肉に、丸鶏を使ってますね。香味野菜もあるようですが……洋風な感じですね」

「コンソメスープのようですが……丸鶏を使ってるのが少し違いますね、それとアクの量が多い……あら??」

「扶桑選手、何かを泡立てている!!何だあれは、クリームかぁっ!?」

鳳翔さんが「今ですっ」と叫ぶと、扶桑はそれをスープにぶちこんだでち!?

「ああっ、これは卵白です!!あれで一気にアクをとるんですよ……ほらっ」

扶桑は一気におたまで固まった卵白をすくったでち。すると、スクリーンに映し出されたのは……黄金のスープ。
728Try7rHwMFw :2018/10/08(月)18:51:59 ID:rXf
「これは驚きましたよ、あれはフレンチの技法……!ああやることによって、コンソメスープができるんです。でもあれだけじゃ、ラーメンのスープには弱いはず……」

「うおおおっとぉ!!扶桑選手、実はもう1つコンソメスープを仕込んでいたぁ!しかもこっちは煮詰めてある!!」

「まさか??」

「扶桑選手、新しいコンソメスープと濃いコンソメを合わせたあっ!!これは一体っ」

「これもフレンチの技法……驚きました、鳳翔さんが協力したというから、和風で来るのかと……」

鳳翔さんがニコニコしているでち。

「和食でも一番だし二番だしを合わせることはありますよ。同じお出汁なんですから、その応用です。
そして、繊細な一番だしと濃い二番だしをうまい具合に合わせると、互いを補ってくれるんです」

「な、なるほどっ!!さすがは鳳翔さんっ!!」

「恐れ入りますね……私も負けてられません」

変なとこで火花が走ってるでち。しかし、扶桑……そっちも考えてきたでちね。
だけど、こっちもやってやるでち!!

「ゴーヤ選手、二つ目の圧力鍋に手をかけました。……これはっ?」

「テールスープ??牛のバラ肉もあるみたいですけど……」
729Try7rHwMFw :2018/10/08(月)18:59:22 ID:rXf
ゴーヤは家元の言葉を思い出してたでち。

『俺は元々テールスープでラーメンやりたかったんだ。だけど手間と単価がかさんだんで、牛骨でラーメンを始めたんだよ』

そう、逆に言えばテールスープを使うのはありだってことでち。そして、テールスープを作るなら……やはりこれでち。

「これは美味しそうなテールスープですよ?おっとゴーヤ選手、鶏白湯のスープを大きめの平鍋に入れ……そこにテールスープを投入したぞぉぉ!?」

「考えましたね。ああすることで、鶏白湯特有の一本調子さは薄れます。より深みのある味になるはずですが……え、ええっ?」

扶桑の方から微かな刺激臭がしたでち。あの塊は……??

「あれはっ、ゴルゴンゾーラチーズ!!?」

てーとくが呟くのが聞こえたでち。

「そう来るのか……改良版『ドゥエ・イタリアン』というわけだな」
730Try7rHwMFw :2018/10/08(月)19:00:21 ID:rXf
ちょっと休憩。料理描写は適当です。(家元の下りやゴルゴンゾーラは事実ですが)
731Try7rHwMFw :2018/10/09(火)21:53:20 ID:cqr
再開します。
732Try7rHwMFw :2018/10/09(火)22:08:05 ID:agO
ドゥエ・イタリアン……前に調べた店でち。やはり、参考にしてたでちね……。

「これはゴルゴンゾーラチーズ!?どういうことなんでしょう?間宮さんっ、ラーメンに臭いと塩気のキツいゴルゴンゾーラって合うんですか?」

「私にもさっぱり……ああっ、
モッツァレラと溶かしたチェダーチーズをオーブンから取り出してゴルゴンゾーラと混ぜ始めましたよ?そしてそれをスープンに乗せて、またオーブンへ」

一体何をやってるでち。しかし扶桑の動きには躊躇いはないでち。てーとくは感心したように見てるでちね。

「スープンごと焼いてるんでしょうか……その間に、あれは生ハム?」

「どうもこれはただの生ハムじゃないですね、ハモン・ベジョータ……奇想天外ですね。これも貴女の発想ですか、鳳翔さん」

「いえ、あれは扶桑さん自身のアイデアです。参考にしたお店のラーメンは、確かに美味しかった。でも、何かが足りない。
だから、オリジナルのでは存在意義が分からなかった生ハムを旨味の塊であるハモン・ベジョータに変えたんです。他にも色々手を加えてますけど、決定的なのはそこです。
それに、ハムっていい出汁がとれるんですよ?ほら金華ハムとか」

相当色々考え抜いた一杯のようでちね。でもそれはゴーヤも同じでち!

「さあここでゴーヤ選手、最後の圧力鍋に手を掛けたっ!中から出てきたのはぁ!?」
733Try7rHwMFw :2018/10/09(火)22:31:51 ID:agO
「えっ、これって……亀?いえスッポン!!こんな食材を使うなんて……」

「しかも中には魚介系の食材がっ!これは旨味を濃縮したスッポンスープ!これをどうしようというのかぁぁ!!」

隠し味の第3のスープをどうするか考えがまとまらなかったでち。ただ、普通に魚介系のスープを入れたんじゃ味や濃度が薄れるでち。
そこで、コラーゲンが入ったもう1つの食材に行き着いたでち。それがこれでち。

「奇をてらい過ぎたわね!高級食材を使えば勝てるとでも?」

「その台詞、そっくりそのまま返すでち。それに、奇をてらったわけでも何でもないでち。あとで分かるでち」

そう、これを使ったのには他にも2つ理由があるでち。ゴーヤはてーとくを見たでち。まだ心配そうにしてるんで、ゴーヤはサムズアップしてやったでち。大丈夫、勝てるでち。

そう自分に言い聞かせ、盛り付けを終えると……

「ここでタイムアップぅぅぅ!!両者とも、実に独創的な一杯を作り上げました!さて、麺が伸びないようすぐにジャッジメントに入ります。審査員はこちらだぁぁ!!
まず、ダメ姉の世話をして早10年!苦労の中で磨かれた腕と舌は本物だぁ!洋食ならお手の物、プリンツ・オイゲンんっっ!!」

「ぐ、グーテンモルゲン……。んぁ、何か緊張しますね……」

「続いては鎮守府1の恐怖の象徴!!無礼な料理と上司には容赦はしない!!包丁で捌かれたい奴はどいつだ!龍田ぁぁ!!……ひいっっっ!??」

「青葉ちゃぁん?後でどうなるか、覚えておきなさぁい?」

「し、しし失礼しました、慈愛の象徴でした、訂正します……。
最後に我が鎮守府の重鎮が一人!その磨き抜かれた味覚とマナーは本物中の本物っ!元CA、妙高さんが来てくれたぁぁ!!」

「よろしくお願い致します」

※コンマ下、!randomで
00 ?????
01~10 訳ありな関係
11~60 特に何もなし
61~90 実は……
91~100 実は……??
734【9】 :2018/10/09(火)22:32:59 ID:Ur3
はい
735Try7rHwMFw :2018/10/09(火)22:45:37 ID:agO
「……勝負に私情は挟みません。公正な舌で判断させて頂きます」

妙高、でちか……提督LOVE勢ではなかったはずでち。ただ、ある意味でそれよりたちが悪い相手かもしれないでち。

#

一度、てーとくと付き合い始めてから聞いたことがあるでち。「ゴーヤが来る前、奥さん以外で付き合った艦娘がいるか」って。てーとくはすごく微妙な顔をしたでち。

「ん、どうしたでち?隠し事でもあるんでち?」

「いや、あると言えばある。ないと言えばない。学生時代、家庭教師の生徒とやっちまったことがあってな……まあそいつの大学進学と俺の仕官で切れたんだが。
そいつが今、鎮守府にいる。……妙高だよ」

「えっ、ええっ!!?今は何もないよね?」

動揺のあまり語尾が素になったでち。てーとくはぽかんとゴーヤを叩いたでち。

「たりめーだ。実のところ、俺もビビったぐらいだ。やけぼっくいに火なんてことにならんように、公私混同を戒めてたって側面はある」

※コンマ下、!randomで70以上なら既婚者
736【98】 :2018/10/09(火)22:46:17 ID:iLT
むん
737Try7rHwMFw :2018/10/10(水)08:54:36 ID:rwq
寝落ちしてました……昼から再開します。
738Try7rHwMFw :2018/10/10(水)12:49:59 ID:rwq
「まあ後で分かったことだが、杞憂ではあったんだがな。あいつ、こっちに配属になった時には既婚者だったからな。旦那は空自だ」

ゴーヤは胸を撫で下ろしたでち。

「ならいいでち。てーとくも未練はない?」

「俺にはな。まあ、俺も若かったし、申し訳ないことをしたという思いはあるが。ただ向こうがどう思ってるかは知らん。話し掛けにくいことこの上ない」

「困ったもんでちね。まあ、あまり気にしても仕方ないでち」

……言葉では平静を保ってたでち。ただ、時折見るあの視線。……思うところはありそうだったでち。

#

そんな妙高が、ジャッジにいるでち。……これは吉か凶か、よく分からんでち。

「さあまずは扶桑選手の一杯、『黄金の焦がしチーズ塩らぁめん』っ!」

ご丁寧にゴーヤのところにも丼が来たでち。

「まずはスープを、それから麺を食べて下さい。その上で、スープに乗っている焦がしチーズを溶かして下さい。
食べ終わったら素敵なのも紹介いたします」

素敵なの?何でちかね。まあ、まずは啜るでち。

……んんっ!?

「うわぁ!!これは上品で、複雑な味わい……!丁寧なコンソメに細麺が絡んで美味しいです」

「静かに香るイベリコ豚の旨味もいいわね。塩味もしっかりしてる」

プリンツと龍田が感心してるでち。確かにこれは美味しいでち……。

「塩タレは岩塩や藻塩などをブレンドして作りました。丼の横にあるチーズを溶かして下さい。また違った味わいになりますから」

チーズを溶かすと……黄金色のスープが一気に白濁したでち。見た目だけなら、ゴーヤのとそう変わらなくなったでち。

麺を持ち上げると、スープとの絡みが良くなったでち。啜ると……

「……これはっ?」

「意外ですね。ブルーチーズと塩ラーメンがこんなに合うなんて。チーズのとろみが、麺ともいい相性です。……どうしてこのラーメンを?」

静かに妙高が訊いたでち。

「提督には、今まで食べたことがない一杯をと思いました。元にしているのはある有名店のラーメンですが、そこに幾多の改良を加えています。
結果、ラーメン通の提督にも満足をいただけるものになったかと」
739Try7rHwMFw :2018/10/10(水)13:10:49 ID:rwq
「なるほど。……提督はどう思われます?」

「俺はジャッジじゃないから、詳細なコメントは控える。だが、旨いのは疑いない」

扶桑がほっとした様子を見せたでち。……今度は、ゴーヤの番でち。

「これは高評価だぁっ!!さすが扶桑選手、新しくも隙のない一杯であったようです!さて、次はゴーヤ選手です」

丼がジャッジと提督、そして扶桑のところに運ばれたでち。

「見た目はチーズを溶かした後の扶桑さんのラーメンに似てますね。……どれどれ?」

5人が一斉に啜ったでち。しばらく静寂が包み……そしてまたラーメンを啜るでち。最初に口を開いたのは、龍田でち。

「ゴーヤちゃん?これに何を入れたのかしら?」

「見ての通りのものしか入れてないでち。ああ、カエシを少し入れたでちね」

「……そのカエシって?麻薬か何かじゃないわよね?」

ゴーヤはにっと笑ったでち。

「あるラーメン屋の人から少しもらったでち。麺が伸びるでちよ」

はっと気付いて、龍田がまた食べ始めたでち。提督がゴーヤを見てニヤリと笑ったでち。

「……この風味、この複雑さ。濃厚でありながら飽きさせず、一気の『引き』で食べさせる……家元の所にいったな?そしてそれは、家元のカエシ」

「でち。スッポンスープは、家元が次のスペシャルを作るのを参考にさせてもらったでち。つまり、このカエシに合うスープでち。
これを鶏白湯に合わせることで、単調ではなく飲めば飲むほどに旨味が広がる一杯になったはず、でち」

プリンツたちは一気に食べ終わろうとしてるでち。

「本当です!ぁう、うまい日本語が思い付かないけど……飲むほどに美味しさが広がります!」

「確かにねぇ。しかし家元って誰なのかしらぁ?」

客席で磯風がニヤニヤしてるでち。……妙高が食べ終わったらしいでちね。

「……面白い一杯でした。それぞれの素材が十分引き出され、薫香のあるチャーシューがそれを引き立てる。しかし興味深いのはスッポンの選択です。この素材を選んだ理由は……」

妙高は微笑んで首を振ったでち。

「それは後にしましょう」

扶桑は黙ったままでち。

「さあジャッジの実食は終わったようですっ!後は主宰の隼鷹さんから、結果発表となります!!」

証明が落とされ、ゴーヤと扶桑だけにスポットライトが当たったでち。
740Try7rHwMFw :2018/10/10(水)13:13:50 ID:rwq
ここで中断します。
741Try7rHwMFw :2018/10/10(水)21:04:52 ID:pzD
再開します。
742Try7rHwMFw :2018/10/10(水)21:26:29 ID:pzD
「ひゃっはー!!すごいラーメンだったな~。あたしも食べたかったぜ~。さあここで結果発表だー!!おっと今紙が来たぜぇ~」

緊張がゴーヤと扶桑の間に走ったでち。

「……っと、よく読めないな~。おお、読めた読めた。じゃあ、いっくぜー!!
ジャッジ、プリンツ!扶桑!!」

どよめきと一部から歓声が上がったでち。……プリンツが扶桑を支持するのは、覚悟してたでち。問題は、残り二人でち。

「次行くぞ~!ジャッジ、龍田!ゴーヤ!!」

思わずガッツポーズをしてしまったでち。でもまだ残ってるでち。……妙高がどう判断するか、でち。

場内にチャッ、チャッ、チャッ……と緊張感を煽る音楽が流れてきたでち。……早くしてほしいでち。

「最後の一人だぜー!ジャッジ、妙高……」

沈黙が数秒、流れたでち。そして。

「……勝者、ゴーヤ!!おめでとうだぜひゃっはー!!!」

叫ぼうと思ったけど、言葉が出ないでち。何か次から次へと色んなものが溢れてきて、よく分からないでち。

気が付くと、ひざまづいて声なく泣いていたでち。トントン、と誰かが背中を叩いたでち。

「……て、てーとく?」

「よくやったな。……ありがとう」

てーとくの胸の中に飛び込もうとした時。

「「「ゴーヤ(ちゃん)おめでとう!!!」」」

舞台袖から潜水艦の皆、羽黒、そしてあきつ丸が駆け寄ってきたでち。あっという間にもみくちゃにされたでち。

混乱の中、扶桑は……意外にサバサバしてたでち。

「……負けた、わね……。一つ、訊いていい?私でなく、ゴーヤさんに入れた理由は」
743Try7rHwMFw :2018/10/10(水)21:40:14 ID:pzD
龍田が唇に人差し指を当てたでち。

