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猫と食卓の国

1名無しさん@おーぷん:2016/09/02(金)00:14:33 ID:FgY()
どこかのセイギノミカタが言っていた。

『誰かを救うという事は、誰かを助けないという事なんだ』と――

セイギノミカタが居ない世界だ。
自らを救おうとする者だけが、何かを救い得るのだろう。
2名無しさん@おーぷん :2016/09/02(金)00:15:30 ID:FgY()


筋書きの無い寓話の果てに。
3名無しさん@おーぷん :2016/09/03(土)05:35:07 ID:5Dq()
残置諜者


『残置諜者』というのを知っているか?

残置諜者――
それは旧軍時代に生れ、戦後も各国で活動を続けた特殊諜報員だ。
戦況の如何によらず、戦地に残り情報収集や諜略の準備を進める。
現地住民の間に潜み、時にゲリラ兵を組織し、これを指揮する。
命令あるまでは死ぬ事も許されず、投降しても尚、偽装情報を流す事を命じられた至誠の工作員たち。

俺は『東の国』に生れ、その国に渡り活動を続けた諜報員だ。
その国の名は『食卓の国』。
かつては風光明媚な国として栄華を誇っていたが、今はその面影も失われて久しい。
もっとも、諜略に失敗して逃亡の身となった今では、もはや語るべき立場ではないのかも知れないが……

最初は開拓民として活動を始めた。
俺は『東の国』の生れとはいえ、内地とは違う『開拓地』の生まれだ。
現地に潜み、なに食わぬ顔で田畑を耕すのは、決して嫌いではなかった。
居留地には多くの異邦人が訪れ、街は猥雑にも似た活気に満ち溢れていた。
だがその活気が消えた時、俺もまた自らの特務機関が消滅していた事を知った。

時すでに遅し――
活気の消えた『食卓の国』に残されていたものは、衆愚を担う『デマゴーゴス』と――
辛いだけの『韓国産キムチ』だった。
4名無しさん@おーぷん :2016/09/04(日)05:47:00 ID:BT3()
元より祖国との繋がりの薄い彼が、移り気な異邦人のために諜報を始めた時、彼の『残置諜者』としての生活が始まった。

彼は主な任務を『内偵』と『防諜』に定め、幾つかの国で活動を続けた。
無論、郷里の『開拓地』で利害調整のための『宣伝工作』も行っていたが、特務機関に所属しない彼を、特に気にする者は無かった。

彼はその風貌から『野良猫』と呼ばれた。
5名無しさん@おーぷん :2016/09/05(月)00:08:56 ID:goo()
食卓事情


俺は『食卓の国』の思想と構成についての調査から始めた。

攻撃的で短慮が目立つ『韓国産キムチ』。
親日右翼的な行動を見せる『国内産キムチ』。
保守的で比較的穏健な『和食』。
中道で現実的な判断を得意とする『洋食』。
進歩的で論争の種にもなる『珍味』。
左翼・極左的な活動を得意とする『ゲテモノ』。
そして国際テロ組織の『アルカ韮』。
大別としてはこんなところだ。

『韓国産キムチ』と『国内産キムチ』がメインディッシュを構成し、オマケで『和食』が添えられている。
『洋食』・『珍味』・『ゲテモノ』は少なく、特に『洋食』の少ない事が『食卓の国』の特長だ。
また、本来少数派であるはずの『韓国産キムチ』が権力を握っている事も『食卓の国』の闇の深さを物語っている。
『アルカ韮』にとっては恰好の遊び場だ。
6名無しさん@おーぷん :2016/09/05(月)00:11:21 ID:goo()
各勢力については、更に詳しく知らなければならない。

