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艦これSSスレ@おーぷん 2隻目

301うち天ダラ語り改・1(本編1) :2014/12/14(日)20:35:50 ID:WYH

うちの天龍ちゃんとかが日常とか設定とかダラダラ語る話(改)・1 ~球磨型ナイトチェイサー~

――――――――

深夜の母港。
海沿いの通路を全力で疾走する影ふたつ…そして、それを少し離れた所から追いかける一団。
…まあ何かって言うと、今まさに目の前を走ってるヤツらとオレたちの事だ。

「くぉらああァーーー!!!待つクマ木曾ーーーーッ!!!」
「ヘン!お断りだねーーッ!!」

「できれば昼にしていただけると青葉、撮りやすくて助かったんですけどね~。夜のネタは川内さんでだいたい足りてますし。
 あと、まるゆちゃんも呼んできたほうが面白かったですかね?大和さんとお話してた(※1)んで呼びませんでしたけど」
まるゆなぁ。アイツ、悪いヤツじゃねーけど走るの遅せーしドンくせーからな…来たとしても途中で見つかると思うぜ。
「暗くてよく見えないな~。探照灯つけてもいい?」ぜってー見つかるからやめろ、秋雲。
しかもそれ、霧島か神通かのどっちかが外して置いてあったやつじゃねーか…バレねーうちに返しとけよ。
で、アイツらなんでこんな時間に鬼ごっこなんかやってんだよ?どうせ大した理由じゃねーんだろうけど。
「それがどうもですね~…」

「他のヤツに見つかるとイメージが崩れるからって、夜中にこっそり甘い菓子食ってそのまま寝た挙句に
 やっぱり誰かに見つかるのがイヤで治してなかった虫歯が悪化とか、どんだけアホクマー!?
 自然界での虫歯は下手をすれば即、命取りクマ…
 そんなもんをみすみす放置とは、球磨型姉妹の名折れも良い所だクマ!!
 いっその事、球磨がへし折ってやるから口開けろクマーーー!!!」

「…だ、そうです」想像以上にアホだった。つーか野生動物か何かか?球磨型は。
「クマ姉とタマ姉はだいたいそうかもねー」「木曾も似たようなもんよ…私たちは違うわよね、北上さん!」
「にゃー。大井も北上も、あんまり変わらないにゃ」って、姉妹勢揃いかよ!止めに行かなくていいのか?
「嫌よ、面倒くさい」「クマ姉強いし頑固だからねー。ああなったら放っとくのが一番だよ」
「一通り暴れたら収まるはずにゃ。心配いらにゃい」慣れてんのか、お前ら…
302うち天ダラ語り改・1(本編2) :2014/12/14(日)20:36:46 ID:WYH

「でも、ちょっと不思議だよね~?」?何がだよ、龍田。
「うちの木曾ちゃんが実は甘い物好きなのって、もうだいぶ前からバレちゃってて
 今じゃ、知らない子のほうが少ないぐらいだよ~?なのに、どうして今になって隠したのかな~?って」
ん、そう言われてみると…まるゆにもとっくにバレてるぐらいだし、今さら隠したい相手とかいるのか…?
「「「あ」」」何だよ、三人同時に?

「あの子ねー、実はそんなに体丈夫でもないんだよ」マジで!?
「本当よ。ちっちゃい時なんて、すぐ風邪引いて熱出したりして大変だったんだから」
「栄養あるもの食べさせなきゃってんでクマ姉、今でも気ぃ遣っててさー。
 駄菓子とかも部屋にあんまり置いてないんだよねー。
 さすがに鮭の兜煮とか謎のモツ煮とか、ゲテモノ系ばっかり夕飯に出すのはどーかなって思うけどねー」
そーなのか…献立がなんかヤバい気もするけど、意外とちゃんと姉ちゃんしてるんだな。アイツ。
でもま、そんだけ気遣ってんのに当の本人が無頓着じゃ、確かに怒りたくもなるかもな?
「怒ってるっていうか、心配してんだよねー」「そうそう。姉の心妹知らずだわ」

「木曾が多摩たちに隠してた理由は、多分それだけじゃないにゃ」
うお、ビックリした…なんでいつも猫みたいにニョキニョキ乗り出してくんだよ、お前は。
「猫じゃないにゃ。…今回の作戦、クマ姉やニャガラ(長良)は意外と優秀にゃから
 今ぐらいの練度でも割と活躍できたにゃ?
 残念にゃがら、多摩はそこまでじゃないにゃ。作戦に参加するには、もうちょっと練度が必要だにゃ」
お、おう…(なんか耳の痛い話になってきたな)それで?
「提督、今回の作戦に参加した子に間宮・伊良湖ブランドのちょっと特別なお菓子(※2)奢ってたにゃ…
 最初クマ姉が食べてた時、多摩がつい羨ましそうに見てたのを木曾は気付いてたにゃ」あー、なるほどね…
「なんだー。木曾ってば、水くさいなー」「つまり、提督がケチって全員に奢らなかったから悪いんじゃない」お前らな…
しっかし、そんなに欲しかったんなら一口分けてもらえばよかったじゃねーか?アイツら、断るほどケチじゃねーだろ。
「戦士のプライドってものがあるのにゃ。おこぼれのお菓子じゃ嬉しくないのにゃ!じゅる…」ヨダレ出てんぞ…

(ザバァーーーン!!)
!?何だ!?「海の方からにゃ!?」
303うち天ダラ語り改・1(本編3) :2014/12/14(日)20:37:56 ID:WYH

「敵艦クマ!?」「こんな近くにだと…!?チッ!クマ姉は下がってろ!
 深海棲艦…この雷巡木曾が相手だッ!!」
<<ナンカ、ミチニマヨッテタラボコウデタ…チョウドイイ、カンムス、タオス!>>

なっ…深海棲艦じゃねーか!迷い込んできたのか!?
「マズいですね…あの向きであの至近距離だと、球磨さんも木曾さんもちょーっと海の上に出れないです。
 足元が地面なんで砲撃の反動をうまく逃がすことができませんし、雷撃も使えません…
 できる事といえば、直接相手の懐に飛び込んでの近接攻撃ぐらいですかね?」
「木曾が抜刀して突っ込んでったわ!」「お!いい感じに斬りつけて…あー、ヤバい。派手にブッ飛ばされた」
「一撃必殺とはいかなかったみたいにゃ…ちょっとピンチだにゃ」
龍田、今武器使えるよな?オレ達も出るぞ!「言われなくても、ちゃ~んと準備出来て…えっ?」

「喰らうクマーーーッ!!」(ドゴォーーーン!!)「なにッ!?」
<<!!??ナンダト…!?>>
「ちょっと、クマ姉!?」「水の上じゃないのに撃ったのにゃ!?」「うわわ、大スクープです!」マジか…
<<バカナ…リクジョウカラ、ホウゲキダト…!?…グフッ、ムネン…ゴボゴボ…>>

「ふっふっふ、こんな事で驚いてるようじゃ球磨は倒せないクマー…ぐォう!?そこ痛いから触るなクマ、木曾ッ!」
「このバカ姉貴!無理に撃ったから肩外れてるじゃねぇか!
 こんな無茶しなくたって、俺に任せておけば…いでででッ、ちょ、顔掴むなッ!」
「お生憎様クマ。腕はもう片方あるし、ジューショー(※3)の妹に庇われるほどヤワじゃないクマ!
 …さっきアイツにやられた時に歯、欠けたクマね?球磨ががっつり折ってやる予定が台無しクマー」
「みすみす折られるつもりなんて最初っから無いね…とりあえず、背中乗れ。仕方ねーからドックまで連れてってやる」
「仕方ないクマね…ダダっ子な妹のために、姉ちゃんが付き添ってやるクマ」

「めでたし、って感じかなー?」「問題にゃい」「全く、人騒がせよね。…後で様子見に行ってやろうかしら」
「天龍ちゃん、私思ったんだけど~」言うな、龍田。
「ひょっとしてこのシリーズ、私たち毎回出てるだけで活躍できてない~?」言うなって!哀しくなるだろ!!
304うち天ダラ語り改・1(注釈) :2014/12/14(日)20:38:54 ID:WYH

――――――――

(※0)注釈とか、余談のコーナーだな。改になってちょっと少なくなったっぽいか?
 「まるっとお見通しだー!」おわ、まるゆじゃねーか!
 「木曾さんのお話だったみたいなので、まるゆ、来ちゃいました!どんなお話ですか?」「あら~」

(※1)なんか提督たちの集まる掲示板で、初大型でまるゆ出した奴がいたとかで
 祝いがてらにまるゆ秘書艦で回した時に出たんだったよな、ウチの大和。
 「しおいちゃんやあきつさんより先に大和さんを連れてきたのは予想外だったね~。提督もビックリしてたな~」
 「まるゆ、実は大和さんに敬礼して、お返事貰ったこともあるんですよ~。えっへん!」
 それ実際大和出るまで忘れてたらしいからな、ウチの提督…やっぱ物欲センサーってヤツかな?

(※2)菓子は購買(酒保)や外でも普通に買えるけど、出撃前の間宮・伊良湖ブランドっていうとやっぱ特別で
 どっちかっていうと、表彰とか贈答品に近い感じなんだよな。貰える事自体に価値があるっつーか。
 …勲章の話の時とちょっとノリが矛盾してるような気もするけど、そこはなんだ。展開上の都合だ。
 「作戦の追い込みとかで毎回呼んだりすると、いくら艦娘でもお腹いっぱいだしね~。
 最後の方は食べきれなくて、結局他の娘にもおすそ分けしてたって作戦で出撃した娘から聞いたよ~」
 これまで呼んだことなかったからって極端だよな、提督。普段からちょっとずつ呼んで練度上げておきゃいいのに。
 「天龍ちゃんの試験前の一夜漬けと一緒だね~。ウフフフ♪」うっせー!

(※3)秘書艦で放置された時の「ジュージツしてるクマ!」みてーな、拗ねてイヤミ言ってるっぽい口調だ。
 「球磨型の娘たちって荒っぽいけど、仲良しだよね~。私たちもマネしてみる~?」ちょっとオレの趣味には合わねーな…
 「まるゆ、ちょっとマネしてみたいです!」うん、諦めろ。
305うち天ダラ語り改・2(本編) :2014/12/14(日)20:39:44 ID:WYH

うちの天龍ちゃんとかが日常とか設定とかダラダラ語る話(改)・2 ~司令部近辺某所にて~

――――――――

「あ~~ん。ろうれふか?」
Unglaublich(信じられない)…以前私が処置した箇所が、本当に『治って』いる…!?
噂には聞いていたが、艦娘の自己治癒能力というものは我々の常識の範囲を遙かに超えているんだな…!

「私たち本人っていうか、妖精さんがレシピを教えてくれた修復剤のほうがすごい気もするけど…
 この前資材を食べてたら、詰め物が取れちゃったんで修復剤で治したんです」
まあ、私も歯科医として腕にはそれなりに自信ある方だけど…資材食べてたらそりゃ、取れるよね。
それにしても、色々と興味深い話だ…もう少し、詳しく聞かせてもらってもいいかい?
「Hmm…一応機密だから、あんまり詳しい話はダメなんだけど…ein wenig、ちょっとだけね。
 私もよく知らないけど、妖精さんにしか作れない成分とかも入ってるみたいです。
 あと、普通のニンゲンに使ったらダメかもってAkashi(明石)が言ってたような」
そうなのか…それは残念だ。艦娘だけでなく一般人にも応用できるなら、救われる人も格段に増えるんだが…

あ。ところで、キミがここに居て、しかもそんなに楽しそうにしてるという事は…まさかとは思うけど、例の彼女も?
「えっへっへっへ~♪そうなんですよ~!実は幸運にも、私が配属された先にいらっしゃったのは
 なんと!私も先生もよ~く知ってるあの…あ!ちょうどいい所に姉さまが来ましたよ!ビスマルク姉さま~!
 …あれ?なんか、慌てて戻ってっちゃいました。さすが姉さま、演習にも攻略にも大活躍(※1)でお忙しいんですねっ!」
うん、今完全に私の事見るなり逃げてったよね?相変わらずの姉さま贔屓だね、キミは!(※2)
306うち天ダラ語り改・2(注釈1) :2014/12/14(日)20:41:29 ID:WYH

――――――――

(※0)Erläuterung(解説)や、abschweifung(余談)だね。時間があったら見ていってくれ。
 「って、アンタ誰だよ!?」あ、どうも。
 ドイツからたまたま用事でこの近くまで来たら、偶然にも買い出し中だった近所の娘と再会して
 当たり障りない程度に雑談を楽しんだモブ歯科医Aです。日本語話せます。
 「設定ガバガバ過ぎんだろ!名前すらねーのかよ!!」
 いや、この先特に出番もないと思うし名乗らなくてもいいかなって…ところで、キミたちは?
 「オレか?オレの名は天龍。フフフ、怖いk」「天龍ちゃん、見~つけた♪」
 「だー!名乗ってる最中に割り込むなっていつも言ってんだろ、龍田!」
 Tenryu(仮)さんにTatsuta(仮)さんだね、よろしく。
 「カッコカリ付けんな!艦の方の名前だから合ってるっちゃ合ってるけど!」
 「人の方の名前は別にあるんだよね~。ここでは使う機会ないけど~」

(※1)私は知らないんだけど、実際、大活躍なのかい?彼女。
 「あー…実は大和とか金剛姉妹・扶桑姉妹の育成優先してたら、いつの間にか追い抜かれてた上に
 E-3には例の件でオイゲン(艦)と一緒だった長門のほうが出たんで、秋の作戦はアイツ出番なかったんだけどな…
 レベリングの随伴は前からよくやってるし、最近はウチの最前線、5-3の攻略にも出始めてるぜ。
 夜戦は肌が荒れるからイヤとか言ってた割には結構乗り気っぽくて、
 随伴ばっかしてるせいか、提督曰く『旗艦にしないほうが良い仕事する気がする』らしい」
 「でも、オイゲンちゃんが来てすぐの時はちょっとバタバタしてたかな~。
 ビスマルクさん、知り合いの娘がオイゲンちゃんになってて同じ司令部に配属されるなんて思ってなかったし
 提督も提督で、あんなに慕ってくる娘だって知らなかったから
 『カッコいい所見せないと!』って二人して慣れない事しようとして、すっごく焦っちゃってたね~」
 「ヘンな編成で演習出て、オイゲンより先に大破とかやらかしてたな…あそこまでテンパらなくてもいいのにな」
307うち天ダラ語り改・2(注釈2) :2014/12/14(日)20:42:22 ID:WYH

(※2)「相変わらずって事は、本国でもあんな感じだったのか?プリケ…いや、オイゲン(仮)」
 そうなんだよ…実は彼女、小さい頃に野良犬に襲われかけた事があってね。
 お尻に噛み付かれそうになってる所を、たまたま通りがかった例のBismarck姉さま(仮)に助けられたと…
 それ以来、彼女の中で姉さまはすっかりHeldin der Gerechtigkeit…
 正義のヒロインになってしまったみたいなんだ。
 「(やっぱり昔からプリケツ…と、それは置いといて)それでずっと姉さま命なのか。オイゲン」
 Ja…それ自体は私は別に構わないんだけど、例の姉さま、昔から甘い物を食べ過ぎる上に歯医者が苦手でね…
 改善されるように家の方にも協力をお願いしてあるんだけど、仕事の関係でいない事が多くて
 留守中なんかは特に、彼女が頻繁に手作りのお菓子とかを持って逢いに行ってるみたいなんだよね。
 「あー…なんかダメなパターンだな」「文字通り、甘やかしちゃうんだね~。
 …そういえば、天龍ちゃんも昔近所の子にお菓子もらってた事あったよね~?
 虫歯で甘い物禁止の時もそうだし、ヤンチャし過ぎてご飯抜きになった時とか
 お小遣いムダ使いしちゃってピンチの時とかに、面倒見てあげてた小さい子がこっそり持ってきてくれて…」
 「だああッ!昔の話はすんな!」「っていうか、今もだよね~?ときどき駆逐艦の子たちが」「わー!わーッ!」
 あ、ちょっと違うけどこっちもなんかダメな感じだった。


おわり
308名無しさん@おーぷん :2014/12/14(日)20:43:23 ID:WYH
今回は以上です
大方書き終えてから今日が木曾(と榛名)の進水日だと知ってスライディング土下座
クリスマスには無事平和にケーキを食べてる事を祈ります

そしててっきりケーキとかチキンとかを要求してくると思ってたうちのビス子さんがプレゼントを要求してきた件
309名無しさん@おーぷん :2014/12/17(水)19:44:12 ID:1JL
乙!
310名無しさん@おーぷん :2014/12/21(日)17:37:07 ID:U28
投下させていただきます
分量が多くて投下に手こずりそうなのであぷろだの方に

http://fast-uploader.com/file/6974706356303/
(PASS:shouhou)
311名無しさん@おーぷん :2014/12/21(日)18:32:58 ID:2if
>>310
読みました
ええ話や…てっきりドスケベな話が読めるものだと思ってた自分を殴りたい
312名無しさん@おーぷん :2014/12/30(火)09:33:05 ID:AVM
お久しぶりです
以前連隊これくしょんでスレを当惑させた者です
可愛い曙ちゃんと年末のタイムリーネタを思いついたので投稿します
313名無しさん@おーぷん :2014/12/30(火)09:33:44 ID:AVM
『落語っぽい艦これ:曙ちゃんの芝浜』


―――――――――――――――――――――――――――

鎮守府の近くに或る提督が住んでいました。艦娘を率いて数多の戦果を挙げた歴戦の提督ではありました。が、今は呑んだくれて公務も休みがち。
というのも先程の作戦で、長らく秘書艦を勤めていた五月雨が、壊走する戦隊を逃がす為、独断で挺身し未帰還となったのを悔やんで、自分の采配の拙さが許せず酒に溺れる日々を送っていたのであります。
五月雨を止められなかったのを酒で忘れたい、俺なんてこのまま呑んだくれてくたばってしまえばいい、と思っていた所、
「大掃除に来てやったわよ、このクソ提督!」
歳末(くれ)も近づく頃、掃除道具を備え、着物の裾を捲り上げた曙が玄関に立っておりました。どうやら年始の晴れ着合わせの途中だったようです。
「…何だ曙か。別に呼んでねえけど。」
「何だ、じゃないわ。クソ提督が心配だから来…ってそんな訳無いでしょ!大淀さんに様子を見に行くよう頼まれただけよ。」
そう言うと曙は、「汚い部屋ね。男寡に蛆が湧くって正にこの事だわ。」とかぶつくさ言いながら勝手に掃除をし始めました。
そうこうしてるうちに日も暮れて、遅くなったので飯食って泊っていけと言う提督に曙は、
「ちょっ、それ本気!?…も、もし私にヘンなことしたら、あんたのどてっ腹に風穴空けるから!」
「安心しろ、ずっとそんな気分にすらなってねえよ。そもそもお前、俺のストライクゾーン外だしな。」
「ストライクゾーンって、まさか艦娘をそんな目で…この変態スケベクソ提督!」
いつもの様に罵倒しながらも、少しドキマギした曙と夕飯を食べた提督は今日も酒を飲んで寝てしまいました。
折角様子を見に来た曙はたまりかねて翌朝早起きし、
「起きなさいこのクソ提督!さっさと鎮守府に行くのよ!」
「おい。まだ少し薄暗いのに大声出すなよ。ったくいい気持ちで寝てたってのに。今日も酒かっ喰らって休むんだよ。」
「何言ってるの。仕事が沢山溜まってるのよ、いい加減にしなさい!」
「五月雨沈めちまった俺に出来る仕事なんてもうねえよ…眠む…い。」
「もう、歳末も近いっていうのに、出撃や遠征の指示やらなくてどうするのよ。五月雨の事で辛いのは皆同じなのに…いつまでも甘ったれてんじゃない、このクソ提督!」
「言われなくたってわかってるよ曙…そもそもうちだけが歳末が近いってわけじゃないや。」
「まったく何言ってるのよ。ぐずぐずしない、早く布団から出ろ!」
提督は寝ぼけ眼で回りをみまわし、
「わかったよ曙、行けばいいんだろ。シャツはどこだ?ほったらかしで全部くしゃくしゃだ。」
「ほら、いつでも着れるようにアイロンかけておいたわよ。」
「長刀は?これもサビてるよ。」
「どうぞ。ちゃんと紙ヤスリで錆は落としたわ。靴もそこに出してある。さあ、行きなさいこのクソ提督。」
(シャツにアイロンはありがたいが、ヤスリで錆落としってどうよ。曙にしては気が利いてるとしようか)
314名無しさん@おーぷん :2014/12/30(火)09:37:21 ID:AVM
提督は、半分うとうとしながら、しぶしぶ官舎を出ると、
「うー、やっと日が出てきたが外は寒いな。曙も俺が出かけて一安心だろう。俺にまた仕事…艦隊の指揮を執れなんてな。あんな目に遭わせた艦隊の皆にどの面下げれば良いんだか。しかし時間が早いな、浜にでも行って一服してくるか。」
提督、タバコをくわえて浜をぶらぶらしていると、海岸に何か落ちてます。
「何だ、こりゃ。おっ、これは…クリスマスイベントとかっていうので手に入るという、プレゼント箱だ…しかし汚ねえな…!おっと!重てえ…おや、これは大量の資源だ。やったぞ!これだけありゃ鎮守府も楽に年越しできる。これはもしや五月雨の…いや都合の良い解釈は止そうや。」
あわててプレゼント箱を持って官舎へとんでかえりました。
315名無しさん@おーぷん :2014/12/30(火)09:37:40 ID:AVM
「俺だ。曙まだ居るだろ?早くあけてくれ。」
「何よクソ提督。ちょっと待って。今あけるから…」
戸を開けて、提督を見て、
「どうしたの息を切らして。忘れ物?」
「そんなんじゃねえ。浜でこんなの拾っちまった。中を見ると資源がてんこ盛り入っているじゃねえか。驚いたのなんのって。見ろ、ほら…」
「資源?」曙は中を開けて確かめます。「油と弾とボーキが…ものすごい量。」
「これでしばらく遊んでも鎮守府には問題ねえよ。曙、酒と肴を買ってこい。それに近所の飲み仲間とオンナもよんでこい。祝い酒だ。」
提督、大喜びで、仲間をよんできて、飲めや唄えの大騒ぎ。
「かーっ、タダ酒はマジ美味いねぇ。提督ありがとさん。」
と、ちゃっかり混ざって呑んでいる隼鷹を尻目に、曙も仕方なく酒宴に付き合い一日が過ぎていきました。
316名無しさん@おーぷん :2014/12/30(火)09:38:30 ID:AVM
次の朝も、提督は布団の中、曙に起こされました。
「ねえ、起きなさいったら…」
「おい、何だよ。いい気持ちで寝ているときに起こすなよ。もうちょっと寝かせてくれ。」
「何を言ってるのよ。もう朝よ。鎮守府へ登庁しなさい。」
「鎮守府?昨日の資源があれば当分問題はねえだろう。別に俺が遠征の指示なんて出さなくていい。」
「ばかなこと言わないでよ。あんたが働かなくて、どうやって艦隊が成り立つの、このクソ提督!それに、ゆうべの飲み食いのお代だってどうするわけ?」
「そんなものは簡単さ。鎮守府の経費で落とせばいい。昨日の資源でおつりがくらぁ。」
「資源?なによそれ?」
「昨日、浜で俺が拾ってきたのがあるじゃねえか。」
「浜で拾った?なに言ってんのよ!昨日はどこにも行ってないわよ。一日中寝てたじゃない。」
「なんだと。浜に行かなかった?そんなことがあるものか。俺を起こして、無理やり鎮守府に行かせたじゃあねえか。でもな、まだ時間が早かったんで一服しに浜に行って、あの沢山資源のつまったプレゼント箱を拾って帰ったんだ。それがねえって言うのか?」
「成程ね。それであんなバカ騒ぎをしたの…全く情けないわ!いくら資源が尽きてたから、責務に耐えられないからって、資源を拾う夢を見るなんて!」
317名無しさん@おーぷん :2014/12/30(火)09:42:02 ID:AVM
「夢?」
「そう。夢に決まってるじゃない。昨日は何回も起こしたけど、起きなかった。
お昼ごろ、ようやく起きたと思ったら、風呂へ行って、帰りに隼鷹さん達引っ張ってきて、
あんた、『めでたい。うれしい。酒だ、うなぎだ、天ぷらだ…さあ買って来い。』って大声上げて、そして飲めや唄えの大騒ぎ、さすがの私でも気でも違ったのかと心配したわ。あげくの果てに、ぐてんぐてんに酔っぱらって眠ってしまった。
昨日はそんなありさまで浜なんか行く暇なかっんだから…分ってんのこのクソ提督!?」
318名無しさん@おーぷん :2014/12/30(火)09:43:12 ID:AVM
「…曙、本当に夢なのかい?」
「あたしの言うことがウソだっていうの?」
「いや、お前の言うとおりかもしれねえな。でも…本当に夢か?歳末も近いっていうのに変な夢みたもんだな…
ってえと何だ?プレゼント箱拾ったのは夢で、飲んだり食ったりしたのは現実?
…情けねえ!あんな夢見るなんて。部隊を守る為に散った五月雨の為にも何とか頑張らなきゃってのにさ、
一人ぐだぐだ悩んで酒に逃げてた俺が…全部悪いんだ。もう酒はやめる。これからは提督として皆を導くんだ。
もう二度と五月雨の様なのはごめんだ、絶対させねえよ!曙、やっと目が覚めたぜ。」
319名無しさん@おーぷん :2014/12/30(火)09:46:07 ID:AVM
それからというものは、提督、朝早くから夜遅くまで公務に精を出しました。 もともと優秀な提督、一時劣勢だった戦局をたちまち覆しどんどん進撃していきました。
一年が経ち、艦隊の規模もずいぶん大きくなり、一隻の損失も無く無事に新年を迎えられる事となりました。

そして再び歳末の近づいたある日…
「掃除が終わったら、ちょっとこっちに来て。」
と昨年の今頃と変わらず着物を着込んで大掃除を手伝っている曙が声をかけます。
「ふぅ片付いた。いま行くよ。深海棲艦共に優勢なまま正月を迎えられるとは有難いよ…五月雨も少しは許してくれるかな。
あいつの犠牲に報いる為にも、俺達は戦い抜いたんだ。曙にもいろいろ世話をかけた。
お前が俺の目を覚ましてくれたおかげだ、すまねえ。」
「何もあやまらなくたって…」曙、ほんの少しニコっとしたような。
「俺が言いていのは、『ありがとよ』ってことさ。今んとこ敵がどこからも攻めて来ねえ、
全員無事に年が越せるってのは気持ちがいいもんじゃねえか。」提督、ご機嫌です。
「あの…その…あんたに聞いてもらいたいことがあるの。 私の話が済むまで怒らないって約束してよ、クソ提督…」
提督、戸惑いつつも曙の真剣なまなざしに、
「なんのことだかわからねえが、約束するよ。」
「本当?」
「ああ、約束するよ。」
320名無しさん@おーぷん :2014/12/30(火)09:50:34 ID:AVM
「じゃ、この箱を見てもらいたいのよ。」
「汚ねえけど、クリスマスで手に入ったやつか。これがどうした?」
「中に資源が沢山入ってる、この資源と汚い箱に心当たりはない?」
「そう言われてみれば、ちょうど去年の今頃ひでえ夢みたな。夢ん中で、資源の一杯詰ったプレゼント箱を浜で拾ったな。」
「…あれは夢じゃなかった。あんたが本当に拾った…」
「何だと。本当か!曙、なぜこんなウソを!」
「私の話が済むまで怒らないって約束したでしょ、このクソ提督。」
「した。確かに。」
「あの時は、あんたのこと本当に心配したのよ。提督なんかやめて、毎日酒を飲んで暮らすって言ってた。
あんたが寝込んでいる間に、箱を持ってあんたの上官へ相談に行ったんだよ。 すると、上官殿は、
『出所不明のあの資源を使えば、遅かれ早かれ何か問題になり軍事裁判にかけられるやもしれん。
俺がかわりに大本営に掛け合うから、お前さんは夢だということにしてごまかしなさい。』って言われたのよ。
あんたは人がいいから、私の言うことを信じて、酒もやめて一生懸命軍務に勤める決心をしてくれたわ。
おかげで艦隊全員の士気と結束も高まって戦果も挙げた…でもあんたが仕事に精を出しているのを見るたびに、
私はいつも心苦しかった。この資源も解らず仕舞いで半年前に上からさがってきたんだけど、私は心を鬼にして隠してきた。
でもあんたはすっかり元の頑張る提督に戻ったようだし、この箱を見せることにしたのさ。
腹がたつのももっともだろうけど。配下の駆逐艦にだまされて。
さあ、気が済むまで、あたしを罰するなりなんでも好きにしなさいよ。この…クソ提督…」
「罰する、とんでもねえ。えれえ。お前はえれえ!あの時あの資源ありゃぁ、俺は、引篭もって呑んだくれて、
しまいにはアル中で野垂れ死にしていただろうな。 俺の上官の言うように、軍法で裁かれてきつい処罰されてたかもしれねえ…
こうして誰も欠けることなく正月を迎えられるのも、みんなお前のおかげだ。俺ぁ、あらためて心から礼を言うぜ。ありがとよ曙!」
「本当に許してくれるの?」
「許すもなにも、曙、お前に礼を言ってるじゃねえか。」
321名無しさん@おーぷん :2014/12/30(火)09:52:11 ID:AVM
「私…うれしい…ってあまり調子に乗らないでよね、このクソ提督。でも今日だけは…一年間頑張ったご褒美みたいなものよ。」
「お、酒か。燗をつけたのか?台所からいい匂いがしていると思っていたら、そういうことか。」
「べ、別にあんたの為ってわけじゃないんだから。飲みたきゃ飲みなさい!」
「曙お前、悪態つきながらもやっぱり俺を見守ってくれたんだな。随分と飲んでないからなぁ。ありがとうよ…ありがてぇ。じ

ゃあお言葉に甘えて、一杯やるか…おっとっと、久しぶりだな。匂いだけでも酔っぱらいそうだ。たまらねえな…でも。」
提督は酒を飲むのをやめます。
「止めとく。」
「どうしたのよ。クソ提督。」
「…また夢になるといけねえ…一緒に晴れ着姿のお前も消えちまうと困るぜ。」

―――――――――――――――――――――――――――

「……てなわけで皆様一席ご清聴、真にありがとうございやした!」
「中々のもんだねえ。涼風さんも素人ながらいい噺っぷりだ。しっかし温った酒蔵謹製瓶入り甘酒美味しいねえ。」

 涼風は年末の鎮守府で艦隊の新年会の出し物の練習をしていた。丁度ヒマだった谷風や五月雨、山城らが彼女の最初の観客となり噺に聞き入っている。

「まあかくし芸としてはいいんじゃない。尤も、姉さまと私のはさらにレベル高いけど。」
「涼風ちゃん、私を勝手に殺さないでよね。いくらフィクションでもあんまりです。」
「丁度秘書艦やってる五月雨が適役だと思ったけど、今度の噺でヒロインにするから勘弁してえなっと。」

 涼風と五月雨のやり取りを見ながら飲み物に手をつけた山城が突然立ち上がって、

「江戸落語もいいけど、ヒック、上方落語の方が素晴しいのよ。上方文化の中心地は京都よ、き・ょ・う・の・み・や・こよ、ヒック!」

 どう見ても酔っ払っている…五月雨が甘酒を注いだのに。

「山城どうした?なんかおかしいぜ。あれ?山城の飲んでるのってこれ…」
「ああっ、いけない!甘酒の瓶と間違えて、御屠蘇の方注いじゃった…」
「全くそそっかしいねえ。ま、いつも通りの五月雨姐さんらしいや。」
「そりゃいけねえな。っておい、皆で山城止めるんでい!酔っ払いを野放しにできっか!」


 その頃提督の執務室。提督と曙が大掃除をしていた。

「クシュン、クシュン…何よこれ?クシャミが止まらない、日ごろ掃除してないからよ。」
「まめに俺と五月雨で掃除してるんだがなあ。んん…ヴァックショイ!誰かが俺たちの噂でもしっ放しなのかも。浮いた噂をさ。」
「浮いた噂…!?そ、そんなの有るわけないでしょ!でも…あたしで良ければ…ってなに言わせんのよ、このクソ提督!」