「そうねー。甲乙つけがたかったんだけど、やっぱりゴルゴンゾーラの香りが少しキツかったかしら?後、ちょっとイベリコ豚のハムの風味と喧嘩してたかも」

「なるほど……あの店が生ハムを普通のものにしてたのには、それなりの理由があったわけね。妙高さんも同じ理由?」

妙高は首を静かに横に振ったでち。

「私はそこは気になりませんでした。ただ、決定的だったのは『配慮』」

「配慮、ですか?」

「ええ。スッポンスープを使ったのには、味以外にもちゃんとした理由があるんです。そうですよね、ゴーヤさん?」

ゴーヤは何とか立ち上がって、涙を拭いたでち。

「……でち。てーとくは海外からの出張帰りでち。多分、少し疲れてると見たでち。だから、元気になるラーメンをと思ったでち。
スッポンスープには強壮効果があるでち。それを踏まえて、使ったでち」

「……やはりですか」

静かに妙高が笑ったでち。扶桑は少し溜め息をついて、肩をすくめたでち。

「負けたわ。私は、ただ美味しいラーメンを作ることしか考えてなかった。提督のことまで、心が及んでなかったのね」

「ゴーヤもそれは同じだったでち。気付いたのは、本当に土壇場でち。それに気付かなかったら、負けてたでち」

ゴーヤは右手を差し出したでち。それを扶桑は、優しく、しっかりと握ったでち。

「いい勝負だったわ。ありがとう。提督を頼むわね」

割れんばかりの歓声が轟いたでち。ゴーヤはふと、妙高を見たでち。その目は、「提督をよろしくね」と言っているようだったでち。

「よーし、じゃあ引き続いて結婚祝いの大宴会だぁ~!!皆のも……」

「ちょっと待った!!」
744Try7rHwMFw :2018/10/10(水)21:52:28 ID:pzD
入口から、誰かが扉をバァーンと開けてやってきたでち。そこにいたのは、割烹着姿の……

「「「磯風???」」」

外の光を後ろに、磯風が盛大などや顔をしているでち。その後ろには……巨大な寸胴??

何かがヤバイでち。ものすごーくヤバイでち。

「ゴーヤよ、勝利おめでとう。勝てたのは、この磯風のおかげであるのは否定しまいな?」

「……でち」

満足そうに「そうだろう、そうだろう」と頷いてるでち。場内の皆は、既に顔が引きつってるでち。

「おいゴーヤ、あの磯風に何をしてもらった?」

「ラーメン屋に連れていってもらっただけでち。確かに磯風のおかげで勝てたけど……あれはヤバイでち」

てーとくも震えてるでち。頭の中で警報が最大に鳴ってるでち。

「そういうわけで、この磯風が至上のラーメンを作ってやった!皆、感謝しろ!旨いぞ!!……多分」

「多分じゃねーでち!!真面目に答えるでち!」

「な、何を言う!磯風は大真面目だ!!ほら、これが磯風特製ラーメンだ!!」

磯風はおもむろに麺の入った丼を取り出すと、そこにスープを注いだでち……スープがどす黒いでち。

「こ、これを食う、でちか……?」

「勿論だ!ほら、司令も、扶桑もだ。皆に用意してあるが、まずは主役からだ。ほら、食べてくれ」

…………
745Try7rHwMFw :2018/10/10(水)21:55:19 ID:pzD
※磯風のラーメンは……

00~80 駆逐イ級を使った特製ラーメン
81~90 通常食材を使ったラーメンのよう生臭い何か
91~95 悪魔のなりそこない
96~99 大悪魔ラーメン
100 スペシャル

※コンマ下3、!random
746【76】 :2018/10/10(水)21:57:20 ID:hML

747【71】 :2018/10/10(水)21:59:21 ID:rR2
まあ、そうなるな
748【9】 :2018/10/10(水)21:59:47 ID:ddi
はい
749【67】 :2018/10/10(水)22:00:00 ID:xtt
奇跡を…
750Try7rHwMFw :2018/10/10(水)22:09:03 ID:pzD
スープをすくって、一口飲んだでち。

…………

……

????!!??!!??


あまりのショックに、そこから先の記憶は飛んでるでち。
後で運よく逃げ切った雪風とシュエフェンから聞いたら、あれは駆逐イ級で出汁をとった特製ラーメンだったそうでち。

ほぼ全員が昏倒する中、磯風は「あれ、間違ってしまったかな……」と首をかしげて立ち尽くしていたそうでち。やっぱりあいつは料理に手を出してはいけない人種だったでち。

その後、比叡ら一部が磯風のラーメンの信者になったらしいけど、それはまた別の話でち……
751Try7rHwMFw :2018/10/10(水)22:10:14 ID:pzD
第8話はこれで終了です。次かその次で最終話とします。
752Try7rHwMFw :2018/10/10(水)22:10:40 ID:pzD
第8話はこれで終了です。次かその次で最終話とします。
753Try7rHwMFw :2018/10/10(水)22:11:52 ID:pzD
多重書き込みになってしまいました……

次のテーマを選びます。安価下1~5、多数決です。
なお、今まで出たジャンルでも構いません。
754【44】 :2018/10/10(水)22:13:07 ID:zcV
つけ麺
755【68】 :2018/10/10(水)22:19:15 ID:ddi
つけ麺
756【27】 :2018/10/10(水)22:21:17 ID:BHl
醤油
757【53】 :2018/10/10(水)22:34:19 ID:rR2
つけ麺
758Try7rHwMFw :2018/10/10(水)22:45:01 ID:pzD
つけ麺で決定します。続いてゲスト艦娘です。
安価下1~3、!randomの大きいものを選びます。登場済みでも可です。
759【96】 :2018/10/10(水)22:45:54 ID:ddi
大鳳
760【61】 :2018/10/10(水)22:45:57 ID:BHl

761【77】 :2018/10/10(水)22:46:29 ID:rR2
夕立
762Try7rHwMFw :2018/10/10(水)22:47:43 ID:pzD
大鳳とします。今日はここまで。
763【35】 :2018/10/10(水)22:54:20 ID:rR2
おつー
764【21】 :2018/10/10(水)23:06:43 ID:ddi
乙です
765【55】 :2018/10/11(木)00:29:16 ID:Xmo

766名無しさん@おーぷん :2018/10/11(木)08:27:12 ID:DEn

最終回後はどうするの?
次回作書くの?
767名無しさん@おーぷん :2018/10/11(木)08:29:45 ID:qwA
磯風は料理界のアミバか
768Try7rHwMFw :2018/10/11(木)09:03:31 ID:IhE
再開は昼頃です。なお、スッポンラーメンは実在します(家元がスペシャルで出す場合あり、旨いです)。

>>766
多分休止中のコナンスレを少し手直しして再開しますが、こっちも気が向いた時に番外編とかやります。

>>767
磯風的には家元の真似をしてるだけなのです。素材のチョイスが根本から間違ってるのと、腕が致命的に足りないだけで。
769Try7rHwMFw :2018/10/11(木)19:42:30 ID:o5b
遅れました。再開します。
770Try7rHwMFw :2018/10/11(木)20:04:56 ID:o5b
「やあっと落ち着いたぜ……あのタコ、いらんことしてくれやがって……」

俺はコーヒーをグッと飲んだ。ゴーヤも盛大に溜め息をつく。

「全くでち。あれはある種のパンデミックだったでち。外に情報が漏れないようなんとか丸め込んだら、今度は隼鷹が『宴会やり直すぜひゃっはー!』と言って暴れ出すし……。
そもそもあのラーメンのおかげで、3日も寝込んじゃったでち。洒落にならなすぎでち」

「がんこ総本家の家元の信者なのはいいが、信仰の方向が間違えすぎだ。ああして飯マズオブ飯マズができたわけだな……ありゃ謹慎じゃ治らんし、困ったもんだな。……で」

俺はマグカップを持ってゴーヤの隣に座る。今は2130、執務時間外だ。つまり恋人同士の甘い時間、ってことだな。

あの一件でゴーヤとの仲は公認になった。まだ結婚の具体的予定はないが、「いつかはするんでしょ」ということで既婚者に準じた扱いになっている。
それを決めた時の妙高の目が結構怖かったが……ありゃ「今度こそ幸せにしてあげなさいね」ってことだろうな。
うちの鎮守府は既婚者であれば勤務時間外に配偶者と一緒の部屋で過ごすことを許されている。だからゴーヤもいつものスク水ではなく、ゆったりとした寝間着だ。

「ん、なんでちか?」

手の指同士を絡ませる。

「やっと落ち着いたし、もう1ヶ月以上もしてないから……久し振りに、な?」

「てーとくはスケベでち。でも、そういうスケベなてーとくも、嫌いじゃないでち」

ゴーヤが顔を赤らめながら笑う。俺を抱き寄せるような形で、ソファーに倒れ込んだ。

「エロいのはどっちだバーカ。……加減はしないぞ」

「こっちの台詞……んん??」

コンコン、とノックの音が響いた。ったく、これからという時に。無粋な奴だ、居留守を使ってしまうか?

コンコン……ドンドンドンッ!!

「っだああああっ!!るせーぞ、何の用だっ!!」

俺は乱れかけていた服を整え、苛立ち気味にドアを開けた。そこには……

「提督っ!!助けてくださいっ!!」

必死の形相の大鳳がいた。
771Try7rHwMFw :2018/10/11(木)20:20:38 ID:o5b
「んあ??……どういうことだ」

「追われてるんですっ!いいから中にっ!!」

大鳳を入れてドアの鍵を閉めると、心底ホッとしたように息をついた。

「ここは鎮守府だぞ?追われるようなことはないと思うが」

「いえっ……ちょっと面倒なことに……」

ゴーヤがむすっとして大鳳を見る。

「一体なんでち。空気読むでち」

「ごめんなさい。……実は」

1 磯風と仲がいいというだけで磯風派から特製ラーメンを食わされようとしている
2 瑞鶴、イントレピッド、飛龍と脱衣麻雀打っていたらトリプルロンで飛ばされた
3 赤城相手に焼き芋大食い勝負を挑まれた
4 その他自由安価

※安価下5までの多数決
772【24】 :2018/10/11(木)20:21:32 ID:1c2
2
773【7】 :2018/10/11(木)20:22:01 ID:B5e
2
774【39】 :2018/10/11(木)20:24:05 ID:cK2
1
775【70】 :2018/10/11(木)20:24:45 ID:qxU
2で
776【61】 :2018/10/11(木)20:37:53 ID:ps8
無謀がすぎるぞ…
777Try7rHwMFw :2018/10/11(木)20:54:41 ID:o5b
「実は……麻雀打ってまして」

「ほう、優等生なお前にしては珍しいな。また何で」

「正規空母会、存在はご存じでしょう?そこでちょっとした話になりまして……麻雀が一番強いのは誰かって」

「ん?お前打てたの?」

「……一応。ある漫画に感化されて、それで覚えて。ゲームセンターの麻雀格闘なんとかでは、全国大会に出るぐらいだったんです」

ゴーヤがへえと感心した様子になった。

「何か意外でちね。真面目に学生やってた感じしかしないでち」

「ランニングと筋トレ以外で、初めて見付けた趣味でしたから。はまっちゃったんです。
で、私が空母会で麻雀は自信あるって言ったら、脱衣麻雀やることになっちゃって……」

俺は溜め息をついた。

「お前ツカンポだろ?何で自信あるとか言ったわけよ」

「麻雀はツキじゃないって証明してみせたかったんですよ……。読みと計算に裏打ちされたデジタル打ちこそ最強だって。
最初は良かったんです。ちゃんと小技で積み重ねて、上がりもかわして。でも、オーラスでトリプルロンを食らっちゃって、全裸にならなきゃいけなくなって……」

「一応訊く。相手誰よ」

「瑞鶴ちゃんとイントレピッドさん、それに飛龍さんです」

俺はもう一つ、さっきより大きな溜め息をついた。

「お前なー、全員結構な幸運艦じゃねーかよ……何で勝負受けたんだ。自業自得だ、剥かれてこい」

「そ、そんなっ!!絶対に嫌です、助けてください!!」

大鳳の表情は必死そのものだ。ここで非情に放り出すのもさすがに気が引ける。

「しゃあねえな。だが、どうすれば……」

普通に風紀違反で取り締まってもいい。だが、それじゃ士気は下がる。
次の大規模作戦を前に、空母会の協力は取り付けたい。これも連中なりのガス抜きではあるのだ。

少し考えて、結論が出た。

「……買収するか。ラーメンで」
778Try7rHwMFw :2018/10/11(木)21:16:12 ID:o5b
#

「提督さん、どういうこと?大鳳さんの脱衣を見逃す代わりに、提督さんが奢ってくれるの!?」

「ん、まあそうだ。さすがにここまで嫌がってる奴をひん剥くのも心が痛むだろ?
だから、この勝負俺が預かる。どうだ」

3人の顔が輝いた。ちょろいな。赤城を筆頭に、正規空母の連中は大体腹ペコ勢だ。飯で大体釣れるから楽なもんだ。

「さすがHoney!懐が広いわね。で、奢りは何?」

「ラーメンだ。そもそも脱衣麻雀なら、そのぐらいでも十分だろ?
その代わり、俺セレクションの旨い所に連れていってやる。どうよ」

「いいじゃん!いこいこっ!!……あ、ゴーヤも一緒、だよね。ごめんごめん」

コホン、とゴーヤが咳払いをした。

「で、問題はどこの店にするかだな。俺の気分はつけ麺だが……」

1 正統派濃厚つけ麺なら、木場の名店をおいて他あるまい
2 つけ麺ブームの原点。川越のあの店に行ってみよう
3 大勝軒の正統進化。かつて早稲田大生が愛したあの味をもう一度
4 奇想天外、しかし旨い。日本でも超レアなラム骨つけ麺を食いに行こう

※3票先取です。
779名無しさん@おーぷん :2018/10/11(木)21:20:15 ID:3YE
4
780【48】 :2018/10/11(木)21:21:00 ID:ps8
2
781【8】 :2018/10/11(木)21:22:02 ID:XBn
2
782【55】 :2018/10/11(木)21:22:19 ID:B5e
2
783Try7rHwMFw :2018/10/11(木)21:23:21 ID:o5b




第9話 頑者
784Try7rHwMFw :2018/10/11(木)21:25:18 ID:o5b
今日はここまで。

なおその他はこんな感じでした。

1 吉左右
3 べんてん
4 MENSHO TOKYO
785【79】 :2018/10/11(木)21:38:42 ID:ps8
おつおつ
786Try7rHwMFw :2018/10/12(金)22:06:06 ID:lOJ
今日は多分おやすみです。
787名無しさん@おーぷん :2018/10/12(金)22:26:48 ID:ijY
>>786

ぐぬー
いつも自分のタイミングが悪い…リアルタイム参加してみたい

おやすみおつ

スレ主さん
麺の種類別とかはどー?