『国内産キムチ』の特長は反共・親日(嫌韓)・某政権懐疑だ。
『東の国』が主要な産地であり、『食卓の国』建国時から定住している者も多い。
某政権に対し懐疑的な点を『ゲテモノ』や『韓国産キムチ』に利用される事が多く、民衆からの理解は進んでいない。
『韓国産キムチ』やパヨクに対する攻撃力に比べ、『アルカ韮』や『ゲテモノ』に対する認識が不足している。
『韓国産キムチ』同様、『珍味』には攻撃的。

『韓国産キムチ』は反共・親米(媚韓)・某政権礼讃という勝共連合的な価値観を有し、旧世界に於いては『国内産キムチ』とも対立していた。
親米・政権支持の立場から、民衆にも受入れられたが、政治中枢を乗っ取るに至り、統制的・選民的・狂信的特長を顕著にしている。
『珍味』どころか『洋食』の様な中道オカズすら敵視する。
『アルカ韮』に対する最大の支援オカズ。

『和食』は親日の穏健派で極めて保守的。
戦闘的ではないため、『韓国産キムチ』や『アルカ韮』の暴走を止める事は少なく、閉鎖的な小集落で平和に暮らす事を望んでいるようだ。
『韓国産キムチ』を親日的な『国内産キムチ』と誤認し、これを支援してきた可能性がある。

『洋食』は現実的で是々非々の考え方ができるオカズだ。
広く理知的で常識的な判断も可能だが、そのレパートリーの多さから、左翼のレッテルを貼られる事も多い。
『韓国産キムチ』・『アルカ韮』・『ゲテモノ』の台頭・暗躍により、『食卓の国』からは、その姿を消しつつある。
たまに珍妙な品あり。
7名無しさん@おーぷん :2016/09/05(月)00:12:18 ID:goo()
『珍味』は極めて進歩的で前衛的な考え方をするオカズだ。
その発言の内容は、過激で無政府自由主義的なものも含まれるため、暫しパヨクと混同され、『韓国産キムチ』・『国内産キムチ』・『和食』等から攻撃される。
現在は少数派。

『ゲテモノ』は共産・社会主義とその活動に精通し、思想哲学に対する造詣も深い。弁舌が鋭い。
古い記録にも類似する痕跡を残しており、政治中枢にも深く関与していた疑いがある。
極右と極左の類似性にも気付いていると思われ、極右オカズに偽装している事も考えられる。
『アルカ韮』とは違うが、最も危険なオカズのひとつ。
ごく少数であり、本当の目的は不明。
たまに模倣犯が現れる。

『アルカ韮』は『嵐』の特長を有し、『厨房』と呼ばれるテロ行為を行う国際的犯罪組織だ。
各オカズから一定の援助を受けていると考えられるが、『韓国産キムチ』との親和性が最も高く、左右両翼に潜んで対立煽りを狙う者もいる。
抑止力が無いため、活動は極めて活発。

『嵐』の特長
1 他人の困惑・激怒・悲嘆する様子を見たい(愉快犯型・サディスト型)
2 自分より優れた者・人気ある者が許せない・気に入らない(嫉妬型)
3 自分の存在感・優位性を主張する(自己主張型)
4 突発的な感情を発露する(激情型)
5 他人に心酔し、他の意見や主張を顧みない(盲信型・信者型)
6 挑発や煽動によって他の『嵐』を増長させる(煽動型)
7 他の『嵐』に過剰反応する(反応型・便乗型)
8 自分が『嵐』であると自覚していない(無自覚型)

多発化している『厨房』
自治厨
対立厨
認定厨
連呼厨
暴言厨 等

『アルカ韮』の判別基準はこんなところだろう。

――ヒドイものだ。
俺は自分の書いた調査書を見ながら深い溜息をついた。
『元老院』と『政務官』が支配する共和政。
そして『アルカ韮』の台頭。

その闇はあまりに深く、混沌としていた。
8名無しさん@おーぷん :2016/09/07(水)05:40:08 ID:Q3W
懐古主義


――元老院議録 第6巻
14年10月。
『元老院』の一人、『キムチ王』が何者かに襲撃された。
『キムチ王子』が、突如民家を埋め立てるという不可解な行動をとった事が事件の発端だ。
これに刺激された『一行(?)』や『ゴキブリ(?)』等の『活動家』が元老院を襲撃。
数名の『元老院貴族』が事態の収集に当たるなか、『キムチ王子』が突然自らの蟄居と『キムチ王』の快気祈願を申し出た。
事件の真相が明らかにならぬままの申し出に、元老院は色めきたった。
この蟄居を提案したのは、『元老院』に
も名を残す『東の国の守人』だった。