 こうして或る鎮守府の、或る艦隊の、年の暮れは過ぎてゆく…

 提督も艦娘達も良い新年を迎えられますように。


[完]
322名無しさん@おーぷん :2014/12/30(火)09:54:49 ID:AVM
この場を借りれてどうもありがとうございました。
金曜日のアプデで年始曙を見て寄席に行く→芝浜を聞く→ムラムラしてやった後悔はしていない
それではスレの皆様良いお年を
323名無しさん@おーぷん :2014/12/30(火)09:56:31 ID:AVM
しかし年の瀬噺なので年末に間に合ってよかった…でも艦これで落語って需要無いだろうな
艦これ講談は実演されてますけど
324名無しさん@おーぷん :2014/12/30(火)12:01:47 ID:8Cx
>>323
乙、面白かったです
時期的にも良いしイイハナシダナーとちょっとほっこり
曙さんと提督は良い夫婦漫才ができそう
325名無しさん@おーぷん :2014/12/30(火)12:03:34 ID:8Cx
って、落語なのに漫才じゃいかんね…失礼しました
326名無しさん@おーぷん :2014/12/30(火)17:25:44 ID:hpq


またこうしてクソ提督が増えていく
327名無しさん@おーぷん :2015/01/01(木)07:05:33 ID:rES
あけましておめでとうございますー

落語面白かったです
あぁ、クソ提督になっていく……
328名無しさん@おーぷん :2015/01/03(土)05:55:35 ID:uHw
お目汚しかもしれませんが
川内のR-18ものです
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4743665
329名無しさん@おーぷん :2015/01/06(火)05:13:21 ID:J3M
ちくしょう! 完全にkomeに監視されてんじゃねえか!(ビクンビクン
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4754404
330名無しさん@おーぷん :2015/01/07(水)14:05:41 ID:tLE
はい R-18です にこーせんのお姉さんたちです
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4760977
331進め、百里浜艦娘隊! :2015/01/11(日)19:58:21 ID:EmG
投下します。

あらすじ。

百里浜基地隼鷹部隊。
その攻撃目標は、規格外の強さを持つ空母ヲ級だった。
高い戦闘能力と、なによりも桁違いの装甲値を持つ空母。
大和の砲撃すら通じないという異様な頑丈さ。

その装甲を斬り裂く兵器として、白羽の矢が立てられたのが神通の持つ刀だった。
332進め、百里浜艦娘隊! :2015/01/11(日)19:58:52 ID:EmG

第17話 それはイレギュラー

 隼鷹は右手に持った羅針盤を眺めていた。
 羅針盤の形をした深海棲艦探知機。どちらに深海棲艦がいるかを示すものだが、羅針盤
妖精は何故か派手に羅針盤をぶん回す。
 くいと眼鏡を動かし、霧島が羅針盤を見やった。

「いつも思うのですけど、この羅針盤――本当にアテになるのかしら?」
「それは言わない約束さ」

 苦笑いをしながら隼鷹は答える。頼りになるのかならないのか分かりにくい羅針盤。針の
示した方に行けば深海棲艦を発見できることが多い。何も無かったという事も、微妙に多か
ったりする。そして、羅針盤を無視して進めば、まず深海棲艦とは出会えない。
 完璧ではないが、現状もっとも有効な探知機と言えるだろう。
 ちらと隼鷹は後ろに眼をやった。
 神通が刀の柄に手を添え、静かに口を開く。

「空母ヲ級……イレギュラー。それが今回の討伐目標ですね?」
「はい」

 頷いたのは大和だった。神妙な面持ちで視線を僅かに落とす。
 無印、エリート、フラグシップ、フラグシップ改。深海棲艦の区分けはこの四種類だが、その
系列から外れたイレギュラーという呼称がある。表向きにはされていないが、完全な規格外
の深海棲艦は数は少ないながらも実在していた。先日見かけた変なレ級も、イレギュラーか
もしれない。隼鷹はそう考えている。
 大和は静かに続ける。

「私も以前対峙したことがあります。艦載機を操る力はかなりのものです。フラグシップ改を
上回るレベルでしょう。加えて何よりも厄介なのが――異様な装甲値です。この大和の46cm
連装砲の連撃を余裕で耐えるほどの堅さです」

 と、艤装の46cm三連装を見つめる。
 現在の艦娘で最大の攻撃力を誇る46cm三連装。それが通じないのなら、残る正攻法の手
段は非常に少ない。重巡か雷巡が、夜戦にて至近距離から全弾撃ち込むなど。
 だが、正攻法でない手段ならいくつもある。

「その装甲を斬り裂くために、私が呼ばれたのですね?」

 神通が腰の刀に手を添えた。
 斬鉄剣・流星――刃渡り二尺一寸の直刀。白樫の合口拵えで、見た目は仕込み杖のよう
な刀である。非常識な切れ味を持ち、丸太や岩から鋼鉄、深海棲艦まで問答無用で斬り裂
いていく特殊兵装だった。通常兵装とは桁の違う力を持つ兵器である。

「そういうこと」

 隼鷹は神通と大和に笑いかけた。
333進め、百里浜艦娘隊! 17話 :2015/01/11(日)19:59:26 ID:EmG
「作戦は単純明快さ。瑞鶴と霧島とアタシで敵艦載機を全部撃ち落とす。で、制空権取って
から、大和と多摩で露払い。そして、神通がヲ級を斬る、ってな具合」
「……」

 神通と大和、揃って目蓋を下げる。
 かなり適当で無茶苦茶な作戦だ。神通や大和も、その自覚はあるのだろう。それでも、相
手は正攻法の通じないイレギュラー。非常識な攻め方をしないと倒せないのだ。

「援護はこの隼鷹様に任せなさい」

 そう宣言して、隼鷹は自分の胸を叩いた。





「十時の方向に敵影発見!」

 瑞鶴が声を上げた。
 機銃による撃墜専門だが、一応彩雲も持っているため、索敵も行っている。艦載機は索敵
するもの、と言い切る機銃至上主義者であるが。

「例のヲ級旗艦、軽空母二体、戦艦二体、重巡一体、軽巡一体、駆逐四体」
「って連合艦隊編成かい!」

 思い切り隼鷹は声を上げた。
 水上部隊もしくは機動部隊に、水雷戦隊を加えた、大型艦隊である。様々な制約から艦娘
も深海棲艦も、一隊六人編成が限界だが、連合艦隊編成を用いれば十二人まで艦隊に組
み込むことが出来る。その戦闘力は推して知るべし。

「敵の出方に注文は付けられませんから」
「今回は好きにやらせてもらうにゃ」

 微苦笑を見せる神通と、肩をすくめる多摩。相手が連合艦隊編成であるというのに、怯ん
でいる様子もない。艦娘というものはかつての大戦で沈んだ船の意志であり、勇気である。
見た名よりも遙かに肝は据わっているのだ。

「来るわよ――」

 瑞鶴が左腕を振り上げた。
 空の向こうから飛んでくる数十の艦載機。SFっぽい見た目の深海艦載機に、白いたこ焼
きのような艦載機。

「ではみなさん」

 神通が海面を蹴り、走り出す。

「神通――突撃します……!」
334進め、百里浜艦娘隊! 17話 :2015/01/11(日)20:00:10 ID:EmG
「お先に失礼するにゃ」

 同じく多摩も走り出した。
 このまま何も考えずに直進すれば、飛来する艦載機の爆撃に晒されることになる。
 が――

「航空戦開始ね」

 瑞鶴が駆け出した。右腕と左腕に装備した25mm三連装機銃。さらに肩に乗せた12cm30
連装噴進砲。艦載機を使わず、全て銃撃で撃ち落とす装備だった。

「来なさい、カトンボたち。全部撃ち落としてあげるわ!」

 瑞鶴が舞う。

 ドバババババババッ!

 踊るような滑らかな動きから、火を噴く銃口。銃口は正確に艦載機を捉え、撃ち出された
銃弾は、一撃で艦載機を粉砕する。思考よりも速い本能で艦載機の位置を把握し、条件反
射で機銃を構え、そして撃ち落とす。
 空母の常識を無視するような神業。まさに機銃マスターだった。
 飛来する敵艦載機が次々と撃ち落とされていく。

「それでは私も始めますか――」

 霧島が背中のアーム型艤装に縛り付けていた十字架を取り外した。重さ数百キロの代物
だが、艤装を装備した海上なら、そう苦労する事無く振り回せる。
 霧島は十字架を頭上に振り上げた。足を真上に向けた上下逆さまの状態へ。

「問答無用調停装置パニッシャーくん二号改、解放!」

 バンッ!

 十字架に巻き付いていたベルトが弾け、布が吹き飛び、中身が露わになる。
 白い装甲に包まれた巨大な十字架。

 ガシャン!

 十字架が中心から左右に分かれた。さらに足部分の外装が横にずれ、内部の機関砲が
現れる。口径12.7mmの重機関砲。そして内部に格納されていたトリガーとグリップが飛び出
した。十字架が一瞬で二丁の大型機関砲へと姿を変える。
 落ちてきた二丁の重機関砲を、霧島は両脇に抱え込んだ。両手でグリップを掴み、指をト
リガーにかける。水上機母艦の千歳千代田がカタパルトを構えるように。それだけでは終わ
らない。アーム型艤装から飛び出したコードが数本、機関砲に接続される。

「艤装との接続確認! 三式弾生成確認――そしてェ!」

 凶暴な笑みを口元に貼り付け、霧島は銃口を敵艦載機に向けた。機関砲だけでなく、アー
ム型艤装の砲塔も空へと向けられている。
335進め、百里浜艦娘隊! 17話 :2015/01/11(日)20:00:43 ID:EmG
 トリガーを引き、霧島は咆えた。

「弾幕はァ、パワーだ! 火力だ! 速度だ! 手数だ! 密度だ! 猛れ砲身! 爆ぜろ
爆薬! 咲け三式弾! 燃え上がれ焼夷弾! 堕ちろ艦載機! 銃身燃え上がるまで、撃
ちまくれェェェェ! オラオラオラオラオラオラァァッ!」

 ドゴゴゴゴゴガガガガガガ!

 轟音とともに爆裂する火花。二丁の機関砲から撃ち出される無数の弾丸。艦娘用弾丸生
成機構によって作り出された三式弾の弾幕だった。三式弾は空中で爆裂し、さらに無数の
焼夷弾となって飛び散る。
 文字通りの弾幕が、敵艦載機をなぎ払っていた。
 正確無比な瑞鶴の射撃と、霧島の作り出す無数の弾幕が、飛来する艦載機を次々と撃ち
落としていく。戦闘機を使わず、機銃と砲火だけで敵艦載機を圧倒していた。
 撃墜される艦載機を無視し、神通と多摩は前進する。

「ぅゎぁ………」

 隼鷹は何も言えず、瑞鶴と霧島の猛攻を眺めていた。
 覚悟はしていたが、非常識極まりない光景である。

「気をしっかり持ってください。隼鷹さん」
「!」

 声を掛けられ、我に返る。
 振り向いた先には大和が立っていた。どこか投げやりな笑みを浮かべているが、それでも
瞳には静かな闘志を燃やしている。
 一度息を吸い込み、隼鷹はにやりと口を笑みの形に変えた。

「よーし、改装強化済みの隼鷹さん攻撃しちゃうよー!」

 巻物型の飛行甲板を広げ、式紙を収めた巻物を広げる。まだ非正攻法の戦い方には慣
れていないが、自分のやるべき事はしっかりとやらなければならない。瑞鶴と霧島の対空放
火で艦載機はことごとく落ちているが、全滅とは言い難い。
 式紙が飛行甲板を走り、艦載機へと姿を変える。

「さあ、ぱーっと行こうぜ、烈風、彗星一二甲! 者どもかかれえええ! くれぐれも巻き込ま
れるなよー! フレンドリーファイア、駄目、絶対。なー!」

 緑色の艦載機が、撃ち漏らした敵艦載機目がけて飛んでいく。
 そして大和も主砲を構えた。

「戦艦大和、砲雷撃戦始めます――」
336進め、百里浜艦娘隊! 17話 :2015/01/11(日)20:01:17 ID:EmG
 飛来する砲弾を避けながら、神通と多摩は敵艦隊の奥へと突き進む。通常ならば相手の
位置や自分の位置を考え移動するのだが、今回はひたすら直進していた。
 前方に見える敵駆逐艦と敵軽巡洋艦。

 ドッグォン!

「――!」

 右前方から接近していた駆逐ニ級後期型が、消し飛んだ。大和の砲撃である。直撃すれ
ばほとんどの深海棲艦を一撃で粉砕する46cm砲の威力。

「さすがは大和さんです」

 立ち上る水柱を一瞥し、速度を緩めることなく神通は進む。
 左前方に見える軽巡ト級。両肩の主砲を神通たちへと向けた。

 ドッ!

 近くに着弾する砲弾。水しぶきが舞い上がり。

「こっちは任せるにゃ」

 多摩が海面を蹴った。両手両足を使った猫走法によって、ト級との間合いを詰め、跳び上
がる。舞うように踊るように空中で体勢を切り替え。

「二級挽き肉〈ドゥジェム・アッシ〉にゃ!」

 ドドド、ドガッ!

「――!」

 連続蹴りがト級を容赦なく粉砕した。提督と料理長によって教え込まれた体術と、猫のよう
に柔軟に強靱に鍛え上げられた体躯。繰り出される蹴りは、下手な砲撃を軽く上回る。軽巡
程度なら一撃で粉砕できるほどだ。

「では、征きます」

 神通は息を吸い、人差し指をこめかみに押しつけた。指先でねじ込むように、こめかみを
強く押す。特定の動作を引き金として、集中力を極限まで高める精神制御方法。提督から教
えられた技術のひとつだった。

 ィィィィ――!

 軋むような音が耳の奥に響く。
 意識が、凄まじい速度で加速を始めた。
 脳が、神経が、筋肉が完全にリミッターを外された。敵の位置、波の動き、飛び回る艦載
機、流れる風。飛び交う砲弾。五感全てが世界へと広がっていく。
337進め、百里浜艦娘隊! 17話 :2015/01/11(日)20:01:54 ID:EmG
「脳が焼けるようです。持って十五分でしょう――」

 極限集中。神通の切り札のひとつだった。
 多摩が艤装から爆雷を掴み取った。小さなドラム缶のような三式爆雷。本来なら潜水艦目
がけて射出するものだが、多摩は爆雷を右手で握りしめ、大きく振りかぶった。

「提督直伝! レーザービームにゃあ!」

 筋肉をバネのように跳ねさせ、爆雷を投げる。
 一直線に空を裂いた爆雷が――

 ズドォン!

 重巡リ級を直撃した。衝撃と爆発に、リ級の身体が砕ける。しかし、完全破壊には至らず
中破程度のダメージだった。

「もう一発にゃ!」

 ドゴォン!

「………」

 二発目の爆雷が直撃し、リ級は海面下へと沈んでいった。解せぬといった面持ちで。
 投げやすい大きさと重さのものを、敵目がけて思い切り投げつける。誰が言い出したかレ
ーザービームと呼ばれる投擲攻撃だった。

「爆雷は投げるものではないですよ、多摩さん」
「問題にゃい」

 神通の指摘に、多摩は言い切る。
 それから額の上に手を翳した。遙か先に見えるヲ級の影を眺める。敵連合艦隊旗艦空母
ヲ級イレギュラー。ここからの距離は七百メートルほど。ヲ級の前には戦艦二体と軽空母二
体が立ちはだかっている。

「旗艦は遠いにゃぁ」

 吐息する多摩に、神通は口を開いた。

「多摩さん」
「何にゃ?」

 首を傾げる多摩に、告げる。

「アレをやりましょう」
「アレにゃ?」
「アレです」

 きっぱりと告げる神通。
338進め、百里浜艦娘隊! 17話 :2015/01/11(日)20:02:43 ID:EmG
 そして。

「分かったにゃ!」

 大きく頷き、多摩が右足を持ち上げた。
 神通はその足の上に飛び乗る。

「空軍〈アルメ・ド・レール〉――」

 遙か先のヲ級を睨み付け、多摩が吼えた。
 左足を一度曲げ、海面を蹴って全身のバネを爆発させる。筋肉の伸縮、重心の移動、身
体の回転。それらの勢いを全身で利用し、右足を全力で振り抜いた。
 足に乗せた神通ごと。

「軽巡〈ライト・クルーザー〉シュートにゃ!」

 ドゥ!

 神通が飛んだ。
 振り抜かれた多摩の足。まるでカタパルトのように、神通を空へと撃ち出していた。
 淡茶色の髪の毛をなびかせ、神通は空中を突き進む。

「………」
「――……!」

 呆然と見上げる戦艦タ級、ル級。軽母ヌ級は艦載機を飛ばすこともできない。あまりに非
常識な事態に、思考が追いついていないようだった。実際、艦娘が空を飛ぶことなど、ありえ
ないのだ。普通は。
 前方の障害を飛び越え――

 ドバァン!

 神通は海面へと着地した。
 勢いは落とすことなく、海面を走り、目標へと一気に肉薄する。戦艦や軽空母は、多摩が
片付けてくれるだろう。自分の獲物はひとつ。空母ヲ級。

「あれが……空母ヲ級イレギュラー」
339進め、百里浜艦娘隊! 17話 :2015/01/11(日)20:03:20 ID:EmG
 神通の正面に佇む、空母ヲ級。
 黒いクラゲのような帽子を頭に乗せ、白いボディスーツとマントを身に纏った少女のような
深海棲艦。しかし、他のヲ級とは明らかに違う。帽子を斜めに走り、みぞおちから左腰まで
抜ける創傷跡。巨大な刃物で斬られたような跡だ。そして、顔から右腰まで走る、四本の傷
跡。巨大な獣が引っ掻いたような生々しい爪痕だった。左目には眼帯を付けている。二種類
の傷跡は肌だけでなくボディスーツにも残っている。深海棲艦の服は皮膚に近いものらしい。
 右手には自身の身長ほどもある、長い杖を持っていた。

(一体何と戦ったら、こんな傷を負うのでしょうか……)

 資料で姿は知っていたが、実物は写真とはまるで違う迫力がある。誰が呼んだか、疵面
〈スカーフェイス〉ヲ級。身体に刻まれた傷跡を一体誰が付けたのか、それは神通の知るとこ
ろではなかった。

「………」

 ヲ級は神通の姿を見据え、杖を持ち上げる。口元には薄い笑みが浮かんでいた。その笑
みが何を意味するかは分からない。
 ただ、神通も同じように笑みを浮かべる。腰の刀に手を添え、鯉口を切る。

「いざ、尋常に勝負!」



空母ヲ級イレギュラー
非常に高い戦闘能力を持ったヲ級。単純な能力だけでもフラグシップ改以上、そして大和の
46cm砲すら通じない異様な装甲値を誇る。
身体には大きな傷跡があるが、何と戦って出来た傷なのかは不明。
所持する杖は自身の身長と同じくらいの長さ。
340進め、百里浜艦娘隊! 17話 :2015/01/11(日)20:04:20 ID:EmG
以上です
続きはそのうち
341名無しさん@おーぷん :2015/01/16(金)12:37:59 ID:chq
くっ……いいところで……!
百里浜のか艦娘は規格外過ぎる……

久々に来たら川内ちゃんのお話が上がってて流石に気分が高揚しました
342名無しさん@おーぷん :2015/01/30(金)03:32:48 ID:bDc
なんか随分停滞してるっぽいからスレ汚しだけど冬コミの感想を替え歌に。

『企業じゃないと何にも する事なんて無いと
 西屋展に行ったけど 最後尾の在処が分からない
 ほらチケットで入れたもんね だけど既に列出来てる
 これが徹夜組なら文句も 思いきり言えるのに

 壁目当ての時は 行列に呆れたけど
 遂に企業に行き着いた 僕はもっと並ぶようになった

 KADOKAWAを頼む君の 気持ちは分からないけど
 いつも通り人が多い 艦これの看板を探しているよ
 もし君に一つだけ 強がりを言えるのなら
 もう企業は行かないなんて 言わないよ絶対


 二つ並んだ大手列も 一つは捨ててしまおう
 君の趣味のあの列も とてもじゃないけど買えないだろう
 「完売です」と叫ぶ売り子に 立ちすくむ僕らは
 世界中の誰より一番 センチメンタルだろう

 こんなにいっぱいの 痛い紙袋抱えて
 ずっと他人に指差され 帰るのも幸せと知った

 買い出しの催促が メールで届いてる内は
 並ぶかどうか悩んでいる 『限定販売』は入手したいから
 コミケで買えなかった グッズは今夜調べる
 宿に備え付けのネットで 見付けてみせるから

 本当に 本当に グッズ大好きなんだから
 もう企業は行かないなんて 言わないよ絶対』
343名無しさん@おーぷん :2015/01/30(金)03:34:30 ID:bDc
ところでこのスレでSS書いてる人たちって同人活動したたりするのかな?
344名無しさん@おーぷん :2015/01/30(金)04:55:12 ID:Wze
>>342
マッキーだったか!
最後で分かったです

>>343
自分は同人活動はしてないですね……
そこまで上手いわけでもないですし(´・ω・`)
345名無しさん@おーぷん :2015/01/30(金)05:08:50 ID:s5S
>>342
マッキーだったか!
最後で分かった!

>>343
自分は同人活動はしてないですね……
遅筆で気まぐれなので、なかなか(´・ω・`)
あと、そこまで上手いわけでもないですし
346名無しさん@おーぷん :2015/01/30(金)05:10:06 ID:Wze
>>345 >>346
うへ、ダブってる
申し訳ない……
347進め、百里浜艦娘隊! 17話 :2015/01/30(金)23:25:09 ID:BdO
投下します。
348進め、百里浜艦娘隊! 18話 :2015/01/30(金)23:26:08 ID:BdO
第18話 斬り込め、最強の軽巡!



 水面を蹴り、神通は進む。
 目の前に佇むヲ級めがけ、さらに加速しながら。
 猛獣に裂かれたような傷跡を持つヲ級。左目に眼帯を付け、自身の身長ほどもある長い
杖を携えていた。高い艦載機運用能力に加え、異様な装甲値を持つイレギュラー。資料に
よると、値推定九百。その非常識なヲ級を斬ることが、今作戦における神通の任務だった。
 ヲ級は杖を持ち上げたまま、神通を見つめる。自然体の構え。

「百里浜一刀流――」

 声には出さず、しかし神通は咆哮した。

「流し斬り!」

 白刃が舞う。
 逆手で鞘から抜き放たれた刀が、横薙ぎにヲ級へと襲いかかる。突進から抜刀の勢いを
利用し、初手で相手を両断する、神通の得意技であり必殺技だった。

 ギィン!

 ヲ級の杖が、刀を受け止めた。
 岩でも鉄でも斬り裂く、無垢の刃。今まで斬れなかったものはない。重巡も空母も戦艦も
斬ってきた。だが、その刃を、ヲ級は杖で受け止めた。

「やはり簡単にはいきませんか……」

 神通はさらに踏み込み、右腕を突き出した。右手に装備された20.3cm連装砲。腰に装備
された五連装酸素魚雷。それらを即座に発射する。
 世界から一瞬、音が消え。

 ドグオォン! ゴッ、ガォァン!

 鼓膜を撃ち抜くような爆音とともに、ヲ級が吹き飛んだ。
 反動で神通も後ろへと跳ぶ。いや、吹き飛ぶ。夜戦でもまず行わない、超至近距離から
の接射だった。相手に与えるダメージも莫大だが、一歩間違えば自爆である。
 素早く体勢を立て直し、神通は左手の刀を逆手から順手に持ち替えた。

「密着距離からの接射。この破壊力を以てすれば、大抵の深海棲艦は沈みます――が、こ
の程度で沈むとは思えません」

 柄頭に右手を添え、前へと走る。結果は既に分かっていた。この程度で沈むならば、既に
誰かが沈めている。

「――。………!」

 爆煙を引き裂き、ヲ級が飛び出してきた。当然のごとく無傷のまま。
349進め、百里浜艦娘隊! 18話 :2015/01/30(金)23:29:04 ID:BdO
 だが、神通の方が一拍速い。一度伏せるほどに身を沈め、全身のバネを爆発させる。水
面から生まれた力の奔流を、体内で加速させながら、刀の切先へと。

 ギッ!

 諸手突きがヲ級の胸へと突き刺さる。

「むっ」

 だが、返って来たのは硬い手応えだった。切先が一センチほど刺さっているが、それだけ
である。深海棲艦の構造上、かすり傷に等しい。
 考えるよりも速く、真横に跳ぶ神通。

 ゴゥッ!

 振り抜かれた杖が、一秒前まで居た空間を切り裂いていた。辛うじて残像だけが視界に
映る。明らかに接近戦の心得がある。しかも、達人級の。
 神通は改めて前へと出る。

 ギィン!

 斜め下からの切り上げを、ヲ級は掌底で受け止めた。

「硬い……」

 刀を引き、振り下ろされた杖を、鎬で受け逸らす。
 びりびりと腕が痺れていた。振り抜かれる杖の一撃は凄まじく重い。受け流すだけでも、
筋肉が、骨が悲鳴を上げていた。しかし、退く理由にはならない。

「―――!」

 ヲ級は杖を引き、一気に踏み込んできた。杖の間合いよりも内側に、刀の間合いよりも内
側に。握りしめられた左拳。全身が爆発する。

 ガァン!

 突き出された右拳を、神通は20.3連装砲で受け止めた。本来はこのような使い方をするも
のではないが、細かい事は言っていられない。あまりの重さに装甲が凹んでいた。

「逆風の太刀――!」

 左手の刀を順手から逆手に持ち替え、切り上げる。

 ギ、ギ……ッ!

 擦れた音を立て、切先がヲ級の腹から胸、さらに顔まで走り抜けた。普通のヲ級なら、戦
艦ル級やタ級なら、たとえ鬼や姫でも、縦に両断されていただろう。
 しかし、浅い傷ができただけである。
350進め、百里浜艦娘隊! 18話 :2015/01/30(金)23:31:56 ID:BdO
 神通は後ろに跳び、一度距離を取った。

「…………」
「………」

 無言のまま神通とヲ級はにらみ合い。
 同時に踏み込んだ。

 ガッ。キンッ。

 硬い音を響かせ、杖と刀が激突する。
 杖を捌き、刀を振るう神通。神通とヲ級は、技術的にほぼ互角だろう。しかし、精神制御
術で限界まで集中力を引き出した神通は、ヲ級の攻撃を見切り、その身体に白刃を打ち込
んでいた。打ち込んでいたが。
 しかし、どの傷も浅く、致命傷にはほど遠い。

「噂に違わぬ、異様な装甲値です……。覚悟はしていましたけど、これは予想以上です。一体
何をしたらこれほどの硬さを得られるのでしょうか。――ッ!」

 神通は息を止める。
 振り下ろされる杖が見えた。意識と呼吸の間隙を突いた攻撃。見えているのに、思考が
追いつかない。身体が動かない。避けられない!

 ゴッ。

「!」

 視界が白く染まり、全ての音が消えた。
 脳まで突き抜ける衝撃。全感覚が遮断され――順番に復帰していく。機械の緊急停止と
再起動が頭の片隅に浮かんで消えた。
 耳の奥にノイズのような音が満ちている。
 ヲ級の振り下ろした杖が、神通の額を直撃していた。いや、咄嗟に鉢金で受けた。
 割れた鉢金が、海面へと落ちる。

「あ……」

 蹌踉けるように神通は一歩下がった。
 ヲ級が踏み込んでくる。踏み込みの勢いから、まっすぐに杖を突き出してきた。

 ドッ。

 左手に返って来る手応え。

「………!」

 ヲ級が顔を強張らせる。
 神通が握った刀が、ヲ級の腹に突き刺さっていた。切先だけではない。かなり深く――切
先が背中側から飛び出すほどに。つまり刀がヲ級を貫通していた。杖を躱し、カウンターで
突きを打ち込んだのである。
351進め、百里浜艦娘隊! 18話 :2015/01/30(金)23:32:44 ID:BdO
「少し――固さに慣れてきました」

 薄く微笑みながら、神通は刀を引いた。
 間髪容れず一閃!

 パッ。

 首元の留め具を砕かれ、ヲ級のマントが千切れ跳ぶ。
 神通の振り下ろした刃が、袈裟懸けにヲ級に斬り込んでいた。首元から入り、鎖骨を切り、
胸元へと。表面だけではない。生身の生物なら確実に致命傷になる深さを以て。異様な強度
の肉体を斬り裂いていた。
 しかし、胸元で刃は止まっていた。
 ヲ級が杖で刃を止めている。

「やはり、核の位置はそこなのですね?」

 艦娘にも深海棲艦にも、肉体を形作るための核がある。極端な話、脳よりも重要な部分
であり、弱点だ。どこにあるかは個人差が大きく、外見からでは分からない。
 しかし、幾多の戦いから、ヲ級の核の位置はほぼ特定されていた。
 心臓部分のやや左側。
 深海棲艦は沈んでも復活してくるが、核を破壊されれば最低数年は復活できない。あくま
で肉体の核なので、完全消滅はさせられないが。

「―――。………!」

 ヲ級が後ろへと跳び、間合いを取る
 神通は左手の刀を指の間に握り込んだ。握った五指の人差し指と中指とで柄を挟む奇妙
な構え。さらに、切先を右手で掴む。握った人差し指の腹と、親指で。
 筋肉が軋むような異音。
 両目を見開き、神通は踏み込む。

「百里浜一刀流・流れ星――」

 刹那の閃き。
 限界まで溜められた筋肉のバネが爆発する。残像すら残らぬほどの速度で、白刃が横薙
ぎに繰り出される。ヲ級の首目がけて。

 ―――!

「!」

 しかし、神通の刀は空を斬っていた。
 ヲ級は海面を蹴り空中へと跳び上がっている。
352進め、百里浜艦娘隊! 18話 :2015/01/30(金)23:33:43 ID:BdO
 そして。
 杖を、抜く。
 中程を左手で掴み、鈎状の部分を右手で持ち、右手を横に振り抜いた。大きな剣を鞘か
ら抜くように。事実、それは仕込み杖だった。
 銀色の液体が、杖の鞘から鈎状の柄に引き出される。それも一瞬。次の瞬間には長大な
刃へと姿を変えていた。刃渡り百二十センチはあるだろう、片刃の大剣。身幅は十センチ
以上もあり、巨大な包丁にも見える。

「これ、はっ――!」

 自身と相手の動きを計算し、神通は即座に決断する。
 両手で柄を持ち、ヲ級が大剣を振り抜いた。神通を縦に両断する軌道で。

 ドォンッ!

 火を噴く20.3cm連装砲。
 巨大な刃が身体の真横を通り過ぎる。
 砲撃の反動で無理矢理斬撃を避け、神通はさらに無理矢理体勢を立て直していた。視線
を上げ、空中のヲ級へと狙いを定める。柄頭を握り、身体を沈め、

「百里浜一刀流・牙突三式――!」

 ガギッ!

 一直線に突き出された直刃が、ヲ級の左腕を貫き、右肩に突き刺さった。回避のできない
空中。核を狙ったのだが、腕を盾に防がれてしまっている。あえて腕を貫かせ、腕を動かし、
突きの軌道を変えたのだ。
 刀を素早く引き抜き、神通は体勢を立て直す。

「残念です……」
「………。―――」

 ヲ級が海面に降り、振り向いた。

 ギィン!

 長大な片刃の大剣と、反りのない直刃が激突する。
 一拍遅れて。

 ばしゃっ。

 吹き飛んだ20.3cm連装砲が海面に落ちた。神通の右腕とともに。
 神通の右腕は二の腕の中程から切断されている。砲撃の反動を利用して辛うじて避けた
のだが、完全に逃げ切ることはできなかった。

 ガキッ!

