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【花騎士】歌ネキ団長奮闘記【SS】

1名無しさん@おーぷん:2016/11/06(日)23:05:40 ID:y8h()
※ブラウザゲーム『FLOWER KNIGHT GIRL』の二次創作
※単発SS
※ご本人の名前は使いません
※というか、喋り方や性格がネキじゃないです


序章「運命ひらり」
2名無しさん@おーぷん :2016/11/06(日)23:06:10 ID:y8h()





「うーん……声はいいんだけど、ぱっとしないねぇ」
「やっぱりメインというか、売り出せるパンチのある曲がないと、ねぇ?」
「芸人魂は買うけれど、それ、別に歌手じゃなくてもいいよね?」
「というかこれからは芸人で売り出せば?」
「一発屋としてはそれなりに人気が出るんじゃない?」

 華無し、人気なし、売上なし。それが私、ガチャ西銀子の歌手人生だった。
 歌唱力とノリの良さを売りに芸能人入りしたのはいいものの、歌は上手いがCDは売れない、
所謂売れない歌手としてのポジションに落ち着いてしまった。
 再起を図る意味で歌った、新曲「札束ひらり」も、「生々しすぎる」、「嫌にリアル」、「逆に笑えない」
等と各方面から非難され、結局今までの歌と変わらない売り上げに終わった。
 このままでは本当に「歌うのが好きな芸人」として扱われる、と一念発起して歌手活動に勤しんだものの、

「君はこれから、芸人としての方向でやっていくことにしたよ」

 と、事務所の社長直々に通達を受け、私の歌手人生は今正に幕を閉じようとしていた。
 社長曰く、これからは地方のラジオ番組や動画サイトの生放送出演で細々と稼いで、いつか返り咲こう、
とのことである。
 けれど、それを言う相手がまだ上京して右も左も分からない新人ならいざ知らず、
曲がりなりにも歌手活動を数年続けてきた私にとって、社長のその言葉は精一杯の優しさであることは
嫌でも分かってしまった。
 とどのつまり、今の私の立場は将棋やチェスでいう、詰みの状態なのだ。
 己の力ではどうにもならない。かと言って、運命、なんて都合の良い言葉で展開が変わるはずもない。
 現状を変えられるのはお金の力。新曲でネタにした札束の力でないと現状を変えられないとは、
まさしく皮肉としか言いようがない。
 社長の優しさに耐え、私は「これからもよろしくお願いします」と若干声を震わせながら頭を下げ、
その日はそのまま自宅に帰ることにした。
3名無しさん@おーぷん :2016/11/06(日)23:06:36 ID:y8h()





「はぁ……これからどうしようかなぁ」

 自分を売り込むための営業をするのでもなく、かといって歌唱力を高める為にレッスンに励むわけでもない。
普段帰宅するには全然早い、夕暮れ時の街中を私は途方に暮れながら歩いていた。
 大好きな歌が歌えない。その現実を突き付けられたせいか帰るのが億劫になり、歩みが遅い。
不幸中の幸いは、人通りが少ない道を選んだせいか、こんな不幸顔をした自分の顔を他の道行く人に見られないことぐらいだろう。

「いっそ荷物を纏めて実家に帰ろうかなぁ……でも、帰ったところで、ねぇ」

 恐らくここら一帯の不幸を全てかき集めたところで、今の私の不幸には勝てないだろう。
 そんな、周囲に不幸をまき散らすお姉さんと化していた私の視界の端に、ふと妙なものが映り込んだ。

「ん?」

 人通りの少ない道の、更に人通りが少ない場所。それこそ野良猫ぐらいしか通らなさそうな路地裏への入り口に、
一人の老婆がいたのだ。
 丁度建物と建物の間にすっぽりと収まる格好で、白い布を被せた机があり、その奥に彼女は鎮座していた。
 見た目は60~70前半。如何にもな黒装束を身に纏い、猫背の状態で机の上に両手を置いている。顔は整っており、
年齢を感じさせない。占い師、というよりは年季の入った魔女、と言ったほうが似合うのかも知れない。
それ程の雰囲気を漂わせていた。
 机の正面には潔く「占い」とだけ書かれた紙が張り付けられており、値段はおろか何の占いかも分からなかった。
 一目見るだけでもその怪しさは十二分に伝わってくる。普段の私であればまず気付かないか、気付いても素通りしていたところだろう。
 けれど、控えめにいっても繁盛している、とは言い難いその占いの老婆の目は爛々と輝いており、その輝きに惹かれる形で、
私はフラフラと彼女の前まで行ってしまった。
4名無しさん@おーぷん :2016/11/06(日)23:07:08 ID:y8h()