太麺細麺
ストレート麺縮れ麺

麺のつなぎを一工夫してる麺とか
788名無しさん@おーぷん :2018/10/12(金)23:59:57 ID:6Ea
真面目な話、ラーメンの話で人を引きつける話を書けるから
別鎮守府でセカンドシーズン書いて欲しいか
ラーメン関連でスレ立てて欲しいなあ
789Try7rHwMFw :2018/10/13(土)20:58:57 ID:i1E
再開します。

>>787
やってできなくはないですね。考えてみます。

>>788
やるとしたらラーメンではなくうどんとか蕎麦とか、麺類一般ですかね。
なお、ソーキそばは今回のシリーズでやります。
790Try7rHwMFw :2018/10/13(土)21:15:14 ID:i1E
……一つ、用件を思い出した。そうなると……あの店しかないか。

「次の休み、川越に行くぞ。そこに今のつけ麺ブームの原点となる店がある。
そこに連れっていってやる。どうだ」

「川越、ですか?ちょっと遠いですね。つけ麺のためだけに、わざわざそこまで?」

「んー、ちょっと野暮用がな。ゴーヤはマストだ。つけ麺食った後、ちょっと付き合ってくれ」

「……?どういうことでち」

「……それについては、後で話す。まあ楽しみにしてくれ」

#

「Honey!!遅いですよー。もう皆来てますよ」

「おう、悪いな。ちょっと荷物をな」

大きめのバッグを抱えた俺に、皆の視線が集まる。

「提督、その中は?」

「あー、まあ色々な。あんま大したものでもない。というか……」

※ゴーヤと4人以外に……

00 正規空母会全員
01~30 翔鶴、蒼龍、赤城、加賀
31~70 翔鶴、蒼龍
71~100 ゴーヤたちだけ

※コンマ下、!random
791【60】 :2018/10/13(土)21:16:30 ID:ISj
どうかな
792Try7rHwMFw :2018/10/13(土)21:29:13 ID:i1E
「お前らも来てたのか。まあ、姉妹艦と二航戦繋がりってことか」

ペコリ、と翔鶴が一礼する。

「瑞鶴のせいですみません。私の分は結構ですので」

「私も飛龍がご迷惑を。というか、一回行ってみたかったんですよね、川越。お芋スイーツ、楽しみだなあ」

軽く息をついた。蒼龍は完全に相乗りとして……だ。翔鶴が来るのは、少々あれだな……。

「翔鶴、瑞鶴に同行しようと思った本当の理由は?」

00~10 ……川越って……
11~30 何か行かなきゃいけない気がして
31~100 えっ、あの、その……

※コンマ下、!random
793【90】 :2018/10/13(土)21:29:32 ID:20O
川越
794Try7rHwMFw :2018/10/13(土)21:48:45 ID:i1E
「えっ、あの、その……」

あははと翔鶴が苦笑した。瑞鶴が特大の溜め息を付く。

「翔鶴ねえ、この前『ウォーターボーイズ』見てたでしょ。で聖地巡礼、もとい若い子の目の保養?
あのさあ、今彼君ほっといてそれはどうかと思うよ……」

「えっと、彼は大丈夫よ。うん、大丈夫。それに、あくまで見るだけだし……」

ゴーヤが翔鶴を睨んだ。

「ほんっとにショタ好きも大概でちね……。瑞鶴も大変でち」

「この趣味さえなければ、本当にいい姉なんだけど……提督さん、ごめんなさい」

「あー、何となく読めてた。一応つけ麺食ったら自由行動だから、その時に川越高校に行けばいいだろ。
『時の鐘』とかの観光地にも、確か近かったし」

俺は少しほっとした。同じ瑞鶴の魂を宿した艦娘だ。あるいは、あいつの魂と共鳴したかと思ったが……まあ、そんなことはないよな。

「提督、川越に詳しいの?横浜育ちって聞いてたけど」

飛龍が不思議そうに訊く。たまに異常に勘が鋭いな、こいつは。

「ラオタだから今から行く店には何回も行ってるんだよ。だから知ってるだけだ。
川越は電車じゃちょっと遠いからな。この人数なら、レンタカーを借りても大丈夫だろ。車で行くぞ」

「レンタカーですか!じゃあちょっとしたドライブですね」

「ん、まあそうだな。早く行かないと相当並ぶぞ。今が0823だから……順調に行って1100ぐらいか。
んじゃ、今日1日よろしく頼む」

「「「はーい」」」

ゴーヤだけが俺の動揺に気付いたようだった。後ろに来て、ちょんちょんと背中をつつく。

「……さっきのは、嘘でちね。川越に何回も行っているのは、別の理由があるんじゃ」

「まあお前には話していいだろ。というか、つけ麺は口実。こっちが本命だ」

俺は小声で答える。空母勢は後ろでワイワイやってるから、まあ聞こえんはずだ。

「本命?どういうことでち」

「……墓参りだよ。俺の前の嫁の。あいつは、川越の出身だったんだ」
795Try7rHwMFw :2018/10/13(土)22:34:32 ID:i1E
#

俺はレンタカーで借りたヴェルファイアを駆り、埼玉へと向かう。後部座席では空母たちがにぎやかにやってるようだ。
後ろから大鳳が顔を出した。

「提督、そう言えば聞きたかったんですけど。何でつけ麺なんです?普通にラーメンでいいんじゃ」

「そうそう、それ!つけ麺ってどうも魅力がよく分かんないんですよ。
中華風そうめんとか、そんな感じなんですかね」

「飛龍よ……それは大分違うぞ。そもそもラーメンのスープと麺を別々にしたらつけ麺なのかつー話よ」

「Really?Tsukemenって、そういう食べ物なのかと……」

「まあイントレピッドはしゃあないな。ただ、ラーメンとつけ麺は基本的にコンセプトが少々異なるもんだと思ってる。
その前に訊こうか、ラーメンの命は何だ?」

ゴーヤがうーんと唸った。

「スープ、でちかね。この前それを痛感したでち。家元もそう言ってたでち」

「さすがだ、正解。あくまでラーメンはスープが命だ。麺は基本的に脇役であることが多い。
家元のところなんかは、まさにそうだな。あれはあれでいいんだ。だが、つけ麺は違う。つけ麺の命は、麺だ。
麺そのものの旨さを味わうためにつけダレが存在する。自家製麺をうたう店が多いのも、このためだな」

瑞鶴がむむむと声を発した。

「……なるほど、うどんみたいなものなのかな」

「半分当たりで半分外れだ。うどんの場合、だしでそんなに差異化はできんからな。
だが、つけ麺は違う。そこには多様性がある。極論すると、羊の骨を煮込んだ『ラムつけ麺』というのも存在する。しかも旨い。
うどん以上にフォーマットにこだわらない食い物なんだよ。そして、スープ割りの存在がそれをさらに際立たせているわけ」

「スープ割りって、つけダレをスープで割るってやつだよね。味が薄くなるだけなんじゃ?」

「困ったことに、大体においてその答えはイエスだ。だが、例外的に割ることで別の顔を覗かせる一杯もある。
あと、食べているうちに冷めやすいという欠点もあるが……っと、やっと関越に入ったぞ」

車は圏央道から鶴ヶ島ジャンクションへと入った。後30分ぐらい、といった所か。
796Try7rHwMFw :2018/10/13(土)22:38:02 ID:i1E
今日はここまで。なお、つけ麺にはもう一つの重大な欠点がありますが、それについてはまた後程。
多分この辺りは見解が割れますので今のうちに謝っておきます。
(なおつけ麺をディスっているわけではなく、むしろつけ麺党です)
797Try7rHwMFw :2018/10/14(日)21:18:31 ID:oLG
再開します。
798Try7rHwMFw :2018/10/14(日)21:42:10 ID:oLG
#

「ここでちか?凄い行列でちね」

本川越駅近くに車を止め、徒歩1分。久々に来たが迷うことはない。
駅のすぐ目の前なのもあるが、あの行列があればすぐに分かる。
しかし、見た目は随分変わったな。昔はボロボロの長屋みたいな外見だったんだが、妙にこじゃれた料亭みたいになってやがる。

……翔香と来た時の面影は、もうないのだな。

「ここも色々支店ができたが、これだけ並ぶのは本店だけのはずだ。やはり味は大分違うからな。
あと、入れ替え制だから注意してくれ。呼ばれたらごそっと入れ替わる感じだ」

「そう言えば、つけ麺ブームの原点って言ってたでちね。それってどういうことなんでち?」

「つけ麺を生み出したのは、今は亡き東池袋大勝軒の山岸の大将だ。
大勝軒、聞いたことはあるだろ?」

ゴーヤと蒼龍が頷いた。蒼龍が訊いてくる。

「名前だけなら。でも、なら大勝軒に行くって選択はなかったんですか?」

「ないな。一応大勝軒の直系を名乗る店はいくつかあるが、美味しい店は多くない。
大勝軒のつけ麺は甘・辛・酸の3つの味のバランスの取れたスープに、極太でもっちりした自家製麺で食わせるというものだった。
ただ、山岸の大将が自分で作っているうちはともかく、身体を悪くして弟子に任せるようになってからはかなり味が落ちたんだな。
で、再開発で東池袋大勝軒ごとなくなって、大将ご本人も亡くなってしまい、大勝軒の味はほぼ消えちまった。
お家騒動なんかもあって、大勝軒系のつけ麺でまともなのは駒込の『ごとう』か、東池袋に移転した『滝野川大勝軒』ぐらいだな」

「そうなんですねえ。で、この店と」

「そう。この店が大ブレイクしたことで、一気につけ麺がジャンルとして定着したと俺は思ってる。
東京駅地下にある『六厘舎』。聞いたことはあるだろ?あそこが大いに影響を受けたのがここだ。
まあ食えばわかるが凄いインパクトがある。それで、六厘舎の成功もあってつけ麺はさらに広がったというわけだな」
799Try7rHwMFw :2018/10/14(日)22:01:50 ID:oLG
若い店員が注文を取りに来る。寒くなったからか、3人に1人はあつもりを頼んでいるな。

「Honey、“Atsumori”って何?」

「麺を熱いまま出すつけ麺だな。……しかし俺は普通のをお勧めする。
確かに、麺を熱いままにすることで、つけダレが冷めにくいという利点はある。
実際、『つけダレが冷める』というのはつけ麺という料理の弱点だからな。
ところが、あつもりには2つの大きな難点がある。さて何でしょう」

イントレピッドが少し考えて答えた。

「Hum……Pastaが伸びやすい?」

「それが一つ。ただ、そっちよりももっと深刻なのが、麺がくっつきやすいという点だ。
つけ麺は水で締めることでツルツル感が増し、食べやすくなる。
その工程を省くから、どうしても食感がごわごわしちまうってわけだ。
俺はこれがどうしてもダメでね、必ず普通ので食べるようにしてる」

「I see。でもじゃあSoupが冷めるのはどうするの?」

「いい質問だ。まず一つの答えは『そういうもんだから諦める』。頑者は確かこのタイプだな。
その代わり、つけダレのインパクトと旨味が十二分に強烈だからそれで成立する。
もう一つは、つけダレを何らかの方法で温める。『TETSU』は焼き石を投入するし、IHヒーターを使う店もある。
ただ、これはこれでつけダレの味が変わったり事故の可能性があったりで万能じゃあない。
最近出てるのは、そもそもつけ麺の麺をスープに入れて出す店だな。
昆布湯の中に入れることで旨味を加え冷めにくくする工夫をやってるとこもある」

「It's interesting!さすがHoney、何でも知ってるわね」

ゴホン、とゴーヤが咳払いした。そういやイントレピッドは、元扶桑派だったな……。
もうそのつもりはないとはいっても、癖というものは抜けきれんものなのだろう。

……っと次のロットで入れそうだな。普通のにするか、辛つけにするか……。

※安価下
800名無しさん@おーぷん :2018/10/14(日)22:02:41 ID:rnt
普通
801Try7rHwMFw :2018/10/14(日)22:19:36 ID:oLG
久々だし、ここは普通で行こうか。店内に入ると、ピンと張りつめた空気が流れている。
相変わらず殺伐としてるな。店構えは変わっても、そこがそう変わるわけでもないか。
今日は頭にタオルを巻いた店主がちゃんといる日のようだ。この分なら味は問題あるまい。

しばらく待つと、茶色いつけダレと白く輝く麺が出された。タレには見てわかるほど、何かの削り節らしきものが浮いている。

「凄い香りでちね。店の前にいる時から感じてたけど、とにかく『鰹節!』って感じでち」

「実際に使ってるのはサバ節とかその辺りのような気もするがな。まあ、喋るより食うことだ」

つけダレに麺を少し浸し、一気に啜り込む。最初に感じるのは、見た目通りの節の強い風味。そこに動物系のコクが追いかけるとともに、じんわりと感じるのは……麺そのものの甘味と旨味だ。

「……!!この麺、とても美味しい……というか、こんなに小麦の風味がする麺って初めて!!」

「そこが分かるようなら、この店に連れて来た甲斐があるな。
基本私語は歓迎されん店だから、食うことに集中してくれ」

俺は大鳳に告げた。この麺、昔と全く変わっていない。喉ごしと風味で、「麺を食わせる」という本来の意味でのつけ麺だ。
数種類の小麦粉を独自にブレンドして打っているというが、この甘味はちょっと他にはない。
総合力なら頑者以上の店はいくつか出てきたが、それでもこの麺のために並ぶ価値はあるな。

そして、この短冊切りのチャーシュー。チャーシューというよりシーチキンのような風味なのだが、これが不思議とよく合う。
六厘舎流に魚粉を海苔に乗せる「イカダ」をやる店が多いが、魚粉に頼り切っていないのがまたいい。
魚粉系のスープは、割ると急に味が薄っぺらくなる。ここはそういうのはない。

だから、あっという間にスープ割り含めて完食できてしまうわけだ。
他の連中も同じようなものだな。大盛りじゃ少なかったかもしれん。

「「「ごちそうさまでした」」」
802Try7rHwMFw :2018/10/14(日)22:25:55 ID:oLG
#

「ふー、美味しかった。提督さん、ありがとね。奢ってもらっちゃって」

「何か毎回奢っているような気がするな……。まあいい。
とりあえず、これから1800まで自由時間な。夕食もそれまでに各自で取ってくれ。
観光するもぶらぶらするも、適当にお茶するのも自由だ。
あ、一応今日は世間一般は平日だからな。怪しまれる真似はしないように」

