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殺人者コナン

1名無しさん@おーぷん:2018/09/09(日)23:17:47 ID:6lY()
SS速報スレからの引っ越しです。

注意事項をいくつか。

・全編地の文で進行します。コンマ、および安価は物語の特定箇所で発生しますが、頻度は非常に少ないです。
安価・コンマスレというより分岐型ノベルと思っていただければ幸いです。

・タイトルにコナンとありますが二次創作「ではありません」。作中に「名探偵コナン」は出ますが、あくまで作中世界に同作品が存在するというだけのことです。
とはいえ、本作のストーリーに全く名探偵コナンが絡まないわけではありません。どう絡むかは本作をお読みください。

・全編ほぼシリアスです。ある種の残虐シーンやR15程度のベッドシーンが存在しますのでご注意ください。

・ミステリ要素が多分に存在します。雑談・感想など歓迎です。
 
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132名無しさん@おーぷん :2018/09/16(日)23:26:56 ID:9NM
「ふむ」と赤木警部が唸った。

「しかし、関係性が弱いな。鶴岡との繋がりは?」

「鶴岡の自宅があるとされる志木は、金路栞の地盤です。鶴岡一家のパトロンであるのは、隠そうともしてない。
総合して考えると、アゲハ嬢から話を聞くのが最速っすね」

「なるほど。じゃあ、彼女との接触を最優先だな」

赤木警部の言葉を受け、木暮管理官が続けた。

「そうなるな。そこで3つに分かれたい。まず、桜岡中近辺での張り込み、聞き込み。ただ、色々うるさい学校とも聞いている。行動には注意だな。
もう一つは金路栞の自宅周辺。彼女は現役の衆議院議員だ、ヤサは大体分かる。
最後は、一応念のためだが学園大付属だな。こっちは押さえということだ」

……
133名無しさん@おーぷん :2018/09/16(日)23:28:02 ID:9NM
※安価選択です。

1 桜岡に行く
2 自宅に行く
3 学園大付属に行く

※コンマ判定はほぼありません。どれを選んでも大勢に影響はありませんが、会う人物が異なります。

※安価下1~3の多数決です。
134【53】 :2018/09/16(日)23:30:26 ID:O4L
3
135【87】 :2018/09/16(日)23:31:17 ID:JWs

136名無しさん@おーぷん :2018/09/17(月)00:00:22 ID:juX
上げます。
137名無しさん@おーぷん :2018/09/17(月)00:08:59 ID:CDZ

138名無しさん@おーぷん :2018/09/17(月)00:14:48 ID:juX
失礼しました。ここも速報同様ID変わるんでしたっけ?
変わるなら137のみ有効として再投票にします。不手際、申し訳ありません。
 
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139【63】 :2018/09/17(月)00:24:00 ID:iuN
改めて2
140名無しさん@おーぷん :2018/09/17(月)00:37:20 ID:juX
上げます。
141名無しさん@おーぷん :2018/09/17(月)07:37:05 ID:uzT
もう一度上げます。
142【79】 :2018/09/17(月)08:34:47 ID:6Sz
3
143名無しさん@おーぷん :2018/09/17(月)09:03:27 ID:uzT
3で決定します。今週中には上げます。
144名無しさん@おーぷん :2018/09/17(月)21:25:15 ID:AFt
再開します。
145名無しさん@おーぷん :2018/09/17(月)21:38:52 ID:AFt
金路アゲハを追いたい気持ちはある。あれは間違いなく、鶴岡のジムにやってきた女の子だ。
だが、残りの2人が誰かはまだ分からない。彼らが何者か分かるのは、俺と赤木警部だけだ。

俺はその考えを木暮管理官に告げた。

「確かにその通りだ。なら毛利君には学園大付属中へ、赤木君には開明中へ行ってもらおう。
青葉君には桜岡中、安川君は金路栞の自宅だな。白島君は、私とちょっと来てくれ」