 横薙ぎの一撃を、逆手に持った刀の鎬で受ける。
353進め、百里浜艦娘隊! 18話 :2015/01/30(金)23:34:55 ID:BdO
「さすがに片腕だけだと、戦いにくいですね……」

 少し弱音を吐きながら、しかし瞳に灼け付くような闘志を燃やし、神通は刀を振るう。腕一
本失っているが、引く気は微塵もない。

 ギンッ。

「―――。――!」

 ヲ級は右手だけで大剣を盾のように構え、刀を防ぐ。
 本来は両手で構える武器だが、左手がまとも動かないようだ。神通の刀を受けた左腕は、
傷口を中心に数本の亀裂が走っている。芯を絶たれたのだろう。骨も筋肉も無い深海棲艦
だが、一応神経のような部分はあるらしい。

「まだ、まだ……まだッ!」

 振り下ろされる大剣を躱し、神通は刀を振るった。
 斬られた腕がゆっくりと海流に流されていく。重い20,3cm連装砲を持っているが、艦娘の
身体や装備は、水に浮く性質があった。

 閃く刃と、唸る風切り音。
 お互いに避け、防ぎ、攻撃を繰り出す。
 一手一手確実に相手の手札を読み、詰みへと進んでいく。

 そして、動いたのは神通だった。

「百里浜一刀流――」

 腰を深く落とし、半身の構えから左手を大きく後ろに引く。弓を引き絞るように。柄頭を握
り、刀を水平に構え、切先をヲ級へと向けた。本来なら右手を前に突き出し、照準兼反動の
重りとするのだが、今は無いので省く。

「牙突一式ッ!」

 爆発するような突進から、神通は刀を突き出した。

 ザギィッ。

 衝撃。異音。

「………」

 ヲ級の身体が傾いた。
 胸に、神通の刀が突き刺さっている。強烈な突きから、そのまま刀を投げ放ち、ヲ級の胸
に撃ち込んだのだ。核があるだろう心臓のやや左側へと。

「…………」
354進め、百里浜艦娘隊! 18話 :2015/01/30(金)23:35:42 ID:BdO
 刺さった刀の傷口から、青黒い液体が一筋流れる。一拍後れて、口元からも青黒い液体
が流れた。深海棲艦に血液はないが、核を損傷した時のみ血のような液体を流す。身体が
崩れ溶けているのだ。
 ただ、浅い。擦った程度である。

「ぅ……」

 神通の口元から赤い血が流れ落ちた。
 視線を落とす。

「セラミック複合装甲では、力不足でしたか……」

 左胸の下に突き刺さっている銀色の刃。ヲ級の大剣だった。
 神通の突きと同時に繰り出されたヲ級の突きは、神通の身体を容赦なく貫いていた。制
服の下に仕込んでいた、セラミックと超硬金属の複合装甲ごと。工廠の博士が作ったもの
である。戦車の主装甲を小さくしたようなものだが、あまり効果は無かったようだ。

「がは……ぁ……」

 口から吐き出される大量の血。
 神通は片目を閉じた。身体から力が抜ける。
 艤装ではなく、肉体への致命傷。腕と胸から流れ落ちる赤い血。生命力がこぼれ落ちて
いく。轟沈ではない。生物としての死が目の前にあった。
 それでも神通はヲ級の右手首を握りしめる。逃がさないように。

「お待たせにゃああああ!」
「多摩さん!」

 視線を転じると、ぼろぼろになった多摩が宙を舞っていた。ヲ級の前にいた深海棲艦を倒
して、やってきたのだろう。大破状態だが、動きは衰えていない。
 どのような仕組みか、その右足は燃えるように白熱していた。

「蹴ってください!」
「わかったにゃ!」

 神通の叫びを、多摩は即座に理解する。

「悪魔風脚〈ディアブル・ジャンブ〉――」

 空中で身体を丸めて二回転。

「ネコキックにゃア!」

 ドガォンッ!

 多摩の右足が、刀の柄を蹴り抜いた。突進の速度に全体重を乗せた砲撃並の一撃。さな
がら杭打ち機のように、浅く刺さっていた刀を深々とヲ級の身体に打ち込む。

「―――!」
355進め、百里浜艦娘隊! 18話 :2015/01/30(金)23:36:15 ID:BdO
 ヲ級の口から青黒い血が吐き出される。
 だが、同時にヲ級の隻眼が多摩を捉えていた。

 ザリッ……

 セラミック複合装甲が斬られる音。
 神通の胸を横に斬り裂きながら、ヲ級は大剣を引き戻した。赤い血に塗れた包丁のような
刃。艤装の防御を貫通し、肉体を直接損傷たらしめる、深海の特殊兵装。

「それは……!」
「――――!」

 神通の手を払いのけ、ヲ級は多摩へと大剣を振り上げた。
 多摩の赤紫の瞳が、刃を捉える。空中では斬撃を躱すことはできない。大剣を受け止め
るほどの力を、多摩は持っていない。受ければ受けた部分ごと斬られてしまう。

「駄目です……!」

 神通は叫んだ。

 ドッ。

「に゙あ゙っ!」

 鈍い悲鳴とともに、多摩が吹き飛ぶ。
 神通の左脚とともに。
 海面を蹴り跳び上がり、神通は力任せに多摩を蹴り飛ばしていた。多摩のいた場所を大
剣が斬り裂き、結果――その場所にあった神通の左太股が斬り裂かれた。
 探照灯の破片が散る。
 そのまま。
 空中で一回転し、神通は左手を伸ばす。

「―――!」

 ヲ級の目が見開かれる。
 神通はヲ級の胸に刺さった刀を掴んだ。
 白と黒の音のない世界。残った力が、意識が、刀へと流れ込んでいく。錯覚なのか事実な
のかは分からない。それでも身体が、刀が、知らせる。超装甲値の斬り方を。

 ズッ!

 刃が空中へと抜けた。
 ヲ級の胸から左脇腹まで斬り裂いて。
 崩れるように後退るヲ級。

「少し、やりすぎてしまいました、ね……」

 片足のまま水面に降り立ち、水面に刀の切先を刺し、平衡を取る。
356進め、百里浜艦娘隊! 18話 :2015/01/30(金)23:36:57 ID:BdO
 消えそうな意識を気合いだけでつなぎ止め、神通はヲ級を見据えた。裂けた身体と口から、
ひび割れた左腕から、体中の傷から、青黒い血を流し、ほどなく崩壊するだろう状態で、しか
しまっすぐに神通を睨み付けている。
 口元にどこか満足げな、声なき哄笑を貼り付け。

「―――。……! ――」

 ヲ級が叫んだ。右手と、壊れた左手で柄を握り締め、大剣を大きく振りかぶる。今までの
ような滑らかさは、もはや無い。必要もない。
 燃え尽きる前の蝋燭が激しく燃えるように、力任せに斬りつけてくる。

「あなたと戦えて、この神通……」

 薄れ逝く意識の中、神通は振り下ろされる刃を見つめ。
 倒れる。

「光栄でした……」

 ドバァン!

 ヲ級の大剣が海面を吹き飛ばした。
 周囲に飛び散る白い水しぶき。
 そして、斜めに身体を切断されたヲ級が崩れ落ちる。
 神通が無心で放った一太刀。身体を捻りながら倒れ込み、刀を跳ね上げる。結果、ヲ級
の刃は空を裂き海を斬り裂き、神通の刃はヲ級を捕らえていた。
 その時には既に、神通の意識は途切れていた。


  ◆ ◇ ◆ ◇
357進め、百里浜艦娘隊! 18話 :2015/01/30(金)23:37:38 ID:BdO
「あのさ、あのさ。あたしの飛行甲板は担架じゃないんだけど……」

 隼鷹は冷や汗を流しながら声を掛けた。
 広げられた巻物飛行甲板の上に寝かされた神通。ヲ級との戦いで致命傷を負い、意識も
失っている。勝てないと感じたら別の手段を使うと提督は言っていたのだが、神通は死ぬ寸
前まで斬り合っていた。

「いや、ま……それはいいんだけどさ。何それ?」

 飛行甲板の横に立ち、黙々と手を動かしている大和に訊く。

「高密度に固めた高速修復材のようなものです」
「うんうん。それは……一応納得するとして」

 一度頷いてから。
 眉根を寄せ、続けて訊く。

「縫って治るの? これ。かなりざっくり斬れてるよ?」

 右腕と左脚と胸を切られ、意識を失っている神通。大和は曲がった針と太い糸を使って、
千切れた足を縫い合わせていた。ちくちく、と。胸と右腕は既に縫い終わっている。凧糸で
縫っているようにしか見えないのだが。

「はい。真っ二つくらいまでならさほど問題無く」

 顔を上げず、大和はきっぱりと答える。

「解せぬ」

 半眼で隼鷹は呻いた。
358名無しさん@おーぷん :2015/01/30(金)23:49:29 ID:BdO
以上です。

艦娘と深海棲艦が白兵戦したっていいじゃない!
武器のイメージは斬鉄剣(石川五ェ門)vs斬鉄剣(FFオーディン)です。

続きはそのうち。
359名無しさん@おーぷん :2015/01/31(土)22:25:02 ID:icM
前におーぷんでSSのお題の安価を取った作品が完成したので一応ご報告を
あと続編も投下予定です

(吹雪×パンツがお題でした)

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422274453/
360名無しさん@おーぷん :2015/02/01(日)15:47:53 ID:w9f
>>358
毎回すごいバトル乙
高速修復剤を糸に…そういうのもあるのか(白目)
>>359
面白かった
あのお題がこんな大作になるとは
361名無しさん@おーぷん :2015/02/03(火)00:23:54 ID:8BB
>>359の吹雪×パンツSSの作者です
突発性の黒潮病に精神を犯されたため急遽黒潮SS書きました
吹雪×パンツSSの続編はもうちょい待ってね

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422881410/
362名無しさん@おーぷん :2015/02/03(火)00:26:46 ID:8BB
>>359の吹雪×パンツの作者です
突発性の黒潮病に精神を犯されたため急遽黒潮SS書きました
吹雪×パンツの続編はもうちょい待ってね

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422881410/
363妖精さんのある一日 :2015/02/05(木)22:43:35 ID:27W
放置してたのがやっとできたので投下します
364妖精さんのある一日 :2015/02/05(木)22:48:44 ID:27W
放置していたものが完成したので投下させてもらいます
365妖精さんのある一日 :2015/02/05(木)22:50:04 ID:27W
 食堂は艦娘の皆さんと同じ場所ですが体のサイズが違うので、妖精用のスペースが有ります。調理を担当しているのは明石さんと鳳翔さんの妖精さんです。
お二人共出撃数が多い艦娘さんではないので開いた時間を利用してそれぞれの妖精さんに調理を教えたそうです。私もおいしい食事が取れるのでお二人には感謝しています。今日のお昼はカツ丼(妖精サイズ)のようです。

「お、久しぶり」
「お久しぶりです、工房妖精さん」

 私の前の席に工房で開発を担当されている妖精が座りました。お互いそれなりに忙しい場所に配属されているのでこういった場所でお会いするのは久しぶりです。

「最近どう?」
「いつも通りですよ、もし提督さんに言葉が通じたらツッコミで一日が終わるぐらいには」
「ははっ、相変わらずみたいだなあの提督さんは」
「そちらこそどうです?何週間かに一回大型建造するたびに提督さん半泣きで帰ってくるんですけど?」
「なんというか、色々しっくり来なくてな。まぁ、努力はしてるがうまいこといかないもんだ」

 しょうがないといえばしょうがないです。建造……といっても必要とされている資材を元に依り代のない付喪神になっている艦娘さんの魂を定着させる……言葉にすると簡単ですが実際は余り仕組みがわかっていないことをやっている……と資料で読んだのでどうしようもないです。
提督さんの運が悪いってのもあるかもしれませんが。

「の割にはあの提督さん、駆逐艦の皆さんとはよく出会いますね。絶対数が多いとはいえ着任報告もほぼ駆逐艦の方ですし」
「そういう星の下に生まれたんだなきっと……まぁ悪い人ではないのは確かだな」
「ですね」

 私と工房妖精さんはお互いの見解の一致に少しだけ笑いました。決して悪い人ではないんです。変ですけど。こうして話題に上がるだけ、少しおかしくてでも良い人なんだと実感します。そんなとりとめのない談笑をしているうちに二人共食事が終わりました。
366妖精さんのある一日 :2015/02/05(木)22:51:11 ID:dJE
「ごちそうさまっと……そういやお前、今日は艦隊が帰還するんだったな」
「ええ、確か作戦に出ていた第一艦隊が」

 急に工房妖精さんが神妙な面持ちになります。

「被害はどうだったんだ?」
「赤城さん、龍驤さんが少破、その他の皆さんは損害軽微で帰還です」
「艦娘さんにはほぼ被害がなかったか……だけどな――」

 工房妖精さんがここまで言いかけて何が言いたいかを理解しました。艦娘のみなさんの装備には私達のような妖精がそれぞれ担当となってその運用を任されます。主砲の妖精ならばその発射や観測を、機銃の妖精ならば対空迎撃を、そして艦載機の妖精であればその艦載機の運用を……。

「別に、だからどうってことは言わない。あいつらもそれが仕事だ。それに装備を積むなとは言えない。ましてや出撃するな、なんて今の時代言えやしない。でもなんていうかこう……やるせないよな……」
「ええ、ですから私は覚えていようと思います。本当の名前なんて知りもしませんがそれが、執務室担当の私の責務だと思うので」
「悪い、湿っぽい話になっちまったな。お前昼も仕事か?」

 少しバツの悪そうな顔をした工房妖精さんが話題を変えてくれました。忘れてはいないことですがやはり気が重いものです。

「お昼はゆっくり休んでいいよ。って言われたのでどうしようかなと。あ、一応定時前には戻るつもりですが……」
「それならどうだ?工房にでも遊びに来るか?今日は建造開発の予定はもうないし、それに明石さん、夕張さん、霧島さんがなにやら愉快なことするそうだぞ」

「そうですね、特に予定もないですし、お邪魔させて頂きます」

 なし崩し的に午後の予定が決まりました。いくらあの提督さんと望月さんとはいえ大丈夫ですよね……多分。というか頭脳派のお三方が集まって何をされるんでしょうか?特に会議申請等はなかったように思いますが……。
367妖精さんのある一日 :2015/02/05(木)22:51:31 ID:dJE
 昼食の食器を片付け、工房妖精さんに連れられ建造ドックや明石さんの工房が並ぶ工房へとやってきました。久々に来ましたがやはり大きいです。

「あら、こんにちわ」
「こんにちわ妖精さん」
「おや、執務室の妖精さんもお久しぶりです」

 霧島さん、夕張さん、明石さんにそれぞれ挨拶を返します。お三方は制服とはいえ艤装を外しラフな感じで一つの机を囲み椅子に座っています。机の上には大量のメモ用紙とペンが散乱しています。

「お三方、アレを貸してくれないかアレ」

 工房妖精さんがその机の上で、艦娘さん達に意思疎通を測ります。私達妖精と艦娘の皆さんはある程度の意思疎通はできますが、言語的には完璧ではないのでこういった身振り手振りも必要になってきます。

「はい、妖精さん。執務室の妖精さんもどうぞ」

 霧島さんから私達のサイズに合ったペンダントを受け取ります。工房の妖精さんが、それを着けるのを真似して私も着けます。

「あの、これは一体?」
「それはですね、私達艦娘と妖精さん達の意思疎通を完璧にするアイテムです」
「え?じゃあ私の声も皆さんに?」
「ええ」
「完璧よ」
「この前、ここの皆さんと開発したんだ。どうだい?すごいだろ?」
「ええ、凄いです!」

 私が素直に驚きの声を上げると、四人が嬉しそうに笑っている姿が目に入りました。技術畑の皆さんの新鮮な一面を見られた気がします
368妖精さんのある一日 :2015/02/05(木)22:51:52 ID:dJE
「ただ、一個だけ問題があって……」
「なんです?」
「開発難しくて、今のところその2つしか無いのよねー」
「多分烈風開発するより難しいんじゃない?」
「だな」

 少しだけ残念です。このペンダントがいっぱいあれば執務室でのも捗りそうですし、色んな艦娘さんとの意思疎通が図れて楽しそうなんですが……

「あ、そうだ!」
「どうしたんです?」
「これを応用して、提督さんと意思疎通を図ることはできないでしょうか?執務も捗ると思いますしそれに――」
「それに?」
「言いたいことが色々と……いや別に悪い意味では無いんですけど」
『あー……』

 三人が同時に何かを汲み取ってくれたのか苦笑いをします。

「わかる、わかるよ妖精さん」
「あの提督ですもんね……」
「別に悪い人じゃないし、こうやって自由にやらせてもらってることもあるし不満もないんだけど、言いたいことはある……そんな感じだよね?」
「それです!!」

 私の言いたいことを全て汲み取っていただけたようです。

「で、いつも執務室にいる妖精さんから見て言いたいことって例えばどんなの?」

 夕張さんが突っ込んできます。色々とあるんですが、言葉にするのはなかなか難しいので少し考えます。
369妖精さんのある一日 :2015/02/05(木)22:52:12 ID:dJE
「まずメンタルが弱いです」
『あー……』
「次に何言ってるかわからない時があります。『俺は世界の破壊者だからな』とか『これが世界の……運命石の扉の選択だ……分かれ……』とか、分かれって言われても困ります……でも何故か天龍さんや木曾さんはキラキラしながらその会話について行ってます。何なんでしょうか……」
「妖精さん結構辛辣ね……」

 いざ考えてみると色々ありました。いや決して悪い人ではないんですけど。

「後は……そうですね……えーっと……あ、そういえば去年のバレンタインデーに皐月さんに渡されたチョコ……あれ額に入れて飾ってあるんですよ……流石にアレはどうかと……」
「提督らしいといえば提督らしいけど、あの人の皐月ちゃんに対する愛情凄いですね……」
「うちの鎮守府で唯一の限界突破してる子ですしね……そういえばその関係だと、ほら他の鎮守府だと練度とかの関係でジュウコンしてる提督さん結構いるらしいじゃない?」

 確か本部からもらったデータにもそんなようなことが書いてあった気がします。

「あーはいはい、その噂聞いた物好きな娘達が提督にアプローチしてるって聞きますね」
「でもそれには練度が必要じゃない?この鎮守府で練度がその粋に達してるのは皐月ちゃんを除いて比叡お姉様だけなのよ。それで、流石にどうかなと思って榛名姉様、比叡姉様を伴って提督のところに行ったんだけど……」
「だけど?」

 霧島さんがどこか諦めたような表情をして溜息をつきます。

「提督は事もあろうに『戦力とか考えるとそうなんだけど、比叡はなんというか親友ポジションだし……指輪渡すとその辺の関係がなんかめんどくさくなりそうじゃん?なぁ比叡?』って……」
370妖精さんのある一日 :2015/02/05(木)22:52:29 ID:dJE
 何言ってるんでしょうかあの提督さん。本当ダメですね。

「あちゃー……本当一回頭を修理したほうがいいかもしれませんね」
「まぁ、あの人長門さんとか比叡さんと飲んでる時ものすごいリラックスしてますし、言いたいことはわかりますけど、それで比叡さんは?」
「その言葉を聞いて『……ですね!』と一言だけ。金剛お姉さま一筋だった比叡姉様が、あんなに分かりやすくテンション下がるとは思いませんでした。ちなみにこの後、比叡お姉様と提督、飲みに行ってましたけど特に何もなく日付が変わる前に帰ってきました」
「本当、変な人だなこの鎮守府の提督さん……」

 工房妖精さんもどこか遠くを見ています。あれ?でも今の話で一箇所だけ気になることが、

「あの、霧島さん?」
「何?」
「何で金剛さんは一緒に行かなかったんですか?」
「金剛お姉さま連れて比叡お姉さまのケッコンカッコカリの話なんてしたら更に荒れる光景しか想像出来なかったんですよ……」
『あー……』

 全員が納得しました。私も納得です。この鎮守府においても金剛さんはめげずに提督にアプローチをかけています。あまりの空回りっぷりにたまに泣きそうになります。

「あ、私はそろそろ。適当でいいとは言われましたけど流石に後一時間ぐらいは執務室に戻ります、皆さんありがとうございました」

 夕暮れがかってる空を見て私は一応執務室に戻ることにしました。工房の妖精さんと艦娘の皆さんに今日の御礼を告げて工房を出ます。

「お仕事がんばってねー」
「提督用の意思疎通アイテム頑張ってみますね」
「提督のことよろしくね」
「あんまり働きすぎんなよ―」

 扉を出る前にもう一度だけお辞儀をして、工房を後にしました。たまにはこんなのも悪く無いです。
371妖精さんのある一日 :2015/02/05(木)22:52:46 ID:dJE
「何でボクが怒ってるか分かるよね二人共?」
「えーっと……」
「うぇー…」

 私が執務室に戻ると正座させられた提督さんと望月さんが、皐月さんに怒られています。手には日本刀が見えます。何なんでしょうかこの状況。とりあえず皐月さんに近づきます。

「あ、妖精さんお疲れ様ー、あ、いいよ妖精さんは気にしなくても、いつも頑張ってくれてるからね」

 気にするなと言われても、この状況を気にしないことなんて私には無理です。とりあえず身振り手振りで皐月さんに状況説明を求めます。

「えーっと、ボクが遠征から帰ってきてこの部屋に来たら二人共コタツでゲームしてたから流石にね……あ、いいよ妖精さんは気にしなくて、本当だらけ始めたらキリ無いんだからこの二人は」
「皐月さん……あの……」
「皐月ちょっと落ち着いたほうが……」

 提督さんと望月さんが事態の沈静化を図りますが完全に火に油です。顔は笑ってますが目が笑ってません。

「だーかーらー二人共ー」
「ちょっと待ってその日本刀仕舞おう、な?―」
「話せば分かるって、ね?皐月―」

 騒がしいですが、いつもの事と頭を切り替えて締めの作業に入ります。仕事の終わりはちゃんと纏めないと何か落ち着きません。執務室内は全然落ち着いていませんが、多分大丈夫でしょう。

「あーもうしょうがないなぁ……今回だけだよ」
「やっぱり皐月は可愛いな」
「姉さんやっぱ可愛いよ」
「あんまりかわいいって言わないでよ、恥ずかしいよ」

 皐月さんも最終的にはチョロイみたいです。やっぱり姉妹は似るみたいです。そんなことを思いながら仕事も終わりました。今日の晩御飯はどうしましょうか。
372妖精さんのある一日 :2015/02/05(木)22:53:10 ID:dJE
「さーて終わった終わった、皐月、晩飯どうする?」
「うーん、今日は鳳翔さんに頼もっか?望月も食べてく?」
「あー……わたしゃやめとくよ。弥生と約束もあるし。それに、若い二人を邪魔しちゃ駄目だしね、じゃーねー。司令官また神狩り手伝ってねー」
「遠慮することないのに、まぁいいや、次はマガツなー」
「あいよー」

 望月さんが業務が終わった執務室を退出しました。二人の邪魔、たしかにそれはいけません。私も自室に戻りましょうか。

「あ、妖精さんたまには一緒に飯食べてかない?」
「そうだね、いつもお世話になってるし」

 突然のお誘いに私はあたふたしてしまいます。

「あれ?何か予定あった?」

 皐月さんが私の目の前で予定を確認してくれます。特に予定はないので首を横に振ります。

「じゃあ決まりだね!」
「じゃぁサクッと鳳翔さんの所行ってくるから皐月、机の準備頼んだ」
「了解!」

 提督さんが早足で執務室を後にすると、皐月さんは散らかったコタツの上を片付け始めます。しかし、提督の一声でコタツやらお風呂が出てくるこの執務室、一体なんなんでしょう。

「戻ったぞおおおおおおお」
「いや司令官、何そのテンション」
「いや、そこ歩いてた隼鷹に焼酎、響にウォッカもらってな」
「……今更言うのもなんだけど、この鎮守府自由すぎない?」

 冷静にツッコミを入れる皐月さんに私も概ね同意です。しかし―

「えー丁度いいだろ?特に仲悪い奴らもいないし、このぐらいが一番だって」
「まぁ……そうだね」

 提督さんの意見にも同意です。
373妖精さんのある一日 :2015/02/05(木)22:53:32 ID:dJE
「皐月はビールか?」
「そうだねー、やっぱこれでしょ」
「いまいち俺にはビールの旨さが分からん……」
「いや、ウォッカをグビグビ飲む提督提督もよく分かんないよ」

 料理の準備も疎らに、二人は早速飲み始めます。私も妖精用に用意された食事に手を付けます。お酒は苦手です。

「でも、司令官さー―」
「いやいやいや、それは―」

 楽しそうな二人を見ているだけで楽しいです。というかいつの間にか皐月さんが提督さんの膝の上に移動しています。何でしょうこの空間。

「そういえば妖精さん」

 不意に提督さんが声をかけてきます。

「何か不満とかあったら言ってね。できるだけ頑張るから」
「そうやって一人で無理するのはなしだよ司令官。少しはボクにも頼ってよね」
「分かってるって、で、妖精さん何かない?なんでも良いよ、物理的に可能なことならね」

 せっかくなのでなにかないか考えてみます。考えてみましたが―

「どうしたの?え?うんうん」

 考えた結果を皐月さんに身振り手振りを含めて伝えます。ちょっぴりお酒臭いです。

「司令官、妖精さんね。この鎮守府が好きだから、いつか静かな海になるその日までここを守ってほしいってさ」
「なんだそんなことか、当たり前だろ。それが俺のこの世界での役目だ」
「まーた司令官酔っ払ってよく分かんないこと言ってる、あ~あと」
「ん?」
「もうちょっとメンタル鍛えて欲しいってさ」
「……努力します」

 その言葉とともに今度は違うお酒を煽り始めます。これは明日の執務はダメですね。明日の秘書艦の方は……誰でしたっけ?
 そんなことを思いながら、お二方との食事を済ませ食後の一服まで終わらせました。提督さんは色んな話をしてくれました。もし、意志が伝わるようになればもっと色々聞いてみたいです。お酒は大分減って二人共かなり酔っています。
 夜も更けてきたので私は皐月さんに退室の旨を告げます。

「うん、妖精さんまた明日ね。お疲れ様ー」
「ん?帰るのか、明日もよろしくね」

 最後に一言だけ皐月さんに伝えてもらいます。

「うん、分かった伝えておくよ。こちらこそありがとうね。帰り気をつけて」
374妖精さんのある一日 :2015/02/05(木)22:53:46 ID:dJE
 私は執務室を退室して寮に戻ります。
 明日の支度等々を済ませ、日が変わる少し前に布団に入ります。
 明日もきっと色んな事があります。戦いに行く艦むすさん、妖精さん、鎮守府の中でお仕事をする皆さん。
 何があるか分かりませんが私の気持ちは変わりません。提督さんには皐月さんを通して、

「今までもこれからもありがとうございます」

 そう伝えてもらいました。私はこの鎮守府の妖精でいることがとても幸せです。いつか静かな海になって私の役割が終わるとしてもそれはとても幸せなこと、そう思います。

 私のちょっとあわただしい一日は終わり、また新しい一日が始まります。
 でもその前にちょっとだけ寝ます。
 おやすみなさい。



艦!!
375妖精さんのある一日 :2015/02/05(木)22:54:39 ID:dJE
以上です
専ブラで書き込むと謎空間に飲み込まれまくるからもう\(^o^)/

次はアニメ鎮守府の提督を長門と殴りに行く話をポチポチしてます
376名無しさん@おーぷん :2015/02/06(金)22:28:23 ID:nSg


続き待ってるよ
377名無しさん@おーぷん :2015/02/06(金)22:30:13 ID:DYM
>>362
ぐわあぁぁ黒潮病が、黒潮病がああぁ
…男くん、このままお別れしてしまうん?
>>375
妖精さんには本当にお世話になってるなぁ…仲が良さそうな鎮守府で何より
アニ鎮提督を殴りに行く話期待w

お久しぶりです、うち天ダラ語りの筆者の変態提督です
今回、ケッコン関連やアルペジオネタが入った話があるため2/6メンテ明けまでに間に合わせたかったけど
アニメ艦これ見たり、電ちゃんの歯を磨きたいなぁとか思ってるうちにいつの間にか過ぎてしまった件…
なので、ログインしたりネタバレを見たりしないうちに上げてしまうという暴挙にチャレンジ
メンテ前に書いたため、矛盾が生じていたら申し訳ありません

特に問題なければ1分ぐらい後に投下始めます、合計12レス程度になると思います
378うち天ダラ語り改・3(前書き) :2015/02/06(金)22:32:15 ID:DYM
うちの天龍ちゃんとかが日常とか設定とかダラダラ語る話(改)・3 ~前書き~

――――――――

前回までの話(前スレ>>874-895>>982-986、このスレ>>300-307あたり)を知らなくても読めますが
知ってるとわかりやすいかもしれません

・あまりパッとしないうちの艦娘たちによる近況報告を兼ねた茶番劇+α (例によって一番パッとしないのは提督)
・今回『ケッコンカッコカリ』に関して、かなり夢の無い話が含まれているので注意 (あくまでうちの提督と艦娘に限った話です)
・主な登場艦娘…天龍・電・神通・利根・ビス子・ヴェールヌイ(3)、
 金剛型(4)、天龍・龍田・山城・ビス子(5)、川内・神通(6)、電・雷(7)
・相変わらず歯フェチの提督が勢いだけで書いてるけど
 アニメとか見たりしてるうちにちょくちょく真面目モードに引っ張られたっぽい
・とは言ってもいろいろ不真面目ギャグなため、一般的なカッコいいキャライメージの崩壊に注意
・実在の艦艇や兵器・軍、海外事情その他もろもろとは無関係です

では本編どうぞ↓
379うち天ダラ語り改・3(本編1) :2015/02/06(金)22:33:34 ID:DYM

うちの天龍ちゃんとかが日常とか設定とかダラダラ語る話(改)・3 ~『ケッコン』と『結婚』~

――――――――


天龍だ。
今回の話は、ウチの提督と艦娘たちの『ケッコンカッコカリ』詳細事情っていう、かなり個人的な話だ。
それも、一部の提督にとっちゃかなり面白くねぇ、夢の無ぇ話が結構含まれてると思う。
そういうのが嫌なヤツは、ここは飛ばしちまって次の話から読んでくれ。具体的にはもう3レスくらい後だな。
…大丈夫か?んじゃ、本編に移るぜ。


ある日ウチの艦隊は、いつになく真面目な顔をした提督に召集されて、ちょっとした改まった話をされた。
話の内容は『ケッコンカッコカリ』について…簡単に言っちまうと、

「近いうちに何隻かに『ケッコンカッコカリ指輪』を渡すつもりだが、それは『婚約指輪』や『結婚指輪』としてではない」

という話だった。
…そもそも異世界からの通信(※1)な時点で『結婚』も何もねー気もするが、その後も次のように話が続いた。

1.提督が一方的に決定権を持ち、レベル解放も兼ねている『ケッコン』を『結婚』とイコールで扱うのは
 自分のイメージではちょっと違う気がする。

2.艦娘と『結婚』するには、少なくとも現在の自分は色々な意味で力不足だと思うし、心構えもできていない。

3.それに加えて、実は将来的に自分の世界の誰かと自分が『結婚』する事もなくはないと考えており
 そうなると色々と不器用な自分には、両立できない可能性もある。
 ならば艦娘は艦娘で、そちらの世界での良い相手と『結婚』してもらえた方が幸せなのではないかと思うようになってきた。

4.以上の理由から少なくとも今は『結婚』はできないが、自分にとって艦娘は紛れも無く大切な存在であり
 『ケッコン』相手であれば尚更であるので、それは信じて欲しい。

5.そうは言ったものの、掲示板等では引き続き完全に嫁キャラとしてのノリで
 妄想を膨らませたり話題に乗ったりしてしまうと思うので、大目に見てくれると嬉しい。
380うち天ダラ語り改・3(本編2) :2015/02/06(金)22:34:33 ID:DYM

そう長くもない話が終わって「なんかよくわかんない話だったねー」とか口々に言いながら、各自解散していく中
どこに向かうでもなく、自然と並んで同じ方向に歩いていく5隻がいた。
日頃から提督にやたらとちょっかい出されたり、時々思い出したようにまとめて出撃させられたりする上に
クリスマスの後あたりから露骨に育成速度が上がってる(※2)んで
「これはもう間違いないだろう」と周囲から噂されている、通称『嫁候補5』…
電、神通、利根、ビス子、そしてまさかのオレの5隻だ。
…しっかしアイツ、オレのどこがそんなに気に入ったんだ?いや、別に知りたくねぇけど。

「さっきの話、随分と情けない本音が漏れてた気がするわね…」「誠意があるのか無いのか、判りにくいですね…」
バカ正直っていうかなんて言うか…色々とヘタクソだよな、アイツ。
「『結婚』とは違うって、わかってたけど…改まって言われると、ちょっと寂しいのです…」
まあな…特に初期艦のお前は、アイツと最初っからの付き合いだしな。
けど、下手なウソつかれて後でこじれるよりはマシかもしれねーぜ?

「うむ…それにな、よく考えてみろ電よ」「えっ…?」
「おぬし、仮に今あやつと『結婚』できたとして、真に心の底から『結婚』したいと思えるか?」ちょ、そりゃお前…
「はわわっ!?それは、もちろん…、………………」なんか黙っちまったし…
「無理もないです。私たちと提督、通信でしか接触したことが無いですし
 お互いに知らない事が、まだまだ沢山あって…急に『結婚』なんて言われても、困っちゃいます」まあ、そうだけどよ…
「あなたはどうなの?Tenryu。今の提督と『wahre Ehe』、本当にしたい?…私はまだ、Jaとは言えないわ」
………実はオレも、分かんねぇ。アイツの事、悪いヤツだとは思わねー(※3)けど…
「吾輩も、正直わからん。…司令官としては、それなりに信頼しておるのじゃがな」

「今はまだ、お互いに『カッコカリ』がЛучший ответ…最良の答え、って事なのかもしれないね」
お、別府…すぐ後ろにいたのか。
「Верный(ヴェールヌイ)。司令官が、6個目の指輪(※4)は私に渡すことになりそうだからって」
なりそうって…なんか、なし崩しじゃねーか?
「『結婚』とは違っても、『ケッコンカッコカリ』は信頼の証…悪くない判断だと思う。電の側にもいられるし、ね」
うーん、そういうモンかな…?納得できるまで、もうちょっと時間がかかりそうだ。
381うち天ダラ語り改・3(注釈) :2015/02/06(金)22:35:33 ID:DYM

――――――――

(※0)注釈とかのコーナーだ。今回は茶化す雰囲気でもねーし、ちゃっちゃと行くぜ。
 「龍田だよ~。今回もよろしくね~」なんだ、お前もいたのかよ。
 「うん、さっきからずっとだよ~。筑摩さんやプリンツちゃんも一緒に後ろにいたんだけど、気付かなかった~?」!?