翔鶴に目線をやると、「わ、分かってますよ」と冷や汗をかきながら言った。

「翔鶴ねえは私がしっかり見張っておきますからご安心を。提督さんは?」

「あ、ちょっとゴーヤと野暮用でな。ちょいと車で遠出だ」

「あー……そういうことですか。ドライブデート?」

「そんな色気のある話じゃあないんだがな。ま、そういうことだ」

※コンマ下、!random
00~05 うーん、気になるなあ
06~20 提督、いいですか?
21~100 通常進行
803【82】 :2018/10/14(日)22:26:32 ID:1hT

804Try7rHwMFw :2018/10/14(日)22:50:35 ID:oLG
#

大鳳たちと別れ、俺はゴーヤと車に乗る。川越と言っても存外に広い。少し山の方に入った所に、その墓地はある。

「……さっきのお店、提督が奥さんと行ってたお店でちか」

「そうだ。あいつがラーメンにはまるきっかけになった店でもある。
お前を連れて来たのは、まああいつに対するある種のけじめだな」

「やっぱりそうだったでちか。……まだ、愛してるでちか?」

「そりゃあな。もう亡き人であっても、その事実は消えんさ。
ただ、前にも言ったがあいつはあいつで、お前はお前だ。それもまた事実だ。
今日あいつの所に久々に行くのも、ある種のけじめだ。お前と生きていくという、意思表示だな」

「……でち」

ゆっくりと晩秋の風景が流れていく。ゴーヤはそれをじっと見ていた。

#

墓地に着いて、俺は荷物を取り出す。あいつに手向ける花と、ブランデーの瓶だ。

「随分持ってきたでちね。というか、飲む人だったんでちか」

「まあな。俺より飲める奴だったかもしれん。物腰は柔らかったが、色々賑やかなことが好きな奴だったよ」

俺は花束の半分をゴーヤに渡した。俺は酒瓶と花束をもって、あいつの墓がある丘の頂上付近に向かう。

※50以上で先客がいる。コンマ下、!random
805【9】 :2018/10/14(日)22:53:07 ID:wVX
はい
806Try7rHwMFw :2018/10/14(日)22:55:17 ID:oLG
今日はここまで。明日か明後日でこの回終わりです。

なお、次で最終回にするか、もう1回間に挟むかは思案中です。
ちなみに最終回のテーマは固定で「ソーキそば」とするつもりです。
(ソーキそばはラーメンではないという突っ込みはこの際置いておきます)
807名無しさん@おーぷん :2018/10/14(日)23:44:41 ID:Sra
おつ
808【88】 :2018/10/15(月)00:03:49 ID:1sg
おつおつの
809Try7rHwMFw :2018/10/15(月)09:07:40 ID:Ugm
再開します。なお、速報は復活しましたが最終回まではこちらでやります。
番外編などは様子を見てですね。
810Try7rHwMFw :2018/10/15(月)09:20:13 ID:Ugm
墓には先客がいたらしく、花が既に生けてあった。一応まだ花瓶には入れられるスペースがあったので、無理矢理に押し込む。

「誰でちかね」

「親御さんか誰かだろ。……あいつの命日が近いからな」

俺はしゃがんで、蝋燭に火を灯す。線香を取り出し、火にかざした。

ゴーヤはひしゃくで墓石に水をかけている。無表情なのか、不機嫌なのか、悲しんでいるのか……簡単には分からない。

「……写真、あるでちか?」

「……まあな。見るか」

ゴーヤは静かに頷いた。スマホの中には、ワンピース姿の翔香がいる。亡くなる前の、最後の休日に撮ったものだ。

「翔鶴にちょっと似てるでちね。こっちの方が、大分大人びてるけど」

「そりゃあな。年齢的には、俺の2つ下だったし。あの提督さえいなければ、まだまだ生きてたと思う」

「……そういや、その提督は?」

00~40 今も生きてる。相変わらずだ
41~85 死んだよ。自業自得だ
86~100 俺と同じ目にあった
811Try7rHwMFw :2018/10/15(月)09:20:35 ID:Ugm
※コンマ下、!random
812【22】 :2018/10/15(月)09:20:37 ID:ngF
えい
813Try7rHwMFw :2018/10/15(月)09:54:08 ID:Ugm
「……今も生きてる。相変わらずだ。艦娘の屍の上に功績を挙げる外道だが、しかし軍は結果主義だ。悲しいかな、処分されてないどころか出世すらしている。
奴の階級は中将だ。奴のやり方が正しいということになれば、ただでさえちゃんと考慮されてるとは言いがたい
お前らの人権は、さらに踏みにじられる。
……だから俺は、戦果と艦娘の幸福が両立すると証明すると誓った。どこかの刑事じゃないが『正しいことをしたければ偉くなれ』ってやつだ」

「……てーとく」

ゴーヤが俺の背中に手を置いた。どうも顔が険しくなっていたらしい。

「すまんな。だが、幸い深海棲艦の中にも穏健派が出てきた。俺のやり方に注目するハト派の上も少なくない。今日はお前とのことだけじゃなく、その報告も兼ねてる」

俺は墓の前で手を合わせた。そして翔香に語りかける。

「ま、そういうことだ。戦いはまだ道半ばだが、大分勝ちへの道も見えてきた。お前の死は、無駄にはしない。
それと、やっと一人で生きていくのをやめる決心がついた。隣の奴だ。
口うるさいし、口より先に手が出たりするが……一生懸命で健気で、そして何よりお前と同じように平和を心から願ってる。そんなわけだ、安心してくれ」

ふわっと風が吹いた気がした。

ゴーヤが口を開く。

「てーとくは面倒な奴でち。結構乱暴だし、だらしないでち。そのくせブラ鎮並みに労働不可は重いでち。
……でも、ゴーヤたちは皆、普通の女の子として生きてるでち。てーとくがゴーヤを、皆を大切に思ってるからこそでち。
そんなてーとくを、ゴーヤは愛してるでち。てーとくの中のあなたの記憶は消えないけど、それもひっくるめててーとくをもらっちゃうでち」

「……『めぞん一刻』か。何で知ってるんだよ」

ゴーヤがニシシと笑った。

「兄貴の影響でち。……じゃあ、また来ますね」

また晩秋の風がさあっと吹いた。翔香からの返事だろうか。

「……さて、帰る……前にもう少し付き合ってくれ。行きたいところがある」

「行きたいところ?今は1600前でち。ご飯にはちょっと早いでち」

「ここからはちょいと離れてるからな。それでちょうどいいだろ」

「ラーメンでちか?」

「ご名答。もう10年以上も行ってないが、まだやってるかな……」
814Try7rHwMFw :2018/10/15(月)10:02:00 ID:Ugm
中断します。さて、このお店はどこでしょう?

ヒントは以下の通りです。

・川越より北
・そこそこの老舗(ラーメンメインになる前からだと40年以上?)
・メインはタンメン、ただ10年ぐらい前はつけ麺メインだった(今でもやってる)

当たったら何か考えます。相当難問のはずですが。
815Try7rHwMFw :2018/10/15(月)10:03:11 ID:Ugm
一つヒントを入れ忘れました。

・近くに超有名店がありますが、ここをスルーします
816【21】 :2018/10/15(月)10:05:14 ID:Wae
復旧したけどこっちで続けてくれるか良かった
817【25】 :2018/10/15(月)12:19:53 ID:nFC
あぢとみ食堂?
818Try7rHwMFw :2018/10/15(月)12:29:27 ID:N3Z
>>817
何でこれで分かりますかねえ……。何かリクエストあります?

更新は夜です。構想的にはあと2回で固まった感じです。
819Try7rHwMFw :2018/10/15(月)12:36:39 ID:N3Z
それにしてもあぢとみをご存知とは驚きました。凄いですね……。完敗です。
820【11】 :2018/10/15(月)12:39:25 ID:Wae
時間さえあれば実際に行ってみたいなあ
821【65】 :2018/10/15(月)12:52:25 ID:nFC
もう終わりに進んでるからどんな範囲でリクエストできるのかわからないけど、番外みたいな感じで今出てる範囲の結婚組でどこか一店舗とか?
ID変わってたら申し訳ない
822Try7rHwMFw :2018/10/15(月)12:56:39 ID:N3Z
>>821
了解です。考えておきます。
823名無しさん@おーぷん :2018/10/15(月)13:08:14 ID:plw
物語の中で結婚してるのが明らかになってるのは千歳と軍医だけかな?
単純に付き合っているだけなら他にもいるが
824Try7rHwMFw :2018/10/15(月)19:34:38 ID:pKe
再開します。

>>823
結婚は千歳×小池軍医と妙高×空自(航空基地担当)のみですね。
あとは由良×鈴木整備士、羽黒×憲兵長、翔鶴×地元高校生が交際中です。
825Try7rHwMFw :2018/10/15(月)19:53:42 ID:pKe
#

俺は車を北へと走らせた。確か、ネットには場所が移転したとある。256のバイパス沿いだから、まず間違えないはずだ。

「てーとく、あれでちか?」

ゴーヤが道端の店を指差す。人がかなり並んでいるようだ。

「『中華そば 四つ葉』か。あそこには行ったことがないな。何でも某サイトで埼玉県NO.1の評価らしいが。
ラーメンと寿司をセットで出すみたいだな。関心はあるが、今日の目的地はあそこじゃない」

「違うんでちか?しかし、こんな田んぼばかりの田舎に他にラーメンなんか……」

「あるんだな、これが。見えてきたぞ」

「……『中華そば あぢとみ食堂』?国道沿いによくある大衆食堂じゃないでちか?」

「ところがこれが違う。まあ食えば分かるさ」

店はまだ夕食時間前だから空いている。ゴーヤは怪訝そうに店内を見回した。

「うーん、ごく普通の大衆食堂に見えるでち。……でもメニューはラーメン屋でちね。タンメンが売りみたいでち」

「タンメン以外に濃厚醤油太麺やつけ麺、細麺の塩ラーメンもいけるぞ。というか、ここは前連れていった大喜で修行した店だ」

「そうなんでち!?」

俺はニヤッと笑った。

「な、期待できそうな気がしてきただろ。さて、何を頼むかな」

1 タンメン
2 濃厚醤油太麺
3 つけ麺
4 塩ラーメン

※安価下3多数決
826【75】 :2018/10/15(月)19:59:34 ID:PFS
タンメン
827【87】 :2018/10/15(月)20:01:43 ID:8W4

828【9】 :2018/10/15(月)20:08:50 ID:1sg
まあ1
829Try7rHwMFw :2018/10/15(月)20:24:54 ID:pKe
昔はつけ麺がメインの店だったが、ここは今の売りを頼むとするか。色々種類があるが、ここはデフォで行こう。

「すみませーん、タンメン太麺。ゴーヤは?」

「同じのでいいでち。タンメンでちか、意外でちね」

「その店のイチオシを頼むのが俺の流儀だからな。それに、タンメンも奥が深い。ただの大衆食堂のタンメンじゃないぞ。太麺と細麺で味付けを変えてるのもミソだ」

テレビからは大相撲中継が流れている。作業着の男や家族連れが、次々に入店してきた。

「タンメンです。お好みでラー油をどうぞ」

出てきたのは、こんもりと炒め野菜が積まれた丼だ。スープは鶏ベースで半透明の清湯系。見た目は昔ながらのタンメン、だが。

「いただきます」

麺は中太麺。見るからにツルツルしている。そしてそれを啜ると、もちもちっとした食感に、濃厚な野菜と鶏の出汁が絡み付いてきた。

「うんっ、旨い。昔もタンメンはあったが、さらに旨くなったな」

「でち!野菜がちゃんと歯応えがあって、味が染みてて美味しいでち!懐かしいというか、濃いけど飽きない味でち」

ゴーヤも気に入ったようだ。やはりスープと麺のバランスが絶妙だ。麺がしっかりしているから、スープの濃さに負けていない。
しかも信じがたいことに、これで無化調らしい。タンメンは化学調味料入りが当たり前だが、入っていないからこそ食べ進むにつれて感じるキツさがない。
これにラー油を入れると、味が引き締まる。あっという間に完食してしまった。
830Try7rHwMFw :2018/10/15(月)20:44:35 ID:pKe
#

「ん、旨かった。ごっそさん」

「でち。でも、何でここに?」

俺はハンドルを握り、アクセルを軽く踏んだ。

「ここは、翔香と行くはずだった店だ。……死ぬ前の最後の休み、あぢとみに行こうって話になってな。だが結局叶わなかった」

「……!そうだったんでちか……」

「ああ。前に言ったかもしれんが、お前と初めて行く店をもっと作りたいと思ってる。
翔香ができなかったことも、お前には体験させてやりたい。これからもだ」

「てーとく、それって……」

俺は平静を装ってポリポリと頭をかいた。心臓の音がうるさい。

「もっと先になるかと思ったがな。一応、プロポーズだ。悪いな、こんな色気のないプロポーズで。だが、これが一番伝えやすいと思った」

ゴーヤが黙っている。……気分を害しただろうか。
ふと横を見ると、ゴーヤが黙って泣いている。手は、俺のシャツの裾を握っていた。

「……悪い、しくったか……」

ゴーヤがブンブンと頭を振った。

「……嬉しいでち。本当に、嬉しいでち……」

「……そうか」

車は圏央道に入る。高速を使えば、川越まではすぐだ。

「次の休み、俺の親に会うか。まだ、紹介してなかったな」

「……でち。……てーとく、一つだけ約束して?」

「ん、何だ」

「ゴーヤ……私より、先に死なないでね」

俺はふふっと笑った。

「当たり前だ、そう簡単に死ぬかよ。しっかし、めぞん一刻本当に好きなんだな」

「あれは恋愛のバイブルでち。結婚しても持っていくでち」

普段通りの調子に戻って、俺たちは薄闇の関越道を走っていった。
831Try7rHwMFw :2018/10/15(月)20:44:51 ID:pKe
#

待ち合わせの本川越駅に着いたら、瑞鶴が翔鶴に何やら猛烈な説教をしていたのは、また別の話。

そしてこの夜、ゴーヤ結婚記念の麻雀大会が開かれ、大鳳が身ぐるみゴーヤに剥がされたのも、また別の話だ。
832名無しさん@おーぷん :2018/10/15(月)20:46:27 ID:oKH
>>813

和久さん…
(だよね?)
833Try7rHwMFw :2018/10/15(月)20:52:12 ID:pKe
第9話はここまで。実家編、結婚式編で終わりです。