「お嬢さん、何をお聞きになりたいのかね?」
「何、と言われましても、その、ここは何の占いをするところなのでしょう?」

 私が机の前に立ったことで、老婆は目を細め、品定めをするように私を見つめる。
この時点で近寄ったことをかなり後悔したものの、何も言わずに去るのも失礼だと思い、最初に思ったことを尋ねてみる。

「お譲さん、貴女は今、大変悩んでおられるようですね」
「……はあ」
「お仕事か人間関係か、はたまたその両方か。何事にも上手くいかないことを悩んでいる」

 もごもごと口を動かしながら、それでもはっきりとこちらに聞こえるように言う老婆を前に、
私は「やばい」と感じた。テレビか何かで聞いたことのある、占い詐欺の常習手口だ。
 占い、というものに救いを求めている人間に対し、それっぽく聞こえることを言い、
幸運のお守りやら壺やらを高値で売りつけるつもりなのだろう。
 私はますます彼女の前に立ったことを後悔しつつも、とりあえずキリの良いところで話を区切って逃げようと考えた。

「けれど、私には見えますよ。貴女は今、大きな分岐点の前に立っている。今までの不幸はその前兆なのですよ」

 そんな算段をする私を余所に、老婆は嬉々として、それこそ珍しいものを見るような顔で話を続ける。

「長いこと占いをやっていたけれど、貴女のような人は初めてですよ。多くの人間はその分岐点のどちらかが不幸に転がる運命。
 けれど貴女は、そのどちらに転んでも得難い人生を歩む、と出ています。選んで進んだ道の先には、また別の不満があるにしてもね」
「ん~……よく分かりませんね。つまり、どういうことでしょう?」

 こちらの問いかけに対し、老婆は待ってました、と言わんばかりに口を開いて笑顔を見せた。
ところどころ欠けた歯が、ますます彼女を魔女っぽく見せたのはいうまでもない。

「このまま立ち止まり、苦難や危機が去るのを待つのもまた、一つの手。しかし、貴女は選ばなければならない。
 苦難多き道か。今とは全く違う、それこそ今いる世界が変わってしまうかのような道かを。
 そのどちらを選んでも、貴女ならばきっとその先にある幸運や栄光を掴んで見せるでしょう」
「はあ……ありがとう、ございました?」

 老婆の話が一区切りしたと見て、私は彼女に頭を下げた。
正直、何を言っているのかさっぱりではあったけれど、それでも、と思い、財布から虎の子の五千円札を取り出す。
 しかし、それを見た老婆は首を横に振り、にたり、と笑ってみせた。

「いいのですよ。私も面白いものが見られたので、お代は結構。けれど、願わくば貴女をもう少し、“見ていたかったね”」
「そうですか。それはどうもです」

 不気味に笑う老婆を前に、私は気味が悪くなり、五千円札を財布に戻して軽く会釈をした後、足早にその場から離れることにした。

「運命は貴女のすぐ傍まで来ていますよ。逆らわず、受け入れることです」

 そんな私の背中に、老婆がはっきりと聞こえる声を投げつけてきた。
5名無しさん@おーぷん :2016/11/06(日)23:07:27 ID:y8h()





「危ない!!」

 別れ際に放った老婆の運命とやらは、ものの数十分もしない内に私のところまできた。
 不慮の事故。不幸な事故。普段であればすぐに気が付く、交差点へと突っ込んで来るトラック。
そんなトラックに轢かれ……そうになったのは私ではなく、下校途中の小学児童であった。
 例え気分が落ち込んでいたとしても、幼く可愛い女の子が視界に入ればそちらに目がいく。
それはとても自然なことであり、おかしなことではない、と断言したい。
 そんな気持ちで楽しそうにスキップしながら目の前で交差点を歩く少女を、
私はほっこりした気持ちで彼女の後ろを歩いていた。
 平日の夕方の平和なひと時。それを破ったのはけたたましいエンジン音と共に突っ込んで来るトラックであり、
その運転手は助手席の椅子のほうへと視線を落としていた。
 このまま行けば、轢かれる。そう思った私はすぐに歩くのを止めたが、目の前の少女はその判断ができなかった。
突っ込んで来るトラックを前に腰が抜けたのか、彼女はその場にへたりこんでしまったのだ。
 当然、小さい女の子を愛する身としてはそんな彼女を見過ごせるわけも無く、
私は彼女を突き飛ばす形で少女の身代わりとなった。