「私が、ですか」

無表情で呟いた白島に、木暮管理官は頷いた。

「君にはあることをしてもらいたい。頼まれてくれ」

「ちょっと待ってくださいよ。白島に何を?そいつは若葉派ですよ??」

赤木警部が語気を強めた。木暮管理官は静かに笑う。

「そのうちに分かる。決して君たちの損になることはない。
まだ明かせないのはそれなりの理由があるからだ。少し戸惑いもあるだろうが、我慢してくれ」

隠し事をする性質でない木暮管理官にしては珍しい。何故白島を?
だが、それを詮索するよりまず目先の任務だ。
俺は「はい」と短く答えた。
146名無しさん@おーぷん :2018/09/17(月)21:57:02 ID:AFt
#

学園大付属は中高一貫の国立の学校だ。自由な校風で知られており、制服などはない。
皆思い思いの服で登下校しているが、大体はそれなりなのは面白い。

俺は通行人のふりをして、下校する薬師丸英華を待つ。ネットで調べた限りだが、少し色黒だが活発そうな笑顔が印象的な子だ。
金路アゲハとは、ある意味対照的な印象だ。さすがに彼女が「勉強会」の一員ということはないだろうが、何かきっかけはあるかもしれない。

直観だが、そんな気がした。

※コンマ判定です。コンマ下の!randamが90以上で城隆一郎(ジョー)と一緒に下校
147【97】 :2018/09/17(月)22:02:01 ID:iuN
はい
148名無しさん@おーぷん :2018/09/17(月)22:18:46 ID:AFt
※ジョーと接触

待つこと20分。ラフなパンツとTシャツに半袖を合わせた少女が校門から出てきた。確か、あれが薬師丸英華だ。
そして、その後ろには……

「あれだ」

鶴岡ジムに入っていった一人だ。地味で目立たない印象だったが、辛うじて思い出せた。
これは僥倖かもしれない。俺は早足で彼らに近付いた。

「ちょっとごめん。少しいいかな?」

きょとんと少女は俺を見る。あまり人を疑うことを知らない目だ。

「えっ、どうしたんですか急に」

俺は懐から警察手帳を見せた。明らかに、後ろの少年の顔が引きつったのが分かった。

「埼玉県警捜査一課の毛利といいます。君たち……というより、後ろの子に少し用事があるんだけど、ちょっと時間いいかな?」

「えっ、警察……?それも捜査一課って、殺人とか捜査するところですよね。どうしてオレ……じゃなかった、私たちに?」

驚いたように少女が後ろを振り返る。

「ジョー、何か心当たりあるの?」

「い、いや、別に……。人違いじゃないですか」

俺は軽く息をついた。少年が嘘をついているのは明白だ。

「鶴岡和人、金路アゲハ。知らないとは言わせないよ。
ああ、もちろん君を疑っているわけじゃない。君が彼らと友人であるのを知っているというだけだから」

「そんな有名人。人違いじゃないですか」

「あるいは。だが、職業柄、人の顔の覚えはいい方なんだ。駅に落ち着いた喫茶店を見つけたから、そこで話そうか」

ジョーと呼ばれた少年は、俺をじっと見たまま固まっている。
この子が犯人である可能性は、多分ない。ただ、後ろ暗い所がある人間特有の表情ではある。
ここで彼が断わっても、話に乗っても、彼がキーマンであるのはほぼ間違いないと言えた。

※コンマ判定です。コンマ下の!randamが75以上でジョーに聞き込み可能
149【65】 :2018/09/17(月)22:23:19 ID:aHW

150名無しさん@おーぷん :2018/09/17(月)22:38:24 ID:AFt
※聞き込み失敗

「いえ、多分誰かと間違えてるんです。行こう、ヤク」

「う、うん……」

少年は足早に去って行った。思いの外口は堅いようだ。だが、彼を追う方針はこれで固まった。
何度かここに足を運ぶことになりそうだ。問題は、彼が何を隠しているのか、だ。