――古い記憶。
『東の国』の更に東。絶海に浮かぶ孤島。
そこは『独逸島』と呼ばれていた。
かつての逗留先での記憶……
それは軽蔑と憤りが交錯する記憶だった。
9名無しさん@おーぷん :2016/09/08(木)05:18:35 ID:BYe
俺はふと立ち寄った『内地』でその島に渡る船を見つけた。
元より放浪癖のある俺は、好奇心の赴くままにその島に渡った。
島には思いの他多くの人々が暮し、商店街は賑いを見せていた。
特に賑いを見せていたのは『神社』だ。
そこには数名の『神職』と『巫女』、それを慕う『神人』がいた。
彼らは日々語らい、和気あいあいと自らの『惟神の道』を模索していた。
神仏を拝みはするが、人を拝む事のない俺にとっては、些か場違いなところではある。
だが、そこにある不思議な程の朗らかさに惹かれ、俺は静かにその様子を眺める事にした。

その日、その男は『東の国の守人』と共に現れた。
男の名は『キムチ王子』。
『神社』の人々はこれを快く迎え入れた。
『キムチ王子』は『スペース尊師』と名を変え、早速『布教』を始めた。
『スペース尊師』という異物に戸惑いながらも、何とか意志疎通をはかる『神社』の人々。
だが、寛容に接すれば接する程、それまでの美しい調和は、脆く崩れ去っていった。
『神職』や『巫女』が訪れる事も減り、
『スペース尊師』と『イネナリ姫』と呼ばれる新たな者が、次第に奇矯な『言霊』で『神社』を支配していった。

一年にも及ぶ間、俺はひとつの『神社』が荒廃して行く様を見せつけられた。
10名無しさん@おーぷん :2016/09/08(木)05:21:47 ID:BYe
そして事件は起こった。
人々から慕われる『巫女』が島を去る事になったのだ。
多くの住人達から惜しむ声が寄せられるなか、ひとりの『神人』もまた、重い病のため島を去る事になった。
『太陽』の様に明朗快活な『神人』だった。
その時『スペース尊師』の見せた姿は、俺を深く失望させ、激しい憤りを覚えさせた。
「一年も共に歩んだ仲間に対する態度がそれか!!」
「病の床にあって、気丈に振る舞う者に対する言葉が、たったそれだけなのか!?」
「この男にとって、他人の生死はこれ程までに価値のない話なのか?」
もし仮にそれが『仕組まれた物語』だったとしてもだ。

この男の『正義』や『良心』は、何かが壊れている――
そう思わざるを得なかった。

――不快な記憶だ。
どちらも弱者や良心の人を装う等して組織の中枢に忍びより、邪魔立てしながら他の実力者を潰し、綺麗事を吐きながら組織を乗っ取る。
まさに『アレ』らの組織が良くやる乗っ取り工作だった。
『元老院議録』を閉じ、俺は調査書に記録した。

『キムチ王子』が『韓国産キムチ』の首領であると推定する――
11名無しさん@おーぷん :2016/09/10(土)01:51:26 ID:hwh
ショクザイ


『イネナリ』と呼ばれていた。
それが"病んでいる"のはすぐに解った。
強すぎる情熱と好奇心。
誤った正義と偏った知識。
曖昧な現実と空想。
何かを持て余している様子だった。
そして『神社』の様子を眺めるなか、それが何らかの『諜報活動』に携わっている事を知った。