(※1)最初っから読んでくれてるヤツは知ってると思うが、ウチの提督は偶然通信が繋がった別の世界に住んでる。
 だから、普通に考えたらそもそもマジもんの『結婚』なんて、言い出す方がバカげてるし
 艦娘のほうだって、んな事わざわざ言うまでもなく別物だって分かってるヤツがほとんどなんだ。
 …けど、アイツはその辺ハッキリさせないまま『ケッコンカッコカリ』しちまうのは
 どうしても嫌になったんだと…バカだよな、ホントに。
 「本当、おバカさんだよね~。…でも、提督がそういう人で、ちょっと安心したかな~」

(※2)掲示板で他所の提督たちの「キュウコンカッコカリ」ラッシュを見て
 「超羨ましい!ウチもやればよかった!」って思ったらしい。
 これまでその手の結婚系イベントに縁や関心がなかったから気付かなかったっていう、ウチの提督らしい話だな。

(※3)時々無茶言うこともあるし、アホでバカでド変態なウチの提督だけど
 基本的に艦娘たちの安全面での扱いは悪くねぇ方だと思う。

(※4)今更言う事でもねーけど、艦隊は6隻編成が基本だ。
 提督曰く「5隻目までは特に気に入ってる艦を入れてくだけで割とすぐ決まったが、6隻目は悩んだ。
 つーか、どの娘も可愛すぎる。7隻目以降も順次増やしていく予定」との事だ。
 最初の指輪もまだ渡せてねぇってのに、気が早えー話だよな。
382うち天ダラ語り改・4(本編1) :2015/02/06(金)22:36:29 ID:DYM

うちの天龍ちゃんとかが日常とか設定とかダラダラ語る話(改)・4 ~金剛の暴走~

――――――――

英国で生まれた帰国子女の金剛デース!ヨロシクオネガイシマース!
…なんて、今日は悠長に言ってる場合じゃアリマセーン!
Hey、テェートクゥー?今ドコですカー?手が空いた時でいいので、チョットこっちにツラ、貸すネー?
「いきなりキャラが壊れてますよ、金剛お姉さま!?」
コレが黙ってられますかっテンダー!いいですカー、比叡、榛名、霧島ー?
ココにあるテートクのヨメカン候補list、よーく見てクダサーイ!
「電、天龍、神通、利根、Bismarck…次点でВерныйですね」
「あんまり統一感がないメンバーですね…強いて言えば、水上部隊っぽいでしょうか」
Yes…駆逐 is angelとか軽巡 is sexyとか言いながら、結局重巡・航巡や戦艦までもがstrike zone…
ソレだけじゃアリマセン…6隻目のВерныйを合わせるとoversea…海外枠が2隻も入ってマース…
「あ、そう言われると確かに…多分、そこまで優先的に海外を意識してるわけじゃないと思いますけど…」
「ヴェールヌイちゃんについては、本妻が電ちゃんだから入れたって感じもありますしね…」

テートク、過去にいくつかハマった別の作品でも海外要素のあるcharacterがお気に入りデシタ…
今現在も、nic○nicoやpi×ivでヘタなんとかと艦これのコラボタグとかを定期的にcheckしてるみたいデース…
だったら、ワタシが候補に入ってても何もオカシクないハズなのに…「今度はメタ発言がダダ漏れになってる!?」
…ソレなのに、Love勢のワタシを外して…改が付く前のseriesでは、あんなshamefulなネタにまで付き合った(※1)のに…
一体どういう事デスカ、テートクー!!
Ladyのpureなheart、モテアソビマシタカー!?F××k'n!!「ヒエエー!いつものお姉さまじゃないー!」
「マズいわね、飲んでもいないのに昼間から物凄い荒れっぷりだわ…
 あっ、金剛お姉さま!そういえば、提督からご伝言を預かってきました!これを読んで落ち着いてください!」

『金剛さんの事、優先的に嫁艦にしたいタイプとはやっぱりちょっと違うかなーと思いました。
 でも素敵な娘だなとは思ってるので、今はちょっと手が回らないけど
 将来的にレベルが達した暁には是非指輪を貰ってもらいたいなーと思ってます。
 ワガママ言ってすみませんが、今後ともよろしくお願いします。提督より(土下座のイラスト付き)』

○※△Φ∴♨!!??
「ダメだわ、ますます暴走してる…!?」
「この内容じゃ榛名だって暴走します!どうして見せようと思ったんですか、霧島!」
「だってまさか、ここまで身も蓋もない事が書いてあるとは思わないじゃない!
 こ、金剛お姉さま!ここには書いてませんけど、提督、こんな事もおっしゃってました!
 『金剛さんたちは強いし社交的なマナーも心得てるし華やかだし、すごく素敵なレディだと思う。
 式典とか対外的な場面で出すなら、彼女たち四姉妹を選べば全方位で間違いないはず』って!」
383うち天ダラ語り改・4(本編2/注 :2015/02/06(金)22:39:09 ID:DYM

…なら、尚の事デス…どうして、ワタシたちが候補から外れてしまったんデスか…?
ワタシだけじゃアリマセン…比叡も、榛名も、霧島も、トテモ素敵なladyなのに…!

「金剛お姉さま…あ、そういえば提督、前にこんな事もおっしゃってたと思います。
 『なんとなく、あの仲良し四姉妹をバラバラにするのは忍びない。なるべく一緒にいさせたい』って。
 戦艦が複数入れないような海域に出さないのも、榛名たちの事を気遣ってくださってるのかもしれません」
ソレはドッチかと言うとunsolicited、余計なお世話デース…気を遣ってクレテるのは、嬉しい気もしますケド…
ワタシたち姉妹の絆はそんなfragileなモノじゃないって、目を離さないでクレテるなら分かってるハズなのに…
それに、最近はチョット方針が変わったみたいで
姉妹がいる艦でも、集中leveling(※2)とかでしばらくsoloで運用してる娘も結構いるみたいデース…

「え、えーっと、それは、その…あ、そうだ!
 それにですねお姉さま!その…候補に入ってる娘たちには悪いんですけど、司令は、正直
 『リア充っぽくない娘のほうが好み』みたいなんです!」…What?『リアジュー』…?
「えーっとですね、司令はご自分の世界で、中心的な立場…
 『リア充』って言うらしいんですけど、それからは長いこと離れてらっしゃる関係で
 いかにもお喋り上手とか、オシャレな感じで人気者っぽい娘には、ちょっとだけ気後れしてしまってて
 どっちかと言うと流行に乗らない・もしくは乗れないような、ちょっと変わってる娘が好きみたいなんです!
 金剛お姉さまが優先候補に入らないのは、なんだかんだで
 『デキる艦・王道・人気者』っぽいイメージだからっていうのもあるみたいですよ!」
そういえばそういう話、前にもチラッと聞いた気がしマース…どう反応していいのかdifficultデース…

「難しいですよねー…私なんて、話の内容すらよく分かってなくて…あ、いえ!何でもないです!
 と、とにかく、落ち着いていただけましたか?お姉さま?」Hm…ン!?
Wait!チョット待つネ、比叡ー!自分で分かってない事を軽々しく喋るのはladyとしてnoデスヨ?Troubleの元デース!
「ヒエッ!?す、すみません!お姉さまが落ち込んでたから私も何か言わなくちゃって思って、つい…」
普段言い慣れない事を無理して言おうとするからボロが出るんデース!
…比叡はテートクや他の娘の悪口なんて、滅多に言いマセンもんネ?ワタシの為に、無理して慰めてくれたんデショー?
「あ、それは、あの…その…」
No worries…ワタシとした事が、チョット取り乱しすぎマシタ。榛名も霧島も、皆、心配かけてsorryネ。
…とりあえず小腹も空きマシタし、Tea timeにしましょうかネー?休憩してから、またゆっくり考えマショウ!
「「「…!はい、お姉さま!」」」

――――――――

(※0)Explanatory note(注釈)や、digression(余談)のcornerデース!
 ヨメカン候補の連中に口を挟まれるとシャクなので、今回はspeedyにやりマース!

(※1)改が付く前のEXデース!具体的には前スレの>>894辺りデース!
 …でも、shamefulなので、できれば見ないでくれると嬉しいデース…

(※2)levelingやlevel upは和製英語で本来の意味とは違いマスが、gamerの間に限っては
 日本と同じ意味で使われてるらしいデスネー。
 『ケッコンカッコカリ』の細かいnuanceをenglishで説明するのは、チョット難しい気がしマース。
384うち天ダラ語り改・5(本編/注釈 :2015/02/06(金)22:40:47 ID:DYM

うちの天龍ちゃんとかが日常とか設定とかダラダラ語る話(改)・5 ~設計図事情・近況報告~

――――――――

天龍だ。「龍田だよ~」「扶桑型戦艦、妹のほう、山城です」山城?なんか急に出てきたな。
「しばらく前に、提督が『扶桑姉妹書けるかも』って思わせぶりな事言ったにも関わらず
 一向に出番がないから、この際無理矢理にでも出てくることにしたのよ。ハァ…」お、おう…そりゃ大変(?)だったな。

「でも、逆に出番がなくてよかったかも~?提督が最初考えてた話だと
 『山城さんが虫歯になったかと思ったら、実はストレスによる歯軋りで磨り減ってました』
 みたいな、笑えないギャグだったみたいだから~」「ハァ!?」
あー、そうらしいな。流石に自分のヘボ戦略で待たせまくってるのを茶化すのは申し訳なさすぎるんでボツになったらしい。
「あの提督…前々からアホで変態で悪趣味だとは思ってたけどそこまでだったなんて…不幸だわ…」

「Yamashiro…ごめんなさい。あなたが先に十分な練度で待ってたのに、私が設計図を貰ってしまって」(※1)
あ、ビス子。なんか今日は腰が低いな?
「他所の姉妹とはいえ、お揃いの服まで着てるような仲良し姉妹が
 姉だけ改二の状態で待ちっぱなしって結構気が引けるのよ…Yamashiroだけじゃなくて、Chikumaも設計図待ちだし」

「フン…私の姉さまは扶桑姉さまだけだし…
 っていうか、夏には『練度順で適当に決められた』って拗ねてたようなでかい暁のアンタまでそんな事言いだすなんて…
 明日はきっと雪の代わりにジャガイモでも降る(※2)んだわ。それで私の頭に直撃するのよ…」
「なんかよくわからないけど、酷い事言われてる気がするわね!?」
「冗談よ…勲章集めの近道にもなりそうだし、今回は譲るわ。姉さまの艦橋の美しさ、少しはわかってる(※3)みたいだし…」
「あ、ええ…あなたの艦橋もなかなか素敵だと思うわよ、Yamashiro」

――――――――

(※0)注釈とか余談のコーナーだ。今回も少なめだな。
 「私にレスを割くのは惜しいって事なんでしょ…?
 提督、艦のほうの私と昔演習でチキンレースしたあの軽巡娘の事は気に入ってるくせに…」
 い、いやそういう訳じゃねーと思うけど…多分、メンテ明けに間に合わせたくて後から書いた部分は少ねーんだと思うぜ。
 「提督遅筆だから、アップした直後に新要素実装で話の賞味期限が切れましたっていう事が結構多いんだよね~。」

(※1)ってな訳で、扶桑の次はビス子に2枚目の設計図が渡ったみたいだな。
 「嫁候補ですものね…」えーと、まあソレもあるっちゃあるらしいけど…
 一応、新海域に備えていろんな艦を強化しておきたいとか
 山城も言ってる通り、勲章集めを効率良くできるようにっていう戦略的な思惑もあるみたいだぜ。
 (提督が夜戦カットイン大好きで、どうしても戦艦で魚雷カットインさせたくなった事は黙っといた方が良さそうだな)

(※2)冗談でも流石にジャガイモは降らねーと思うけどな…あ、でも
 動画サイトの替え歌でそういう感じのあった気がするな。トラックの運転手がどうとか。「なんとかデイズだっけ~?」

(※3)そういや、時報で扶桑姉妹の艦橋のこと凄いって褒めて(?)たな。ビス子。
 「先を越されたのは癪だけど…扶桑姉さまの良さがわかる娘に基本、悪い娘はいないと思うの」お、おう。
 「私も、天龍ちゃんの事ステキだって言われたら嬉しいかな~」
385うち天ダラ語り改・6(本編1) :2015/02/06(金)22:41:47 ID:DYM

うちの天龍ちゃんとかが日常とか設定とかダラダラ語る話(改)・6 ~Sleeping dirty beauty~

――――――――

やせん、やっせん~♪夜戦がしたい~♪っと!ただいまー!川内、参上ー!(バターン!ぷぎゅる)
ん、ぷぎゅる?…あ。「…すやすや…」

稀によくある通り、有志の艦娘たちと一緒に夜戦という名の自主練、兼ストレス発散を一晩中こなして
静かに過ごしたい勢から、またもや稀によくあるド顰蹙とケンカを買いながらも満足して帰ってきた夜明け前。
寮の部屋の扉を開けてすぐの床に、これまた稀によくある感じで私の妹、神通が転がって眠っていた。
うっかり踏まれた事にも気付かない様子で、スヤスヤと気持ちよさそうに寝息を立てている。

あーあ、こんな所で寝ちゃって…この様子だと、また今夜もかなー…?
そう独り言を呟くと、明かりも点けずに私は眠る妹の傍らに座り込み、そっと肌に触れてみた。
そのまま腕、髪、顔…這うように指を沿わせていき、顔を近づけ、その身に纏われた空気を吸い込んでみる。
何かを確かめるような一連の動きが済んだ後、私は納得したように頷き、そして………
………顔を背け、思い切り咳き込んだ。(※1)

もー!やっぱりだよ、この娘は!
体力の続くギリギリまで自主練に明け暮れてた(※2)のか、部屋着に着替えてないのはおろか
海水や排煙、こぼれた弾薬に油、それから本人の汗…全部が合わさって、全身はベタベタのドロドロ。
ダメ押しとばかりに、口の中には食べかけの栄養菓子(※3)が入ったまま。
おそらく、食べてる途中で力尽きて眠ってしまったのだろう。
本人がそんな状態なのに、側にはきちんと手入れされた装備一式が置かれているあたり
これまた毎度の確信犯ぶりが伺える。私はガックリとうなだれた。
残念だ残念だと言われながらも仮にも美少女で名が通ってる、そうでなくても大事な可愛い妹が
こんな汚れまみれで寝てていいんだろうか?いーや、良くない!
自他ともに認めるニンジャの私ですら、夜戦が終わった後にはしっかり食べて、キチンとお風呂に入って
十分身だしなみを整えてから、次の夜戦に備えて気持ちよく朝寝に就く(※4)というのに。

コラー!起きなよ、神通ー?練習熱心なのはいいけど、ちゃんと自分の体も整備しないとダメじゃん!「…くぅくぅ…」
ねぇってばー。そんなんじゃまた、那珂が遠征から帰ってきた時に怒られちゃう(※5)よー?「…むにゃ…すぅすぅ…」
この前みたいに、出撃前になってから歯が痛いって焦っても今度は助けない(※6)からねー?「…ん…うぅん…」
むう、起きないか…仕方ない…
わかった。そんな事ばっかりしてるんだったら、こっちにも考えがあるからね!「…?」
…駆逐艦の娘たちに言っちゃおーっと。「!?」
誰に言おっかなー。雪風ちゃんがいいかなー?二水戦の縁(※7)で神通の事、結構尊敬してるよねー?
実はオフの神通さんはお風呂も入らず歯も磨かず床で寝てるんですーなんて知ったら、ビックリするだろうなー。フフ。
「…だ、ダメ…」おっ?「それだけは…絶対に、ダメ~!」おっ、よしよし。起きたね。
はいはい、じゃあちゃんとしなよねー。疲れてんなら洗うの手伝ってあげるから、一緒にお風呂入りに行こ!(※8)
386うち天ダラ語り改・6(注釈) :2015/02/06(金)22:42:45 ID:DYM

――――――――

(※0)注釈とか、余談のコーナーだよ!夜は長いし、ゆっくり読んでってね!
 「もう明け方だろ…ふわぁ…眠ぃ」
 「水雷の娘って、夜戦が勝負みたいな所があるから生活が夜型になりがちなんだよね~。
  アニメ鎮守府さんだと、出撃しない日は規則正しい生活してるっぽいけど~」
 そういえば、アニ鎮の神通ちゃんは朝練派っぽい感じだったね。「朝昼晩と、見事に三姉妹で分担してたな」

(※1)ホントは部屋に入った時点で相当アレなニオイだったから、やらなくても良かったんだけどね。
 「じゃあ何でわざわざやったんだよ?」何となく?サービスシーン的な。「いやいやいや、サービスになってねーから!」

(※2)私の夜戦とは違って、納得できるまで一人でトコトンやるのが好きみたい。
 どうも巷の噂とか妖精さんの話によると、『軽巡洋艦・神通』に選ばれる娘の一例として
 静かだけどブレないというか、諦めが悪いというか…ちょっと悪い言い方すると、地味にしつこいみたいな?
 ウチの妹の場合それが自分自身に向いてて、満足できる結果が出せるまで止められないみたいなんだよね。
 あと、本来の性格が表に出てくるのか艦のほうの記憶に引っ張られるのかはわかんないけど
 限界の向こう側、自分の身を捨ててでも戦い続けたいって方向に行く娘も少なくないとか。

 「だからって、ウチのはどうでもいい事で身を削りすぎだろ…戦闘の前に体壊してたら元も子もねーんだしさ」
 「ここまでダメな方向で発動してる例もちょっと珍しいよね~。ダメな神通ちゃん自体、他所だとあんまり見ないし~」
 「このシリーズがギャグだからって、提督に付き合って体張ってるとかじゃねーのか?」
 うーん、まあ確かにいつもより、ちょっと汚さマシマシでお送りしてるけど…「マジで話盛ってんのかよ!」
 サービスサービス。ちなみにウチの神通の衣装は、私服も含めてほとんど那珂がプロデュースしてるよ!「あらあら~」
 
(※3)要するにカ□リーメイトなんだけど、使われ方的にあんまり良いイメージにならないと思ったから伏せてみたよ。
 「ウチの艦隊、他にも甘いもん食い過ぎなビス子とかいるけど
 名前的に某菓子メーカーさんの間接的なネガキャンになってねーかな?って提督が心配してたな…
 あと、他のネタも含めそろそろリアル海外提督や間宮さんあたりから怒られるんじゃねーかなとか」
 「他の提督さんの所には健全でカッコいい艦娘さんも沢山いるから大丈夫、って事にしてもらえると嬉しいな~」

(※4)そういえばアニ鎮の私って、いつ寝てるんだろ?「さーな。授業中じゃねーの?」
 なんだー、じゃあ私が学校行ってた時とおんなじじゃん!「オイオイ…」「実際はどうなのかな~?気になるね~」

(※5)(※6)改になる前のシリーズの、3とか4…の、注釈あたりの話だね。
 具体的に言うと、前スレの>>882-888あたりに断片的に載ってる感じ。
 「その影響が回りまわって、なんでかオレが被害担当艦みたいな感じになってんだけどな…あの辺の話」
 「あの時の提督、他の提督さんたちが描いてる弄られ天龍ちゃんにハマってたっぽいね~」

(※7)某いつ静の二水戦回的なチョイスで雪風ちゃんにしてみたけど
 ウチには天津風ちゃんも時津風ちゃんも初風ちゃんもまだいないんだよねー。
 あの娘たちが来たら、ウチの神通ももうちょっとしっかりしてくれるかな?
 「そういや自分の名前に風の字が入ってる割には、陽炎型とか島風とかあんまり使ってねーよな?ウチの提督」
 「提督になる前から使ってた名前みたいだからね~。該当の娘たちには『紛らわしくてゴメン』って思ってるみたいだよ~」
 
(※8)入渠ドックとは別に、普通のお湯が使えるお風呂もあるんだよ。
 掃除とかで使えない時もあるけど、明け方はほとんど貸し切りみたいになってて便利なんだー。
 「薄い本が捗りそうな設定だね~」「お、おう…(分かるような、分かりたくねーような…)」
387うち天ダラ語り改・7(本編) :2015/02/06(金)22:44:14 ID:DYM

うちの天龍ちゃんとかが日常とか設定とかダラダラ語る話(改)・7 ~夢と現の間で~

――――――――

電です。今日は雷ちゃんと暁ちゃんがお留守番当番(※1)で、私やヴェールヌイちゃんの出撃も終わりなので
執務室の隣にある仮眠室で、4人でお泊りすることにしたのです。(※2)
…だけど…
夜中、誰かの声が聞こえた気がして、電は目が覚めました。
誰かが…泣いてるのです?

執務室や仮眠室は、他の施設からは少し離れた所にあるので(※3)
夜中になるとお留守番の娘以外は、ほとんど誰もいなくなります。
暁ちゃんも、ヴェールヌイちゃんも、雷ちゃんも電の横で静かに寝ています。
だったら、誰が泣いてるのでしょうか…?なんだか、隣の執務室のほうから聞こえるような気もします。
…はわわっ!?
執務室につながっている方のドアを開けたら、タンスの上のピンクのクマさん(※4)と目が合ってしまいました。
真っ暗な中で見るクマさんはちょっと怖いのです。明かりを点けるのです。

声が聞こえてきた方を見てみると、そこには誰もいなくて…
…ただ、通信機と、電源が入っていない画面(※5)だけがいつもみたいに置いてありました。
通信機の向こうは、司令官さんの世界…じゃあ、この声って…?

「電?」はわわわっ!?…あ、雷ちゃん。
「どうしたの?こんな夜中に。何かおかしな事でもあった?」あ、えっと、実は…

「泣き声…?今は聞こえないみたいけど…誰かしら?見回り、行ってくる?」
ううん…電も、聞こえないのです。このお部屋のほうから聞こえた気がしたから、きっと、寝ぼけてたのです。
「ここは隠れられそうな場所もないし、廊下につながってる方の扉は
 お留守番当番の私が鍵をかけたものね…うん、タンスの中にも誰も入ってないわ」
わかったのです。…あの、雷ちゃん?「?なぁに?」
いつもありがとうなのです。雷ちゃんたちが一緒だから、電は寂しくないのです。
「どうしたの?急にそんな事言って。
 でも、私も電や暁ちゃんたちがいるから寂しくないわ!さっ、朝までしっかり寝ましょ!」ハイ、なのです!
388うち天ダラ語り改・7(注釈) :2015/02/06(金)22:45:25 ID:DYM

――――――――

(※0)解説とか、余談のコーナーなのです。
 「電、夜中に誰か居たみたいな話聞いたけど大丈夫か?」
 「何かあったら、すぐに提督や他の娘に知らせるのよ~」
 あ、天龍さん!龍田さん!ちょっと怖かったけど、もう大丈夫なのです。ありがとうなのです!

(※1)うちの第一艦隊は、聯合艦隊の時以外はお留守番になっている事が多いので
 艦隊名はお留守番支部、艦隊内の娘はお留守番当番って呼ばれてたりします。
 「今度のイベントは聯合艦隊の出番みたいだから、留守番支部はまたしばらく休みになるかもな」

(※2)執務室の隣には少し広めの仮眠室があって、艦隊に編成された娘や仲良しの娘が
 お泊りできるようになっています。執務室にお布団を敷かない理由は、次の(※3)を見てもらえると嬉しいのです。

(※3)「執務室にもカウンターバーとかお風呂とか、色々あるんじゃないの?」って思うかもしれませんが
 うちの世界の本当の執務室には、普通のテーブルや椅子しか置いていなくて
 いつも司令官さんが見ているようないろんな家具は、ほとんど画面の中のバーチャル執務室にあるのです。
 「ウチの執務室の詳しい仕様については、前シリーズの1…前スレの>>874-879あたりを見てくれると助かる」
 お酒が飲みたい艦娘さんは、夜の食堂や寮で飲んでいることが多いみたいです。

(※4) アニメの夕立ちゃんが持ってる黄色いクマさんや、軽巡の球磨さんの事じゃなくて
 クリスマスの時に七面鳥のテーブルの近くにいる、あのピンクのクマさんの事なのです。
 どうしてかわからないけど、あのクマさんはいつの間にか画面の外にもいて
 いつも大体、イオナさん達が置いていってくれたタンスの上や、引き出しの中にいるのです。
 「誰かが動かしてんのか、時々別の場所に置いてあったりもするんだけどな」
 「自分で動いてたりしてね~?ウフフ♪」はわわっ!?
 「オイオイ、脅かすなよ…(マジで動いてたりしねーよな…?)」

(※5)司令官さんが通信をオンにすると、こっちの世界でも自然に画面のスイッチが入って
 秘書艦の娘が持ってるアラームが鳴るようになってるのです。
 画面はついていなかったし、秘書艦の雷ちゃんのアラームは鳴らなかったので…
 ………………
 「どうかしたか、電?」あ、何でもないのです!「夜中の事、やっぱり怖かった~?」大丈夫なのです!

 (…通信が入っていなかったのに、私は…司令官さんの声を聞いて…?)
389名無しさん@おーぷん :2015/02/06(金)22:46:31 ID:DYM
今回は以上です
ケッコン関連の話で気分を害された方がいらっしゃいましたら申し訳ありませんでした
(他の話についてはもはや謝りようがない模様)

電ちゃんが聞いた声については、特に深い意味は無いのですが提督もたまには泣きたい夜があるって事で…
あと、キリクマは前回のシリーズの執務室紹介の時に書き忘れてたという

余談ですが川内・神通のお風呂回(語弊)を書き上げた後、ふと思い立って
久しぶりに丁寧に背中を洗ってみたら、自分でもドン引きするぐらい垢が出た後にえらく体が軽くなって驚愕
お風呂って大事ですね
ではでは
390名無しさん@おーぷん :2015/02/07(土)13:30:52 ID:2j2
乙っ!
391名無しさん@おーぷん :2015/02/11(水)20:31:14 ID:RJO
age
392叢雲さんちのクソ提督 :2015/02/14(土)19:28:05 ID:fRx
一発モノでツマンナイけどティンときたので投下
------------------------------------------------------------------------------------
提督「2月14日か。とうとうこの日が来たか…」
叢雲「いきなり何よ」

提督「いや、バレンタインデーだなと思ってな」

叢雲「ッ! ふ、ふぅん」

提督「去年、一昨年ともこの時期は激戦でそれどころじゃなかったな」

叢雲「そうね。帰ってきたと思ったら、またすぐ出撃の繰り返しだったわね」

提督「今でも深海棲艦との戦いは終わっていないが、それでも当初に比べれば状況は良くなっている」

提督「お前たち艦娘のおかげだな。お前たちが頑張ってくれたおかげで、今日という日がある」

叢雲「そっ、そうね!指揮するだけのあんたと違って、私たちは常に前線に立ってたし当然よね!感謝なさい」

提督「本当に頭が下がる」

叢雲「分かればいいのよ」フンス
393叢雲さんちのクソ提督 :2015/02/14(土)19:28:31 ID:fRx
提督「ところで、さっきから手に持ってるソレは何だ?」

叢雲「へっ?!」ビクッ

叢雲「こ、こここここれは… そ、その… これっ!」ポイッ

提督「うおっ!いきなり投げるなよ」

叢雲「あんたのじゃないのっ?あ"っ、私が買ってきたもんじゃないからっ!」アタフタ

提督「お、おう」

叢雲「執務室の前に落ちてたわよっ! ま、まったく!何で私が届けないといけないのかしらっ!」

叢雲「恥ずかしいわよホントッ!…はやく、持って行ってよ!」

提督「ボッシュート」ごみ箱にポイッ

叢雲「……何で捨てるのよ」

提督「何でってお前、危険極まりないだろ。」

叢雲「ほ、包装してあるから衛生的に大丈夫でしょ…」

提督「包装してあるから安全、という訳ではない」

提督「これが爆弾だったらどうする?開封した瞬間に吹っ飛んだとしたら、俺とお前はお陀仏だ」

提督「叢雲、お前は危機管理意識が甘すぎではないか?俺はそんな無能を秘書にした覚えはないが」

叢雲「…………ぃわよ」プルプル
394叢雲さんちのクソ提督 :2015/02/14(土)19:28:51 ID:fRx
提督「何だ」

叢雲「もういいわよッ!いらないんでしょソレっ!返しなさいよ!」

提督「待て待て、何をそんなに怒っているんだ」

叢雲「怒ってない!責任持って処分してきてやるわよ!」

提督「落ち着け叢雲!」

叢雲「うるさい!どきなさいっ!」ドンッ(提督を突き飛ばす)

提督「グハッ!」バタン(後頭部が壁に直撃して倒れる)

叢雲「えっ!ちょ、ちょっと…」

叢雲「や、やだ…ありえない…」

叢雲「お、起きなさいよ大袈裟ね」

提督「」

叢雲「ねえ、起きなさいってば」ツンツン

提督「」

叢雲「ねえ…」

提督「」

叢雲「……」

提督「」
395叢雲さんちのクソ提督 :2015/02/14(土)19:29:07 ID:fRx
叢雲「……ぅえ」ポロポロ

叢雲「何でよぉ…何でこうなるのよ…」ポロポロ

叢雲「ひっぐ…ぐすっ」ポロポロ

叢雲「うぁあああ…ふぐっ」ズビビッ

提督「よいしょっと」ムクリ

叢雲「ッ?!」

提督「さってと、この箱の中身は何かな?かなー?」ガサゴソ

叢雲「……」

提督「おっ!クッキーか。俺チョコレート食べられないから助かる~」

叢雲「」

提督「うん美味い。特にこの、イチゴの味の奴はクセが無くて食べやすいな」ポリポリ

叢雲「こ…の…」

提督「どうした?叢雲。目も腫れてるし、せっかくの可愛い顔が涙と鼻水で台無しだぞ」

叢雲「クソ提督ゥー!」パシーン

提督「モルサァ!」

以降、10日ほど叢雲の機嫌は直らず提督が叢雲に土下座する光景が鎮守府の彼方此方で見られたとか。

~fin.~
396名無しさん@おーぷん :2015/02/14(土)20:29:41 ID:mcs
乙バレンタイン
叢雲かわいいw
397名無しさん@おーぷん :2015/02/24(火)21:46:52 ID:vSQ
ネタはあるんだよー
時間と気力が無いんだよー
398名無しさん@おーぷん :2015/02/25(水)03:21:59 ID:ujS
別スレから誘導されてきたんですが
1年前ぐらいに書いた駄作の推敲したものを貼っても大丈夫ですかね?
テスト投稿&意見欲しい的なもので
続編書ききるかどうかわかりませんが
399名無しさん@おーぷん :2015/02/25(水)03:22:53 ID:xSb
>>1のルールに則りさえすればおK
400名無しさん@おーぷん :2015/02/25(水)03:25:35 ID:ujS
では失礼して投稿させて頂きます
原稿用紙からの書き直しのため、現在推敲中の作品です
多分2レスに分けることになります。
批評意見ドンと来いです
401名無しさん@おーぷん :2015/02/25(水)03:26:48 ID:ujS
?「あ”~、今日の晩飯何にすっかー・・・」

時計も19時を回り、いい加減腹も減ってきた
親父は海自の海上演習のため長期出張
お袋は親父の乗ってる船の給餌係として乗船
そのため朝から夜のメニューも自分で考えないといけない
これが非常に面倒である

?「カップ麺とか買い置き残ってたっけか?」

俺の名前、堤 徳三(つつみ のりみつ)
親しい友人からは名前をもじって「提督さん」「提督」と呼ばれている。
自室で寝転びながら漫画を読んでいたが、空腹に耐え切れず立ち上がり台所のある一階に降りようとした

ピンポーン

そんな時、家のインターホンが鳴った

提督「ん?こんな時間に誰・・・あ、もしかして」

ふと湧いた期待を胸に階段を降りて玄関を開けた

提督「はーい、どちらさまー?」ガチャリ
??「こんばんは、提督」ニコッ

たおやかな笑顔と暖かそうな鍋を携えた女性が玄関前にいた
お隣に住む美人四姉妹長女、妙高さんである
両親が長期の海上演習に出てからと言うもの、度々こうやって晩飯などの差し入れをしてくれるのだ
402名無しさん@おーぷん :2015/02/25(水)03:27:53 ID:ujS
提督「ドモ、こんばんわっす。どしたんすか?今日は」
妙高「ええ、足柄がぶり大根を作ったんだけど・・・気合が入ってたせいか作りすぎちゃって」

ちょっと困った笑顔の妙高さん。マジ美人である。
今名前が出てきたのは四姉妹の三女足柄さん、嫁入り修行の一環だとかで最近料理に力が入っている
修行開始当初は豪快な性格が悪い方向に働き、俺の胃袋をよく大破させたものだ。
最近では普通に美味しいレベルにまで上達、なんだかんだで両親不在な俺の助けになってくれている。

提督「わざわざありがとうございます。うほっ、いい匂い」
妙高「時間があれば家でとも思ったんだけど・・・羽黒が試験間近なもので・・・」
提督「あー、教員試験っすか」

四姉妹末っ子の羽黒さん。内気な性格で何かと謝る癖がある。
だが、その芯の強さは四姉妹筆頭。腹を決めたら物凄い勢いで押してくる人だ。
実は大学で結構な回数で告白されてるそうだが、その度「ごめんなさいぃぃぃぃ」と言いながら逃げているとか

妙高「那智も指導に加わっているからちょっと空気が張り詰めてるのよ」
提督「いや、仕方ないっすよ。俺も羽黒さんの邪魔する気ないですし、那智さんも一生懸命でしょうから」

四姉妹次女那智さん。長い黒髪が特徴で、その凛とした立ち振舞は同性からも人気がある
・・・が、この人見た目からは想像できないレベルの酒豪、しかも絡み酒
何度酔っ払った那智さんにヘッドロックをかけられたか・・・いや、柔らかかったけどさ

妙高「鍋は明日でもいいので持ってきて下さい。足柄も感想を聞きたいでしょうから」
提督「ウッス、しっかり吟味させて頂きます!」

うちの両親が長期不在の俺に何かと世話を焼いてくれているお隣の美人四姉妹。
あちらの両親は海外に赴任中だとか
親父達が海上演習に出る前に「うちのバカ息子を頼むw」とか言うくらいには仲の良い関係だ。

それが何で・・・・あんなことになったのか・・・


『お隣の妙高型美人四姉妹』
続編未定
403名無しさん@おーぷん :2015/02/25(水)03:30:27 ID:ujS
以上です
現在推敲中
まとまって自分で納得が行く内容になれば完結作品を投稿したいと思います
404名無しさん@おーぷん :2015/02/25(水)03:33:54 ID:H3d
>>403
乙です!