#

俺はメッセージで今のやり取りを3係全員に共有した。1分後赤木警部から電話がかかってきた。

『よう仁!でかいの捕まえたな』

「初見は逃げられましたけどね。ただ、あの分なら多分口は近いうちに割りますよ。
本名は不明でしたが、薬師丸英華とは親しい関係のようでした。
恋人とかそういうのではないにせよ、彼女から彼の話は多分聞けるでしょう」

『そうだな。ていうか、どうにもこっちは見つからなくてなあ。
あの地味なのがジョーってのなら、ジャニーズ系の美形が最後の一人だ。
だが、そんなのはちっともいやしねえ。いかにも勉強ばっかりやってますというような奴ばっかだぜ、ここは。
ああいうのがいれば、速攻で見付かるはずなんだがね』

「学校が違うとか、そういう話かもしれないですが」

『かもな。金路アゲハとジョーってのは、ヤスの読み通り超一流中だったが、
最後の奴は違うって線はあるかもな。……っと、青から連絡だ』

俺のスマホにも表示が出た。

「学校のガードが堅すぎる上、校内のロータリーに入る高級車が多過ぎる。
あれで登下校の送り迎えをされていたら捕まえるのは至難」

『青にしちゃ珍しく淡々としてるな。相当きついのかね』

「でしょうね。青さんでもこれとなると、思いのほかアゲハ嬢を捕まえるのはきつそうだ」

『だな。あるいは、しばらくそっちが本線になるかもしれんな。
何にしろ、交友関係が見えてきたのは朗報ちゃ朗報だ』

俺は「ええ」と相槌を打ったが、何かが妙に引っかかっていた。

何故ジョーと呼ばれた少年は、俺に怯えた表情をしていたのだろう?
後ろめたさを感じる理由が何かしらあると、俺の直感は教えていた。
151名無しさん@おーぷん :2018/09/17(月)22:40:59 ID:AFt
次回、予定を変更してジョーパートです。
152【79】 :2018/09/17(月)22:41:57 ID:aHW
おっつ
153【80】 :2018/09/17(月)22:43:50 ID:iuN

154名無しさん@おーぷん :2018/09/19(水)00:02:49 ID:XzT
更新します。安価やコンマはありません。
155名無しさん@おーぷん :2018/09/19(水)00:03:25 ID:XzT
【6月6日】


夕方、今はもう使われなくなった、工場の3階。「奴」は、僕に背を向けて立っていた。
その時何を言われたかは、ちゃんとは覚えてない。ただ、絶対に許せないことを言われたのは覚えている。

「奴」が振り返り、下卑た笑いを浮かべる。僕の頭に、一生分の血が昇った。


ガンッ


強い手応えと、何かが外れたような音。宙に向かって仰向けに倒れ込む「奴」。
そして何かを掴むように、滑稽に手足をばたつかせた。ゆっくりと、スローモーションのように「奴」は遠ざかり……


グシャ


頭は地面に叩き付けられ、割れた。


「奴」の顔は、黒塗りになってて思い出せない。だけど。

あの時の手応えだけは、今もこうして手に残ってるんだ。
156名無しさん@おーぷん :2018/09/19(水)00:04:15 ID:XzT
#

「はっ!?」

僕は強い不安に刈られ、目を覚ました。身体中から、脂汗が滲み出ている。

時計を見た。午前4時56分。起きるには、まだ早い時間だ。
僕は再び眠りにつこうと、目を固く閉じた。


……でも、心臓の音がうるさくて、眠れない。昨日もそうだ。また、あの時の夢を見てしまった。


原因は分かってる。あの刑事が、僕の前に現れたからだ。

#

昨日は裏門から出た。もう、あの刑事と会いたくなかったからだ。
ヤクはとても心配してたみたいだけど、本当のことなんて、あいつに言えるわけがない。


僕が、2人も殺した殺人者だなんて、言えるわけないじゃないか。


とりあえず、昨日はそれで済んだ。でも、またあの刑事に会ったら?僕の過去を暴こうとしてきたら?