『悪の大地』に建つ『変な神殿』。
そこには二匹の『猫』が出入りしていた。
怜悧で気だるい雰囲気の『姉猫』。
それを慕い、足しげく情報を持ち込む『仔猫』。
いつしか『仔猫』が収集した情報を『姉猫』が精査する体制になっていた。
目的は不明だったが、『食卓の国』の住人を観察対象としていた。

――あれは『仔猫』なのか?
『スペース尊師』こと、『キムチ王子』との『神社』での親交。
頑固な性格と偏った知識。
強迫観念にも似た思い込み。
変な趣味嗜好。
類似する点は確かに多い。
『イネナリ』と『仔猫』が同一人物である可能性……
俺はそれを排除しない事にした。
12名無しさん@おーぷん :2016/09/10(土)01:53:10 ID:hwh
『韓国産キムチ』派の工作員。
通称『仔猫』。
もっとも活動的な工作員の一人で、『アルカ韮』の高度戦闘員。
『変な神殿』を始め、『陰謀論観測センター』や『一般住宅』、果ては『開拓地』等でも活動を確認できる。
市中で騒動が起きれば、得意の『航空支援』で、辺り一帯を火の海に変え、『印象操作』による『洗脳工作』を好む。
『デマチラシ』による『宣伝工作』も行うと考えられる。
政治参加意識が強く、基本的に人の話を聞かない。
ひと言で言えば、『第一級のテロリスト』だ。
また類似の特徴から、堕落した『民会』を代表する『政務官』の一人とも推定される。

『隔離』で済む話ではなかった。
だが、『韓国産キムチ』や『アルカ韮』は勿論の事、『国内産キムチ』や『和食』の一部もこれを容認していた。
『反共』はそれ程までに魅力的だったし、皆そんな事はどうでも良かった。
そして島には、『イネナリ』を案じ、助言し、親しくする住人がいた。

――一度や二度、道理をねじ曲げる事で『助ける』事はできるかも知れない。
だが、俺が『救う』には、あれは無邪気に『狩り』過ぎていた。

争乱が迫る前の不穏な空気。
俺は住み慣れたアジトを後にした。
その手には、僅かな銃弾を握りしめていた。
13名無しさん@おーぷん :2016/09/13(火)05:28:56 ID:emE
自由主義革命


反抗の狼煙は突如として上げられた。
元老院の一人、『洋食公』が自由を謳う新たな『元老院議場』を建設した。
時に15年1月末の事だった。

先の『キムチ王襲撃事件』を境に、『ゴキブリ』等の『活動家』に対する弾圧は強化されていた。
事なきを得た『キムチ王』は、『活動家』に対する攻撃を強める一方、何故か『珍味の首領』までも攻撃対象とする『キムチ王子』等に対しては、これを諌める等の対応を示していた。

『悪意禁止措置法』。
略して『アッキン』と呼ばれる法が施行された。
国内の元老院領に於いては、自由に住人の『悪意』を排除できるという法だった。
強力ではあるが、その実抜け穴も多く、誤認適用する事で更なる『悪意』を増長させてしまうという欠陥法だった。
だが、『アルカ韮』を始め『韓国産キムチ』や一部の『国内産キムチ』達はこれに熱狂した。