文章は読みやすいよー。
今は導入で説明調の文章だから、キャラが今後どう動いていくかなんとも言えんけど、
艦これスレで気にしてた地の文の比率については全然問題ないんでないの?
続き期待してます。


…ホントどうでもいいことだけど「うほっ、いい匂い」で一瞬アレを連想してしまったw
405名無しさん@おーぷん :2015/02/25(水)03:34:46 ID:xSb
>>403
乙です、文章自体は割と読みやすいかな
主人公にもうちょっとハッキリとしたキャラ付けがあれば面白いと思いました(小波感)
406名無しさん@おーぷん :2015/02/25(水)03:41:55 ID:ujS
>>404
>>405
ご意見ありがとうございます
主人公のキャラ付けのイメージは『生意気なとこはあるがどこか憎めないやつ』といったイメージです
想像としては妙高さんに「仕方ないですね・・・」って言ってもらえる的な

「うほっ、いい匂い」に関してはそっち方面想像してなかったですw

今後の構想としてはルート分岐も含めたギャルゲーテイストなものになるかと
可能であれば外の艦娘も出していきたいと思っています

短い文章ですがご意見ありがとうございました。失礼いたします
407名無しさん@おーぷん :2015/02/26(木)18:53:58 ID:eRv
次も待ってますよ!
408名無しさん@おーぷん :2015/02/26(木)19:24:07 ID:GCC
いつぞやの「不良型駆逐艦卯月」をここにチラ裏していた者です
大幅にリメイクして、主人公を卯月から熊野に変更し
設定も変えました
もう一度ここでチラ裏させていただきます
台本形式なので、苦手な方はスルーしてください
409ガンスリンガー熊野(仮題)◆4MuKzYcRH6 :2015/02/26(木)19:26:41 ID:GCC
※学校屋上
不良少女「艦娘適合試験?」
子分1「はい! リーダーかわいいからこんなのよゆーっすよね!」
不良少女「あー、キョーミねぇよパスパス」
子分1「そんなー、リーダーならぜってぇー合格ですって!」
子分2「そうですよ!リーダーが合格しようとしまいと、ウチら『KUMA-GARI』にはなーんにも影響ありませんって」
不良少女「だーかーらキョーミねぇよ。なんでお前らアタシをそんなに応募させよーとしてんだよ」
子分1&2「可愛いからです」
不良少女「…っ! 調子こいてんじゃねぇ!」スパーン
子分1&2「痛い!」
不良少女「ったく。おまえらなぁ、アタシがかわいいとかぜってーありえねぇから」
不良少女「それにこの『艦娘適合試験』ってのに合格したらあの化け物…『しんかいせいかん』っつったか?アイツラどもと戦わねーといけねーんだろ?」
不良少女「アタシはまだ死にたくねーからごめんだね」
子分1「リーダー…」
不良少女「第一まだ『KUMA-GARI』は始まったばかりだろ?これからメンバー増やして、チームを大きくして、いずれは全国を制覇する…… それがアタシの夢なんだよ」
子分2「だったらなおさら応募して合格した方がいいじゃないっすか?」
不良少女「あ~ん?」
410ガンスリンガー熊野(仮題)◆4MuKzYcRH6 :2015/02/26(木)19:27:08 ID:GCC
子分2「だって艦娘ってあの化け物と互角に戦えるんでしょ?一応軍隊ってことになるから、そこで鍛えて適当にやって、やめちゃえば『元軍人』って箔がつくじゃないっすか」
子分1「そうか!そうしたらリーダーが今よりもっと強くなって、人が集まってくる!」
不良少女「いや、でもなぁおまえら」
子分2「そうしたら湘南制覇なんて一瞬!楽勝!そして天下統一ですよリーダー!」
不良少女「話をきけぇえええ!」

ガチャン

不良少女「誰だこらぁ!」
子分1&2「?!」
軍人「ん?先客がいたか」
子分1「ぐ、軍人?」
軍人「自分はここのOBでね。今日は艦娘募集中のポスターを配りに来たついでに、屋上で昼飯を食おうと思ったんだが… 取り込み中だったかな?」
不良少女「で? そのOB軍人さんが何の用だ」
子分1「いやー、実はウチらのリーダーが艦娘になりたいってうるさいんでね」
子分2「あたしらで説得してたんすよ。リーダーには無理だって」
軍人「ほう」
不良少女「てめぇら、ふざけたことヌかしてんじゃねー!」
子分1&2「いやーんこわーい。軍人さんタスケテー」
不良少女「お、お~ま~え~ら~…!」
411ガンスリンガー熊野(仮題)◆4MuKzYcRH6 :2015/02/26(木)19:27:33 ID:GCC
軍人「確かに君は艦娘には向いていないな」
不良少女「はぁ?」
軍人「そのような横暴な態度では『深海棲艦』… 分かりやすく言えば、世間を賑わせている海の化け物だな」
軍人「奴らと戦っても返り討ちにあって、海の底に沈むだけだ」
軍人「君のような社会のはみ出し者が艦娘になろうなんて言語道断。こちらからも願い下げだ」
軍人「そんな奴に人のため、国の為に戦えると思っているのか?」
不良少女「な、あ…」
軍人「だが今はそうも言ってられない。圧倒的に戦力が足りない。艦娘が足りないんだ」
軍人「艦娘になろうと決心してくれたのは嬉しい。しかし、今のままでは合格はできないと思っていてくれ」
子分1「リーダー…」
子分2「リーダー…」
軍人「これが海軍の連絡先だ。来月の艦娘適合試験を受けたいなら、一週間以内に連絡をしてくれ」
不良少女「あ、ああ」
軍人「……それに君は可愛いんだから、こんなところで燻ってないで真面目に生きたらどうだ」
不良少女「んなぁ?!」シュボボボボボ!
子分1「おやおや」
子分2「あらあら」
軍人「ん?もうこんな時間か。昼を食べそこなってしまったな」
不良処女「んな…ななっななななななななな!!」
軍人「では失礼する」

ガチャ バタン

子分1&2「……」
子分1&2「かっけぇええええええええええええええ!」
子分1「すげー!すげー!なにあのイケメン!」
子分2「鼻血が!鼻血がぁああああ!メディィイイイイイック!」
不良少女(かわいいって言われた!かわいいっていわれた!ど、どどどどどうしようどうしよう!)
教師「コラァ貴様らぁ!今日という今日は逃がさんぞ!」
不良少女「…まずい!生活指導のハゲだ逃げろ!」
子分1「やーい!ハーゲ、ハーゲ!」
ハゲ「ハゲてねーし!待てこの不良どもがぁあああああああ!」
412ガンスリンガー熊野(仮題)◆4MuKzYcRH6 :2015/02/26(木)19:27:56 ID:GCC
※不良少女自宅
不良少女「ただいま戻りました」
父親「ああ、おかえり」
手下「お帰りなさいませお嬢!」
不良少女「ただいまノギさん」
父親「お弁当、どうだった?」
不良少女「…味が薄かったです」
父親「そうか。ごめんな。父さん、あまり料理得意じゃないから」
不良少女「台所代わって。今日は私が作ります」
父親「あ、ごめん。今日…夜勤入っててな……その……」
不良少女「そうですか。ではサイゼで食べてきます」
父親「本当にごめんな。じゃあ、父さん夜勤行ってくるな」
不良少女「あ、ちょっと待ってください」
父親「?」
不良少女「艦娘適合試験、受けるみようと、って思います」
父親「……その話は帰ってきてからゆっくりしよう」
不良少女「うん。ごめん急にこんな話して」
父親「行ってきます。おいノギ、車出せ」
手下「うっす!」
不良少女「行ってらっしゃい」
ガチャ バタン
不良少女「……」
不良少女「何言ってんだよアタシ…」
413ガンスリンガー熊野(仮題)◆4MuKzYcRH6 :2015/02/26(木)19:28:20 ID:GCC
※海軍本部
軍人「私が鎮守府の提督に?」
参謀総長「机上演習大会で落伍艦0かつ、丁字不利の状況で敵機動部隊を返り討ちにするような君を鎮守府提督に抜擢しないでどうする」
軍人「あれは相手がこちらの戦力を軽巡と駆逐艦主体の水雷戦隊と侮り、索敵を怠ったから勝てたのであって自分の実力ではありません」
参謀総長「それ以上謙遜するな。嫌味にしか聞こえなくなるぞ」
軍人「申し訳ありません」
参謀総長「で、だ。手始めに君の戦隊に空母1、巡洋艦3、駆逐艦2を配備することに決定した」
参謀総長「これがそのリストだ」
[第4戦隊 戦力リスト]
空母…飛鷹
重巡…青葉
重巡…熊野
軽巡…那珂
駆逐艦…初風
駆逐艦…綾波
414ガンスリンガー熊野(仮題)◆4MuKzYcRH6 :2015/02/26(木)19:28:41 ID:GCC
参謀総長「そこに表記されている艦娘たちはまだ戦力化されていない。正確にいえば適合者がまだ見つかっていないのだ」
参謀総長「戦力が整うまでは広報活動に従事してくれたまえ」
軍人「了解しました。では失礼します」
バタン
参謀総長「さて、あやつをどう見る三笠?」
三笠「お前様と同じ考えじゃ。猛禽のような眼をしておる。いい男じゃ」
参謀総長「…浮気は許さんぞ」
三笠「なに案ずるな。妾の身も心も、お前様のものじゃて」
参謀総長「さて。状況はどうなっておる?」
三笠「あまり芳しくないのう。むしろ悪化する一方じゃ」
三笠「このままでは硫黄島、沖縄、小笠原が孤立してしまうのう。何か手を打たんと」
参謀総長「もはや猶予はない、か」
参謀総長「軍令部に顔を出してくる。ついてこい」
三笠「喜んでお伴をさせてもらうぞ、お前様」
【志願編へ続く】
415ガンスリンガー熊野(仮題)◆4MuKzYcRH6 :2015/02/26(木)19:30:00 ID:GCC
【艦娘紹介】
[三笠]
第一世代型艦娘の一人。第二期艦娘増員計画で計画された
『敷島』、『朝日』、『初瀬』と『三笠』は基本的に同型艦娘として
計画された。
日本海における深海棲艦掃討作戦では第一艦隊の旗艦として、
ロシア極東艦娘部隊と共闘し日本海解放の大きな原動力となった。
しかし、凱旋直後の佐世保鎮守府沖にて艤装の弾倉入れが原因不明の爆発を起こし
利き腕である右腕を欠損する重症を負う。
一命は取り留めたものの艤装は修復が不可能と判断され解体、三笠は予備役に編入された。
予備役に編入された後、実家にて自宅療養していたが同期や後輩の艦娘たちが見舞いや助言を
求めに押しかけるため、参謀総長の計らいにより現役に復帰し艦娘訓練学校にて教鞭を執る傍ら、
参謀総長の秘書を務めている。
416名無しさん@おーぷん :2015/02/26(木)19:31:56 ID:GCC
とりまこんな感じでもう一度奨めていきます
不定期更新なのです
過度な期待をされると轟沈します
ではではノシ
417名無しさん@おーぷん :2015/03/01(日)13:06:38 ID:B0v
うさぎからくまにリメイクっぴょんね
乙です
418名無しさん@おーぷん :2015/03/08(日)23:01:01 ID:Ui4
夕張「できました赤城さん、加賀さんを射精させるスイッチです」
赤城「上々ね、さすがわ夕張さん」
夕張「くれぐれも、悪用しないでくださいね」
赤城「はい、もちろんです」



赤城「加賀さんはいま演習の打ち合わせ中ね・・・」


        会議室
加賀「今回の演習では空母と航空巡洋艦との連携に重点を置きます。私は監督役を勤めるので演習艦隊の旗艦は翔鶴、貴女に任せます」
翔鶴「はい」
加賀「最上さんには翔鶴の補佐をお願いするわ」
最上「はい!」
加賀「それから瑞鶴」
瑞鶴「え、なんですか・・・」
加賀「あなたは先日の演習で―――」

赤城(いまだ!)ポチッ

加賀「被弾がめだっぽっぁ!」ドピュッ
瑞鶴「っ!?」ビクッ

赤城(やりました)ポチポチポチ

加賀「無茶をしすぎてぃぃいぁぁああ」どぴゅっどぴゅっ
翔鶴「加賀さん!」
加賀「な・・・なんでもなぃわぁあああ」どぴゅっどぴゅっどっぴゅ!
ひざを額つかせ崩れ落ちる加賀
419名無しさん@おーぷん :2015/03/08(日)23:14:25 ID:Ui4
翔鶴「大変、今すぐ医務室に」加賀に肩を貸し
加賀「すまないわね・・・演習の監督は・・・赤城さんに代役をおねがいしておくわ・・・」

瑞鶴「行っちゃった…どうしよう」
鈴谷「ねぇ~それよりなんかクサくなぃ~?」すんすん
最上「そうだね、僕も臭うよ。なんの匂いだろう」すんすん
瑞鳳「この匂いは精子よ!精子だわ!精子!」
鈴谷「え、ぁマジだ、これ精子の臭じゃん!きっも~い」
最上「でもどうして急に精子の匂いが・・・まさか加賀さん?」
瑞鶴「それは絶対にないわ!加賀さんにはオチンチンどころか産毛すら生えてないつるんつるんよ!」机をバーン
瑞鳳「瑞鶴ちゃんがそう言うならホントなんでしょうね…でもだとすると…」
鈴谷「誰が精子を出したか。て感じぃ?」
瑞鶴「翔鶴姉は別におかしな様子もなかったし、きっとこの中の誰かよ」チラッ
鈴谷「そっかー加賀さんも精子の匂いで体調を悪くした感じ?」チラッ
瑞鳳「だとすると、このなかでいちばん射精しそうなのは…」チラッ



最上「なんでみんな僕を見るんだよ!ぼくは女の子だよ!」
瑞鶴「だって怪しいのアンタしかいないじゃないよ!」
瑞鳳「そうですよ!じゃないとこの匂いの説明がつかないじゃないですか!」
鈴谷「最上…お兄ちゃんだったとしても鈴谷は全然おっけーだから」
最上「もう、みんなして何を言い出すんだよ!」
420名無しさん@おーぷん :2015/03/08(日)23:20:31 ID:Ui4
この件をきっかけに男の子になることを決意した最上は
工廠で改装を受けて立派な物を装着し、はれて一人の艦息子となったのであった。
421名無しさん@おーぷん :2015/03/11(水)07:10:03 ID:RIq
生やすなし!
422名無しさん@おーぷん :2015/03/14(土)18:20:59 ID:foC
弥生「ちょっと...布団に潜り込むのはやめて」