僕は、机の鍵付きの引き出しに厳重にしまってあるあの薬のことを思い出した。あれを使えば……

僕は強く首を振って、その恐ろしい考えを打ち消した。馬鹿な、逃げ切れるわけがない。
大丈夫だ、こうなった時のことも、翔一は教えてくれたじゃないか。そもそも、彼らが僕らの繋がりを知っても、表面的なら大丈夫のはずだ。
第一、「アイスキャンディ」は合法なんだ。これで捕まったり、僕の過去が暴かれるなんてことはない。多分。


むしろ、僕らを狙っている誰かの方が、ずっと問題なんだ。警察は敵じゃない。そうだ、そうじゃないか。

悶々としているうちに、夜は白み始めていた。
157名無しさん@おーぷん :2018/09/19(水)00:04:57 ID:XzT
#

「ジョー。謝らなきゃいけないことがあるんだ」

珍しくしょんぼりとした感じでヤクが言う。

「……刑事さんのこと?」

「そう。昨日も来てたから、ジョーの名前、教えちゃった。オレ、ジョーのこと信じたいし……本当に、何もないんだよね?」

少し上目遣いで、ヤクが訊いてきた。……凄く心が痛む。僕は、お前の考えてるような人間じゃないんだ。

でも、僕は全力の作り笑顔で答えた。

「もちろん。ただの刑事さんの勘違いだよ。今日会うかもしれないけど、ちゃんと言ってくる。信じてもらえるさ」

「……ならいいけど」

ヤクの目に微かな不安の色が見えた。勘が鋭い彼女だ、薄々何かおかしいとは気付いてるんだろう。

でも、僕は嘘をつき続かなきゃいけない。僕と、僕の家族と、ヤクのために。

一限の授業が始まった。僕は束の間、刑事についてのことを意識の外に置くよう努力した。
それは結局、無駄な努力だったんだけど。
158名無しさん@おーぷん :2018/09/19(水)00:05:37 ID:XzT
#

「城隆一郎君だね」

校門を出ると、早速一昨日の刑事がいた。横には、いかにも刑事ドラマに出そうな中年男がいる。

「赤さん、彼で間違いは?」

「ねぇな。……俺たちは別に、お前さんを犯人だとか言ってるわけじゃない。昨日の子が随分熱心に語ってくれたよ。
俺たちが聞きたいのは、お前さんの人間関係、特に亡くなった鬼束直哉と練川瑠偉の話だ。
……ここで立ち話もなんだ、駅前に喫茶店がある。そっちに行こう。ああ、俺は埼玉県警捜査一課の赤木航警部だ。毛利の上司に当たる」

僕は小さく頷いた。ここでしらを切り通すのは、どう考えても無理な話だった。

#

「さて……と。俺はホットコーヒー。仁は?」

「同じく、グァテマラがあればそれで。君はコーヒーはまだ早いかな」

「……それで」

初老の店員が、静かに去っていった。

「……さて。まず、改めて聞きたい。君と鶴岡和人、そして金路アゲハは友人関係にある。そうだね」

若い、がっちりとした体格の男が訊いてきた。
僕は出されたコーヒーを、一口飲む。無理してブラックで飲んだからか、ちょっとむせた。

「……友人というほどでは。ただの知人です」

「そうか。しかし君も『勉強会』の一員だと思っていたが?」
159名無しさん@おーぷん :2018/09/19(水)00:06:36 ID:XzT
僕は一瞬、目を見開いた。そこまで知ってるなんて。
男の声は穏やかだが、しかし低い。有無を言わせぬ圧力がある。これは確信を持っている。ブラフじゃない。
……でもどこまで知ってるんだろう?僕は言葉をできるだけ慎重に選んで、答えた。

「……はい。その通りです。主な難関校の、最上位の生徒が自主的に集まって勉強会を開いてるんです。
彼らとは、模試の上位者ってことで名前は知ってました。興味本意で集まって、もう半年以上になります」