実家編のお題を決めます。今回は変則的に、以下の選択肢から決めます。

1 横浜のラーメン
2 醤油ラーメン
3 激辛ラーメン
4 高級ラーメン
5 その他自由安価

※3票先取です
834Try7rHwMFw :2018/10/15(月)20:53:02 ID:pKe
>>832
合ってます。

中将編はあるとしたら番外編でしょうね。
835【58】 :2018/10/15(月)20:55:39 ID:1sg
g
836【35】 :2018/10/15(月)20:55:55 ID:1sg
すまん4
837【77】 :2018/10/15(月)20:56:53 ID:8W4
1
838【39】 :2018/10/15(月)20:57:10 ID:LaG
まだ醤油やってないよね?
839【42】 :2018/10/15(月)20:58:02 ID:Mu5
2
840【57】 :2018/10/15(月)20:58:22 ID:PFS
2かな
841名無しさん@おーぷん :2018/10/15(月)21:07:43 ID:eQq
4
842名無しさん@おーぷん :2018/10/15(月)21:08:10 ID:euc
4
843【96】 :2018/10/15(月)21:13:35 ID:LaG
>>838
あ、これ醤油票なんで
844Try7rHwMFw :2018/10/15(月)21:14:57 ID:pKe
ちょっと微妙ですね。2と4で決戦投票します。
安価下3多数決です。
845【55】 :2018/10/15(月)21:15:31 ID:LaG
醤油
846【23】 :2018/10/15(月)21:18:01 ID:Mu5
2
847名無しさん@おーぷん :2018/10/15(月)21:18:42 ID:eQq
4
848Try7rHwMFw :2018/10/15(月)21:21:09 ID:pKe
では醤油に決定します。

続いてゲスト艦娘です。安価下1~3で!randomが大きいものとします。
なお、今回のゲストは提督血縁者(妹)です。未登場が望ましいです。
849【11】 :2018/10/15(月)21:21:52 ID:eQq
サラトガ
850【59】 :2018/10/15(月)21:23:33 ID:8Y9

851【60】 :2018/10/15(月)21:26:09 ID:gww

852【84】 :2018/10/15(月)21:26:25 ID:PFS
龍驤
853【98】 :2018/10/15(月)21:26:48 ID:oKH
主さんは提督?
提督なら主さんの初期艦

提督じゃないなら
アクィラ
854【83】 :2018/10/15(月)21:26:52 ID:Mu5
山風
855Try7rHwMFw :2018/10/15(月)21:33:28 ID:pKe
電で決定します。これは姪っ子の方がいいかもですね。

再開は明日です。
856Try7rHwMFw :2018/10/16(火)09:30:29 ID:tmP
ちょっと進めます。

>>853
元提督ですね。初期艦は電です。
857Try7rHwMFw :2018/10/16(火)09:31:59 ID:tmP
とその前に、ちょっと多数決を。視点をどっちにしますか?

1 提督
2 ゴーヤ

※安価下3多数決
858【8】 :2018/10/16(火)09:56:27 ID:m9N
2
859【89】 :2018/10/16(火)10:04:31 ID:m9N
この時間は人がいないわね
860名無しさん@おーぷん :2018/10/16(火)10:13:24 ID:shj
1
861名無しさん@おーぷん :2018/10/16(火)10:17:50 ID:hnO
2
862Try7rHwMFw :2018/10/16(火)11:49:53 ID:tmP
「ゴーヤ、準備はできたか?」

「でち。お土産の川越スイートポテトもちゃんとあるでち」

「うし、じゃあ行くか」

提督はフェアレディのキーを捻ったでち。カスタムが施されてるのか、ブロロ……と低い音が響いたでち。

「てーとく、実家って横浜だよね。どこでち?」

「日吉本町だ。微妙に駅から遠いんだよこれが」

「グリーンラインなら近くないでちか?って、日吉本町だとグリーンライン使うのは微妙でちね」

「そそ、一駅しか使わんからな。学生の時はわざわざ日吉まで出なきゃいけないから、面倒で仕方なかったな。……ってよく知ってるな。お前、佐世保生まれの横浜育ちだったか」

「でち。センター北に兄貴と住んでたでち。横浜国際プールが近かったから」

車は横横道路に入ったでち。第三京浜の都筑ICで降りれば、日吉本町は割と近いでち。

「そういえばてーとく。てーとくって確か、お姉さんがいたでちね」

「あー……姉貴か。まあな。多分家にいるんだろうな」

提督が渋い顔をしたでち。

「仲良くないんでち?」

「あー、そういうわけじゃないんだがな。やりにくいんだよ。姪っ子はそれなりにかわいいんだがな」

「姪っ子さんでちか。その子も今日来てるんでち?」

「んー、多分。何でも艦娘資質があったらしくて、半年前に舞鶴に配属されたって聞いたな。今日は長期休暇中らしい」

提督の姪っ子さんだと、中学生ぐらいでちかね。新米駆逐艦だと、色々大変そうでち。長いお付き合いになるかもでち、色々お話ししてあげるでち。

※コンマ下、!randomで……
00~40 通常進行
41~90 あ、言い忘れた。双子なんだよ
91~100 実は……(再判定)
863【55】 :2018/10/16(火)11:59:44 ID:vQ5
はいな
864Try7rHwMFw :2018/10/16(火)12:37:39 ID:tmP
「あ、言い忘れた。双子なんだよ。そっちも舞鶴から帰ってる、らしい」

「双子で艦娘でちか。そうなると結構絞られるでちね。うちにもイヨとヒトミがいるけど」

「艦娘の登録名は電と雷だ。お前もそうだが、多少本名に寄せた艦名になるのは面白いな。
俺は昔から下の名前で呼んでるからそうするが、本人たちはすっかり艦名が気に入ってるらしくてな。そっちで呼んでも構わないだろう」

「雷はうちにもいるけど、あんな感じでちか?お節介焼きたがるみたいな」

提督がうーんと唸ったでち。

「あいつははうちの2割増しだな。そもそも姉貴がおっきい雷みたいな性格だから……だから姉貴は苦手なんだよ」

「あー……そういうことでちか」

提督はだらしないわりに人からの干渉を妙に嫌うでち。ゴーヤはだらしなさ過ぎるのを直す程度には言うけど、基本自分でやらせるでち。
お姉さんとの相性は確かに良くなさそうだけど、姪っ子さんたちとはどうなんでちかね。

#

「ういっす、今来たぞ」

提督が家に入ると、上品そうな初老の女の人が出てきたでち。これが、お義母さんでちね。……手に汗が滲むでち。

「あら隆、早かったじゃない。この子が、ゴーヤちゃんね」

「お母様、はじめまして。後藤八重と申します。今日はよろしくお願いします」

ふふふと、お義母さんが笑ったでち。

「いつも通りでいいのよ、いつも通りで。緊張しないでね。……あらあら」

リビングから小走りで2人の女の子が現れたでち。

「おじさん!お久し振りなのです!!元気してましたですか?」

「食事とかちゃんと取ってる?お休みの日ちゃんと休んでる?あ、後ろの人が、新しいお嫁さんね!はじめまして、飯綱千恵よ!艦名は雷だから、そっちでいいわ」

「飯綱真由なのです。電、でいいのです。よろしくなのです」

雷は胸を張って、電はぺこりと頭を下げたでち。

※コンマ下の!randomが25以下で?
865【26】 :2018/10/16(火)12:41:38 ID:8YA

866Try7rHwMFw :2018/10/16(火)12:50:51 ID:tmP
※ぷらずまではない

夜まで中断。
867Try7rHwMFw :2018/10/16(火)18:17:53 ID:nlF
再開します。
868Try7rHwMFw :2018/10/16(火)18:40:25 ID:nlF
「お母さんがご馳走作ってるわ。私たちも手伝ったのよ!」

「なのです!」

「ちょ、ま……」と言う提督を二人が引っ張っていったでち。元気でちねえ。

「あの子たち、隆になついてたから会えて嬉しいのよ。来華も久々だしね」

「来華って、お姉さんのことでちか?」

「そうそう。あの子、海外が長かったから」

海外……確か、お姉さんの旦那さんって、防衛省のキャリアだったはずでち。艦娘プロジェクトに、一枚噛んでるんでちかね。

リビングに入ると、作務衣を着た眼鏡の白髪の人と提督が何か話してるでち。これが、提督のお父さんでちか。何か、威圧感があるでち。

「ん、来たね。いらっしゃい、隆の父だ。……君も艦娘と聞いたよ。これも縁だろうね。これからよろしく」

すっと立って、握手を求めてきたでち。ゴーヤは戸惑いながら、それを握ったでち。
……この振る舞い、ひょっとして。

「こちらこそ、よろしくお願いします」

「ああ、硬くさせてしまったかな。いいんだ、いつも通りで構わん。家内もそう言ったと思うが」

「……でち。お義父さん、ひょっとして軍人、でちか?」

「『元』だな。退役して1年になる。君らのこともよく知ってるよ」

そう言えば、提督のお父さんについて提督はあまり話したがらなかったでち。それが関係してるんでちかね。
ゴーヤの疑問に気付いたのか、提督が苦笑したでち。

「すまんな、人前で言うことは差し控えていた。親父は前幕僚長だ。艦娘プロジェクトの開始には、親父も一枚噛んでる」

「……!!初耳でち」

お義父さんがお茶を飲んだでち。

「大したことはしてないよ。それに、私のせいで多くの艦娘が命を落とした。……翔香君も。あまり誉められる実績はない」
869Try7rHwMFw :2018/10/16(火)19:01:15 ID:nlF
「まあ最初は親父を恨んだがな。あのクソッタレのせいだと今ではちゃんと分かってる」

「……でちか。というより、自衛隊一家なんでちね」

バツが悪そうに提督が頭を書いたでち。

「俺も別の仕事に就きたかったんだがな。姉貴と翔香に巻き込まれる形で、気が付いたら海自にいた」

「ラーメン屋になりたいという夢、まだ持っとるのか」

「あー、それはもう諦めてる。提督業は好きだしな。それに、趣味を仕事にするもんじゃない。旨いラーメンなら、そこのゴーヤが作ってくれるし」

お義父さんの眼鏡の奥が光ったでち。

「ほう?作れるのか」

「一応でち」

「それなら、今度作ってくれないか?私もラーメンには目がなくてね」

ニヤリとお義父さんが笑うでち。……これは怖いでち。扶桑相手より、ずっと緊張するでち。

そこに、電と雷を連れた女の人が出てきたでち。二人を足して2で割って、二回りぐらいおっきくした感じでち。

「こら親父!お嫁さんに意地悪しない!怖がってるじゃん。
あー、はじめまして。隆の姉の来華よ。これからよろしくね。お昼できたわよ。たーくさん食べてね」

電が山盛りの唐揚げが乗ったお皿、雷がおっきな舟に乗った魚の活け作りを持ってきたでち。……どうやってこの量を食べるんでちか……。

「ごめんなさいなのです、お母さん、作りすぎたのです」

「でも食べられなくても大丈夫!私たちがいるじゃない!」

ハハハ……と笑うしかないでち。確かにパワフルな一家でちね……。
870Try7rHwMFw :2018/10/16(火)19:18:09 ID:nlF
#

「……本当に食べちゃったでちね……」

唐揚げと活け作りはすっかりなくなったでち。そのかなりの部分が、あの母子のお腹に収まったでち。

「俺に腹一杯食わせてやろうと思って作ってるらしいが、いっつもこれなんだよ……」

提督も引き気味でち。駆逐艦なのに、こんなに食べるなんて……。

「隆が食わなさすぎなのよ。ゴーヤちゃんと同じぐらいしか食べてないじゃない」

「あのなぁ、俺の腹はお前と違って普通なんだよ。てか真由も千恵も何でそんなに大食いなんだ……」

けろっとして電が提督を見たでち。

「成長期だからなのです。おっきくなるのです」

「そうよ。それに艦娘は身体が資本よ。食べて力付けなきゃ」

「いや、それにしても食べ過ぎでち……そういや、再来週に両家の顔合わせやるんだったでちね。うちは大丈夫みたいだけど、場所って決まってたんでち?」

お義父さんがうーんと唸ったでち。

「まあ夜の食事は普通にホテルでやるとして、だ。その後だな」

「本気か?食った後だぞ?」

「ラーメンは別腹だ。酒の締めに醤油はちょうどいい。問題は、どこでやるかだ。なあ母さん」

……ちょっと待ってでち。ラーメン屋で場所を決めるんでちか?

提督も唖然としてるけど、お義母さんも「そうねぇ……」とか言ってるでち。
提督のラオタは遺伝みたいだけど、ご両親はそれに輪をかけてるでちね……。
871Try7rHwMFw :2018/10/16(火)19:35:28 ID:nlF
1 秋葉原、いいんじゃない?雰囲気もいいし
2 せっかくだし、湯河原に温泉旅行に行きましょうよ。ほら、あるじゃない
3 横浜で問題ないんじゃないかしら?ほら、鶏醤油の
4 ミシュラン1つ星のあそことかどうかしら?ほら、巣鴨の

※3票先取
872名無しさん@おーぷん :2018/10/16(火)19:37:37 ID:X2I
1
873【42】 :2018/10/16(火)19:40:13 ID:45P

874名無しさん@おーぷん :2018/10/16(火)19:42:10 ID:sUO
1
875名無しさん@おーぷん :2018/10/16(火)19:42:24 ID:7Is
1
876Try7rHwMFw :2018/10/16(火)20:28:32 ID:nlF




第10話 饗 くろき
877Try7rHwMFw :2018/10/16(火)20:30:14 ID:nlF
中断しています。なお

2 飯田商店
3 鶏喰~TRICK~
4 JAPANESE SOBA NOODLE 蔦

でした。
878名無しさん@おーぷん :2018/10/16(火)21:26:38 ID:DFR
ワロタw<姉貴がおっきい雷みたいな性格
おっきい雷。最高やんか。
提督(=主?)なんてうらやましい
879Try7rHwMFw :2018/10/17(水)09:34:19 ID:Zqk
少し進めます。
880Try7rHwMFw :2018/10/17(水)10:02:51 ID:Zqk
「そうだ!秋葉原のくろき、いいんじゃない?雰囲気も割烹みたいでいいし。長居はできないけど、締めだったらありなんじゃないかしら?」

お義父さんが腕を組んだでち。

「うむ……悪くないが、顔合わせはどうする。それほど距離がないところだと、マンダリン・オリエンタルかシャングリ・ラか……」

何かえらい高級ホテルの名前が出てるでち。提督って、上流階級の住民だったんでちね……。何で一家でそんなにラーメンにこだわってるかは謎だけど。

雷がお義母さんをツンツンとつついたでち。

「お祖母ちゃん、そこってたくさん食べられるかしら?」

「ラーメンのこと?そうねえ、そんなでもないかしら。でも美味しいわよ?鴨のお出汁がよく出てて……」

「あー、ちょっと待った。鴨は確か、もうないぞ」

提督が割り込んだでち。

「えっ、そうなの?」

「金曜の『紫』だろ?大分前になくなったぞ。てかあそこ、塩だけになったんじゃ……あ、醤油復活してるわ」

「鴨のじゃなくて?」

「俺も分からん。結構メニュー入れ替えるしなあ。だが、これは当たりの予感はする」

……秋葉原というと。

「そこって萩風が言ってた店でちかね?スープがどうとか言ってたでち」

「あー、かもな。確か、あそこの醤油は……。ただ、閉店は早いから、顔合わせは昼の方がいいな」

お義父さんがうんうんと頷いたでち。

「うむ、そうしよう。ゴーヤさん、ご両親にも伝えてくれ。詳細は追って隆から伝えさせよう」
881Try7rHwMFw :2018/10/17(水)12:36:26 ID:Zqk
#