卯月「固い事言わないぴょん♪もしかして怒ってるぴょーん?」

弥生「怒ってない...よ。分かってる...くせに...」

卯月「だよねぇ~。弥生は優しいもんねぇ。すりすりぃ♪」

弥生「でも..暑苦しいから離れて」

卯月「むぅ。こうなったらうーちゃんの温もりで弥生の心を溶かしてあげるぴょん!」ギュウウゥ

弥生「や、やめ(暖かい)」

卯月「弥生柔らかぁい♪」

弥生「.......(卯月も柔らかい)」

卯月「朝までこーしてるぴょん!弥生......あれ?寝ちゃった?」

弥生「.........(このまま時間が止まればいいのに)」 

~~~~~~~~~~~

カタカタカタカタカタカタ

弥生「ふぅ...今日はここまで」


423名無しさん@おーぷん :2015/03/24(火)00:21:29 ID:0h2
はじめましてです
どこかで聞いたようなネタですが投下させていただきます

なお最後はマルチエンドになっていますので
お好きなエンディングでお楽しみください
424引退提督・最後の一日 :2015/03/24(火)00:22:08 ID:0h2
「突然だが、提督の職を退くことになった」

 提督の口から発せられた言葉は、その場に集められた艦娘の誰が予想したよりも悪い報告だった。

 長きにわたって、ここを空けざるを得ない。
 いつまでになるかもわからなければ、そもそも戻ってこられる保証もない。
 そういった諸々の事情を考慮した末、彼は「退役」という道を選んだのだという。

「でも……提督、待たせていただくわけにはいかないのですか?」
「そうデース! 私たちなら、いつまでだって提督のことを」
「いや、それはしてほしくないんだ」

 榛名の問いに続く金剛の言葉を、提督が遮る。
 彼とて、別れるのが辛くないわけではない。
 だが、彼女たちと別れることよりも、彼女たちをずっと待たせておくことの方が、彼には辛かったのだ。

「では、今後私たちはどうしたらいいのでしょうか」
 努めて冷静を装う加賀の言葉に、提督は一度頷いた。
「それだ。今日は皆に最後の指示をしにきた」
「最後の指示、とは?」
 緊張した様子の艦娘たち。
 提督は寂しげに笑うと、近くにいた日向の艤装に軽く触れながらこう言った。
「皆にだけ戦い続けろと言うわけにもいかないだろう。
 今日限りでその艤装を下ろし、艦娘ではなく普通の女性として生きてほしい」
「それって、つまり……」
「ああ……解体、ということになるな。すでに工廠の方には話を通してある」
 その宣告に、ほとんどの艦娘が少なからず動揺した様子を見せたが、結局、提督の考えは変わることはなかった。





「あの、提督……今まで、ありがとうございました」

 礼を言う者。

「私は、もうそばにいてあげられないけど……これからもちゃんと頑張るのよ?」

 心配する者。

「最後までクソ提督だったわね。もう二度と会わなくて済むと思うと清々するわ!」

 あえて強がり、罵倒する者。

 その誰もが、等しく、辛かった。

 そして、その全員と一度に別れなければならない提督も、また、辛かった。
425引退提督・最後の一日 :2015/03/24(火)00:22:42 ID:0h2
「……ふう」
 その日の夕暮れ。
 家具等も引き払われ、すっかり空になった執務室で、提督は一つ息をついた。
「片付けは、皆がいるうちにやっておくんだったかな」
 思ってもいない言葉が、口をついて出る。
 これから別れを、それも自分の都合で告げなければならない相手に平然と手伝わせることができるような人物であれば、今回だってこんな決断は下さなかっただろう。
 彼は彼なりに、艦娘たちを愛していた。
 それは不器用で、残酷で、自分勝手な方法だったのかもしれないが。

「お疲れみたいですね。お茶を入れましたから、一休みしてください」
「ああ、ありがとう……って」
 差し出された湯呑を受け取ってから、提督はあることに気づいて苦笑いした。
「気を遣ってくれるのはありがたいが、また片づけるものが増えてしまったな」
「あっ……すみません、最後の最後でまたドジっ子しちゃいました」
「いや、いいさ。ありがとう」
 鎮守府が存在する以上、第一艦隊だけは存続させねばならず、第一艦隊の旗艦、つまり秘書艦のみは空席にすることはできない。
 そのしきたり故に、たった一人残った五月雨。
 彼女はこの鎮守府で最後の艦娘であり、またこの鎮守府で最初の艦娘でもあった。

「しかし、思い出すな」
 がらんとした鎮守府に、殺風景な執務室、そして目の前の五月雨。
「何をですか?」
「初めてここに来て、五月雨と会った日のことを」
 そう、その日も今と同じような夕暮れだった。
 差し込む西日に照らされた彼女の笑顔を、提督は今もはっきり覚えていた。
「言われてみれば、そうですね……鎮守府に二人きりなんて、あの時以来でしょうか」
「それもそうだな」
 窓の外の夕日に視線をやると、五月雨も隣に立って外を眺め始めた。
「思い出しますね」
「ああ」

 初めての出撃。

 初めての勝利。

 そして、初めての仲間。

 だが、その「仲間」は、今は、もういない。

「ずいぶん、いろんなことがあったな」
「はい」

 第一艦隊旗艦として、何度も出撃を重ね、戦功を立てた日。

 多数の大型艦の着任に伴い、第一艦隊を離れて遠征組に回った日。

 第一艦隊に呼び戻され、何度もボロボロになりながらキス島撤退作戦を成功させた日。

 気づけばいつも秘書艦としてここにいるのが当たり前になり、そして。
426引退提督・最後の一日 :2015/03/24(火)00:23:36 ID:0h2
 お茶を飲み終え、提督はもう一度五月雨を見た。
 今目の前にある光景は、あの日と似ていて、しかしいくつか違っていた。

 あの時はまだ着任したての艦娘だった五月雨も、今はすっかり歴戦の艦娘・五月雨改になった。
 それに伴い、武装もずいぶんと強化されていた。

 そして、彼女の左手の薬指には、提督が贈った指輪があった。

 だが、何よりも違うのは、彼女の表情だった。
 あの日、初めて会う提督に緊張しながらも微笑んでくれていた五月雨。
 いま彼女が浮かべている笑みは、明らかに、無理をして作ったもので。
「自分がここで泣いたら提督が安心して出立できない」
 そんな彼女の想いが、誰の目にも明らかなほどににじみ出ていた。

 提督の視線に気づいて、五月雨が彼の方に向き直る。
 そんな彼女に、提督がかけた言葉は――。

(マルチエンドになります。お好きなセリフの後ろのアンカーをどうぞ)

1.「ありがとう」>>427
2.「待っていてくれるか」>>428
3.「一緒に来てくれるか」>>429








.
427引退提督・最後の一日 :2015/03/24(火)00:24:28 ID:0h2

「ありがとう。本当に感謝している」
 そう言って、提督は五月雨を抱きしめた。
 五月雨も、それに応えるように提督の胸に顔をうずめ……やがて、二人はどちらからともなく離れた。
「もう行ってください、提督。私が、向こうを向いている間に」
 泣き顔を見せたくない、という五月雨の最後の気遣いは、しかし、その涙声が無駄にしてしまっていた。

 それでも、提督は彼女の言葉通り、振り返ることなく執務室を出た。

「提督」でなくなることを選んだ自分には、彼女の涙を拭ってやる資格はない。
 そのことを、彼は十二分に理解していたからだ。





 その日、一つの鎮守府が閉鎖された。

 そこに最後まで残っていた艦娘がその後どうしたのか、知る者はいない。





 ~ Sad End ~
428引退提督・最後の一日 :2015/03/24(火)00:24:56 ID:0h2
「待っていてくれるか」
 提督のその言葉に、五月雨は弾かれたように顔を上げた。
「いつ帰ってくる、とも、いつか帰ってくる、とも言えない」
 今さら、取り繕うような嘘など無意味だ。だから提督は真実だけを話す。
「それでも、俺はここに帰ってきたい。五月雨にまた会いたい」
 男は泣くものではないと教えられてきた。だから涙は流さない。
 ただ、涙の代わりに、言葉が次々と流れ出していく。
「その時はもう一度、五月雨と一緒に全てを始めたい。だから待っていてくれるか」

 ひときわ明るく輝く星であったとしても、無数の星々の中に埋もれてしまえば、それ自体の輝きがどれほどのものかを知るのは難しい。
 多くの星々を吹き消して、大切なものを手放して、やっと、最後に残った「一番大切なもの」の価値に気がつけたのは、遅いかもしれないが、遅すぎることはなかったのかもしれない。

 もちろん、五月雨の返事は決まっていた。





 その日を境に、鎮守府から提督の姿は消えた。
 誰もいなくなった鎮守府で、五月雨は一人待ち続けている。
 いつ提督が戻ってきてもいいように、執務室をしっかりと掃除して。
 いつ抜錨の声がかかってもいいように、兵装を完璧に手入れして。

 そんな彼女のもとに、提督が戻る日が訪れるかどうかは、提督本人を含め、まだ誰も知らない。





 ~ Normal End ~
429引退提督・最後の一日 :2015/03/24(火)00:25:44 ID:0h2
「一緒に来てくれるか」
 提督の言葉を理解するには、少しの時間がかかった。
「でも、私はここの秘書艦ですから……」
「だからどうした? そんなしきたりは、もう関係ない」
 どのみち、この後すぐに閉鎖される鎮守府だ。
 しきたりに反した状態が最後にほんの少しあったとして、誰がそれを目ざとく見つけて咎め立てようか?
「で、ですが提督……」
 慌てる五月雨を、提督は不意に強く抱きしめた。
「て、提督っ!?」
 しばし、無言のままの時が流れ。
 やがて、提督はぽつりとこう言った。
「それでも、俺は五月雨に傍にいてほしい。これから先も、ずっと」





 その日、一つの鎮守府が閉鎖された。
 鎮守府はすっかりもぬけの殻になっており、これは極めて異例の事態であった。

 その直前、一組の男女が連れだって鎮守府を離れたのを知る者は少ない。





 隣を歩く少女の名を呼ぼうとして、男が戸惑う。
「五月雨……いや、もう『五月雨』じゃないのか? 何て呼んだらいいんだ」
「『五月雨』のままでいいですよ、提督。それが一番しっくりきます」
 少女のその答えに、男は軽く苦笑した。
「それじゃ、そうさせてもらうが……俺はもう『提督』じゃないからな」
 そのことに気づいて、少女ははっとした顔をする。
「あ、そうでしたね。それじゃ……」
 一体何と呼ぶべきか。
 考えようとした少女の瞳に、男の薬指の指輪が映る。
 自分の薬指にあるものと、揃いの指輪が。

「それじゃ、こう呼んでいいですか?」
 満面の笑みを浮かべて、少女は男の手を取った。
「『あなた』、って」





 ~ Another End ~
430名無しさん@おーぷん :2015/03/24(火)00:27:32 ID:0h2
以上になります
スレ汚し失礼いたしました
431名無しさん@おーぷん :2015/03/28(土)11:41:17 ID:XSA
超短編を一つ
432大井さんの疑問 :2015/03/28(土)11:41:49 ID:XSA
「提督、球磨型の中で誰が一番好きですか?」
「そうだな――」

 本日の秘書艦である大井にそんな質問をされた。
 それして俺は気づいた、逃げ場がないことに。

―パターン1
「やっぱり大井かな」
「は?気持ち悪いんで死んでください」

―パターン2
「そうだな、北上かな」
「私の北上さんを何いやらしい目で見てるんですが。魚雷うちますねいいですよね?
抗う権利なんてありませんよ」

パターン3
「(北上・大井)以外かな」
「北上さんを選ばないとか目腐ってるんですか?生まれてきたことを公開させてあげますね


 3パターンの想定終了。
 ごめん皐月俺の命はここで終わるようだ。皐月のカレー食べたかったな。

「何泣きそうになってるんですか?そんなに嫌ですか?主砲ぶち込みますね」
「逃げ場ねえ!!」



433名無しさん@おーぷん :2015/03/28(土)17:34:58 ID:h1I
初めましてになります
ひとまず投稿テストを兼ねてpixivに投稿した短編をひとつ

駄文かつ人を選ぶネタですがよろしければお付き合いください
434心の中のビーズ :2015/03/28(土)17:35:23 ID:h1I
第七戦隊の部屋は、いつもの青葉たちの部屋と違って煌びやかな装飾で彩られていた。

「鈴谷はあまりこういうのを好みませんの。私の趣味ですわ」

心の中に浮かんだ疑問に答えるように、熊野さんが答える。
成程、神戸生まれの彼女であるなら、このような豪華な家具が合うのだろう。青葉の座っているソファーも、どこか格式の高いブランドのものなのだろうか。

「それで、何の用ですの?青葉」
「あ、いきなりその話しちゃいます?いや、なんと言いますかね」

掲示板に毎週張り出される鎮守府通信。その発行は基本的に青葉の役目だが、
着任以降ずっと続けてきているだけに、そろそろネタが尽きてきていたのだった。多少のニュースならいくらでもあるが、ただそれだけを伝えるのも物足りない。

「だから、何か面白い話でもないかなー、って思いまして」
「面白い話…流石にいきなりそのようなことを言われましても、何も思い浮かびませんわ」
「別になんでもいいんですよぉ。地元のこととか」

神戸生まれの熊野さんなら、新聞のネタになる話題でもあるのではないか、という狙いだ。
加古さんと衣笠も神戸の出身だが、あの二人は今日、またタイミングの悪いことに出撃中だった。……まあ、まともなインタビューだし、僚艦じゃない方がよかったかもしれない。

「地元のこと、ですの?」
「皆は殆どずっと横須賀ですし、旅行雑誌みたいなことが書きたいなー、と。グルメとかなら読者の食いつきもいいかもしれないですねぇ。皆が知らないようなネタとかあればそれでもいいですよ」
「あら、それなら丁度いいのがありますわ」
435心の中のビーズ :2015/03/28(土)17:36:09 ID:h1I
そういうと、熊野さんはソファーから立ち上がって、後ろの棚から何かを取り出した。
装飾がなされた細長い筒がTの字のように直角に交差していて、上の部分にはビーズが詰まっている。

「万華鏡ですわ。私の地元に、この手の博物館がありますの」
「へー…これはいいですね。簡単なのなら普通に作れそうですが、本格的なのは初めて見ました」

横にも伸びた筒にも沢山のビーズが詰まっているから、簡易的なものより色々な絵を楽しめそうだ。
軽く振って、何度かに分けて覗いてみると、ステンドグラスのような綺麗な景色が見える。殺風景な鎮守府の中では、とても新鮮な気持ちになれた。

「いいですね、これ。何度見ても飽きる気がしません」
「でしょう?元はただのビーズの集まりなのに、何度も鏡に反射されて、目に映る時には素敵な色合いを見せてくれるのですわ」
「青葉も欲しいなぁこれ。通販とかやってないんですかね?」
「さぁ、どうでしょう……しかし、万華鏡はそれゆえにすこし、悲しくもありますわね」

熊野さんが呟く。窓の方を見つめる彼女の表情は、笑みを浮かべながらも、少し悲しげに見えた。

「どういうことですか?」
「万華鏡から見える景色は、所詮は幻想ですわ。鏡を通して見えるものですから、本体のビーズそのものに目が行くことは殆どありません……表面しか見えないというのが、勿体ないですわね」
「成程、そういう考え方もあるわけですか」
「人だって同じですわ。皆表面を取り繕っていても、心の中には明かせない何かを抱えていますの。無論、艦娘も」
436心の中のビーズ :2015/03/28(土)17:36:25 ID:h1I
なんだか、その話を聞いていると、万華鏡という道具自体が、

「まるで青葉、貴女みたいでしょう?」
「え?」

さっきと同じく、心を見透かされたような言葉が返って来た。

「表では明るく振舞っていて、心の中に抱える闇を周りにばれないようにしている。少なくとも私には、そういう風に感じましたわ」
「ははは……熊野さんには敵わないですね。新聞の記事を探しに来たはずが、いつの間にか説教されちゃいましたよ」
「腐れ縁、みたいなものですからね。貴女の考えくらいなら、第六戦隊のお仲間と同じ程度にはわかるつもりですわ」

そうなると、衣笠や、加古さん、古鷹さんにもとっくにバレているということだろうか……それはなんというか、かなり恥ずかしいのだけれど。

「たまにはちゃんと、自分から向き合ってみたらどうですの?少なくとも私は、あの時のことはもう気にしてはいませんわよ」
「ホントですか?」
「そもそも、誰が悪いとか、そういう問題ですらないと思っていますわ。大丈夫、貴女のビーズも、十分美しいですわよ」

青葉の中の闇を覗き見て、それでもこれでいいと言ってもらえた。それだけで、なんというか、少し救われたような気もする。

「まぁ。ゆっくりやってきますよ。それでも青葉はまだ、自分を許すことは出来ないので」
437心の中のビーズ :2015/03/28(土)17:36:43 ID:h1I
「それでいいでしょう。ハナから貴女程度の人には、そう容易く乗り越えられるものではありませんわ」
「言ってくれますね……」
「ああ、それから、それ、持って行ってもいいですわよ」

そう言って目の前の彼女が、テーブルの上の万華鏡を指差す。

「いいんですか?本格的なものですし、高いんでしょう?」
「現物がなければ記事も書きにくいのではなくて?気にしなくても、数なら沢山ありますの」
「そうですか……なら、遠慮なく頂戴いたします」

熊野さんに礼を言ってから、万華鏡を受け取って第六戦隊の部屋に戻ってくる。

「只今帰りましたよー」
「お帰り青葉。って、それ何?どうしたの?」
「あ、古鷹さん。いえこれ、熊野さんから貰ったんですよ。万華鏡だそうで。覗いてみますか?」

そういって古鷹さんに手の中の万華鏡を渡した。

「わー……凄い綺麗!いいもの貰っちゃったね、青葉」
「ええ。後でお礼考えなきゃですね」

果たして、青葉の中のビーズを見ても、彼女は綺麗だと言ってくれるだろうか。

「じゃあ、今から何か買い物でも行く?」
「お、いいですね行きましょう!」

それは分からないが、まだしばらくは、このままでいようと、そう決めた。
438名無しさん@おーぷん :2015/03/28(土)17:37:17 ID:h1I
以上ですー、ありがとうございました
…いつか長編も書いてみたいなあ
439名無しさん@おーぷん :2015/03/31(火)00:42:13 ID:apD
おお、しばらく見ないうちにいろいろ増えてる
まとめて乙です、とりあえず最近のから感想
>>422
本人かい!それはそれでちょっと可愛い
>>430
仲の良い夫婦のロマンごちそうさまです
もし自分がうちの娘と離れる場合にはどんな風になるだろう…としばし思いをはせる
>>432
全部詰みワロタwアニメの大井っちも見事なサイコぶりでしたね
>>438
小道具が綺麗だなぁ…情景を想像するとなかなか素敵
440名無しさん@おーぷん :2015/03/31(火)20:34:51 ID:2Wp
曙を1割でいいからデレさせたいと思って書いたら
いつものメンバーが暴れてた、おめでとう響はキス魔の特性を覚えた
いつもの鎮守の話です
441ホントの気持ち :2015/03/31(火)20:36:15 ID:2Wp
「はぁ……暇ね」

 誰もいない食堂でぼやく。人がいない時間に来る方がのんびりできるので私は好きだ。

「えーっと朧は遠征、潮は羽黒とお買い物、漣は漫画の新刊が出たからネカフェ行くって言ってたかしら……はぁ」

 他の第七駆逐の面々はそれぞれの予定を消化しているんだなとふと思い、今日は出撃も予定もない私はその場に突っ伏す。頭のなかに出てくるのはあのクソ提督のことばかりだ。

「何で私があんな奴のこと考えなくちゃいけないのよ!!」

 思わず叫ぶ。食堂の妖精さんが少しびっくりしている。悪いことしちゃった。
 少しだけ自己嫌悪を覚えてもう吸うものがないストローを加えてボーっとする。

「あ、いたいた。おーい曙ー!」

 入口の方から声をかけられる。声をかけた主が私に近づいてくる。正直私はこの娘が苦手だ。

「何よ皐月」

 『睦月型駆逐艦五番艦皐月』この鎮守府の古参にして、この鎮守府唯一のケッコン艦。

「そんな警戒しないでよ、同じ駆逐艦なんだからさ」

 同じ駆逐艦?どの口がそれを言うんだろう。この鎮守府には明確な贔屓がある。
但し一定ラインを超えた上でだ。あのクソ提督が言っていた。
皐月に与えられた装備は最新鋭の魚雷と電探、戦艦すらも破壊できるそんな装備。
だけど私に与えられた装備も高角砲に、電探と通常の戦闘ではまず負けることのないそんな装備だ。
どうせやるならもっと明確に、装備なしで戦闘海域に放り込むぐらいして欲しかった。ふと皐月の左手の薬指に嵌められている指輪が目に入り私は思わず舌打ちをする。

「うーん、どうやら嫌われているみたいだけど、横いいかな?」
「ええ、どうぞ」

 困った顔をしながらも私の横に皐月が座る。
442ホントの気持ち :2015/03/31(火)20:36:54 ID:2Wp
「うーん、どうやら嫌われているみたいだけど、横いいかな?」
「ええ、どうぞ」

 困った顔をしながらも私の横に皐月が座る。

「で、何の用?わざわざ私を探してたみたいだけど?あのクソ提督の差金?」
「うーん、今回はボク個人の意志かな」
 
 皐月が苦笑いしながら答える。こういう所も気に入らない。アイツそっくりだ。

「ふーん、で何よ?私も忙しいのよ」

 嘘だ。でもこの場を早く去りたいのでとっさに嘘をつく。

「じゃあ簡単に言うね。曙はさ司令官の何が気に入らないの?」

 皐月の顔が変わった。先ほどのやわらかな表情など無い真剣な顔だ。

「気に入らないのよ……」

 私は思わず顔を背けながら答える。

「何が?」
「全部よ!!全部!!アイツの甘っちょろい所!!私みたいなのにもちゃんと装備をくれるところとか!!
甘すぎて反吐が出るのよ!!」

 私は立ち上がり叫んだ。力いっぱい思っていることを皐月にぶつけた。

「甘いことは悪いことかな?」

 皐月が涼しい表情でそんなことをいう。
443ホントの気持ち :2015/03/31(火)20:38:48 ID:2Wp
「皐月あんただって知ってるでしょ、アイツが右も左も分からない時期に叢雲、扶桑、金剛を轟沈させたこと」
「うん」
「あの後アイツは三日間姿を表さなかった。でも、帰ってきた……それも笑顔で。私達は兵器よ!!そんなことにも耐えられないならそのまま帰ってこければよかったのよ」
「でも、曙。あの後司令官は、もう一度、少しだけ前の記憶を持って現れた三人に――」

 皐月が何を言おうとしているかは私も分かる。私も、この鎮守府では古参に入る駆逐艦の一人だ。

「知ってるわよ!!泣いて謝って、いつ殺してくれても構わないとか言っていたのを。それが甘すぎるのよ!!
私達は兵器よ、兵器に感情なんていらないし、その兵器に愛情とかそういった感情なんて持つなんてどうかしてるのよ。
兵器は兵器らしく使い潰してくれるそれだけでいいのよ!!」
「そうだね、司令官はたしかに甘いよ甘すぎる。それこそ糖尿になちゃうぐらいにね。でも――」

 皐月が笑いながらそういった後私に顔を近づける。

「な……何よ……」
「司令官は甘くてもボクは甘くないよ。覚えておいてね。それにボクは感情をもって生まれたこと、司令官が愛情を注いでくれることに感謝してるんだ。しがない物言わぬ兵器だったボクにいみをくれたことを」
「……ッ!!」

 皐月から発せられた冷たい殺気に思わず後ずさる。旧型の駆逐艦?嘘でしょ。こんなの戦艦……いやそれよりもっと恐ろしい何かじゃないの。
444ホントの気持ち :2015/03/31(火)20:39:05 ID:2Wp
「それも、クソ提督のため?ずいぶんとゾッコ――」

 私の右頬を皐月の拳が掠める。

「言ったよね、ボクは甘くないって」
「ッうわあああああああああああああああ」

 私は皐月に体をぶつけてそのまま馬乗りになる。勝てるわけもないのに。勝てないのであればこのまま処分して欲しい、少しそんな風に思いながら私は拳を振り上げる。

「あんたに!!何が分かるのよ!!」

 私は泣いていた。今まで姉妹にもぶつけたことのない、思いが爆発してしまいそうだった。

「あぁ、ボクには分からないよ!!分かりたくもないね!!どうせそうやって、悲劇のヒロインぶって、自分の中に閉じこもって!!優しくされることから逃げてるんでしょ!!卑屈になるのは勝手だけど、その感情を表に……司令官にぶつけないでよ!!」

 皐月が体を入れ変えて立ち上がる。

「うるさい!!うるさい!!うるさい!!この旧型の駆逐艦が!!」
「睦月型の力、なめないでよ!!何?図星を指されたから言葉と暴力?お里が知れるね」
「うわあああああああああああああ」

 私は泣きながら拳を握り皐月に向かった。その拳が届く前に誰かに羽交い締めにされた。
445ホントの気持ち :2015/03/31(火)20:39:51 ID:2Wp
「ちょ、ストップストップ。私闘は禁止ですよ。皐月ちゃんまで何やってるの」
「……皐月落ち着いて。いったい何があったんだ?」

 目を上げると皐月はひび……いやヴェーヌルイに、私は比叡に取り押さえられていた。いずれも練度が高く秘書艦を勤める事が多い二人だ。

「……フン、クソ提督のお気に入りが揃いも揃って何よ?いよいよ態度が悪い私を処分しにきたわけ?」
「あちゃー、嫌われちゃってますね。とりあえずこれで涙と鼻水吹いちゃってください」
「……ありがと」
「曙、あまり皐月を挑発しないでやってくれ」
「響、離してよもう大丈夫だから、ねえ?」
「……だめだよ」
「ん、むうううううう」

 私は比叡から貰ったハンカチで涙と鼻水と少しの血を拭う。ちょっとだけスッキリした。
 皐月達に目を向けるとヴェーヌルイが皐月の唇を奪っている。正直何が起こっているのかわからない。

「えっと……あんた達そういう関係だったの……」

 私は思わず後ずさりしながら聞く。

「あーあ、響ちゃんまたお酒飲んでますね。今日は会議あるから会議始まるまで飲んじゃダメって言ったじゃないですか。
あ、曙ちゃん一応解説しますとね、響ちゃんお酒飲むと顔にも出ないし、テンションにも出ないんですけどキス魔になっちゃいまして。秘書が多いメンバーで集まると大体誰かが唇奪われてるんですよ」
「あぁ……そう……」

 私にできる返答はそれだけだった。私と違って、皆仲がいいらしい。私が困った顔をしていると比叡が咳払いをして口を開ける。

「とりあえず二人共機嫌直して仲直りしてください。ね?」

 私は冷静になった頭で皐月に言ってしまったことと、逆上してしまった理由を頭の中で整理して

「……ごめん。さっきはひどいこと言って。ちょっとだけ図星だったってのもあるけど」
「ボクの方こそごめんね。司令官の事になるとどうしても」

 私は思わずため息をつく。どうせアイツは皐月の尻に敷かれているんだろうと思うと少しだけ笑えてくる。
446ホントの気持ち :2015/03/31(火)20:40:15 ID:2Wp
「皐月、司令官を独占するのそろそろ――」
「だーめ、司令官はボクのものだからね」
「うーん、ちょっとだけでいいから」
「だから駄目だって」

 三人が楽しそうに盛大にのろけ会話を始める。私はもう溜息しか出なかった。

「で、ノロケ三人衆が集まって私に何の用よ?」
「あ、いや別に用ってわけじゃないんですけどね。大丈夫です、曙ちゃんはちゃんと評価されてますから。それにあの提督が解体なんてするわけないじゃないですか」
「そうだよ、司令官は優しいからね……今日はさっき言ってた秘書艦がよく回ってくるメンバーで会議なんだ。で、皐月が来ないから探しに来たらたまたま」
「たまたま……ね。じゃあ私は行くわね」

 少しだけ気持ちの整理を付けたかった。今日涙と一緒に吐き出した色んな事を整理したかった。だけど私の腕は皐月とヴェーヌルイに拘束される。

「……何よ?」
「会議ってほとんどなくて懇親会みたいなものだから曙もおいでよ、響ももう飲んでるし」
「いや、私は」
「大丈夫、ウォッカもある」

 ヴェーヌルイがいい笑顔でそう告げてくる。

「何が大丈夫なのよ……むしろ大丈夫じゃない部類よそれ……」
「問題ない」
「一個気になるんだけどあんた達筆頭に秘書艦メンバーいないってことは今日は誰が秘書艦やってんのよ?」
「年度末で忙しいからね、ちょっとスケジュール調整して、大井さんと龍田さん、霧島さんの三人に――」
「皐月……あんた鬼?」
「言ったでしょボクは甘くないって。この時期にだらけられると困るからね」

 あの三人に囲まれて仕事、それもデスクワークなんてゾッとする。ほんの少し、マイクロ単位でだけどアイツに同情した。

「ほら、皆待ってますから、気合!!入れて!!行きましょう」
「うん!!」「了解」
「えちょっと、私はいくって言って……きゃあああああああああああああ」

 私は文字通り引きずられ貸し切りの鳳翔さんの店まで連れられていった。
447ホントの気持ち :2015/03/31(火)20:40:42 ID:2Wp

 名ばかりの会議という飲み会から開放されたのは日が完全に沈みきってからだった。最
初の三人に加え望月、レーベ、あきつ丸と言った秘書艦が多い面々にそれぞぞれが連れて
きた初雪やマックス、夕張、そしてお酒とご飯の臭いを嗅ぎつけた隼鷹、那智、大鳳と言
う何もかもがバラバラの、この鎮守府に所属しているというだけのつながりのメンバーが
集まった。
 
「楽し……かったな」

 途中ヴェーヌルイに唇を奪われそうになったり、笑い上戸のあきつ丸に絡まれたり、比
叡が泣き始めたり、レーベが脱ぎだしたりと色々と疲れたけど、それでも楽しかった。こ
の鎮守府に来て……いや私が艦娘の曙としてこの世にもう一度生まれて初めてかもしれな
いあんなに笑ったのは。もちろん朧達と一緒にいる時も楽しいけど、それとは違った楽し
さだった。

『曙、今度一緒に買い物行こうよ。響も一緒にさ』
『いい考えだ皐月、たまにはいい』
『……別にいいけど、あんたは嫌じゃないの?』
『一緒に飲んで楽しく過ごせたらそれだけで十分だ……って司令官が。正直ボクも響もあ
んまりセンス無くてさ、望月に至っては基本ジャージだし』
『んあ?皐月なんか言った?』
『はぁ……しょうがないわね……望月と初雪も来ること。少しぐらいお洒落しなさいよっ
たく……一応潮も連れて行くわあの娘も私と違ったセンス持ってるから』
『……とばっちりだ』
『うん、お願いするよ!!あ、スケジュールの調整は任せて、ちょっといじっておくか
ら』
『ハラショー』
『本当、あんたの底が見えなくて怖いわ。後ヴェーヌルイって響って呼んで大丈夫な
の?』
『私はどちらでも構わない、呼びやすい方で。どちらも私だ、どちらも私の魂だ。そう信
頼出来る不死鳥』
『何よそのドヤ顔……てか近い!!近いから!!唇を狙うな!!』
『ヒャッハー飲みに行くなら私達も連れて行けー!!』
『そうだぞ、私達も行こうではないか』
『あーもう、うるさい!!ちょっと落ち着きなさいよこのクソ……艦種が多すぎる……』

 今日あった出来事を思い出しながら部屋へと足を進める。なにか悟られないように顔は
ちゃんとしてっと。

「ただいま」
「キタコレ、あれ?曙なんかいいことあったんですか?」
「本当だ、いい笑顔だ」
「どうしたの?」

 私としことが顔が完全に緩みきっていたようだ。失敗。でも、今日はいろいろあった。
色々あって私の中の色んな物を吐き出して、最後には楽しくて。多分これは嘘じゃないと
思う。だからちょっとだけ皆にも聞いてもらおうと思う。

「――あのね」」
448ホントの気持ち :2015/03/31(火)20:41:23 ID:2Wp

「で、何の用よクソ提督」
「司令官今日ボクお休みだよ?」

 翌日、アイツから呼び出され執務室に来ると皐月が既に部屋の中で立っていた。

「いや、妖精さんから昨日お前らが喧嘩してたって報告があってな、一応真偽を確かめた
所本当らしいから、あんま好きじゃないけど一応罰則をだな」
「何?解体でもする気?」
「バカ、何処の新撰組だよ。そんなコトするわけ無いだろ。てか、曙たとえ思っても二度
とそんなこと言うんじゃないぞ」
「……はい」

 やっぱり甘い。本当に甘すぎるぐらい甘い。皐月の顔もあるので私はとりあえず返事を
する。

「で、司令官バツって?」
「今日の休暇取り消しと、鎮守府近海哨戒任務」
「は?それだけ?」
「何か不満でも?」

 あまりにも簡単な処分に思わず声を上げてしまった。鎮守府近海で私達が遅れを取るこ
とはまずない。

「まぁそう言だろううと思って、スペシャルゲストを用意した」
「スペシャル?」「ゲスト?」

 私と皐月が思わず顔を見合す。

「カモンながもん!!」
「駆逐艦のアイドル長門参上!!今日はお前たちと艦隊を組むぞ!!なんなら夜戦もしち
ゃうか?」
「夜戦と聞いて!!」
「川内呼んだ覚え無い……まぁいいや一緒に行って来い」
「やったー!!」

 ポカーンと口を開ける私と皐月は長門の小脇にそれぞれ抱えられる。

「ちょ、自分で歩くから放しなさいよ、このクソ戦艦!!」
「フフフ、私は提督とは違うぞ。むしろご褒美だ!!」

 ダメだ話が通じない。
449ホントの気持ち :2015/03/31(火)20:41:35 ID:2Wp
「ちょっと、司令官なんでもするから許してよ」
「今何でもって……いやいや、これは罰則だから仕方ない仕方ないからな!!ながもんも
あんまり張り切りすぎるなよ。鎮守府の近海なんてそうそう敵も出ないけど鎮守府に帰る
までが出撃だからな」
「うむ分かっている、この長門に任せるがいい。さぁ行くぞ!!」
「おー!!」
「川内、ながもんが暴走しないようにみといてくれ」
「了解!!」
「はぁ……仕方ないか……行ってくるよ司令官。ちゃんと仕事してね」

 私の反対側に抱えられた皐月が諦めたようにそう告げる。

「ったく、行ってくるわよ提督」
「おう、気をつけてな……ってあれ?」

 100回に一回ぐらいはクソをとってやってもいいかなと思った。今のはその一回だ。ア
イツには少しだけ感謝してる。この鎮守府に来てくれたこと、この鎮守府をこんな感じに
してくれたこと。

「大淀さん、今、曙クソって言わなかったよな?な?」
「え……ええ」
「何があったの?レ級でも攻めてくるフラグ?それとも俺謀殺される感じの?」
「いや落ち着いてください提督、何で全てネガティブに向かうんですか。少しは前向きに
――」
「いやだって――」

 長門に抱えられながら進む廊下でアイツの声が聞こえる。うん、やっぱりクソ提督には
変わりない。とりあえず今日の任務が終わったらまたクソ提督って言ってやろう。

「皐月……あんたも苦労してるわね……」
「へへ……」

 皐月が少し困ったような顔で笑う。とりあえず私は少しだけ変わったかもしれないけど
この鎮守府は変わらないで欲しいそう思った。



艦!!
450ホントの気持ち :2015/03/31(火)20:43:21 ID:2Wp
以上です

楽しい鎮守府に行きたい……
451名無しさん@おーぷん :2015/04/01(水)21:15:30 ID:Vdz
乙!
452名無しさん@おーぷん :2015/04/11(土)07:34:10 ID:P3X
二次小説を書いたんだけど、なかなか見てもらえるところがなくて困ってるんだ
SSといえるか微妙だけど、ここに掲載してるサイトのURLのっけてもいいかな?
453名無しさん@おーぷん :2015/04/12(日)00:25:11 ID:CBT
おk
454名無しさん@おーぷん :2015/04/12(日)01:49:16 ID:eFq
やったぜ
艤装の解釈とか、資材に関して色々定石を外してみたんだ。史実とかほぼさっぱり無視だけど
短編にするつもりが進みが遅すぎて無理っぽいんで、連載長編って形にしてる

http://novel.syosetu.org/48868/

よかったら見てってちょうだい
455名無しさん@おーぷん :2015/04/18(土)12:16:13 ID:A5U
描写が長くて目が疲れたけど良かったですよ。
うちは主人公の艦娘まだだけどイメージできて
その子の着任が楽しみです。
456名無しさん@おーぷん :2015/04/18(土)22:29:29 ID:2QG
>>454
ハードボイルドな感じでおもしろかったです
続き楽しみにしてます
457名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)16:19:57 ID:kAy
外道発言が有名な某人形劇(?)を久々に見たので
改変して書いてみた
何が言いたいかというと暁のタイツで濾したエスプレッソ飲みたい
458オー!暁 :2015/05/04(月)16:22:25 ID:kAy
提督「暁、今日はお買い物にいくぞ」
暁「うん司令官、暁はお買い物にいくわ」
大淀「一人で遠征(お買い物)にいくのはとても偉いことです」