「じゃあ友人じゃねえか」

中年男がコーヒーを飲んで、剣呑に訊いてきた。この程度の揺さぶりは、想定内だ。

「勉強のライバルを、友人とは言いませんよ。正直、好きではないですし。
ただ、単純に学力を高めあうだけの存在です」

「でもこれ以上頭良くなってどうすんだ?勉強会の目的はなんだ」

「将来、社会を背負って立つには大学受験の先を見なきゃいけないんです。そのための勉強会です」

今のところは、翔一の想定通りだ。中年男が不機嫌そうに頭をポリポリ掻いている。若い方が、顔色変えずに右手で3本、指を立てた。
160名無しさん@おーぷん :2018/09/19(水)00:07:08 ID:XzT
「……じゃあ質問を3つ。まず、君は何故一昨日嘘をついた?別に逃げる必要はなかったはずだが」

「いきなり刑事さんに会ったら、誰だってびっくりします。それで、ちょっと気が動転して……ごめんなさい。ちゃんと言えば良かったです」

「……まあそれはそれでいい。二つ目、何故鶴岡ジムに?勉強会やるなら、図書館でもいいだろう」

「パソコンとかの設備が整ってるんです。テレビ電話で、海外の講師ともやり取りできますし」

動揺せず、翔一の言われた通りにできてる。あと一つだ。

「なるほど。じゃあ最後の質問だ。鬼束君と練川君、二人も勉強会の一員だったと聞いている。二人が『殺された』理由は知ってるか?」
161名無しさん@おーぷん :2018/09/19(水)00:07:49 ID:XzT
僕はすぐ答えようとして思い止まった。これは、罠だ。二人が「殺された」なんてニュースは、どこにもない。

「……『殺された』んですか」

刑事二人が一瞬視線を交錯させた。

「……厳密には、まだ分かってないんだ。だから、手掛かりがないか、君に聞きにきてる。
もちろん、殺人だとしても君を疑ってるわけじゃない。犯人は極めて高い確率で大人だからね」

僕は安堵した。やはり、二人は僕の過去を探ろうとしてるわけじゃない。「アイスキャンディ」の件でもなさそうだ。

「そうですか……彼らは確かに、勉強会のメンバーでした。でも、殺される理由なんて……」

それは本当だった。少なくとも「勉強会メンバーを狙い撃ちされる」理由は、ない。
「アイスキャンディ」関連とは思えないし、「例の計画」が漏れるとも思えない。
各メンバーには皆脛に傷がある。だからそれを理由に殺されることは、あるいはあるかもしれない。
でも、勉強会自体が狙われることは、ないはずだ。
162名無しさん@おーぷん :2018/09/19(水)00:08:24 ID:XzT
中年男の刑事がうーんと唸った。

「本当に、ねえのか。何か隠してはねえのか」

「理由なんて、全然。何で二人が死んだのかすら、よく分かってないんです」

「……こりゃあの嬢ちゃんの言う通りかもしれねえな」

中年男が肩を竦めた。

「確かに。忙しいところ、邪魔したね。また話を聞きに来るかもしれないが、その時はよろしく」

若い男が微笑み、カップのコーヒーを一気飲みして席を立った。

「こちらこそすみません、お役に立てず」

「いいんだよ。こういうことは、よくある。コーヒーは奢りだ」

僕もほっとして席を立った。その時だ。


「おっとそうそう、忘れていたよ。荒川のホームレスの殺人。それについては知らないか?」


僕の全身の毛穴から、一気に汗が吹き出た。


そんな。馬鹿な。


あの件は、絶対に僕らに疑いがかからないはずじゃ。


刑事二人の視線が、鋭く突き刺さる。そうか、二人があっさり引き下がろうとしたのは……僕を油断させ、安心させるための、演技……。

僕は気力を振り絞って、言葉を紡いだ。

「……いえ。何ですか、それは。知らないです」

「……そうか?ならいいんだが。じゃあ『また会おう』」

僕はその場に立ち尽くすしかなかった。


彼らは、勉強会が犯した殺人を知っている。
163名無しさん@おーぷん :2018/09/19(水)00:09:16 ID:XzT
今回はここまでです。明日から登場人物紹介を入れます。
164Try7rHwMFw :2018/09/19(水)14:21:32 ID:5pl
今後は鳥付けます。よろしくお願いいたします。
165名無しさん@おーぷん :2018/09/19(水)14:24:54 ID:Pcd
りょ
166Try7rHwMFw :2018/09/25(火)12:39:06 ID:3v0
夜に再開しますが、一ヶ所修正します。160を以下に差し替えます。