『仔猫』が空爆し、『アルカ韮』達が焼け野原を闊歩した。
「アッキン・シジ!!」
「アッキン・シジ!!」
市中に響き渡る怒号。
住人の代表たる『民会』は『韓国産キムチ』や一部の『国内産キムチ』で占められ、右を装う胡散臭い『活動家』達が出入りしていた。
代表する『政務官』も嬉々として『アッキン』を行使した。
もはや住人の『声なき声』は届く筈もなかった。
『キムチ王子』は相変わらず、正義の人を装い、住人達への誤誘導を繰り返し、市内各施設を乗っ取りながら、自らの『親衛隊』を組織していた。
不穏な空気が街を支配していた。
14名無しさん@おーぷん :2016/09/13(火)05:30:34 ID:emE
その狼煙はそんな空気の中で上げられた。
無論、『義』や『理』が『洋食公』に在ることは承知していた。
だが、俺には釈然としない事があった。
この余りにも『計画的な』反共国家を作り出したのは何者なのか――
『キムチ王子』は確かにウザく、姑息で陰湿だったが、これ程計画的に『アカ狩り』を実施できる国を作り得る人物とは思えなかった。
『韓国産キムチ』と『国内産キムチ』。
そして『アルカ韮』。
三者を『繋ぐ』何らかの存在――

『解放』を求める『市民』と、これを認めない『親衛隊』が、激しく衝突していた。
『アルカ韮』はここぞとばかりに狂喜した。

俺には最早、内偵に時間を費やす余裕は無かった。
各陣営のシンパに偽装しながら、情勢を確認した。
『韓国産キムチ』と『アルカ韮』、『洋食』と『珍味』が、主な抗争の対立軸の様だった。
各陣営を代表する『工作員』や『為政者』と会敵しながらの工作だった。
俺は『国内産キムチ』や『和食』派にポジションを取りながら、『洋食』陣営の拡大を裏から支援する戦略だった。
だか、どうにも『珍味』派、或いは『ゴキブリ』とおぼしき『活動家』や『アルカ韮』の妨害に手を焼く事になった。
『国内産キムチ』や『フィクサー』の思惑は依然として読みきれない。
活動資金が底を尽きようとしていた。
俺は戦略目標を『停戦調停』に切り替えた。
最も中立に近く、厭戦気分が強く、常識的な判断が可能と思われる『和食』派に『調停』に参加して貰うことにした。
15名無しさん@おーぷん :2016/09/13(火)05:31:54 ID:emE
俺は数ヶ所で『爆破工作』を決行。
『アルカ韮』や『活動家』を『悪の大地』に誘導した。
その様子を『一般住宅』や『飲食店』の住人にふれ回った。
『和食』派による『停戦調停』という、欺瞞に満ちた一時の安定を確保する事には成功した。
だが、そこで俺が用意した『嘘』は、後に最悪の形で利用される事になった。
「『悪の大地』の住人が、『食卓の国』を攻撃している」
この幼稚な『陰謀論』を真面目に利用する『愚者』がいたのだ。
『キムチ王子』と『仔猫』。
それが『愚者』の名だ。

活動資金も底をついた俺は、撤退を余儀なくされた。
危険を犯した代償に『活動家』と『本国工作員』から監視される事となった。
当面は静かに潜伏するしかないと思われた。
16名無しさん@おーぷん :2016/09/16(金)06:13:46 ID:pbe
閉じた円環


――『フィクサー』。
『洋食公』自由議場事件の後、何故か『東の国』の『活動家』から『警告』を受けた事で、益々その存在に対する興味が強くなっていた。
まだ『仮定の存在』ではあったが、『韓国産キムチ』と『国内産キムチ』を繋ぐ何者かの存在。
俺は監視の眼を逃れながら、古い『元老院議録』をもう一度読み返していた。

もし仮に『フィクサー』なる者がいるとして、それはいったい何者なのか?
考えられる人物が一人だけいた。
古くから存在し、『元老院』に影響力を持ち、『韓国産キムチ』と『国内産キムチ』双方を動かし得る人物。
『珍味』陣営には厳しく、その上で『洋食』陣営とまで通じているとなれば、その数は限られて来る。

だが『フィクサー』が『彼』だとすると、納得いかない点もある。
『彼』程の古参なら、『韓国産キムチ』と『国内産キムチ』の違いなど理解しているはずだし、パヨク嫌いとはいえ、『珍味』陣営を駆逐する事に拘り過ぎている感がある。
まさか『ゴキブリ』の存在か?