暁「えー!暁一人でいくの?」
提督「そうだ暁、遠征(お買い物)はお前一人でいきなさい」
暁「わかったわよ、暁の出番ね!じゃあ何を持って帰ってこればいいの?」

大淀「きゅうりと洗濯バサミとサンマとお米5キロとカメラのフィルム・・・」
暁「そんなの一度に覚えられないわよ!ぷんすか!」
大淀「ダメです暁。これくらい覚えなさい」

暁「紙に書いてよ!」
大淀「だーめ!覚えなさい」
暁「じゃあもう一回だけ言ってよ」

大淀「きゅうりと洗濯バサミとさんまとお米5キロとカメラのフィルム24枚撮りとビール6缶パックと提督がいつも読んでる週刊少年ジャンプを買ってくるのです。わかりましたね?」(提督が品物を取り出して見せる)
暁「全部あるじゃない!」
提督「あるからって買わなくていいってことはないんだぞ」

暁「そうか!じゃあ覚えてるうちにいってくるわね」
大淀「いってらっしゃい」
提督「ちゃんと買い物にいけるんだろうか?様子を見てこよう」
459オー!暁 :2015/05/04(月)16:24:33 ID:kAy
暁「まずきゅうりよね!八百屋さんは近くにあるから簡単だわ」
暁「あったわ!八百屋さんだ!きゅうりを買うわ!」
暁「きゅうりをちょうだい!」

明石「毎度ありがとうございます!」

暁「きゅうりを買ったわ!」
提督「偉いぞ暁!」

暁「次は何だったかしら?思い出せないわ」
提督「どうした暁?!」

暁「大淀さんに聞いてみようかしら」
提督「それじゃダメだぞ暁!」

大淀「あら暁早かったですね。あら、何も買ってないじゃないですか!
暁「きゅうりを買ったわ!」フンス

大淀「きゅうりを買ったからっていちいち戻ってくるんじゃありません!」
暁「他のが思い出せないのよ」

大淀「ダメです、思い出しなさい」
暁「うーんと…わかったわ洗濯機ね!」

大淀「洗濯機なんて持てるはずないでしょ!洗濯バサミです」
暁「そうか!」
460オー!暁 :2015/05/04(月)16:27:18 ID:kAy
暁「洗濯バサミってどこに売ってるのかしら?うーん、わからないわ」
提督「スーパーに行けばいいんだ暁!」

暁「タバコ屋には売ってなかったわ?」
提督「当たり前だぞ暁!」

暁「お風呂屋さんにもないわね?」
提督「何やってるんだ暁!」

暁「間違って京都にまできてしまったわ!」
提督「俺も京都まできてしまったぞ!」

暁「ねえ大淀さん、洗濯バサミってどこに売ってるの?」
大淀「自分で探すのです、暁」

暁「難しいわよ大淀さん」
提督「しっかりしろ暁!…チッ!イライラするぞ!」

暁「ねえ、教えてよ大淀さん」
大淀「自分で考えなさい、でないと貴女はいつまでたっても成長しないですよ」
暁「ねーえぇ、教えてよ教えてよー!」
大淀「ダメです暁」

暁「ねーえお願いだからー!」
提督「暁!こんな簡単なこともできないのか!これらはみんなスーパーで売ってるんだ!」
暁「やっぱり提督ついてきてたのね?」

提督「何…知っていたのか」
暁「おかげで安心して旅行ができて楽しかったわ」
提督「暁…おまえも一人前のレディになったな」

提督「ヌアッハッハハハ!ヌアッハッハハハ!ヌアッハッハハハ!ヌアッハッハハハ!ヌアッハッハハハ!」
暁「アハハハハハハ!アハハハハハハ!アハハハハハハ!アハハハハハハ!アハハハハハハ!」

大淀「暁!いまどこにいるんですか?暁?!」
461オー!暁 :2015/05/04(月)16:30:11 ID:kAy
本当はオー!フブキーかオー!ノワキーにしようか悩んだのです
でもこういうのは暁がよく似合うと思ったのでオー!暁にしますた
素晴らしい元ネタであるオー!マイキーは久々に見るととても面白い
以上です
お目汚し失礼
462名無しさん@おーぷん :2015/05/06(水)18:21:46 ID:Gl4

463名無しさん@おーぷん :2015/05/06(水)20:05:19 ID:0hf
乙ですな!(>w<)
464名無しさん@おーぷん :2015/05/11(月)22:12:22 ID:7k1
投稿していいですか?
465名無しさん@おーぷん :2015/05/11(月)22:26:07 ID:7k1
初投稿です。
おーぷんでネタ振られたので3時間ほどで急いで作ってみました。
お目汚し失礼いたします。
466題名未定 :2015/05/11(月)22:33:09 ID:7k1
 彼女は一昨日沈んだ。海域攻略最後の夜戦で敵戦艦の直撃弾を喰らったのだ。艤装が剥がれ軽くなった体が宙に舞うと水中に没していった。水中で何かにぐいと引きずり込まれるような感触の後眩いばかりの光に包み込まれたところまでは覚えている。
彼女は気が付くと鎮守府の医務室で寝ていた。軽かった体が鉛のように重かった。寝返りを打つと寝台が音を立てた。その音で気づいたのか明石がやって来た。
「体調はどう?」
「あの・・・不知火は?・・・確か戦艦に撃たれたところまでは覚えているのですが」
早口になった不知火を遮って明石は言うと、寝台の縁に腰掛けた。
「まあまあ。落ち着いて」
明石はお茶を出し、勧めた。不知火も起き上がると明石の横に座った。明石が続ける。
「気分はどう?」
「あぁ・・・はい。大丈夫です」
「さすがの聡明で冷徹な高練度駆逐艦も轟沈ともなれば慌てるか・・・」
明石は頷きながらそう言うと、湯呑に手を付けた。
「あの・・・不知火はどうしたのでしょうか?」
「沈んだんだよ」
明石は思ったより物事をはっきりと言いきるタイプらしい。明石は続ける。
「一応応急修理要員はいたから助かったんだけどね。前の鎮守府とかでも何人か見てきたけどやっぱり轟沈するとどんな子も慌てちゃうんだよね」
「そうなんですか」
「それが普通だよ」
「でも・・・・」
「どうしたの」
明石が訝しげに聞いてくる
「なんか変なんです・・・自分が自分じゃないというか・・・一度沈んだんですよね?だったらこれは自分なのかなって思うんですよね」
 明石は腕を組むと唸った。
 「ううん・・・なるほどねぇ・・自分が自分じゃない・・・か」
 明石は黙り込むと考えこんでしまったようであった。それはどういう言葉をかければよいのかを考えているようでもあった。
「ごめんなさい。変なことを聞いてしまって」
それは本心であった。不知火は軽く頭を下げた。
「いや、そんなことはないよ。ところで不知火ちゃんは艦娘ってどういうものだと思う」
「艦娘ですか・・・。敵たる深海棲艦を駆逐し海に安寧秩序をもたらす、言わば兵器だと思います」
「兵器か・・・不知火ちゃんらしいね」
「じゃあ沈んだ敵について今まで考えたことってあった?」
「ないですね」
不知火は即答した。
「やっぱりいつもの不知火ちゃんだ。きっと大丈夫だね」
明石は微笑した。
「いえ・・・ところで不知火は身体的には問題はないのでしょうか?」
「それはないみたい。大丈夫」
「そうですか・・・ではそろそろ失礼します」  不知火は明石にそういうと立ち上がった。
「ごめんね。参考にはなってなかったね」
明石は申し訳ないと言った感じだった。
「いえ・・・そんなことないです。ありがとうございました」
不知火はそう言うと、医務室を出た。
467題名未定 :2015/05/11(月)22:33:44 ID:7k1


一棟から二棟への渡り廊下は夏の熱気に包みこまれていた。駆け足で二棟へ駆け込んでいく。足は大丈夫らしい。二棟の扉を開けると再び冷房の冷気に包み込まれる。
「あぁ涼しい」
そんなことを呟きながら不知火は講義室の前を通り過ぎる。講義室からの視線を感じる。それはいつものことだった。鎮守府で最高練度の駆逐艦である彼女に向けられた視線は少なくとも羨望や憧れといったいわば尊敬の視線だった。
でも今は違う。
それは興味や不思議という類の好奇的な視線だった。
好奇の視線が矢のように突き刺さってくるように感じた。それを刺さった矢を振り払うかのように腕を払うと足早に去っていった。
―一度沈んだ艦は元の艦なのか―
頭がそのことで悶々としていた。誰に相談すればよいのか分からなかった。姉の陽炎、妹の黒潮、二水戦でお世話になっている神通さん。相手は何人でも思いつくが解決してくれそうな相手は誰も思いつかなかった。
気が付くと二棟の端まで来ていた。旧三棟のへつながる扉が残っている。そして二棟と三棟の間には小さな庭がある。
海が見える小さな庭だ。普段は四棟のほうにある大きな庭を使うのであまりくる機会はなかった。
「たまには行ってみるか」
 彼女は踵を返すと靴を取りに行った。
 
 
 庭は相変わらず小さい庭のままであった。三棟に沿うようにL字型になっている。三棟は海に面しているので庭は海と三棟とを挟むようにあった。
庭のL字型の道を沿うように様々な花や木が植えられている。パンジー、バラ、よく分からない中ぶりの木、そして百葉箱。柵の向こうには海が見える。建物の影の方は見ないが思い出せる。蔓の木に小さいベンチ、それに慰霊塔。
体中に電流のようなものが走る。それとともに夢中で駆け出した自分の考えを理解してくれる人・・・。
468題名未定 :2015/05/11(月)22:33:56 ID:7k1
道の突き当りには黒い石碑があった。先の大戦で未だ還ってこない艦たちの名が刻まれている。石碑を指でなぞっていくとその艦の名はあった。駆逐艦「早霜」。大戦で沈んだのち、彼女は未だ戻ってこない。
あのとき救えていたら今一緒にいれるのだろうか。深海棲艦と艦娘は表裏一体と聞くので彼女もどこかに居るのかもしれない。
提督も特別攻略作戦のときなどに探してはいるものの未だ目撃情報すらない。
不知火は考えた。
私は艦として再びの生命を受け、沈み、そしてまたこうして蘇った。だが彼女は未だに生命さえ受けられていない。
この差はなんなのだろうか。彼女はどこにいるのだろうか?二度も生を受けることのできた自分。その一度を譲りたかった・・・
前世でも、そして今も―彼女を助けること、目の前の一つの命を助けることさえ出来ない自分とは何なのだろうか?
敵を倒すためだけに生まれた。ついさっきまではそう思っていた。敵なんてただ沈めるだけの的の様なもの。ついさっきまでそう思っていた。冷徹で聡明と言われた私。仲間と衝突することも多くその度に「冷たい」と言われていた私。
他人を深く思いやる。以前では考え付かなかった私がそこには確かにいた。

気が付けば彼女は冷静な判断が出来ない。彼女がどこにいるのかが気になった。踵を返し走り出す。すれ違った誰が何か声を掛けてくるが   何を言っているか耳に入らない。
倉庫で艤装を回収すると無我夢中で埠頭へ、大海原駆けていった
469題名未定 :2015/05/11(月)22:35:56 ID:7k1
水平線は既に夕陽で真っ赤に染まりきっていた。潮風を切りながら行く。艤装からガタガタと変な音がしてきた。最高速度はとうに越えているはずだ。艤装が壊れたら沈むのは知っていた。でもそれでも構わなかった。
どこまでも行こう。そう思っていたときだった。
斉射音が響き渡る。
「うそ・・・電探には何も・・・」
 弾は大きく外れて不知火の頭上を大きく越えて飛んでいった。
 斉射されたのは信号弾だった。はっと後ろを見ると黒潮がいた。黒潮も不知火の姿を認めると音も立てずに近づくと不知火の前に立った。「どうしたん?無段の単艦出撃なんて。不知火らしくもないなぁ」
「いや・・・これは・・・」
「何するつもりやったん?」
 いつになく低く厳しい声だった。
 「これは・・・これは・・・」
 不知火は海面へへたり込んだ。黒潮が近づいてくる。
 「うわっ・・・機関ボロボロやん。どうしたん?」
 「・・・・探してた」
 「えっ?何て?」
 「早霜を探してた」
 「早霜?夕雲型の十七番の?」
 不知火は静かに頷いた。
 「なんでそんな・・・」
 不知火は泣き崩れた。涙交じりに言った。
「う・・ううっ・・・私この前沈んでから・・・あれから考えたの。私は何で二度も生きてるんだろうって・・・まだ再びの生すら受けてない子もいるのに。そうしたら急に探さなきゃって思って。もう自分なんてどうでもいいから探さないとって思って・・・」
 黒潮はうんうんと頷くと言った。
「なあ不知火」
不知火は黒潮の方を向いた。
「アホかっ!」
黒潮は不知火を殴った。不知火は倒れこみ怯えた目つきで不知火を見た。
「お前が沈んだら早霜が戻って来た時にどないする気や。早霜のためにお前が死んだ聞いたら早霜もまた悲しむやろが。そんなん歴史と変わらんやろが。それに・・・そっ・・それに残されたウチらはどないするんや。まっ・・・また悲しませる気かこのドアホが」
 黒潮は大声で泣いていた。不知火は目を見開いた。すでに怯えの色は消え、正気に戻っていた。
「私は・・・私は・・・どうすればいいの」
「もらった生命粗末にするな。もう今の不知火なら分かるやろ」
不知火は小さく頷いた。
「ほな、帰ろか」
 黒潮は不知火にそっと手を差し出した。不知火はその手を固く握り返した。
 夕陽はいつまでも二人を照らし続けていた。

(完)

題名は何にすればいいですかねぇ・・・
あと最後不知火の一人称が私なのはわざとです。


お目汚し失礼しました。
470名無しさん@おーぷん :2015/05/16(土)17:47:29 ID:l7z

471名無しさん@おーぷん :2015/05/17(日)01:57:09 ID:n58
俺も書いてみてるんだけど思ったよりしんどいなw
472名無しさん@西村艦隊 :2015/05/18(月)15:51:53 ID:p7W
よし西村艦隊のssをがんばって書く
473名無しさん@西村艦隊 :2015/05/18(月)17:24:39 ID:p7W

......

t「今日もいい日だねぇ...」ぼけー...
今日はいつも通り朝おきて朝食を食べた
それから鎮守府を散歩して執務して昼食べてきた
だが午後になると仲間であり士官学校の友が鎮守府に来た
友「提督ひさしぶりだな!」
T「おまえか!げんきだったか?」
友「おう!げんきだぞ!だが今日来たのはお前に頼み事があってきたんだ」
T「頼み事か?俺でいいならいいぞ^^」
友「ありがたい!では紹介しよう」
時雨改二「僕は白露型駆逐艦時雨だよ,,,君か提督かい?」ニコッ
T「時雨じゃないか!この子がどうしたんだい?」
友「おれは昇進して本国に帰還命令が出たんだ」ドヤッ
T「そうか..いつの間にか上に立ってたんだな」
友「そこでだ上からによると艦娘は転属になることらしいんだ」
T「それでこの子をここにおいてほしいと...」
友「あぁだがこのこだけではなくてだな...ええっと...」もじもじ
時雨「西村艦隊...僕たちをここのおいてほしいんだ」
T「あぁいいぞ!」ニコニコ
友「ありがたい!では時雨はここにとめてもらえ私は他の子に伝えるためと
時雨の荷物をもってまた後日くる!」超笑顔
T「そうかまた後日あおう」
夜...
時雨「提督!ちょっといいかい?」ドアバーン!
T「ファ!?」ビク
T「しぐっぐっぐぐれれえ?」ドキドキ
時雨「ここには夕立がいるって聞いたけどどこだい?」
T「夕立は今遠征に出でいるもうそろそろ戻るはずだ...」ふぅ〜
時雨「あっ..そうなんだ」(´・ω・`)しょぼーん
夕立「呼ばれたみたいでじゃじゃじゃじゃーん!」│。+.ドア。+.|ミヘ(`・ω・)ノ┌┛タダイマン!!
T&時雨ェエェェエΣ(´д`ノ)ノェェエエエェ
そんな感じで1日目が終わった
474名無しさん@西村艦隊 :2015/05/18(月)17:26:19 ID:p7W
うん疲れる
475名無しさん@おーぷん :2015/05/19(火)01:53:32 ID:hUy
>>455
>>456
読んでくれてる人がいたのか! ありがたいありがたい……
476名無しさん@おーぷん :2015/05/19(火)01:54:16 ID:hUy
途中送信してもうた
今停滞してるからなるべく早く続きを上げるように頑張るよ
477名無しさん@西村艦隊 :2015/05/19(火)21:24:00 ID:tG3
あぁ〜!
今までがんばって書いたのに一瞬ですべて消えたあぁ(´・ω・`)しょぼーん
478名無しさん@西村艦隊 :2015/05/21(木)20:48:25 ID:fjD
2日目


扶桑「西村艦隊をよろしくお願いいたします」
そう...今日からこの子達との生活が始まったのである

今この鎮守府にいるのは
西村艦隊. 扶桑 山城 最上 時雨 満潮 (山雲 朝潮)
夕立 瑞鶴 翔翮 その他諸々(持ってないのでキャラわかりません)

その後...
T「今より部屋割りを掲示する!」
掲示物バァァァン!!!
1 時雨 夕立 最上 満潮
2 扶桑 山城 瑞鶴 翔翮 
3その他諸々

時雨「やったね夕立!一緒の部屋だよ」
夕立「嬉しいっぽ〜い!」
最上「やったね僕も嬉しいよ」
ドアバーーーン!!!
「「「「ふぁ!?」」」」
満潮「何!?」
瑞鶴「あ!部屋間違えた...」
時雨「ちょ!? まさか執務室の提督にしようとしてた?」
瑞鶴「そうよ」ニコニコ
翔翮「瑞鶴!何してるの!?」
時雨「ヤッてもいいけどほどほどにね」

そしてこの日に提督は謎のけがで入院したのであった
(´・ω・`)更新と量が少なくてごめんなさい
479名無しさん@おーぷん :2015/05/28(木)22:37:02 ID:bhC
某月某日、雀のさえずりと朝の光で目を覚ます
窓をあけると木の枝から勢い良く雀がはばたいていった
肌にあたる空気はやや冷たく、澄んでいる
おもむろに吸い込んで吐き出すと
まだ顔も洗ってないのに頭が冴えていくのを感じる

提督「久々だな、こんな寝起きは、いつもこんなやさしい目覚ましでスッキリ起きれたらいいんだが」
今日はいい一日になりそうだ
何故そう思ったのかはわからないが気持ちのいい朝とはポジティブになるものだ
しばらく呼吸を堪能していると
ビシュッ!トン ビシュッ!トンと規則正しい音がわずかに聞こえてくる
ふ、と目をやると青い袴を着てサイドに髪を結った女性が的に刺さっている矢を片付けようと歩いていく後姿が見える
よし、と声がきこえんばかりの顔をして俺は今日の最初にやる事を決めた
提督(まだ仕事始めるにはちょっと早いしな)
着慣れた軍服を着てにっと笑いながら帽子を整えるとしっかりとした足取りで部屋を出て行った

ここはとある鎮守府
その一人の提督と数多の艦娘達のおはなし
480名無しさん@おーぷん :2015/05/28(木)22:39:41 ID:bhC
提督「おはよう、今日も早くから朝錬か」
加賀「あら提督おはようございます。提督は珍しく早起きですね」
提督「うっ、昨日は執務も出撃も無かったからな・・・妙高に任せて一日中寝てたんだ・・・」
加賀「そうですか、提督は普段お忙しいですものね。たまにはゆっくりするのもいいかと」
提督「そういって貰えると助かる、赤城はいないのか?」
加賀「赤城さんなら軽めに流して先ほどあがりました。何かご用事があるなら言伝しておきますが」
提督「いや特に用事は無いよ、君たちはいつも一緒にいることが多いからね」
加賀「・・・そうですね」

なにか間を感じつつも何か別の話題でも振るべきか、と考える間もなく
ドタドタバタンといかにも慌てているであろう足音がきこえる
「 急いで瑞鶴ー待ってー翔鶴ねぇー」
何か慌しいが・・・まあ大体察する事は出来た
が、加賀の顔が険しくなったのが俺は怖かった

バン!戸が壊れるんじゃないかというくらい勢い良く叩きつかれて盛大に開く
と同時に白い髪と赤い袴が映える綺麗な女性が飛び出してきた
翔鶴「お、おくれましたすみません」
加賀「・・・」
翔鶴「その瑞鶴がなかなか起きなくて、そっそのすm」
加賀「言い訳はいいわ、それより提督に挨拶なさい」
ズバッと翔鶴の話をさえぎって言い放つ
・・・険しい顔は相変わらず健在だ
481名無しさん@おーぷん :2015/05/28(木)22:40:36 ID:bhC
ハッと翔鶴が俺に気づく
まあ加賀より少し離れた所にいたとはいえ気が付かないとは余程焦っていたのだろうな
そりゃ怖いよな、わかるわその気持ち。と思わず噴出しそうになるのを笑顔で誤魔化しながら挨拶をする
提督「おはよう翔鶴」
翔鶴「おっおはようございます提督気付くのがおくれてしまい申し訳ありません」
提督「いやいや余程急いでたみたいだからな仕方ない、それよりほらあっち」
クイッっと目を加賀のほうに向ける
翔鶴が後ろを振り向いくと加賀とツインテールのこれまた赤い袴の少女がバツの悪そうな顔をしている・・・

加賀「なにか言う事があるのではなくて?」
少女「・・・遅れました」
ハア、と加賀はため息をつく
加賀「今日は朝からあなたたち五航戦の練習を見るから早めに来なさいと翔鶴に言っておいたはずだけれど?」
少女「・・すいません」
少女「でも昨日は遅くまで練習してたんです!それで・・・」
加賀「それで寝坊した?」
少女はうっと言葉を詰らせて顔を反らす
ハア、と加賀はさっきより大きなため息をつきながら続ける

加賀「そんなものは言い訳にもならないわ、あなたたちはまだここに来て日が浅く錬度も低い」
   だからこそ皆に追いつくために一日も早く戦力になる為に何倍も練習をこなさなくてはならない
   寝坊?そんな事だから七面鳥なんて言われる技量なのよ」
少女「なっ!?なんでそこまで言われなきゃならないのよ!」
がるるるとまさに噛み付きそうな顔で加賀を見返す
加賀は顔色一つ変えず見据える・・・こっちまで怖くなる
慌てて翔鶴が走り寄る
翔鶴「こらっ!瑞鶴!加賀さんは私たちの練習を見てくださってるのよ」
瑞鶴「で、でも翔鶴ねぇ」
翔鶴「でもじゃありません、謝りなさい!」
瑞鶴はまだしぶっている
ここらで仲裁しとくかなっと割って入る

提督「まあまあ翔鶴、寝坊は悪いがわざとじゃないし昨日頑張ってたんだろう、そういう事もあるさ
   だからもういいじゃないか」
翔鶴「で、でも・・」

ちらっと翔鶴が加賀の顔色を伺う
そう、彼女も加賀が苦手、というか怖いのだろう、少なくとも提督の俺よりずっと
その気持ちよくわかるよ
だから助け舟を出すのさ

提督「加賀ももう許してやってくれ、ここは俺の顔に免じて、な?」
俺も加賀の顔色を伺うように愛想笑いを作る、俺提督だぞ・・・まるで逆じゃないかと思うが俺だって怖いもんは怖い
加賀「・・・わかりました」
それだけ言うと踵を返してすぐ後ろにある道具を片付けはじめた
482名無しさん@おーぷん :2015/05/28(木)22:42:11 ID:bhC
提督「きょ、今日はもう上がるのか」
加賀「ええ、朝錬は無し」
加賀「あなたたち五航戦は勝手になさい」
翔鶴瑞鶴のほうを見もせずに言いながらテキパキと片付けると道場を出て行った

姿が見えなくなると同時に残された3人はふぅーっと一斉にため息を吐く
あまりに同時だったので互いの目をみて小さな笑いがでた

提督「いや~加賀は厳しいな」ハハハと愛想笑いを流しながら場を和ませる、ていうか和んでくれ
翔鶴「もうっ!だから早くに起こしに行ったのに瑞鶴ったら全然起きないんだもの!」
と、至極当然な不満がでるが先ほどのような緊張感は無くむしろホッとしている感が見受けられる
瑞鶴「もう~いいじゃない、大体あの人五航戦五航戦って名前で呼ばないし錬度が低いとか
   アレもだめコレもだめでなによあの上から目線!」
提督「ま、まあ実際お前らの先輩だし技量もかなりのものだからな」
フン!と瑞鶴はそっぽを向く
提督「それで今からどうするんだ?練習しないなら一緒に朝飯でも食いにいくか?」
瑞鶴「いえ練習はするわ!あの人がいなくてもやれる事はあるわ
   早く上達して見返してやるんだから!」
この子のこういう負けず嫌いな努力は感心する、加賀と同じだな、と思うが当然口には出さない
翔鶴「そうね、じゃあ昨日の基礎練習しましょう」
瑞鶴「ええ、わかったわ」
二人はピッタリの息で弓の組み立てを始める
その目はもう先ほどの怯えたり怒ったりした動揺さは微塵も感じられず、まさに真剣だった
提督(集中している、これはお邪魔だな)
提督「じゃ、頑張れよ」と一声かける
翔鶴「はい!」
瑞鶴「当然よ!」
これまたピッタリの息で返事が出る
流石に姉妹艦だな、と納得しつつ少し笑みを浮かべながら道場を出た

さて、少し早いが執務室で軽い朝食でも取りながらスケジュールに目を通しておくか

とりあえずなんの落ちもなく書いてみたが日常系という事でかんべんなw
483名無しさん@おーぷん :2015/05/31(日)23:07:12 ID:DlB
投稿させてもらいます
初SSなので拙いところはあると思うけど……
484大型艦になりたい少女 :2015/05/31(日)23:07:58 ID:DlB
「ここか……」
私の目の前には、立派なレンガ造りの建物。 そびえ立つ門には『横須賀鎮守府』の文字。
この門をくぐれば、私も遂に憧れの艦娘になれるのか……  そんな思いに胸を膨らませながら、恐る恐る門の中に足を踏み入れ、建物に向かってゆっくり歩いていく。

「あなた……そこで何をしているの?」
「ふぇっ!?」
いきなり声をかけられて、奇声をあげてしまった。振り返って声の主を見ると、短めの茶髪のお姉さんがいた。しかも巨乳。かなりの乳。溢れでる大人の色気。もしかしてこの人は……
「あ……あの、私は今日からここで艦娘になる予定の……」そんなお姉さんに、ついしどろもどろ。
「あら、貴方が! 話は聞いているわ。なんなら、私が提督のところまで連れていってあげましょうか?」
「え!本当ですか! ありがとうございます!」
「ちょうど私も提督室の近くまで行く用があったしね。そういえば自己紹介がまだだったわね。私はここで陸奥の艦娘として働いているの。」
「やっぱり陸奥でしたか!かっこいいなぁ…… 」
「あら、ありがとう。貴方は希望艦種とかあるの?」
「艦種は特にないですけど、む…じゃなかった、なるべく大型艦がいいですね」
「大型艦ね。戦艦は楽しいわよ。貴方明るそうだし、金剛とか合いそうね。」
「そうですか?ありがとうございます!」
と、話しているうちに提督室到達。
私は、陸奥さんにお礼を告げて、提督室の中へ入る。
485大型艦になりたい少女 :2015/05/31(日)23:08:39 ID:DlB
「あ、あの! 今日付けで配属になりました、名前を……」
「ああ、そういう自己紹介なんかは後回し、とりあえず検査受けて。 ほら、あそこにある機械、そこで寝ときゃ終わる」
「え!? あぁ、はい……」
随分といい加減な提督だなぁ…… と思いつつ、部屋の隅にあるMRIみたいな機械(執務室の中にぽつんと変な機械があるので凄いシュールだった)に寝転がって暫く待っていた。
「おい新入り、結果でたぞ。」
提督の声で飛び起きる。
「んぁー、これが結果の紙。これを持って一階の艤装管理室、ってどこ行って。」
486大型艦になりたい少女 :2015/05/31(日)23:10:51 ID:DlB
何の説明も無しに、やっぱ変わった提督だなぁ、と思いつつ管理室に入ると
「ええと、貴方が新入りの娘?」
と声をかけられた。着物を着てツインテール、かつ巨乳の少女だ。私の目測ではFはある。ということは……
「そうです。 あ、貴方は蒼龍さんで……?」
「うん。私のこと知ってくれてるなんて嬉しいなぁ。ええと、今から貴方の艤装を選ぶけど、その前に色々説明するね。」
「あ、はい! お願いします」
「まず、WW2 の戦地となった海に突然沸きだした化物―深海棲艦の駆除が私たちの仕事、ってのは分かってるよね?
その駆除に使う武器が艤装なんだけど、これは深海棲艦の死骸から採ったり、あとは遺品から作り出せる海で戦った様々な艦の記憶を具現化した存在したもの……
一般的には妖精さん、って呼んでるんだけど、その力によって本来ならミサイルとかで応戦しなきゃならない深海棲艦を、低コストで駆除できる、って訳。
ただ、記憶を使用しているせいで、自分と合った艦の記憶の艤装じゃないと使えなかったりするし、何より妖精さんが、艦を擬人化した姿に私たちの外見を変えてしまうのよ。だから、ほら」
蒼龍さんが艤装を取り外すと、ぽうっと蒼龍さんの身体が光り、アラフォーらへんの小太り茶髪巨乳女性へと変身した。
「この通り……どう?」
「すごい!すごいです! うわああああ!」
「凄い食いつくね……」
また艤装を付けながら蒼龍さんが言う。
「で、さっきの検査は貴方にどの艦の記憶が合うか調べたもの、ってワケ。じゃあ早速、どの艦にするか決めよっか!えぇと、適性のある艦は…うーん、駆逐艦ばっかだなぁ……」
「え?駆逐艦だけですか!?」
「あ、1隻ずつだけど、軽空母と正規空母にも適性あるね。」
「正規空母!正規空母でお願いします! む……大型艦がいいんです!」
「分かった分かった。分かったからちょっと落ち着いて……ええと、これかな!これが貴方に合う艤装。ちょっと付けてみて
487大型艦になりたい少女 :2015/05/31(日)23:11:22 ID:DlB
ヤバイヤバイ。今まさに私の長年の夢が叶う。心臓をバクバクと破裂させながら艤装を身につけて行くと、私の身体が光り出し、変貌を遂げた。
「お、ぴったり合ったみたいね! うん、今日から貴方は艦娘『瑞鶴!」
私は感動しながら、部屋にあった鏡で瑞鶴となった自分を眺める。ツインテールの髪。紅白の着物。飛行甲板。そしてスレンダーな身体……うん?スレンダー?
「えええええええええええええ!」
「ど、どうしたの!?」
「そそ蒼龍さん、これが瑞鶴で合ってるんですか?本当に、正規空母ですか?」
「そうだけど… 大丈夫?どっか不調とかあったの!?」
「ななななんでもありません…… あ、私提督に報告に行ってきます……」
488大型艦になりたい少女 :2015/05/31(日)23:11:45 ID:DlB
艦娘という仕事の人気はそれほど高くない。化物を殺すことや自分の姿が変わることに抵抗感を覚える人は多いし、少ないものの殉職(鎮守府では轟沈、と言うそうだ)する人もいる。なのに私が高校卒業後の就職先として艦娘を志望した理由、それは幼いころからのコンプレックスによる。
つまり、この、貧乳。圧倒的まな板。
この貧乳が嫌で嫌で、毎日キャベツやら鶏肉やら豆乳やら摂取したり、胸が大きくなるマッサージを試してみたりしたが効果は無かった。
そんなとき、たまたまネットで動画を見た。艦娘が深海棲艦と戦っている様子が映っていた。そして目を疑った。
なんだ! あの戦艦!空母! 重巡! みんなおっぱいがばるんばるん揺れてやがる!ばるん!ばるん!
そして私は艦娘となって爆弾おっぱいを手に入れることを決意した。例えそれがまやかしの乳だとしても……
なのに!なんだ!
「なんだこの仕打ちはぁあぁぁぁぁぁぁぁぁ」 
そりゃ、私のAAカップの乳よりは瑞鶴はまだマシだ。でも、それでも!
「乳ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」
489大型艦になりたい少女 :2015/05/31(日)23:12:15 ID:DlB
「貴方……五月蝿いし邪魔なんだけど。鼓膜が破れるかと思ったじゃない。ああ、不幸だわ……」
廊下だろうが関係なく叫んでしゃがみこんでた私に、突如声がかけられる。見上げると、物凄い艤装の黒髪の女性……扶桑姉妹がいた。
「あの…大丈夫?大声で叫んでいたけれど… 何かあったのなら聞きましょうか…?」
そう言いながら私に視線を会わせるように少し屈みこむ扶桑さん。そして強調される豊満な胸。おっぱい。
「私の気持ちが分かってたまるかぁぁぁぁぉあ!今は私の方が不幸じゃああはああはあああ」
「貴方!なに姉さまに生意気な口聞いてるの…砲撃されたいの!?」
しまった!思わず叫んでしまった!
「山城、落ち着いて… 私は気にしていないし大丈夫よ? それで、瑞鶴さん? 先程、私の聞き間違えでなければ、その… 乳、と叫んでいたような… どうされたの?」
「あの…実は……」
扶桑さんの優しさのお蔭で落ち着いた私は、事の顛末を話始める。
「そう…つまり、巨乳を目指して艦娘になったのに、いざなってみたら貧乳艦だった、ということね?」
「随分と不純な動機ね……   何だったら、今から他の艦に変えてもらえばいいじゃない。」
「それが、他は駆逐艦しか適性がないみたいなんですよ……」
そう言いつつ、紙を見せる。
「ふーん……あら…… 貴方、全然不幸なんかじゃないじゃない」
紙を眺めていた山城さんがニヤリと笑う。
「姉さま、確かこの艦はうちの鎮守府にはいないわよね?」
「ええ、そうね… この子なら……  瑞鶴さん」
にっこり笑う扶桑さんが、紙に書いてあるとある艦娘の名前を示しながら言う。
「今すぐ艤装管理室に戻って、この艦娘の艤装を貰って来たらいいと思うわ」


そして私は、艦娘『浦風』として、豊満な乳を手に入れた
490大型艦になりたい少女 :2015/05/31(日)23:12:49 ID:DlB
お目汚し失礼しました。
オチが若干杜撰ですまない。
491名無しさん@西村艦隊 :2015/07/05(日)10:43:36 ID:NlJ
どうも!テスト帰還だったので 投稿できませんでした
またぼちぼち投稿していきます!読んでくれると嬉しいな〜
492名無しさん@西村艦隊 :2015/07/05(日)11:49:24 ID:NlJ
数日後...

夕立「おなかすいたっぽぉい〜」
提督「よ〜し午前のノルマも終わったしなにかたべにいくかぁ〜」
提督「いいよな時雨?」
時雨「いいよ!何食べにいく?」
赤城「食べにいくと聞いて!」│。+.窓。+.|ミヘ(`・ω・)ノ┌┛窓からパリィィィン!!!
提督「読んでない!!!」( ・`ω・)-○))~~~~~~~Ю ロケットパンチ
赤城「ぐぼぁぁぁ!ひどいです!提督!私も行ったっていいじゃないですか!」
提督「お前が行くとその日背が閉店するからダメだ!」
時雨夕立... ひそひそ
提督赤城「ぎゃーぎゃー!わいわい」
時雨「提督提案があるんだけどごにょごにょ」
提督「ほうほう...あ〜」
提督「赤城!飯行くぞ!」
赤城「いいんですか!?」
提督「ただしお前がこれをクリアしたらだ!」........
赤城「わかりました!がんばってやります!」
提督「よし!時雨夕立いこうか〜」
夕立.時雨「ぽい〜.うん」

それからそれから...
瑞鶴「提督いる〜?って...な!?」
赤城だったもの「はぁふいはふはんへいほふははひはへんほ」(あぁ瑞鶴さん提督ならいませんよ)
瑞鶴「ちょっと!そんなことよりなんでそんなおばあちゃんみたいによぼよぼなのよ!」
赤城ry「あははらはひもはへへはへん」(朝から何も食べてません)
ずいずい「しょうがないな〜間宮さんまで連れて行ってあげる!」
大食いさん「ほへはいひまふ」(お願いします)

それまたそこから
赤城「いや〜やっとおなかがふくれてきました!」
瑞鶴「それにしてもよく食べたわね〜83杯もあんみつ」
赤城「こんなん序の序の序です!いうなればアニメでopが終わるくらいです」
瑞鶴「そんなわけ...あるかも...」
ずいずい「ところで何で執務室にいたの」
赤城「それはかくかくしかじか」
瑞「なるほど朝ご飯てべてなくて提督に言いにいったら昼も食べずに午後の仕事をしたらバイキングねぇ〜 苦行だわ....」
赤「バイキングのためなら!朝と昼は抜きにできます!!!」
瑞「で!どこまでおわったの?」
赤「だいたい半分ですかね〜」
瑞「じゃあがんばってね〜私午後から翔翮ねえと買い物だから」
赤「ありがとうございました!楽しんできてくださいね」
493名無しさん@西村艦隊 :2015/07/05(日)11:49:29 ID:NlJ
そこから〜
赤「加賀さん手伝ってください!」
加「何をです?」
赤「カクカクシカジか」
加「いいですよ けれどそれは私もバイイングにいっていいとゆうことですか?」
赤「そうゆうことです」
プルプルプル...プルプルプル...がちゃ
加「はいもしもし」「はい.はい.わかりました」
加「提督から他の艦娘にたよるなだそうです...」
赤「BAKANA!」
加「じゃあがんばってください 稽古してきます」
赤「うぅ〜がんばります」(´・ω・`)しょぼーん

提督「とゆう訳で終わらなかったと」
赤「はい」
提「はぁ〜俺もそこまで鬼じゃない」
提「ほれ行くぞ」
赤「どこにですか?」
提「だからバイキング!」
赤「え?なんでですか?条件できませんでしたよ?」
提「忘れたのか〜今日はみんなで宴会の日だ!」
提「いつもならここでやるけど今日は店を貸し切って朝まで宴会だ〜!!!」
時雨夕立+西村艦隊+加賀+瑞鶴+翔翮「「「「わぁ〜〜〜〜!!」」」
提督「よし!あの店で!宴会だ!他の艦娘はもうおれたち待ちだ!」
提督「さぁ!行くぞ〜〜〜〜!」

そのあと無茶苦茶朝まで騒いだ...

はい!とゆうことで
がんばりました...これからもぼちぼちあげているので待っている方はおたのしみに!
山城「姉様...私たち出番ありませんでしたね」
扶桑「次はあげてくれるかも」
最上「そうだね次はあげてくれることを願おう」
翔翮「私も...」(小声) 
494名無しさん@西村艦隊 :2015/07/05(日)12:28:33 ID:NlJ
提「今日もいいてんきだな〜」
この2週間1度も雨が降ってないしかも夏のような天気である
なのでうちの艦娘は海やらプールで遊んでいる