#

「……じゃあ質問を4つ。まず、君は何故一昨日嘘をついた?別に逃げる必要はなかったはずだが」

「いきなり刑事さんに会ったら、誰だってびっくりします。それで、ちょっと気が動転して……ごめんなさい。ちゃんと言えば良かったです」

「……まあそれはそれでいい。二つ目、何故鶴岡ジムに?勉強会やるなら、図書館でもいいだろう」

「パソコンとかの設備が整ってるんです。テレビ電話で、海外の講師ともやり取りできますし」

動揺せず、翔一の言われた通りにできてる。あと一つだ。
若い男が中年男の顔を見て、一服置いた。

「まあ、納得しがたいがいいだろう。勉強会の残ったメンバーは君に鶴岡君金路さんと、あと一人は?」

「……翔一とだけ聞いてます。彼だけは、よく分からないんです」

嘘半分、本当半分だ。彼が佐倉法律事務所の所長の子だというのは知ってる。開明中らしいということも。
でも、それ以上は何も知らなかった。もし知っていたとしても、翔一の話だけはできない。そう、厳に言われていた。

「翔一君ね……彼がリーダー?鶴岡君?」

「リーダーとか、そういうのはないんです。自然と集まっただけなんで……」

「なるほど。じゃあ最後の質問だ。鬼束君と練川君、二人も勉強会の一員だったと聞いている。二人が『殺された』理由は知ってるか?」
167Try7rHwMFw :2018/09/25(火)21:58:52 ID:tAb
再開します。
168Try7rHwMFw :2018/09/25(火)21:59:40 ID:tAb
【6月6日】


「やはり黒でしたね」

赤木警部は頷き、つけ麺を一気に啜る。

「崩すなら荒川の件というのは正解だったな。敢えて緩くやって、油断させてガブリ、だ。中坊にはかなり堪えただろうよ。
これで一応の突破口はできた。とはいえ、城たちと荒川の銃殺を繋げる物証はない。
そもそも、何で中坊が銃なんて持ってるのかって話だ。銃弾の旋条痕も、『前』がない。意味が分からねえ。
さらに言えば、消えた監視カメラの映像だ。身内が隠蔽した可能性すらある。まだ分からねえことは多過ぎるな」

俺は頷き、太麺を噛み締めた。川越の本店には遠く及ばないが、それでも駅構内のラーメン屋としては十分な水準だ。

「やはり、当面は経過観察ですかね。鶴岡ら勉強会のメンバーと接触するかもしれない」

「だな。後は平行して金路アゲハ、それと鶴岡和人だ。奴らのヤサは一応押さえた。
ただ、殺人の捜査本部が立たねえと、部屋借りての張り込みができねえ。奴ら、お付きがあまりに堅すぎる。
青が『どっちも身の危険を感じる』って言うなんて、かなり余程のことだからな」

この2日間、金路と鶴岡の自宅近辺での張り込みを結構しようとした。しかし、どちらもその筋の者がいて近寄れないとのことだった。
青葉は見掛けによらず、かなり肚の座った武闘派だ。その彼が弱音を吐く、ということは、恐らくは相手は「プロ」を使っている。

暴力団に屈するほど、俺たちはヤワではない。だが、それは数と組織の後ろ楯があってこそだ。単独で突っ走り、消えた刑事は稀にだがいる。
そういう刑事に対して、警察は冷淡だ。「突っ込むべきではないヤマに突っ込んだ」ということになる。勝てる状況なら、相手が総理だろうと何だろうと立ち向かう。
だが、裏を返せば「勝てない喧嘩はしない」というのが、悲しいかな今の警察組織だ。ある種の官僚主義と言い換えてもいい。