「それにしても、皆いい人で安心したでち。ラーメンにあんなにこだわってるとは思わなかったけど」

一通り世間話とうちの家族の話をして、夕方前にお暇したでち。電ちゃんも雷ちゃんも、いい後輩になりそうでち。
しかし、提督があまり家族について話さなかった理由は、ちょっと分かったでち。幕僚長の息子だとか良家の出とか、あまり気にして欲しくなかったのかもでち。

「んー……何でだろうな。物心付いたときにはもう親父にラーメン屋巡りに連れ回されてたからな。
まあ、仕事人間の親父にとってラーメンは数少ない趣味だったからな。酒は嗜むが煙草と賭け事はやらんし」

車は一路横須賀に向かうでち。大分、夜が更けるのも早くなったでちね。

「ところでてーとく。結婚式はどうするでち?やっぱり都内?」

「うーん、考え中。だが、俺もそこまで金が有り余ってるわけじゃねえから、身内と親しい友人だけの小さめの式にしようかと思ってる。来賓挨拶なんて、退屈だろ?
……それに、そういうのはもう1回目でやったからな。ゴーヤがやりたいようにしてくれていいぞ」

「やりたいように、でちか……」

ゴーヤには人間「後藤八重」としての心だけじゃなく、伊58号の魂もあるでち。その艦としての心が、ゴーヤにささやいたでち。


縁が深い、沖縄に行きたいって。
882Try7rHwMFw :2018/10/17(水)12:39:46 ID:Zqk
「……沖縄で結婚式とか、ありでちかねえ」

提督が少し驚いたようにゴーヤを見たでち。

「リゾート婚か?何か意外だな。あまり派手な感じにするとは思ってなかったが」

「うーん、そういうんじゃないでち。ただ、『伊58』が行きたがってるでち」

「なるほどな……確かに沖縄近辺が伊58の主戦場だったからか。それはそれでありかもな。今度、調べてみるか」

「でち」

結婚式は半年後。どんな式になるでちかね……。
883Try7rHwMFw :2018/10/17(水)12:44:20 ID:Zqk
※秋葉原でのイベントの有無を決めます。

コンマ下の!randomで

00 ??????
01~50 何もなし
51~65 追加艦娘1人
66~80 追加艦娘2人
81~100 追加艦娘3人
884【38】 :2018/10/17(水)12:46:31 ID:9cM

885Try7rHwMFw :2018/10/17(水)12:48:34 ID:Zqk
休憩します。
886Try7rHwMFw :2018/10/17(水)21:39:17 ID:Zqk
再開します。
887Try7rHwMFw :2018/10/17(水)22:04:07 ID:Zqk
#

「……色々緊張したでち。美味しかったんだろうけど、ほとんど覚えてないでち……」

顔合わせが終わって店を出ると、提督が苦笑いしたでち。

「俺もだ。お前のご両親とは会ってたからそこはいいんだが、店の雰囲気だな。
5ツ星ホテルの本格中華でフカヒレやら鮑やら、食い慣れてねえからよく分からん」

「お前もそのうち分かるようになる。鎮守府での実績は上々なんだろう?偉くなれば、嫌でも接待でこういう店は増えるさ」

「そんなもんかねえ、親父」

お義父さんがふふっと笑ったでち。

「そんなもんだ。だが、悲しいかなこういうとこじゃ腹は膨れないし、どこか物足りん。……だからこその、旨いラーメンというわけだな」

「口直しなのか?」

「高級中華には高級中華の良さがある。それも慣れれば分かってくる。だが、それだけで人は生きていけんのも事実だ。
天ばかり見ては足を掬われる。地ばかり見ては、先を見失う。両方を見るのが肝要なのだ。なあ、徹郎君」

お義姉さんと電ちゃん、雷ちゃんを連れて、小柄な男の人が出てきたでち。眼鏡をかけてて、いかにも賢そうでち。

「来華に会わなかったら、そのことは分からなかったでしょうね。……さすがに最初に『山』に行った時は仰天しましたが」

「何よ、『山』いいじゃない。ねえ、千恵、真由」

「なのです!あんかけイチゴスパ、美味しいのです!」

「今度は抹茶スパ食べたいわ。お父さん、次名古屋に行くのっていつ?」

ハハハ……と引きつった笑いをお義兄さんが浮かべてるでち。何かあり得ない料理名が聞こえたけど、山に何があるんでちかね。

提督がわざとらしい咳払いをしたでち。

「そろそろゴーヤのご両親が御手洗いから戻るぞ。タクるか?」

「いや、地下鉄としよう。もう1400近いし、空いてるといいが」
888【78】 :2018/10/17(水)22:26:35 ID:lUo
マウンテンじゃねーか!
889Try7rHwMFw :2018/10/17(水)22:29:19 ID:Zqk
#

秋葉原で降りて、浅草橋方面に大体5分。ちょっとした小料理屋っぽいところが、今日の目的地のようでち。
着くとまだ5人ぐらい並んでるでちね。先に食券を買う感じみたいでち。

「皆さん、好きなのを頼んで下さいな。お気遣い無用ですので」

お義母さんに促され、ゴーヤと提督でお店に入ったでち。……ん?

「『限定麺 秋刀魚のつけそば』か……旨いんだろうな……だがここは断腸の思いでっ」

提督がえいっとわざとらしく声をあげたでち。醤油そばは……1200円!?

「高いでち!!塩も1000円とか、おかしくないでちか?」

「と思うだろ?だが、ここの1000円は『むしろ安い』。食えば分かる。醤油は知らんが……まあ多分大丈夫だろ」

秋葉原らしく、店内は外国人のお客も多いでち。観光客向けのぼったくり価格にしか思えないけど……しかしお義母さんがお薦めなら、間違いはないと思うことにしたでち。

「じゃあゴーヤも醤油にするでち。って提督、サイドメニューも頼むでちか?」

「おう。鶏あぶら飯にシュウマイな。おっと大将、あれある?『紫』の時に売ってた醤油」

厨房でてきぱき指示を出してた大将が、おおっと声を出したでち。

「久し振りだねえ。勿論あるよ、1瓶500円ね。というか、醤油そばはそれを使ってる。隣の子は、彼女さんかい?」

「ああ、婚約者。親父とお袋も後から来るよ」

「そうかそうか。今後とも贔屓頼むよ。『鶴醤』はこれね」

小さな小瓶が提督に渡されたでち。これっぽっちで500円、どんな醤油なんでちかね?
890Try7rHwMFw :2018/10/17(水)22:30:55 ID:Zqk
今日はここまで。実食は明日。

>>888
はい、その通りです。
891名無しさん@おーぷん :2018/10/17(水)23:05:43 ID:fZs

892Try7rHwMFw :2018/10/18(木)21:00:44 ID:HPx
再開します。
893Try7rHwMFw :2018/10/18(木)21:11:21 ID:HPx
「隆、あれあった?」

「おう、売ってるとは思ってなかったがな。醤油そばにもこいつを使ってるんだそうだ」

「いいね!これは楽しみになってきたわ!」

「なのです!」

店を一旦出ると、お義姉さん一家が券を買うところだったでち。提督がニヤニヤしてるでち。

「これってそんな凄い醤油なんでちか?」

「おう。小豆島で昔ながらの製法で作られてる奴でな。旨味がすっごいんだ。
普通の冷凍マグロをこいつで食べると、冗談抜きでちょっとした本マグロ赤身ぐらいにはレベルアップする。
刺身醤油として使うなら、こいつ以上はそうないね」

「それをラーメンに使うんでちか」

「おう。昔この店は『紫くろき』って名前で毎週金曜日だけ鴨醤油そばをやってたんだ。
こいつがまた絶品でな。某サイトではラーメンで日本一のスコアを叩き出したぐらいだ。
そこに使われていたのが、この『鶴醤』という醤油だ。
鴨醤油をやめちまって塩メインにするって聞いて結構がっかりしたんだが、形を変えて復活か。こいつは楽しみだわ」

何かよく分からないけど凄い醤油みたいでち。店内の感じはラーメン屋というより小料理屋のそれだったけど、どんなラーメンなんでちかね。
894Try7rHwMFw :2018/10/18(木)21:36:01 ID:HPx
前が団体客だったみたいで、ゴーヤと提督のグループが一斉に入ったでち。

「らっしゃい。小泉さんも久しいね」

「大将もな。麺は細麺で頼む。限定はまた来た時に頂こうか」

麺は細麺と手もみ麺で選べるらしいでち。皆細麺を頼んでるんで、それにならうでち。
少し待つのかと思ったら、まずシュウマイが2つ出されたでち。そう言えば、提督が頼んでたでちね。

……えっ?

「デカいでち!こんなおっきなシュウマイ、見たことないでち」

「お、おおっ……テニスボールのちっさいのぐらいの大きさだな。
上にはしょうがの細切りか。どんなのかと思ったが、こりゃ予想外だな。一個ずつ食うか」

頷くと、醤油を一たらししてかぶりついたでち。

…………うわっ!!

「凄い肉汁でち!!それでいて、肉の噛み応えもしっかりある……これはちょっと食べたことないシュウマイでち!」

「ていうかほぼ肉だな。粗挽きの豚の旨味がすっごいわ……。だがこんな濃い前菜で大丈夫か?」

大将と思われるおじさんが笑ってるでち。

「大丈夫、醤油そばはこいつに全く負けてないから。そろそろ仕上げるよ」

若い店員が、霧吹きのようなものを持っているでち。何かシュッシュッと吹いてるでちね。……何でちかね。
そして、丼を持ち上げたでち。……丼の一部が茶色く汚れてるでち。

店員が疑問に気付いたのか、説明し出したでち。

「ああ、これは汚れではないのでご安心を。非加熱処理の『鶴醤』を吹き付けてあります。
まずこちらの方から器に口を付けてスープを飲んでいただければ」

「面白い趣向だな大将。しかもこの器……」

「流石小泉さん。お判りになりますか」

お義父さんがにやっと笑ってるでち。……器?とにかく食べてみるでち。
確か、最初は器に口を付けて、この醤油がかかった方から飲むんでちたね。

…………

……

「えっ」

皆の動きが止まったでち。
895Try7rHwMFw :2018/10/18(木)21:52:52 ID:HPx
説明ができないでち。美味しい、それは疑いないでち。
でも、上手く言葉にできないでち。ゴーヤが今まで食べた醤油ラーメンの範疇を超えていたからでち。

最初に来たのは、醤油の塩辛さ。そこからすぐに、凄い濃い旨味が襲ってきたでち。
それが一服すると、今度は豚とコクと煮干し、昆布の豊潤な風味。
そして最後に襲ってくるのは……アサリの風味。

次から次へと質の違う旨味と風味がやってきて、それを醤油がしっかりとまとめ上げてるでち。
バラバラじゃなく、ちゃんと一つというか……。物凄い一杯でち。

「美味しいのです!とっても、とっても美味しいのです!!」

「すごいわ!こんな美味しいラーメン、初めて!!それに、これで普通のラーメンなの??」

電ちゃんと雷ちゃんが、沈黙を破ったでち。そう、このラーメン。デフォルトなのに、物凄くたくさんの具が入ってるでち。

まず、特大のチャーシューと焼き豚。柔らかいのと硬いのとで、食感が違う感じでち。
そして極太のメンマが2本。最近の一流店ではメンマを手作りするところが出てきてるけど、産地まで書いてるのは初めて見たでち。福岡の糸島産らしいでちね。
その上に小松菜があって、焦がし葱と九条ネギ……そして、大根?

麺はパツパツでとても歯ごたえがあるでち。蕎麦みたいでちね。そして大根を含むと、スープの旨味を完全に吸ってて美味しいでち。

「いや……紫の時の鴨そばも凄かったが……また凄い一杯を出してきたなあ……これで1200円、か」

「高いと思ったけど、てーとくの言ってたことが分かったでち。これは安いでち」

「だよなあ。普通の店の特製トッピングがデフォルトなんだな。これで特製だとどうなるんだ?」

提督が特製を頼んでいたお義父さんの丼を覗き込んだでち。味玉に雲吞が入ってる感じでちね。

「素晴らしいな。また腕を上げたか。何より、丼からスープを飲むことを前提に作った器。特製じゃないか?」

「小泉さんも流石ですね。ブログにも書いてますが、その通りです」

提督がお義父さんをつついたでち。

「器とラーメン、どういう関係があるんだ?」
896Try7rHwMFw :2018/10/18(木)22:02:19 ID:HPx
「お前、ワインは飲むか?」

「いや、生憎日本酒と焼酎ばかりでね。たまに達磨(オールドパー)を部下とたしなむくらいだ。
ワイン瓶片手に一日中酔っぱらってる馬鹿も部下にいるが、あいつに付き合ってられねえからな。
徹郎兄さんはワイン党だったっけか」

電ちゃんたちのお父さんが頷いたでち。

「ワイングラスは、赤と白で形が違うんだ。それだけ空気に接する面積が変わるからだよ。
それによって、風味も微妙に異なってくる。その微妙な差が決定的差だったりするんだ。
僕はこの店2回目だけど、店主さん。その考えを応用してる?」

「はい。スープの旨味が引き出せるよう、窯元と色々」

「驚きました、そこまで考えているラーメン屋なんて見たことない。
元からラーメン屋だったんですか?」

「和食の板前を。その前は、ある会社でシェフをやってました」

「シェフというより、総料理長とかだった記憶があるが。
まあとにかく、料理についての幅広い知識がないとこの一杯は出せんな」

お義父さんの言葉に、大将が恥ずかしそうに頭をかいたでち。

「ともあれ、ご馳走様。とても美味しかったです」

「本当でち。また提督と来るでち」

ラーメンも極まるとここまで来るんでちね……。いい経験をしたでち。
897Try7rHwMFw :2018/10/18(木)22:10:13 ID:HPx
#

「うーん、美味しかった!!」

「なのです!……でもまだ食べれるのです……」

電ちゃんの言葉に、提督の顔が引きつったでち。

「えっ、まだ食べるの?昼飯食べて、大盛りの醤油そば食べて……さすがにもう食えんぞ?」

「駆逐艦でこんなに食べる子、見たことないでち。夜食べれなくなるでちよ?」

電ちゃんがうーんとうなったでち。

「……腹八分目、でしょうか?」

「姉貴、どういう教育したんだよ……」

ハハハとお義姉さんが苦笑したでち。

「『山』に通わせてたら、こうなっちゃった。艦娘になってさらに食欲旺盛になったわね……」

だから山って何でちか。ゴーヤの一家以外の皆が、何とも言い難い表情になってるでち。

「ま、まあ忘れようか。じゃあ、千恵、真由、引き揚げようか」

※コンマ下、!randomで40以下なら……??
898【59】 :2018/10/18(木)22:10:32 ID:tZU

899Try7rHwMFw :2018/10/18(木)22:23:45 ID:HPx
※二郎には行かない

「うーん、物足りないけどまあいいのです。ゴーヤさん、今度は結婚式で会うのです!!」

「うん、そうね!じゃあまたね!」

大食い姉妹が去っていくでち。提督がほっと胸をなでおろしてるでち。

「さすがにもう一杯は物理的に無理だわ……。おっと、親父」

お義父さんとお義母さんが、ゴーヤたちの前で微笑んでるでち。ゴーヤの両親も一緒でち。

「……いい子を見つけたな。前の翔香君もそうだったが、美味しいものを美味しいと素直に言える子に、悪い子はいない。
それは、ラーメンであろうと何であろうとそうだ。
今度は、末永い結婚生活になることを祈っているぞ」