『食卓の国』左翼系『活動家』。
通称『ゴキブリ』。
騒動あらばどこでも現れ、住人を煽り、その悲歎し、激怒する様を楽しむと言う愉快犯的テロリスト。
『怪文書』を配布してまわり、各地に『芝』を植えて回る厄介者だ。
確かに遭遇するとウザイ事この上ないのだが、一つ気になる事があった。
これは『ゴキブリ』登場初期の頃が顕著なのだが、彼の『スタイル』の最悪さと反して、その『指摘』自体は至極真っ当なものも多いのだ。
特にかなり以前から、現在の『食卓の国』の情況をほぼ正確に予測していたのには驚かされた。
『そうなる様に工作していた』と考える事もできるが、それにしても良く分析している。
彼がテロリズムに向かわず、真っ当に歩んでいたら、果たして……

『フィクサー』と『ゴキブリ』のすれ違い。
「『食卓の国』の黎明期に端を発したであろうその対立は、今尚『食卓の国』を苦しめているのではないか?」
そんな疑念が頭を過った。
17名無しさん@おーぷん :2016/09/16(金)06:14:40 ID:pbe
表向き平静を取り戻したかに見えていた『食卓の国』だったが、『キムチ王子』の暗躍は続いていた。
『悪の大地』での怪事件を理由に自ら『号外』を発行。
所詮『閉じた円環』でしかない『悪の大地』の住人(?)を悪役に仕立てあげ、シンパとともに、『洋食公』の失脚をふれ回った。
あたかも、『洋食公』が『悪の大地』の筆頭であるかの様な『印象操作』と『政治煽動』だった。

人の作った『善意の嘘』を、勝手に自らの私欲の為に利用する『下衆な男』――
それが『キムチ王子』に対する俺の印象の全てだった。
18名無しさん@おーぷん :2016/09/17(土)22:37:39 ID:glu
Forum

再び争いの火蓋は切って落とされた。
『東の国の守人』による『自由広場』建設事件だ。
『洋食公』が『元老院』を去ったのを境に思想統制を強めていた『キムチ王子』。
その原理主義的な思想は、歓楽街の『広場』にも及び、そこでは『浄化』の嵐が吹き荒れていた。
これを見咎めた『東の国の守人』が、『悪の大地』に避難していた住人と共に街の中央に『自由広場』を建設した。
だが、建設作業は難航した。
本来なら真っ先に協力すべき『国内産キムチ』達の動きが、思った以上に鈍かった。
『アカ狩り』の美名に酔って、本来最も警戒すべき『韓国産キムチ』への警戒を怠ったが故だろう。
一部には『アレ』が『保守』や『右翼』だ等と認識していた痴者もいる様だった。

出来ればこの事件には関わりたくなかった。
これが『最後の活動』になる予測があったからだ。
『監視』の付いてる身で動けば、間違いなく『終わる』――
その予測は的中する事となった。

俺がこの事件に"それでも"関わったのは、そこに『不自由』な思いをしている『住人』達が、僅かでもそこに存在していたからだ。
だが、情況は芳しくない。
今回は前回の様に『多数派工作』も使えない。
『ゲリラ戦術』だけではさすがに無理だ。
他の自由主義勢力の参加具合を確認しながら、『外国勢力』を引き込む謀略を実施した。
だが、『元老院』や『フィクサー』らの反発は強かった。
『アルカ韮』や『韓国産キムチ』は歓喜した。
19名無しさん@おーぷん :2016/09/17(土)22:38:47 ID:glu
自由主義陣営に複数の『元老院貴族』が参加しているのは分かっていた。
そして『ゴキブリ()』の姿も。
『ゴキブリ()』がもし『彼』なら、遅かれ早かれ自由主義陣営にこちら身元が割れる。
『ネトウヨ嫌い』の『彼』の事だ、説得も容易じゃない。
『国内産キムチ』や『内地』の連中にも割れる事だろう。
無論、『アルカ韮』にも同様だ。
『中道』の彼に『借り』を返す選択肢もあったが……
今は『アルカ韮』が強すぎる。
『アカ狩り』に眼の眩んだ『国内産キムチ』もあてにならん……
一旦全ポジションを破棄し、違う方法を模索するより無かった。
20名無しさん@おーぷん :2016/09/21(水)07:35:53 ID:wOc
幾つかの『茶番劇』で逃亡の身になった俺は、戦略目標を立て直す事にした。
・『自由広場』の既成事実化に協力
・『韓国産キムチ』と『国内産キムチ』の分離
・幾つかの『問題点』の顕在化とその援護
・可能な場合、自由主義陣営に協力
以上がその目標だった。