俺は、それを堪らなく情けなく思う。だが、そこには幾ばくかの理もある。それもまた、事実なのだ。

「子供一人に『プロ』ですか。いよいよ怪しいんですがね」

「全くだ。だから、消えた映像を見付けるか、城ってガキがゲロるか尻尾出すのを待つしかない。
ま、長丁場だな。……おい姉ちゃん、スープ割頼むわ」

若い女性が、ポットからスープを注いだ。赤木警部は、レンゲでそれを掬う。

「……しかし、リーダーは翔一って奴っぽいな。どう見る」

「城少年は、明確に彼をかばってますね。その少年が控えめに言ってキーマンでしょう。今度接触したら、彼の話をしましょうか」

「だな。ヤスにも情報あげとくかね……」

俺も辛つけ麺のスープを飲み込んだ。上手く行っている、はずだ。
……しかし、何だろうか。この胸騒ぎは。
169Try7rHwMFw :2018/09/25(火)22:00:23 ID:tAb
【6月10日】


嫌な、夢を見た。もう何度となく忘れようとしていた夢……いや、事実だ。


俺はあの日、あいつに一緒に帰らないかと誘った。あいつは笑って「恥ずかしいからいいよ」と答えた。俺は仕方ない奴だなと、その手を離した。


そして、次に彼女を見た時……あいつは、喉を切り裂かれた屍になっていた。
その苦痛と絶望の表情が、俺を目覚めさせるのだ。


「はあっ、はあっ、はあっ……」


額の汗が凄い。俺は手でそれを拭う。

もし、あの時俺が無理矢理にでも引き留めていたら、あいつは死なずに済んだだろう。あるいは、一緒に行っていたら、死なずに済んだかもしれない。


だが、全ては無意味だ。
何をしても、妹は帰っては来ないのだ。


こんな日に、最悪の夢を見てしまった。もう7時になろうとしている。俺は日課のコーヒーを淹れることにした。

案の定、その日の出来は最悪だった。こんなので、人前に出れるものだろうか。
170Try7rHwMFw :2018/09/25(火)22:00:49 ID:tAb
#

悪夢を見る時は、決まって何かが上手く行っていないか、緊張している時だ。両方の要素は、確かにある。

城隆一郎の監視は、今のところ不首尾と言えた。怪しい動きは、一切ない。勉強会の連中との接触もないようだった。
金路アゲハと鶴岡和人にしても、遠間から見る限りにおいては不審な印象はないという。
アゲハについては「何か終始不機嫌そうだ」と青葉が言っていたが。あるいは、何かあるのかもしれない。ただ、まだそれは表に出ていなかった。
やはり赤木警部の言う通り、長期戦を覚悟しなければならないようだ。

もう一つは、緊張だ。美和の娘と、コーヒー教室の場で初めて会うことになる。
せめて気に入られるといいのだが。何分こういう類いの緊張は、味わったことがない。

俺は溜め息をつき、上福岡の駅を出た。向かうは隣のふじみ野駅。そこから徒歩10分で、そのカフェはある。「カフェ・ドゥ・ポワロ」だ。
171Try7rHwMFw :2018/09/25(火)22:01:40 ID:tAb
#