「死なせやしねえよ。なあ、ゴーヤ」

「……でち。隆さんは、任せてください」

「そう言ってくれると心強いな。だが、まだ戦争は続いている、ゆめゆめ油断することのないようにな」

提督とゴーヤは視線を交わし、強く頷いたでち。

#

次に電ちゃんと雷ちゃんと会った時、二郎に連行されある人と出会ってしまうんでちが……。
それはまた、別の話でち。
900Try7rHwMFw :2018/10/18(木)22:28:57 ID:HPx
第10話はここまで。くろきの大将の経歴はうろ覚えですが、後は大体あんな感じです。
ミシュランの星付きになる日もそう遠くないと思うので、行くならお早めに……。

次回で一応の最終回予定です。ただ、まだ書くことはそれなりにありそうなので多分次スレも立てます。

最終回は特別編で沖縄そばです。店の選択がない代わりに、沖縄観光全般の話になりますがご了承を。
901Try7rHwMFw :2018/10/18(木)22:30:54 ID:HPx
次回はゲスト艦娘だけ選択します。

沖縄をナビゲートする艦娘を2人ほど選びます。
安価下1~5で、!randomが大きい順に。

なお、選ばれた艦娘次第で再判定します。
902【96】 :2018/10/18(木)22:36:52 ID:bOu
鈴谷
903Try7rHwMFw :2018/10/18(木)22:37:00 ID:HPx
なお、沖縄そばは3~4店ぐらい回る感じです。
904【90】 :2018/10/18(木)22:37:03 ID:V5L
川内
905【27】 :2018/10/18(木)22:37:30 ID:dlP
神通
906【0】 :2018/10/18(木)22:38:03 ID:2oS

907【81】 :2018/10/18(木)22:38:37 ID:tZU
矢矧
908【22】 :2018/10/18(木)22:39:05 ID:Ikf
山風
909Try7rHwMFw :2018/10/18(木)22:47:17 ID:IBg
鈴谷と川内ですね。となると……
!randomで決めます。

鈴谷(コンマ下1)
00~60 特段の設定なし(川内と来てる)
61~85 熊野も一緒
86~99 彼氏も一緒
100 実は目的が同じ

川内(コンマ下2)
00~70 特段の設定なし(鈴谷と来てる)
71~90 神通、那珂も一緒
91~99 彼氏も一緒
100 実は目的が同じ

なお、鈴谷と川内はともに18(JK3)のイメージです。
910【86】 :2018/10/18(木)22:47:46 ID:tZU
はい
911【84】 :2018/10/18(木)22:48:02 ID:Uek
どうかな
912【31】 :2018/10/18(木)22:48:02 ID:V5L
そらっ
913【67】 :2018/10/18(木)22:48:07 ID:Ikf

914Try7rHwMFw :2018/10/18(木)22:54:21 ID:IBg
なるほど……那珂ちゃんライブに来た姉二人とカップルですね。しかし結構カップル率多いですねこの鎮守府。

再開は明日です。
915【40】 :2018/10/18(木)23:01:18 ID:S3Y
おつー
916Try7rHwMFw :2018/10/19(金)09:34:33 ID:VJ0
少しだけ進めます。
917Try7rHwMFw :2018/10/19(金)09:56:51 ID:VJ0
「ここが沖縄でちかー」

那覇空港から出ると、ゴーヤがうーんと背伸びをした。
真冬だがそれなりに陽射しは強い。とはいえ肌寒さもあるから、半袖じゃ無理だな。

「ボーッとしてるとレンタカー屋のバスに乗り遅れるぞ?ほれ、荷物は俺が持つから」

「あー、ごめんでち。というかゆいレール乗らないんでちね」

「那覇だけに行くならいいんだがな。今回は式場の下見だ。車じゃないと恩納村にすら行けん」

「そんなもんでちかねえ」

大規模作戦が終わると、うちの鎮守府は数日のオフになる。冬の作戦後のオフを使って、GWにやる結婚式の式場選び……という名目の婚前旅行をしてるわけだ。
とはいえ、結構な強行軍でもある。恩納村で2ヵ所、名護、国頭村と4ヵ所も行かないといけない。那覇も含めれば5ヵ所だ。
あまりのんべんだらりと観光を楽しんでいる余裕なぞないのである。

「そんなもんでち。……那覇で『全鎮守府 那珂ちゃんNO.1決定戦』やるのか。うちのも出てるんかねえ」

「そこのポスターでちか。うちの那珂は、まあないんじゃないでちかねえ。腕っぷしならともかく」

「まあ普通に対潜任務やらせてるしな。上二人が剣道、合気道で元国体少年の部優勝だったっけか」

「でちでち。那珂は柔道だったでちね。一家で武道やってて、しかも全員艦娘というのもレアでち」

俺たちはバスに乗り込んだ。姉妹艦が実の姉妹であることは、他の鎮守府でも割と多い。
うちも千歳と千代田、翔鶴と瑞鶴とかはそうだ。妙高型は、妙高だけ違って後が3姉妹という変わった感じだが。
とはいえ、球磨型や長良型のように全く関係がない連中もいる。川内型は、典型的な前者だ。
918Try7rHwMFw :2018/10/19(金)10:04:41 ID:VJ0
#

レンタカー屋に着くと、そこそこ混んでいた。シーズンオフだけに少ないかと思ったが、格安で沖縄旅行ができるためか、はたまた中国辺りからの客が増えたからか、結構な賑わいだ。

「ちょっと待つみたいだな。腹減ってきたな……」

「でち。さっくりと食べたいでちね。沖縄そばとか」

「沖縄そばか……ふむ」

沖縄に来たのは初めてではない。翔香とは石垣島に行ったこともある。ただ、本島をガッツリ回るのは今回が初めてだ。
ちょっとスマホで調べてみるとするかな……

※コンマ下、!randomで
00~30 通常進行
31~70 あれっ、提督じゃん!
71~95 あれ、提督?
96~100 何やら人だかりができている……
919【53】 :2018/10/19(金)10:10:12 ID:osq
ちょー
920Try7rHwMFw :2018/10/19(金)12:46:37 ID:VJ0
「あれっ、提督じゃん?ちぃーっす!」

後ろから声をかけられた。このテンションは……。

「……鈴谷か?奇遇だな」

「だねー。ゴーヤちゃんも一緒なんだ?ってことはもしかしてアレ?結婚式の下見??」

「御名答。そっちは……」

俺は鈴谷の後ろの男を見た。

00 ?????
01~35 全然知らない一般人(チャラめの大学生)
36~50 憲兵
51~80 整備長
81~100 別鎮守府の提督

※コンマ下、!random
921【90】 :2018/10/19(金)12:53:54 ID:ucg
はい
922Try7rHwMFw :2018/10/19(金)13:15:13 ID:VJ0
再開は多分夕方以降。
923Try7rHwMFw :2018/10/19(金)19:50:49 ID:VJ0
再開します。
924Try7rHwMFw :2018/10/19(金)20:08:35 ID:VJ0
「君はどこかで見たことが……呉の鳴門大尉だったな」

ラフな格好をしているが、あの巨躯に糸目は間違えようがない。鳴門は俺に気付くや否やビッと直立不動になり、敬礼した。

「はっ!小泉中佐殿、お初にお目にかかりますっ!!」

「あーあー、そんな畏まらんでいいわ。その様子だと、うちの鈴谷と」

「はっ!交際させていただいており……あだっ」

鈴谷がジャンプして、鳴門の頭をはたいた。

「堅すぎ。うちの提督はそんなキャラじゃないしー。なるちゃんはもっと頭柔らかく生きようよ、ねぇ」

「む、むむぅ……」

困惑した様子で鳴門が叩かれた頭を撫でた。しかし、妙な取り合わせだな。

「鳴門大尉、聞いたことあるでちね。確か、呉第5鎮守府の。演習でやったこともあるでち」

「そそ、若い割に優秀って評判の。しっかし、どうやって付き合ったんだ?別に邪魔をするつもりじゃねえが」

へへーっと鈴谷がデレッとした笑いを浮かべた。

「実は鈴谷、なるちゃんとは幼馴染みなんだー。いいっしょ」

「幼馴染みって、ちょい歳離れてないか?近所のお兄さん的な?」

「そーだよ。数年会ってなかったけど、演習で再開してさ~。で、燃え上がっちゃったわけ。ねー、なるちゃん」

強面の鳴門が顔を真っ赤にして「むむむ……」と唸っている。こりゃ押しに負けたな。
それにしても、ちゃん付けがこれほど似合わない奴もそうおらんな。鎮守府では厳格な提督で通っていると聞いたから、もしこのことが彼の鎮守府に知れたらちょっとした騒動だろう。

「で、長期休暇を使って沖縄か。沖縄は詳しいのか?」

「もち!なるちゃんのお母さんが沖縄の人でさ、それでナビはなるちゃんに任せよっかなって思ってるわけ。どうよ」

俺はゴーヤと顔を見合わせた。
925Try7rHwMFw :2018/10/19(金)20:12:34 ID:VJ0
「てーとく、鳴門大尉に訊けば、美味しいとこ知ってるかもでち」

「ふむ、そうだな……。鈴谷、これからどこに行くつもりだ?」

1 とりあえず那覇かなー。
2 恩納村だよー。
3 名護から美ら海だよー。

※安価下5多数決
926【19】 :2018/10/19(金)20:13:54 ID:LZV

927【31】 :2018/10/19(金)20:18:29 ID:TGm
3で
928【68】 :2018/10/19(金)20:19:44 ID:Mfp
3
929【77】 :2018/10/19(金)20:19:45 ID:AnZ
2
930名無しさん@おーぷん :2018/10/19(金)20:20:22 ID:ucg
3
931Try7rHwMFw :2018/10/19(金)20:33:16 ID:VJ0
「名護から美ら海だよー。途中どっかで食べよっかなって」

うーん、全く土地勘がない。

「すまん、行く途中に旨い沖縄そばの店はあるか?一応、一泊目は名護なんで元々美ら海行きは考えてたんだが」

「なるちゃん、知ってる?」

ふむ、と鳴門が腕を組んだ。

「美ら海から少し離れますが『きしもと食堂八重岳店』が良いかと。観光客も多いですが、地元客も多いですよ」

「さっすがなるちゃん!!じゃ、今からいこ?」

「……むぅ、小泉中佐の邪魔をするのもな……」

「いいじゃんいいじゃん!賑やかな方が楽しいっしょ!あ、名前呼ばれたよ?」

また後でねーと鈴谷が一旦去っていった。

「何か妙なことになったでちね。どうするでち?」

「んー、まあダブルデートってことでいいだろ。さすがに式場の下見にはついてこないだろうし」

「うーん、そうだといいんでちけどねえ……」
932Try7rHwMFw :2018/10/19(金)20:33:57 ID:VJ0




第11.1話 きしもと食堂八重岳店
933Try7rHwMFw :2018/10/19(金)20:36:53 ID:VJ0
ちょっと休憩。こんな感じで行き先でお店を変えます。
残り候補は那覇で2店、名護→国頭で1店の予定になります(全て回るかは不明)。
934名無しさん@おーぷん :2018/10/19(金)21:40:29 ID:iqg
龍虎軒、一光軒、田の久の最高のラーメンが食べれる唐津は至高
935#edcbabcd :2018/10/19(金)22:07:21 ID:cLs
>>934
大牟田とかは分かりますが、唐津は分からないですね……。ごめんなさい。
地方にはまだまだ知らない名店がありますね。今度行く機会があれば行ってみます。
936C9vIqtyVF2 :2018/10/19(金)22:09:08 ID:VJ0
おおっと……やらかしました。
酉変えます。ごめんなさい。
937C9vIqtyVF2 :2018/10/20(土)14:55:21 ID:Ybb
再開します。
938C9vIqtyVF2 :2018/10/20(土)15:21:52 ID:Ybb
#

借りたレンタカーはホンダのシビックだった。本来はフィットだったんだが、オフシーズンということで無料アップグレードしてくれたらしい。
前に鈴谷たちの車を見ながら、一路名護へと走らせる。降りたら直接美ら海に行くのではなく、一度逆方面に向かうのだという。そこに、目当ての店があるというわけだ。

「てーとく、沖縄そばってラーメンとは違うんでち?」

「俺も詳しくはないが、結構違うぞ。まず麺は中華麺のようで中華麺じゃない。うどんに近いな。
中華麺のように鹹水を使うとこもあるらしいが、基本は薪を燃やした後の灰汁を使う」

「灰汁でちか?それで何か変わるんでちかね?」

俺はうーんと唸った。

「うーん、俺にはよく分からん。むしろ茹でた後に油をまぶして、水で締めない方に特徴があるかもな。だからかしらんが、食感が大分違う。ボソボソっとした感じになるわけだな。
あとスープ。基本は豚と鰹節だが、やっぱ鰹が強い感じがあるな。ラーメンとうどんの中間に位置する、という意味じゃ、大陸と日本の中間にあった琉球のDNAを引いてるのかもな。
まあ、沖縄そばの誕生は20世紀らしいから俺の邪推に過ぎないが」

「意外と歴史が浅い食べ物なんでちね」

「ラーメンだってそうだ。いわゆる『日式』ラーメンなんて、まだ誕生から70年ちょいでしかないからな」

いつの間にか高速は終点だ。カーナビによると、こっからが長いらしい。
939C9vIqtyVF2 :2018/10/20(土)15:47:00 ID:Ybb
下道に降りると、前の鈴谷たちの車は海岸沿いではなく山に入るルートに入った。
家はまばらだが、どうも「森カフェ」というカフェがいくつかあるらしい。興味はあるが、今回の目的地はそこではない。
本格的に森の中に入るのか、と思ったところで鈴谷たちが県道沿いの店に入った。ここか。見た目は木造の食堂っぽいな。