「きゃーっ!?」

 老婆の言う「運命」とはまさしくこの時、この瞬間のことであったのだろう。
 私が少女を救わなければ、目の前の小さな命と引き換えに、私は変わらず苦難の道を歩んでいただろうし、
少女を救えば代わりに私が死んでしまう。世界が変わる、とはこのことを言っていたのだ。
 彼女の可愛らしい叫び声を耳にした瞬間、私は左側から強い衝撃を受け、宙に舞った。
 激しい痛みと薄れゆく意識の中、何故か私は自らの身体が紙のようにひらりと舞う姿を想像し、笑みが零れた。
 運命ひらり。
 今ある可能性に手を伸ばさないと、すぐにひらりと躱されてしまう。
 私はまさに、その瞬間を迎えていたのだ。
 そして、掴んだ先にあるのが「死」と分かっていても、私はそれを掴んでしまったのだ。
6名無しさん@おーぷん :2016/11/06(日)23:07:51 ID:y8h()




※※

※※※


「……さま、だ……ちょう……さま」

 誰かが誰かを呼ぶ声がした。
 暗闇の中でそれを聞いた私は、何故か自分を呼ぶ声だと思った。

「起きて下さい、団長様!」

 必死に起こそうとする女性の声を前に、私の意識は身体ごとゆっくりと暗闇から光のほうへと浮かぶ。
 目を覚ますと、一人の若い女性がこちらを覗き込み、安堵の表情を見せた。

「ああ、やっと起きてくださいましたね!」
「んん……えっと、ここは天国? 私は? いや、それよりも」

 君は誰?
 身を起こし、周囲を確認する前に、まず目の前の女性について尋ねてみる。
 今まで出会ったことのない女性。仕事でもプライベートでもお目にかかった事は一度たりともない。
艶のあるウェーブがかった栗色の長髪に、大きく綺麗な赤みがかったブラウンの瞳。
人懐っこそうな整った顔立ち。幼さの残る声色。
 これまでの出会いを全て思い出しても、彼女のような美人さんに出会ったことはなかった。
それを踏まえた上での質問だったが、私の言葉を聞いた彼女は目を閉じて悲しそうな顔をした。

「え? 君は誰だって……?」
「はい」
「もう! 騎士団長になったばかりなんですからしっかりしてください!
 私は団長様の補佐を任されている『ナズナ』です! それよりも団長様、就任早々『害虫討伐』の指令が出ています。
 害虫討伐へ行く前に準備をしましょう!」
「……はい?」

 人の話を聞く時は、ちゃんと相手の顔を見て、話を聞くこと。
けれど、ちゃんと彼女の顔を見て聞いても、何を言っているのかが理解できなかった。
 きし、だんちょう? がい、ちゅうとうば、つ?
 この子は一体何を言っているのだろう?
 仮に今、ナズナと名乗ったこの子が私の見る夢の世界の住人だとしたら、体が大きすぎる。
私の夢の世界はロリとショタで溢れかえった平和な世界のはずだ。
 では、一体何が起こったというのだろうか?

「さあ、早速ですが、初めての花騎士(フラワーナイト)就任の儀を行い、
 それから害虫討伐に向かいましょう!」

 そんな置いてけぼりな状況の私を余所に、ナズナと名乗った女性は話を進める。
 本当に一体全体、私の身に何が起こったと言うのだろうか?
7名無しさん@おーぷん :2016/11/06(日)23:10:09 ID:y8h()
とりあえずここまでです
8名無しさん@おーぷん :2016/11/06(日)23:19:04 ID:egA
前置き長すぎ

あと就任じゃなくて召喚だろ
9名無しさん@おーぷん :2016/11/06(日)23:28:13 ID:2Iy
札束ひらりで笑った
序盤からパンチをかましていくスタイル、嫌いじゃない
10名無しさん@おーぷん :2016/11/06(日)23:53:43 ID:ztx
ゲームのOP準拠だから就任で合ってる
とりあえずヘリオ待機

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