「おお、来たねー。まだ誰も来てないよ、気が早いよー」

店に入るなり、エプロン姿の男が弾んだ声を出した。俺は苦笑する。

「茶菓子を作らなきゃいけないだろ、文彦。コーヒーはともかく、こっちの方は俺の腕が上だしな」

「まあねえ。警察なんかやめて、カフェやりゃいいのに。きっと繁盛するよー」

「俺の無愛想な顔じゃ、客が逃げ出す。こういうのは、人が好きな奴がやるべきだ。それは俺じゃなく、お前だ」

「またまたー。でも、仁のお陰で助かってるよ。コーヒー教室、仁目当てのマダム多いんだぜ?」

「……そうか?」

俺は美和とのことを言うべきか迷った。文彦とは、大学からの付き合いになる。気のおけない悪友だが、まだ少し早い気がした。

「そうだよー。って早速来たね。美和さん、いらっしゃい」

美和がペコリと頭を下げた。彼女の後ろに、ポニーテールの女の子がいる。彼女が愛結か。
俺たちの姿を見るなり、美和の影に隠れてしまった。人見知りする子なのだろうか。

「ええ。マスターも、仁さんも準備中ですか?」

「うん。嫁は買い出し中。仁がニューヨークチーズケーキ作るってさ」

「さっすが仁さん。あ、この子は娘の愛結。ほら、挨拶は?」

女の子は頑なに出てこようとしない。これは参ったな、初印象は良くないらしい。

「こらっ、愛結ったら……本当ごめんなさい。いつもはこんなんじゃないのに」

「そうなんだ。というか、美和さんに子供がいたって話、初耳だよー。仁は知ってたの?」

「まあ、な。……携帯鳴ってるぞ」

文彦は慌てた感じになった。

「げっ、嫁さんからだ。迎えに来いって。ちょっくら行ってくるよ。その間、仁よろしくね」
172Try7rHwMFw :2018/09/25(火)22:02:54 ID:tAb
訂正します。愛結→亜衣です。申し訳ありません。
173Try7rHwMFw :2018/09/25(火)22:04:21 ID:tAb
文彦は慌ただしげに店を出ていった。美和がクスクス笑う。

「あの二人、いつも仲良さそうだよね。付き合い長いんだっけ?」

「だな。文彦が商事を辞めてこの店を開いても、ちゃんとついてきたのは驚いたよ。まあ、いい夫婦だな」

「……だね。ああ、改めて。娘の亜衣。よろしくね。亜衣、挨拶は?」

「……こんにちは」

か細い声で女の子が言う。子供用のハローキティのハンドバッグを持っているのか。かわいらしいな。

「もう、もっと大きな声で言えないのかしら。……緊張してる?」

ふるふると女の子が首を振った。美和が不思議そうに首を傾げた。

「おかしいわね、いつもこうじゃないのに……気付いてるのかな」

「子供は勘が鋭いしな。あるいは」

「そうかもね。あ、ちょっとお手洗い行ってくる。亜衣見といてね」

俺は女の子と二人取り残された。……何か妙な緊張感があるな。
何か話しかけようとした、次の瞬間。女の子がバッグから、ボールペンとメモを取り出した。何か、書いている。ここで落書き?
174Try7rHwMFw :2018/09/25(火)22:04:47 ID:tAb
しかし、その予想はすぐに裏切られた。
そこにあったのは、5歳児とは到底思えない、美しい字。そして……


そこにある文を読んだ時、俺は人生で最大級の衝撃を受けることになる。
175Try7rHwMFw :2018/09/25(火)22:05:26 ID:tAb




「はじめまして。私がSHELLYです」
176Try7rHwMFw :2018/09/25(火)22:06:06 ID:tAb
今回はここまで。次回はコナンパートです。
177Try7rHwMFw :2018/09/28(金)17:38:45 ID:Tjf
ちょっと休載します。SS速報復旧の際は再移転しますが、この時に一部を大きく手直しするかもしれません。
展開が破綻したわけではありませんし、エタることもありませんが、少し時間を頂ければ幸いです。
178名無しさん@おーぷん :2018/09/28(金)17:52:50 ID:s3k

179名無しさん@おーぷん :2018/09/29(土)19:21:25 ID:35H
もう戻る気ないんじゃなかったんか
まあ乙
180Try7rHwMFw :2018/09/29(土)19:54:59 ID:L78
>>179
この点については色々考えた結果ですね。あと、極めて現実的な問題として、スマホからオープンへの投稿だと反映されないことがたまにあるのもあります。

もし復旧しないならまた考えますが、復旧したら様子を見て戻るかもしれないという感じです。
181Try7rHwMFw :2018/10/19(金)21:52:03 ID:VJ0
速報にて連載を再開しました。よろしくお願いします。

殺人鬼コナン
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1535027130/

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