「結構賑わってるでちね。並んではないみたいだけど」

駐車場に車を泊めると、鈴谷が手を振って待っていた。

「おーい、こっちこっち~。なんかジモティーが行くみたいで、イケてるじゃん?」

「実際にそうだからな。本店は観光客向けのとこがあるが、こっちはそこまででもない。といっても、観光客はやっぱり多いが」

鳴門の言う通り、駐車場の車の半分は「わ」ナンバーだ。

「すまんな。で、何か注意事項はあるか?」

「必ず『大』以上で頼んでください。『特大』で大盛りなんで。『小』だとほんの少ししか出ません。後はお好みですが、看板の『岸本そば』が無難でしょう」

「どう違うんだ?」

「三枚肉2枚が乗ってます。後は蒲鉾。私は『ジューシィ』も付けますが」

ゴーヤが怪訝な顔をした。

「何でちかそれ」

「沖縄風炊き込みご飯、といったところですよ。さあ、入りましょうか」

店内はまさに大衆食堂らしい風情だ。中国人観光客もそこそこ多いな。やはり人気店ということか。一角には有名人のサインがずらっと飾られている。

鳴門にならい、俺たちも同じものを頼むことにした。券売機でまとめ買いができるのはあまり見ないが、なかなか面白いもんだ。
940C9vIqtyVF2 :2018/10/20(土)16:10:59 ID:Ybb
待つこと数分。鰹の香りが立ったスープが入った丼がやって来た。隣の茶碗には、茶色い炊き込みご飯に青ネギが乗っている。
鈴谷が目を輝かせてスマホを取り出した。

「これが本場の沖縄そばかー。美味しそうじゃん?あ、インスタ用に撮っとかないと」

「……写真に凝るのはいいが、麺が伸びるぞ」

「あー、なるちゃんゴメン。じゃ、食べよっか」

麺を上げるとうどんのような太麺だ。平打ちっぽいな。啜ると、思いの外歯応えがある。だが腰があるというよりは途中でぱっさりと切れ、それがスープに絡む感じだ。

「あ、なんか優しい味でちね。安心できるというか……鰹がしっかり効いてて、それを動物系のコクが支えてるというか。飽きが来ない感じでち」

「うんうん、それとこのお肉。しっかり味が染みてて、柔らかくっていいね~。脂身も甘くてイケてる。さっすがなるちゃん!」

「褒めても何も出んぞ。まあ、ここは沖縄そばの最老舗だからな。創業110年以上らしい。安定感という点では、この店以上はそうないはずだ」

静かに鳴門が言う。沖縄そばの歴史がそこまで古いとはさすがにしらなんだ。

ジューシィを口にすると、こちらも色ほどには味が強くない。これをそばのスープで流し込むと、ちょうどいい案配だ。
大とはいえ、物の数分で全員が完飲してしまった。

「ん、旨かった。しかし特大でも良かったな」

「でち。これから色々やることあるでち。美ら海に行って、ホテルにチェックインして、下見して、ディナー食べて……たくさん食べた方が、体力的によかったかも」

「ま、しゃあない。じゃあ、美ら海に行くか」
941C9vIqtyVF2 :2018/10/20(土)16:18:52 ID:Ybb
※コンマ下、!random

00 ?????
01~60 通常進行
61~85 鈴谷たちと同じホテル
86~98 上&川内一行と同じホテル
99、100 過去登場キャラがいる(安価指定)
942【56】 :2018/10/20(土)16:30:50 ID:TXd

943【12】 :2018/10/20(土)16:31:48 ID:tSe

944【5】 :2018/10/20(土)16:33:01 ID:fK6
はい
945C9vIqtyVF2 :2018/10/20(土)16:43:22 ID:Ybb
中断します。
946C9vIqtyVF2 :2018/10/20(土)21:19:36 ID:j9q
再開します。
947C9vIqtyVF2 :2018/10/20(土)21:49:22 ID:j9q
#

「なかなか楽しかったでちね。ジンベイザメ、おっきかったでち」

「だなあ。イルカショーはそれなりだったが、あのジンベイザメだけでも行った価値はあったわ。
お茶飲みながら目の前をジンベイザメが通過していくのは、迫力があったわ」

ゴーヤは満足そうだ。車は名護市街を抜け、恩納村方面に向かっている。

「しかし鈴谷たちも金持ってるなあ。マリオットに泊まるか……JKには過ぎたとこだろ」

「でもお金は鳴門大尉持ちでち?それなりにお金持ってるんじゃ……」

「提督業は実績主義だからな。まあ優秀ならそれなりに俸給は出る。
にしても結構奮発したと思うぞ?そんだけ本気ってことなのかもだが」

うーんとゴーヤが唸った。

「結婚まで考えてるんでちかね?鈴谷って、結構遊んでるイメージがあるでち」

「いやあ、ありゃ結構一途だぞ。普段は確かに遊んでるが、男は多分鳴門だけだな。
ちゃんと避妊しろと鳴門に言った時、真顔で『当然です』とか返されたしな。まあ、大丈夫だろ」

「そうなると、結構カップル多くなるんでちね。ゴーヤたちが言えた立場じゃないけど」

「そうさな。艦娘は兵器じゃなく、ただの女の子だという立場なら、それがむしろ自然なはずだ。
まあ妊娠・出産となるとまた考えなきゃいかんが。流行りの『働き方改革』って奴が必要になるかもな。
……っと着いたぞ。ここが今日のホテルだ」

「ザ・ブセナテラス」。沖縄を代表する高級リゾートだ。

「聞いたことあるでち。サミットもここで開かれたらしいでちね」

「そそ。とはいっても、ハイクラスの部屋じゃなきゃそこそこの値段で泊まれたりするんだがな」

ロビーでチェックインの手続きをしていると、ウェルカムドリンクが準備されていた。
結構濃いめのパイナップルジュース?……いや、ノンアルコールカクテルかな。

「ん?あれは何でち?」
948C9vIqtyVF2 :2018/10/20(土)21:52:53 ID:j9q
ロビーを見ると、ウェディングドレスを着た女性が待っていた。荘厳な音楽が流れる。

「あー、こんな感じなのか……。うーん」

「ここってチャペルないんでち?」

「みたいだな。こうやってロビーの一角を使って人前式っぽい感じにするのか……。
人に見られるのをどう思うかだな。ゴーヤはどうよ」

「うーん、ちょっと遠慮したいでちね。豪華でお料理もお部屋も多分いいんだと思うけど……」

さっそくここは候補から外れてしまった。まあ、今日は高級リゾートの気分を楽しませてもらうか。

※コンマ下、!random
00 ?????
01~20 通常進行
21~90 あれっ、提督じゃん?
91~100 過去登場艦娘再登場(再安価)
949【15】 :2018/10/20(土)21:58:42 ID:UXG
はい
950C9vIqtyVF2 :2018/10/20(土)22:09:26 ID:j9q
#

その日は結局ごく普通に一夜を過ごした。晩飯の中華も、まあそれなりってとこだった。
隣の部屋との壁が少し薄いのか、ゴーヤの声を押し殺して致さなければいけなかったのが難だったが……まあ、それはそれで。

「で、今日はどうするんでち?」

チェックアウトを済ませ、車に乗る。まあ選択肢は色々あるが……。

1 恩納村に行くか。季節外れのシュノーケリングも悪くない
2 国頭村に行くか。秘境らしいぞ
3 一旦那覇に戻るか。軽く土産でも買おう

※安価下5多数決
951名無しさん@おーぷん :2018/10/20(土)22:10:22 ID:DR6
2
952名無しさん@おーぷん :2018/10/20(土)22:12:13 ID:h2R
2
953【75】 :2018/10/20(土)22:29:40 ID:TXd
2
954C9vIqtyVF2 :2018/10/20(土)22:29:51 ID:tO9
上げます。
955【16】 :2018/10/20(土)22:34:22 ID:YyO
2
956C9vIqtyVF2 :2018/10/20(土)22:49:47 ID:j9q
「国頭村に行くか。一応、下見予定のホテルあるし。あ、一応言うがコート羽織った方がいいらしいぞ?」

「えっ、沖縄でちよ?そりゃ、真冬だからちょっと寒いけど……」

「いや、鳴門から聞いたんだが『あそこは別』だって。辺戸岬までここからだと2時間弱ぐらいだが……昼飯どうすっかなあ」

「そんなにかかるんでちか?今が0900ちょっと前だから、確かにお昼ちょっと前になっちゃうでちね。
向こうで食べる所があればいいけど、何かなさそうな予感でち」

俺はエンジンをアイドリング状態にしたまま、少しスマホをいじってみた。
うーん、やっぱり秘境らしくそもそもの情報が乏しい。はてさて。

1 ホテルで下見ついでに食べよう。どうせ泊まるのは恩納村だし
2 超強行軍で沖縄そば食べるぞ、1400ぐらいになるが、まあ何とかなるだろ

※安価下3多数決
957【60】 :2018/10/20(土)22:59:07 ID:wo5
2
958名無しさん@おーぷん :2018/10/20(土)23:01:49 ID:h2R
1
959【10】 :2018/10/20(土)23:02:49 ID:TXd
2
960C9vIqtyVF2 :2018/10/20(土)23:06:19 ID:j9q



第11.2話 なかやま家
961C9vIqtyVF2 :2018/10/20(土)23:08:37 ID:j9q
今日はここまで。ルートとしては多分結構強引な感じですが……辺戸岬スキップすれば行けなくはないですかね。
962【8】 :2018/10/20(土)23:11:52 ID:YyO
おつー
963C9vIqtyVF2 :2018/10/21(日)09:46:04 ID:U0f
再開します。
964C9vIqtyVF2 :2018/10/21(日)09:53:36 ID:U0f
どうにも国頭村で飯というのはあまり現実的ではなさそうだ。
ドカ盛りの店がいくつかあるらしいが……そういう気分でもないしなあ。

となると、無難に沖縄そばか。ここからだと、一応行く途中から少しルートを逸れれば評判の所があるようだ。
だが、行くとすれば帰りか。……強行軍になるが、しゃあないな。

「帰りに沖縄そば食う感じでいいか?一応旨そうなのが見つかった。
ただ、1400ぐらいになっちまうかもしれないが……」

「いいでち。朝ビュッフェでたくさん食べたし」

「了解。まずホテルに行ってから様子を見て辺戸岬だな」

「辺戸岬?」

「沖縄最北端だそうだ。ほれ、こんな感じ」

スマホで写真を見せると、ゴーヤがへぇと声をあげた。

「何か、刑事ドラマの最後に出てきそうなとこでちね。犯人が罪を告白するみたいな」

「沖縄はこういうとこ結構あるけどな。万座毛とかもそんな感じらしいし」

「とりあえず行ってみるでち!」
965C9vIqtyVF2 :2018/10/21(日)10:11:30 ID:U0f
#

ホテルまでの道のりはごく普通の感じだった。それにしても、車が少ないな。
確か沖縄本島北部は大体が米軍の演習地らしいから、あんま観光客もこないのかもしれないが。

ホテルは「オクマプライベートビーチ&リゾート」。ほぼ全室がコテージだから、客がゆっくりするにはいいと候補に入れたのだ。
チャペルもちゃんとあって、ビーチが近いらしい。

「……しかし、本当に寒いでちね」

ゴーヤは車から降りると急に震え出した。海からの風が本当に冷たい。
俺はコートを取り出し、ゴーヤに渡す。

「全くだな。鳴門の言う通りだったか」

俺たちは震えながらチャペル方面に向かった。見た目はいい感じだ。
チャペルから花道のようなものがあり、それはビーチへと続いている。その終わりの辺りに鐘がある。
クライマックスではこれを鳴らして愛を誓う、というわけだな。

問題は。

「さむっ!!」

「というか風強いでち!この海、日本海じゃないでちか??」

そう、風の直撃を受ける所に花道があったわけだ。もちろん、冬だからというのもあるが……天気次第では結構きついな。

「うーん、ちょっと予想外だな。天気が良ければいい感じなんだろうけどな」

※コンマ下、!randomが75以上で?
966【87】 :2018/10/21(日)10:13:03 ID:yYI

967C9vIqtyVF2 :2018/10/21(日)10:15:13 ID:U0f
ふと横を見ると……ん??
どっかで見た奴が……

※コンマ下、!random
00~65 川内たち
66~95 鈴谷と鳴門
96~100 安価再指定
968【29】 :2018/10/21(日)10:16:27 ID:8KM
高く
969C9vIqtyVF2 :2018/10/21(日)10:43:05 ID:U0f
「へっくち!!何で那珂ちゃんがこんなことに……」

「ここ沖縄じゃないのぉ?完璧に北国じゃん……」

あそこにいるのは川内と那珂だな。沖縄に来てるとは聞いてたが、那覇にいるんじゃないのか?
そもそも何で空手着を着てるんだか。

「姉さんに那珂ちゃん、ホットコーヒー持ってきましたよ。……あら、提督??」

神通が俺たちに気付いたようだ。やっぱり空手着だ。俺は軽く手を振る。

「奇遇だな。しかし、何でこんなとこに?しかもこんな格好で」

「『全鎮守府 那珂ちゃんNO.1決定戦』はご存知でしょう?その前の修行地として、ここを」

「修行ってなんだよ修行って。やるのは歌と踊りだろ?戦闘能力も確かに問われるらしいが……」

神通がむっとした表情になる。

「艦娘にとって重要なのは、何より戦闘能力です。それを磨くことに、何か問題が?」

「だからと言って沖縄に来てまでやる必要は……」

「沖縄でなければならないのです!空手は琉球王国の『ティー』が発祥。
であるならば、本場の技を知ることこそ強くなる秘訣なのです」

ゴーヤが呆れたように首を振った。

「相変わらずの戦闘狂でち。そもそも合気道メインの神通が、何で空手を……」

「合気も空手の影響を受けてますからね。ほら、2人とも稽古に戻りますよ?
ここはトレーニング施設も充実してますからね、行きますよ?」

「やだぁ~!もっと歌の練習したい~!」

「てか何で私まで??神通、休憩しようよー」

2人を引きずろうとする神通から、「ぐぅ~」という音が聞こえた。

「む、少しお腹がすきましたね。じゃあ次の組手で休憩としましょうか。
お昼はプロテインバーと鶏のささ身ですよ」

「いやいや、やり過ぎだろ……そんなもん食わされてたらストレス溜まってしょうがなくね?
ちょっと昼には早いが、俺がどっか連れてってやろうか」
970C9vIqtyVF2 :2018/10/21(日)10:45:25 ID:U0f
ちょっと休憩。
971名無しさん@おーぷん :2018/10/21(日)18:01:49 ID:4Qi
塩ラーメンは堺の石津町にあるとんりゅうも美味しい

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【安価】「提督!ラーメン食べに行くでち!」
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