『問題点』は多いが、最大の懸案は『韓国産キムチ』と『国内産キムチ』の癒着だった。
頻発する『厨房』などのテロ犯罪に対する唯一の抑止力及び警察力になりうる勢力が、テロ組織と共謀して『思想警察ごっこ』をしてる様では話にならない。
21名無しさん@おーぷん :2016/09/21(水)07:41:03 ID:wOc
時折『観測気球』をあげながら、各勢力の配置を確認。
途中、前回の自由騒動の『焼直し』を援護し、この問題が顕在化する好機をうかがった。
『国内産キムチ』の中にも、『韓国産キムチ』や『テロ犯罪』に疑問を抱く者達が、僅かながらにも存在していた。
俺は『韓国産キムチ』派の『仔猫』が、『航空支援』と『管制司令』を担っている事を利用し、数回の『離間』の謀略を仕掛けた。
『思想警察』は優秀な『司令官』がいなければ、ただ市民の自由を『抑圧』するだけの存在だ。
左右のイデオロギーを横軸に、権威と自由を縦軸にし、自分の政治思想を理解している人間ならわかるはずだ。
『保守』でありながら『自由主義』の価値を理解している者と、『保守』の『権威主義』者との利害は、実は一致しない事の方が多い。
俺は『仔猫』の『管制司令』が『極めて偏っている』事を露見させつつ、とある手段で、次善の『警備体制』の構築方法を『提示』した。
もっとも、現時点では『悪用』の可能性が高くて詳しく記述できないが……
少しだけ書き残すなら、『重要なのは、警察に対する市民からの信頼』といったところだろう。
あとは、『優秀な諜報員の早期育成』ぐらいか。
まあ、『武人』受けは悪そうだ。

この国に必要なのは、横暴な『思想警察』ではなく、地域の頼れる『お巡りさん』。
その事に気付いてくれれば……
22名無しさん@おーぷん :2016/09/21(水)07:42:43 ID:wOc
その時だった――
国境の街にある場末のBarが、俺の今の活動拠点だ。
窓越しの植栽が不意に揺れた。
風は無い。
どこぞの勢力からの追っ手の様だった。
「マスター、いつものヤツを作ってくれ」
地下にある秘蔵の酒を取りに行く店主。
俺はそれを確認し、静かに裏口から表に出た。
国境までは数百メートル。

俺が頼んだ酒の名は、『XYZ(これが最後)』と言うカクテルだった。
23名無しさん@おーぷん :2016/09/21(水)07:44:14 ID:wOc

私が秘蔵の酒を持ってくると、彼は既にそこには居なかった。
そのすぐ後にこの町では見かけない男女数人が、彼について訊ねてきた。
私が酒蔵に行ってる間にカネだけ置いて逃げたと伝えると、無言で店を去って行った。

深夜、店のカーテンを閉め、表の灯りを消す。
閑散と静まり返る店内。
私はおもむろに、ボトル棚に無造作に置かれた紙の束を懐に仕舞った。

紙の表紙には『活動記録』とだけ書かれていた。

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