提「俺も遊びにいこうかな〜時雨と夕立と西村艦隊をつれて〜」

提「とゆう訳で!今から海で演習といいわけをしてあそびにいく!準備するのです!」
全員「お〜〜!」
「姉様日焼け止めわすれずに」「時雨浮き輪もっていくぽい?」「僕はビーチバレーがしたいな〜」by最上

それから〜
「とゆう訳で「「「海だ〜〜〜!!!」」」
「「「fooooooo!!!」」」
そのあとめちゃくちゃ楽しんだ

用事があるのでここまで
495名無しさん@おーぷん :2015/08/06(木)19:39:19 ID:81f
深雪「司令官に忘れられてる気がする」


注意

※かなり短いです
※白雪ちゃんがキャラ崩壊してます

ss初投稿です。
文がおかしい場所などがあったら、コメントでご指摘して頂けると幸いです。
496名無しさん@おーぷん :2015/08/06(木)19:39:42 ID:81f
深雪「……っていうか、『気がする』じゃなくて忘れられてるんだよ……」

白雪「どうしたのよ深雪、いつになく弱気じゃない」

深雪「だってー……だってさぁー……」

深雪「私たちレベル9でずっと放置されてるじゃんかー……」

白雪「そこに私を混ぜないでよ」

深雪「だって事実じゃん」

白雪「……でも私たちの艤装を解体もしていないし、近代化改修の素材にも使っていないし……」

白雪「きっとこれから練度向上の予定があるはずよ」

深雪「それで7か月も放置するかぁ?」

白雪「…………」

深雪「(あっ黙った)」

白雪「……ふぇっ……うっ……だって……だってぇ……」

深雪「(な、泣き始めた!? あの白雪が!?)」
497名無しさん@おーぷん :2015/08/06(木)19:40:06 ID:81f


深雪「(6か月前に『カレーの味濃すぎない?』って叢雲に結構ツンツンした態度で言われてもしょんぼりした程度だった白雪が!?)」

深雪「(6か月前に初雪が出撃の時に布団から出てこなくて全責任を負ってもへこたれずに入渠ドックの掃除してた白雪が!?)」

深雪「(6か月前に私が白雪の大切にとっておいた伊良湖最中をこっそり食べたときも翌日の朝食のデザートの私のプリンを吹雪と話してる時にこっそり食べるくらいの可愛らしいお返しくらいしかしなかった白雪が!?)」

深雪「(まずい……まずいぞこの状況……絶対これ私が泣かせたように見える……いや実際そうだけどさ!)」

深雪「(と、とにかくフォローしないと!)」

深雪「ああっでも! もしかしたら改二の予定が来たらばんばん出撃させてくれるかもしれないな!」

白雪「私たちそんな武勲持ってないじゃない! しかも深雪に至っては開戦前に沈んじゃってるじゃない!」

深雪「ほ、ほら! 武勲がものすごいってわけじゃなくても改二になってる人もいるじゃん! 叢雲とか初春とか!」

深雪「(ごめん叢雲に初春! でもうちの艦隊では駆逐艦トップ2なんだから許してくれ!)」

白雪「叢雲も初春さんもキャラ立ちが凄いじゃない! その点私たちなんて似たような性格で容姿も目立つ人もたくさんいるのよ!」

深雪「」
498名無しさん@おーぷん :2015/08/06(木)19:40:22 ID:81f


白雪「……あ」

深雪「」

白雪「……その、ごめんなさい。 そんなつもりじゃなかったの」

深雪「……う、うん。 だいじょう――――」

白雪「別にあなたの容姿が地味とか、似たような性格でもっとかっこいい人がいるとか、そういうことを言うつもりじゃなかったの!」

深雪「」
499名無しさん@おーぷん :2015/08/06(木)19:40:37 ID:81f


白雪「(あぁっ! どうしよう! 一旦泣いてすっきりしちゃったせいかうっかり結構シャレになってないことを言ってしまったわ!)」

白雪「だ、だってほら……艦娘なんて100人以上いるのよ? 今では初代ポケモンの数くらいいるの」

深雪「……」

白雪「だからやっぱりね? 天龍さんだとか摩耶さんだとか加古さんだとか、そういう人たちにキャラを持っていかれるのは仕方のないことだと思うの」

深雪「加古さんに至っては必殺技の名前まで被っちゃってるもんな……」

深雪「いっそ加古さんに弟子入りして『師匠から受け継いだこの必殺技の力、見せるときが来た!』みたいにしたほうがキャラが立つかもしれないな……」

白雪「それはやめておきなさい、加古さんに弟子入りして覚えられるのはたぶん目を開けながら眠る技くらいよ」

深雪「最近改二になって『左目が髪で隠れるから常に左脳だけ寝ていられるんだ!』って言ってたぜ」

白雪「器用すぎるでしょ加古さん……まあ古鷹さんがいつも起こしてるけど……」

深雪「加古さんと古鷹さんか……そうだ、2人でひとつみたいにすればもしかしたら目立てるんじゃないか!?」

白雪「あら、それちょっと良い考えかもしれないわね……赤城さんと加賀さん、金剛さんと比叡さん、扶桑さんと山城さんみたいに」

深雪「そうと決まれば話は早いぜ! 白雪よ、今日からそなたが深雪さまのパートナーになるのだー!」

白雪「あ、私初雪のパートナーだから」

深雪「なんでだよ!」
500名無しさん@おーぷん :2015/08/06(木)19:41:10 ID:81f
白雪「だって昔も何かと初雪と一緒に行動すること多かったし……」

深雪「私が電と衝突したとき助けようとしてくれてたじゃんかー!」

白雪「そりゃあ目の前で沈みかけてる相手がいたら助けるわよ……」

深雪「私と白雪が着任したのもほぼ同じ日だったじゃんかー!」

白雪「……え、そうだったかしら?」

深雪「し、白雪が冷たい……ほら! 司令官が着任した日にさ! まだ叢雲と大淀さんと明石さんしかいなかった頃に!」

深雪「私たちは運命に導かれてこの鎮守府に着任して目と目が合ったじゃん!」

白雪「任務達成の報酬として着任した後同じ艦隊に編成されただけじゃない」
501名無しさん@おーぷん :2015/08/06(木)19:41:25 ID:81f

深雪「だーとーしーてーもー! 私たちが任務報酬艦として選ばれたんだぜ! 奇跡じゃん!」

白雪「吹雪型だから扱いやすいしちょうどいい戦力だったからじゃないの?」

深雪「むー、白雪は現実的すぎるんだぜ……っていうかさ、着任当初の白雪はもうちょっとこう……幼さが少し残るけど健気ないい子って感じだったはずなんだけど」

白雪「さあね……七か月放置されたせいでやさぐれちゃったんじゃないかしらね……」

深雪「じ、自分で言いやがった……」

白雪「……っていうか、ここまで話すならいっそ司令官に直訴してみましょうよ」

深雪「へぁいっ!?」
502名無しさん@おーぷん :2015/08/06(木)19:41:40 ID:81f


白雪「何よ、急に態度が小さくなったじゃない」

深雪「だだだって! だってさぁ!」

白雪「何? まさか『司令官が怖い』とか言うんじゃないでしょうね?」

深雪「だって絶対忘れられてるじゃん! 直訴して『で、あなた誰?』って言われたら悲しいし!」

白雪「(意外と深雪のメンタル装甲が薄かった!)」

白雪「それでも! ここまで深雪がいろいろ抱えてるならきちんと司令官に言った方がいいと思うの!」

白雪「司令官も女性だし、私が見ているといろんな人の相談に乗ったりしているわ!」

深雪「で、でも……私一人じゃ不安だしさ……」

白雪「じゃあ私が一緒に行けばいいんでしょう? よし話は決まったわ! 頑張っていきましょう!」

深雪「え、ちょっ、引っ張らないで、ちょ、ちょおおおおっ!」
503名無しさん@おーぷん :2015/08/06(木)19:41:57 ID:81f


~20分後~


白雪「……大丈夫だろうとは思っていたけど……まさかここまでうまくいくとはね……」

深雪「意外とすんなりだったな……やっぱり忘れられてたけど」

白雪「まあそこはすぐ思い出してくれたし、許してあげましょうよ」

深雪「ま、そうだな。 その……白雪さ」

白雪「急に改まったわね、どうしたの急に。 まさかお礼でも言うつもり?」

深雪「うん。 ありがとな、励ましてくれた上に一緒に執務室にまで来てくれて」

白雪「……まぁ、結構付き合い長いしね。 それに私も出撃の機会を手に入れられたし、こちらこそありがとう」

深雪「うわっ! 白雪がお礼言った! 長らく放置されて心が荒み叢雲レベルに気が強くなったあの白雪が数か月ぶりにお礼言った!」

白雪「さすがにそこまで荒んではいないわよ!」

深雪「ふっふっふ……とにかく明日からは深雪さまの本気をみんなに見せてやるぜ!」

白雪「出撃明後日なのだけれどね……」
504名無しさん@おーぷん :2015/08/06(木)19:42:15 ID:81f


~3週間後~




深雪「司令官に指輪を渡すことを忘れられてる気がする」(Lv99)


白雪「ちょっと本気を見せすぎでしょあなた」
505名無しさん@おーぷん :2015/08/06(木)19:44:10 ID:81f
これでおしまいです。

一気に投下してしまいましたが、何か文法ミスなどありましたらご指導ご鞭撻よろしくお願いします。
506名無しさん@おーぷん :2015/08/11(火)20:58:10 ID:MOJ
こんなとこにあったんか
507名無しさん@おーぷん :2015/08/14(金)03:16:57 ID:sv0
投稿しますね。
508処刑!!ビッグセブン :2015/08/14(金)03:21:52 ID:sv0
太平洋某海域。

激戦の末、戦艦棲姫を倒した我らが長門、だが、一瞬の油断をつかれ、酒匂が深海棲艦に捕らわれた!
深海棲艦隊は酒匂を助けたければ、ビキニ環礁まで長門一人で来るようにと言ってきた!
我らが戦艦長門は、周囲の反対を振り切り、罠を承知でただ一人、酒匂救出に向かう!
はたして、彼女の運命は!
509新棲鬼対ビッグセブン :2015/08/14(金)03:49:59 ID:sv0
酒匂「ぴゃー!長門さん!!来ちゃダメー!」
長門「酒匂!!ええい!深海棲艦!私は約束通り一人で来たぞ!酒匂を離せ!」

深海棲艦の指定した海域で長門を待っていたのは、艤装をはがされ、後ろ手に縛られた酒匂と、その手を握る2隻のタ級、そして、装甲空母姫の姿だった!

装甲空母姫「フフフ、本当にヒトリで来るなんテ」
戦艦タ級「長門よ、あれを見ろ!」
長門「む!な・・・なんだ!あれは!!」

戦艦タ級の指さす先を見る長門、そこには、2隻の見た事もない不気味な深海棲艦の姿があった。

長門(何だあの深海棲艦は、大きな…頭、そう、巨大な女の頭に羽根飾りのような艤装がついている。まだ眠っているようだが…)

装甲空母姫「長門、あの2隻こそ我々深海棲艦の技術の結晶、原子棲鬼だ!」
長門「原子棲鬼だと!」
装甲空母姫「その通り、力を見せてやろう」

そう言って、指を鳴らす装甲空母姫、すると、駆逐艦にけん引されて、先の戦いで長門に倒された戦艦棲姫が現れた。
既に息を引き取っているものの、急所をうまく撃ちぬけたためであり、艤装の多くは無傷で残っている。

長門(何をするつもりだ?まさか…)

じっと事の成り行きを見つめるながとの前で、二隻の内の一方の原子棲姫の目が開き、その巨大な頭が戦艦棲姫の死体の方を向いた。
そして次の瞬間、原子棲姫の口から超高熱の炎が発射され、艦娘達の砲撃でもさほどダメージを与えられなかった戦艦棲姫の体を、あっという間にどろどろに溶かしていく。

長門「な…」
装甲空母姫「驚いただろう、原子棲姫の力、次はお前の身で味わうがいい!」
長門「くそ!むざむざやられないぞ!!」

艤装を展開し、原子棲姫に砲を向ける長門、原子棲姫も、その真っ赤な瞳で長門の方を見て、ゆっくりと頭の向きを変え、長門の方を向こうとする。

長門「させるか!喰らえ!!」

長門必殺の41cm砲が原子性姫めがけ一斉に放たれた。
強力な徹甲弾が原子棲姫に襲い掛かるが、砲は早々に当たらない、そのすぐ横にむなしく水柱を上げる。
その間にも、原子棲姫の頭は長門の方へ向いていく。

長門「く!」

仕方無く、移動する長門、だが、原子棲姫の頭の回転速度はだんだんと増していく。
このままでは長門が捉えられるのも時間の問題だろう。
510新棲鬼対ビッグセブン :2015/08/14(金)03:50:07 ID:sv0
長門「やすやすとはやられん!喰らえ!」

水面を走りながら、長門は砲撃を続行する。
そして、遂に徹甲弾の一撃が原子棲姫に命中した。

酒匂「やったあ!」

装甲空母姫の手の中で、思わず喜びの声を上げる酒匂。
しかし、装甲空母姫は余裕の表情である。

長門「何!?馬鹿な!」

砲撃の煙が晴れた向こうを見て、長門は驚愕した。
数多の深海棲艦を沈めてきた長門の砲を受けて原子棲姫の巨大な頭には、傷一つついていないのだ!

長門「く!!何と言う奴だ!!」

原子棲姫、その圧倒的な力に、さしものビッグセブン長門の額にも汗が浮かぶ。

はたして、ビッグセブンはこの強敵に打ち勝つ事ができるのか!
そして、捕らわれの酒匂の運命は!

次回「無残!ビッグセブン大炎上」
511新棲鬼対ビッグセブン :2015/08/14(金)03:50:27 ID:sv0
とりあえず以上です。
512名無しさん@おーぷん :2015/11/04(水)02:16:24 ID:AMV
初投稿失礼します。
513或る艦娘の場合 :2015/11/04(水)02:31:19 ID:AMV
私はとある鎮守府の艦娘だ。
私がこの鎮守府に着任して、もう2年以上になる。
私の提督は私に対して、殊更に優しい。
私が初期艦だとか、特別な思い出があるとか、そういった心当たりがあるわけではない。
出会った日からずっと、変わることなく優しい。
私の体調や成長を気遣い、常に気を配ってくれる。
一度その理由について尋ねてみた事がある。
しかし提督は曖昧にお茶を濁すばかりできちんと教えてはくれない。
先輩の艦娘に尋ねてみた事もある。ちなみに彼女は初期艦で、提督の事を一番理解しているように思える。
彼女いわく、提督は好きになった子には例外なく優しいわよ、あの浮気性は、と辛辣なご意見だった。
まあ重婚しているようだし、それは解らなくもない。
しかし提督の私に対する態度は好きとかそういった類いのものとは異質な感じだ。
「提督は…何故私に良くしてくれるのかしら」
私がこの鎮守府に着任して2年。
未だに良く分からない事だった。
514或る艦娘の場合 :2015/11/04(水)02:45:56 ID:AMV
初期艦の彼女もケッコンには至っていない。
練度の問題もあるのだろうけれども、どちらかと言うと提督の良き理解者であれど、彼女はケッコン対象外、みたいな事を以前に聞いた事がある。
私はそれを聞いて「ふうん、じゃあ私はそのどちらでもないのか」
といった感想を抱いた気がする。
と言うのも、私の練度は99だからだ。
ケッコンカッコカリはいつでも可能である。
しかし提督は一向にする気配がない。
まあ、私の艦種が駆逐艦だからというのはあるかも知れないが、それで言うと提督は何人か、お世辞にも能力の高くない駆逐艦娘とケッコンしている。
私の立ち位置って何なんだろう。
ケッコン対象外で、能力が高い訳でもなく、初期艦の彼女ほど信頼が厚いわけでもない。
だけども提督は私に優しい。
こうなると、流石に提督からの下心があったほうがまだしも座りが良い。
というか、理由も分からず優しくされるのは少し気持ち悪くもある。
今度のイベントで活躍したら、理由を問い質してみよう。
私は密かに決意するのだった。
515或る艦娘の場合 :2015/11/04(水)02:56:54 ID:AMV
そう決意した夏の大規模イベントは、有り体に言えば惨敗だった。

私を含めた多くの艦娘は傷つき、資材も涸渇し、甲種勲章も逃した。
新たな艦娘との邂逅は辛うじて死守したものの(ウチの提督の矜持らしい)、心身ともにズタボロだった。
私も正直、活躍出来たかは分からない。
むしろ幾度となく連合艦隊で大破し、艦隊の足を引っ張った気がする。
落ち込む私に提督は、
「いや、皆が、君が無事ならそれで良いよ。誰も欠けることなく済んで良かった」
と励ましの言葉をかけてくれた。
何でかな。
その時の提督の表情は、いつにも増して私の心に刺さった。
516或る艦娘の場合 :2015/11/04(水)03:11:18 ID:AMV
長い入渠を終えて、私がドックから提督室に向かう途中、ケッコン駆逐艦娘の一人とすれ違いそうになった。
私は意を決して尋ねてみた。
「あの、突然すみません。尋ねたいことが…」
なにかしら、と柔らかな笑みを浮かべて彼女は振り向いた。

「提督は、何故…何故私に優しくされるのでしょうか?駆逐艦で初めてケッコンなさった貴女は、何かご存じではないですか?」
イベントでは活躍もできず、第一、提督でなく彼女に尋ねるのもお門違いという気はしたが…
果たして、彼女は答えてくれた。
確かにその理由は知っているけど、私の口から言うのは憚られるわね、と。
どうしても知りたいなら私から提督にそれとなく言っておくから、今度尋ねてみたら?
彼女は柔和な笑みを崩さないまま、少しだけ困ったようにそう言ってくれた。
やった。
少しだけ後ろめたさも感じたが、これでようやく提督の謎の優しさの理由が分かる。
この時の私はそんな風に考えていた。
愚かにも。
自分が優しくされる理由なんて、知らなくて良いことだったのに。
517或る艦娘の場合 :2015/11/04(水)03:12:09 ID:AMV
一先ず此処まで。
518或る艦娘の場合 :2015/11/04(水)03:54:12 ID:HFa
続きいきます
519或る艦娘の場合 :2015/11/04(水)04:00:49 ID:HFa
「提督、教えて頂いても良いでしょうか」
なんだい、と提督はいつもの調子で私に微笑みかける。

先日のイベントが終わってからしばし。
提督の初のケッコン駆逐艦娘の方からそれとなく促してもらい、ようやく私は姿勢を正してこの質問を投げる事ができる。

「提督が私に優しくしてくれるのは…何故なのでしょうか」

その質問に対して、提督は顔を強張らせる。
逃げられない、と直感しているのだろう。
勿論、彼女に言い含めて頂いた事も効いてはいるのだろうけれど、何より私は今回ばかりは退く気にならなかった。

「…答えなきゃ駄目かい?」

それでも提督は困ったように微笑みながら、私に聞いて来る。
私は、駄目です、と笑って言った。

今にして思えば、笑って言うような台詞じゃあ、なかった。

それじゃあ、僕がこれから君に話す事実は、とても君にとって愉快な話じゃぁないのは、承知の上で聴いてくれるかな。
提督はそんな前置きをして、私に言った。

今にして思えば私はここで引き返すことも出来たのだ。
わざわざ、自分にとって愉快でない事実を知る必要など、何一つなかった。
理由もなく優しく、私に良くしてくれる提督の元で、ぬるい幸福に浸っていればよかった。

だけど―――私の性格はそれを良しとしなかった。
後悔はない、と言えば勿論嘘になるが、それでも。

知らないよりは、知っておいたほうが良かったのだろう。
きっと。
520或る艦娘の場合 :2015/11/04(水)04:04:35 ID:HFa
昔の事だよ。

もう、10年以上前の話だ。

僕がまだ、『普通の』軍隊に所属していた頃の話。
戦争があったんだ。
深海棲艦?違う違う、言ったろう、『普通の』だって。

人間同士の争いだよ。
醜く愚かな諍いだ。

―――まあ、詳細は省くよ。
込み入った話をしてもしょうがないしね。

ある戦地で僕は、民間人の村を殲滅する命令を受けた。

―――大丈夫?もう大体、予想はついたような気がするけれど。
そう。じゃあ、続けるよ。

僕はね、命令に逆らえなかった。
逆らえず、殺した、
皆殺しだよ。

なんであんな命令が下ったのかなんて、もう考えたくもない。
でも、戦時だからね―――ともあれ、僕は村人を全滅させるという命令に従った―――

たった一人の女の子を除いては。
521或る艦娘の場合 :2015/11/04(水)04:12:46 ID:HFa
震える私の手を提督はそっと上から覆う。
私は反射的にその手を振り払いそうになるが、提督の泣きそうな目を見て、されるがままにした。

―――続ける?

私は、頷いた。
聴かねばならない。
最後まで。
事の顛末を。

私が、何故優しくされるのか。
おおよその察しはついたが、それではまだ分からない事がある。

―――私は何故この鎮守府に着任した?

それについても、おいおい話していくよ。
提督は苦渋を顔に滲ませながら言った。

僕が村を全滅させるという命令を遂行した―――
したと思っていたその直後、たまたま村にいなかった女の子がいたんだ。
お使い?お出かけ?理由は分からないけれど、とにかく難を逃れた子がね。

それが君だ。
僕が君の両親を殺した現場を君は目の当たりにしていた。
―――勿論、君は発狂した。怒り狂った。
僕が君の両親を殺した現場を目撃したわけだからね。
僕が君を殺さなかった理由?
なんでだろうね。
とにかく僕も混乱していてよく憶えていない。
気付いたら僕は、僕を殴り殺さんばかりに噛み付いてくる君を抱えて
―――逃亡していた。

軍法会議ものだ。

それからはとにかく逃亡生活だ。
いつ軍の追っ手がかかるか分からない、そんな中で僕は君との共同生活を始めた―――

君はもう憶えていないだろうけれど、それはもう嫌われていた。
蛇蝎の如くね。
当たり前だ。
文字通りの、親の仇なんだからね。

―――大丈夫?
そう。

そんな生活がいつまで続くか分からなかったけれど、僕は君の一生だけは何とかして救いたいと思った。
そのためなら自分の全てを犠牲にしてもいいなんて、本気で思っていた。
とんだ自己満足だよね。

でも、そんな自己満足すら、運命は許してくれなかった。
522或る艦娘の場合 :2015/11/04(水)04:19:11 ID:HFa
「久しぶりだな、少佐」

ある日の事だった。
僕の元に、軍からの追っ手がかかった。
いや、この言い方は正確じゃないな。

目的は僕じゃなかったんだから―――

「生きていてくれて嬉しいよ。またお前には活躍してもらわねばならん」

僕は勿論拒んだ。
今更僕に何ができる。

「お前にしか出来ない事があるんだよ―――それと、その娘をこちらに寄越せ」

娘?

彼女との共同生活は長かったが、未だ彼女の警戒心は薄れてはおらず
僕に対する敵愾心は強かった。

とはいえ―――
見ず知らずの、それも軍属風の男が現れて―――

さすがに、怯えていたのだろう。
まだしも、僕のほうを彼女は信頼していたのだろう。

「いや」

行きたくない。

彼女の意思は明白だった。
だが、かつての上官である大佐はお構いなしだった。

「五体満足でなくとも良いと言われているからな。抵抗はためにならんぞ」

恫喝するように彼は、僕と彼女を引き離した。

「なあに、平和になったらまた二人で暮らせばいいさ。
―――いつになるやら、だがね」

大佐は肩を竦めて、僕を取り押さえて言った。
彼女は…君は、連れて行かれた。

何処にって?

僕には分からない、どこかにだ。

僕?
―――僕はこうして、提督になった。
深海棲艦と戦う、『提督』にね。
523或る艦娘の場合 :2015/11/04(水)04:23:28 ID:HFa
これが僕と君の馴れ初め…というには、血生臭い話だったかな。
ごめんね。
ずっと黙っていて。

そう、僕は君の両親の仇で、かつて一緒に暮らしていたんだよ。

君が手足の伸び切るまでは育てて…幸せになって欲しかった。
でも、それも叶わなかった。

君は艦娘にされ、僕は提督にされた。

この再会を僕が喜んだかどうかは、正直分からない。
君の配属時には、懐かしむ想いと、同時に罪悪感で綯い交ぜになったよ。
―――今でもだ。

僕が君に優しくするのは、そういう事だ。
だから僕は君とケッコンなんて出来ないし、君を好きだと言う資格もない―――
今、君が僕を殺したければそうすれば良いとすら思ってる。

規律はいいんだ。

これは提督と艦娘としての僕と君の間柄として話す事じゃなくて、個人的な問題だ。
本来僕が君から受ける罰を先送りにしていただけの事なんだから―――
524或る艦娘の場合 :2015/11/04(水)04:27:08 ID:HFa
「…ずるい」

私はずっと俯いていたが、全てを聞き終えて提督に向き直って、言った。
多分みっともなく顔はぐしゃぐしゃだっただろう。

「そんな事言われて…今更嫌いになったり、殺したいなんて思えないし…
―――そう思うには、提督は優しすぎました」

きっと素直になれなかった当時の私もそう思っていたのだろう。
艦娘にされた後遺症だか何だか知らないが、幸か不幸か私はその記憶をすっぽり失っていた―――

でも、思い出した。
身体が覚えているのだろう。

二人で過ごした日々を。
あの頃の記憶を。

「提督」

私が呼びかけると、彼は複雑な表情をした。
そして私が次に発した言葉で、彼は更に混乱した。

「ケッコンして下さい。私と」
525或る艦娘の場合 :2015/11/04(水)04:31:27 ID:HFa
「…本気で言っているのかい?」

困惑が隠せないようだった。
まあ、そりゃそうだろう。
これまでずっと罪悪感から私に優しくしていた提督だ。
私の親の仇なのだ。
私自身、それを聞かされてこんな言葉が出てくるのも不思議だったが、でも。

私と提督の過ごした日々と、二人の絆は嘘じゃない。
―――私の気持ちも。

だから。

「本気も本気です。ケッコンしてくれなかったら、許さないんだから」

それを言われてしまうと、断れないな。
私のトーンが冗談めかしたものだったからか、提督もやや和んだ様子で言った。

―――待ってて。今、明石さんに言って、指輪を貰ってくるよ。

そうと決めたら即断即決なのがウチの提督のいい所だ。

なんて…それも、私は10年以上前に、知っていたんだ。
なあんだ。

私は―――もうずっとこの人の事を―――

「…提督。あなたにとって私との出会いは哀しいものだったかも知れないけれど」

私はあなたに出会えて、幸せでした。
きっと、これからも。
526或る艦娘の場合 :2015/11/04(水)04:31:46 ID:HFa
以上です。
527名無しさん@おーぷん :2015/11/12(木)01:37:41 ID:QpO
燃料枯渇でバラムツ食う話たのむw
529名無しさん@おーぷん :2016/01/19(火)23:48:52 ID:lEY
最近投稿なくて寂しいので私から短いのをひとつ
530或る男の手記 :2016/01/19(火)23:49:31 ID:lEY

XXXX年X月X日

ついに私の研究が実を結ぶ時が来た。
これを活用すれば、現代の兵器が束になっても敵わない深海凄艦に対抗することも可能だろう。

このシステムは…そうだな、シンクロ型軍艦装備システム(Synchronized Warship Rig System)とでも仮称しておこうか。
以下に、このシステムの概要を記す。

過去に沈んだ軍艦には、その長い艦歴の中で、付喪神のようなものが宿るようになるらしい。
とりわけ、日本においては、数多くの犠牲者を生み、数多くの悲劇が生まれたWWⅡ時代の艦艇には、皮肉にも自我を持つほどに強い付喪神が宿るようだ。

それを具現化し、人体とシンクロさせることで人間サイズのまま軍艦の火力を持たせようとしたのがこのシステムの目的である。
531或る男の手記 :2016/01/19(火)23:51:05 ID:lEY
具現化された付喪神は、人間でも装備できる小さな軍艦のような形状をしている。
これに触れることで、触れた人間の中に、その軍艦の記憶が宿り(以下、これを『シンクロ』と呼称する)、
軍艦と同じように海上を移動し、砲を撃ち、魚雷を発射し、艦載機を発艦させることができるようになるのである。

シンクロに成功すれば、人間一人が軍艦一隻分の戦闘力を獲得できるばかりか、サイズも小さいため修理にかかる資材や時間は圧倒的に少なくて済む。
このシステムは正に、海上戦闘に革命を引き起こす存在だと言えるだろう。

さて、私はこれからこのシステムの被験者の第一号となる。
シンクロによる影響が正しく発現してくれるか、シンクロ自体が成功するのかすら分からないが、
私にもしものことがあった時のために、ここまでの研究過程を以後のページにまとめておく。
願わくは、人類がいつか、平和な海を眺めることができる日が来たらんことを。

P.S.
親愛なる明美へ。
実の娘にこのようなことを言うのは申し訳ないのだが……、ぜひとも、私と同じ道を進んで欲しい。
私がいなくても、明美なら必ずいつか、立派な研究者になってくれると信じているよ。

532或る男の手記 :2016/01/19(火)23:52:16 ID:lEY
***

「―――石、明石」
「ふぇ?」
「全く、いつになっても工廠から戻ってこないから何かと思えば……随分お疲れのようね」
「あら、寝てたのね私。大淀、ありがとう」
「ま、いいけれど。それだけ開発に熱中してくれれば艦隊としてもありがたいから。いい夢でも見れた?」
「うーん、なんか、懐かしい夢だったな。艦の頃の思い出じゃないと思うけど」
「あら、それじゃ、体の方の記憶かもね。珍しい」
「体の方、ねえ…つくづく、艦娘って不思議な存在よね。軍艦が人の体や記憶まで乗っ取って動かすなんて」
「シンクロ型軍艦装備システム、って言うらしいわよ、それ」
「知ってるわよ。開発した石坂彰博士が自ら被験者第一号になったけど、始めた瞬間に血まみれで死んでいた、っていうやつでしょ?
全く、こんな時代になってまで戦争に駆り出されるなんて、余計なことしてくれたわね」
533名無しさん@おーぷん :2016/01/19(火)23:52:43 ID:lEY
以上です。

艦娘が殆ど出てないだって?ははっ、気のせいだよ
534陽炎型の悲劇 :2016/01/30(土)17:03:26 ID:BR9
陽炎「陽炎型は家族と同じよ! みんなで助けあうのは当然よね!!」

黒潮「いきなりどないしたん、まぁ、悪いことちゃうけど…」

陽炎「ということで、ネームシップの私が当然長女よね! 陽炎姉さんって呼びなさい!!」

陽炎「それと、なんか困ったことがあればお姉さんに相談しなさい!」

不知火「またいつものビョーキですね… 放っておきましょう」

天津風「そうね~」



磯風「陽炎! 困ったことがあれば相談に乗ってくれるって本当か?」

陽炎「ええ、もちのロンよ!」

磯風「それと… 陽炎型で協力してくれるとも…」

陽炎「それも当然!」

雪風「なんか嫌な予感がするんですが…」

磯風「そうか、助かった… それでな」

陽炎「なになに?」

磯風「食生活が偏りがちな提督の為に管理栄養士を取ろうと思うのだが、受験資格を満たすために陽炎型の皆で協力してほしいのだ。一応、実務経験は3年だな」

陽炎「……えっ」

陽炎型(除く陽炎・磯風)「ギャァー!∑(ll゚Д゚ノ)ノ」

磯風「いや、持つべきものは同型艦のしまいだな! 助かった!! じゃぁ、ちょっと手続きに行ってくるから」

陽炎「ちょ、ちょっっまっ…!!」

舞風「突風のように行っちゃった…」

陽炎「………………」

陽炎型(除く陽炎・磯風)「(#`д´)ナニヤッツトンジャァ!ボケェ!!」
535陽炎型の悲劇 :2016/01/30(土)17:03:49 ID:BR9
陽炎「あ、あは… あははは…」

浦風「あはは… ちゃうわボケェ!! 何やってくれとんじゃワリャア!!!!」

陽炎「堪忍してーーー!! こんなの予想できなかったのよーーー!!」

谷風「谷風さんたちを殺す気かな?かな? 陽炎さんは?」

初風「天国の妙高お姉さん… わたし、もうすぐそっちに行きます…(遠い目)」

浜風「司令… 長い間お世話になりました… 浜風は… もう駄目です…」

野分「舞風… 地獄まで一緒よ…」

舞風「野分… もちろんだよ…」

萩風「短い人生だったな…」

嵐「おら、秋雲! 何逃げようとしてるんだ!!」

秋雲「この制服見えないの! 私は夕雲型よ!!!」

嵐「お前は陽炎型だろうが!!」

不知火「とりあえず、陽炎の落ち度ですね… 今回は…」

黒潮「これはお仕置きやなぁ…」

陽炎「ひっ!?」

浦風「提督さんにお仕置き頼もうか?」

陽炎「止めてぇ!! アレされると三日は足腰が立たなくなるのよ!?」
536名無しさん@おーぷん :2016/01/30(土)17:04:07 ID:BR9
短いですが、以上です
537名無しさん@おーぷん :2016/03/23(水)22:51:34 ID:4Lt
おいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
4-4ボス前10連続でそれるじゃねええかよおおおおおおおおおお

これほんとにらんだむなのかよおおおおおおおおお
538名無しさん@おーぷん :2016/04/18(月)20:36:08 ID:sWk
>>536
乙でした
お仕置き……気になります……
539名無しさん@おーぷん :2016/04/29(金)19:10:42 ID:ssQ
タイトル「提督が艦娘たちとブラを買いに行くだけの話」

 ランジェリーショップというのをご存じだろうか?
 その名の通り、ランジェリー、すなわち下着を売る店のことである。
万人がランジェリーショップと聞けばまず女性用下着専門店を思い浮かべるであろう。
男性用のランジェリーショップもなくはないらしいが、その場合はメンズランジェリーショップ、と言うそうだ。男女不平等ここに極まれり、だろう。
 さて、件のランジェリーショップであるが、男性諸君においてはまさしく魔窟と言うべき場所であろう。
まず、入るのに抵抗がある。例え夫婦やカップルであったとしても、男性陣は入店することに拒否感を示すのではないだろうか?
 ましてや成人男性一人で入るとなると、最早罰ゲームの領域である。
 鼻から熱々のミートボーススパゲティを啜るか、一人でランジェリーショップに出向いて女性ものの下着を買ってくるか。
罰ゲームとしてその二択を迫られたのならば、自分は間違いなく前者を選ぶであろう。それぐらいに嫌なのである。

「おー、ここがランジェリーショップかぁー」
「? てーとくさん、ここにご用事?」
「う、うぅ……」

 それを踏まえた上で、現状を確認しよう。
 自分はとある鎮守府で提督をしている成人男性である。日夜、艦娘と呼ばれる女の子たちと共に深海棲艦と呼ばれる化物たちと戦っている身分だ。
本日は休日。普段であれば現在ヒトマルマルマルであっても、布団の中で微睡んでいるだろう。
 しかし、今の自分は外出着姿で、三名の艦娘たちと共にランジェリーショップの前にいる。
 自分の右隣には純粋無垢とも言える顔をこちらに向ける白露型駆逐艦、夕立。
その外出姿は黒色のジャケットに赤地に黒白のチェック柄ロングシャツ、薄い紺色膝上スカート、濃茶色のブーツ姿である。
 夕立の更に右には夕雲型駆逐艦長波が、その可愛らしくも整った顔の顎に手を当てて、ランジェリーショップを興味深く見つめている。
薄手のメープル色をしたコートに、白の長袖シャツ。その襟元には藍色リボンが蝶結びされている。
下は膝上まである青色ジーンズのハーフパンツと黒色のつま先低ヒールの靴の姿は中々にカジュアルだ。
 そして、自分の左隣にて、こちらの袖口を掴むのは綾波型駆逐艦、潮だ。目の前にあるランジェリーショップを前に、今にも泣きそうな顔をしている。
内心、泣きたいのは自分のほうである。
 彼女は藍色の長袖ボレロコートにクリーム色のシャツ。膝下どころか足首付近まであるベージュ色のロングスカート。
一見地味ではあるが靴は白色のストラップシューズ、腰に付けた可愛らしいピンク兎のワッペンと、彼女なりのお洒落が見て取れる。

「さぁー、提督、入ってみよーぜ」
「?? この店に入るっぽい?」
「ほ、本当に、入るんですかぁ……?」

 意気揚々と店に入ろうとする長波。未だに状況が分かっていない夕立。突けば涙が零れ落ちそうな潮。
この三人を引き連れて、何故自分がランジェリーショップに来たのか?
 一見姿性格がバラバラな彼女たちにはある共通点があり、その共通点故に、こうして貴重な休日を彼女たちのために費やすこととなったのだ。
彼女たちの共通点、それは……全員が全員、普段からブラジャーを付けるのを嫌がる艦娘なのである。
 事の発端は今より二日ほど前、我が鎮守府の提督執務室より始まったのだ。


以上、思いつき書き殴り設定ガン無視駄文。誰かこんな感じのSS書いて下さい! 何でも島風!
540名無しさん@おーぷん :2016/04/29(金)22:23:49 ID:B5J
>>539
言い出しっぺの法則というものがあってだな
541忍法帖【Lv=19,だいまじん,C4Z】 :2016/05/11(水)22:22:57 ID:wNS
すんません、めちゃくちゃ超短編の鳳翔さんSS投入します、多分1レスで終わります

思い付き&深く設定を練っていないのでグダグダです


それでもよろしければ
542名無しさん@おーぷん :2016/05/11(水)22:30:10 ID:wNS
タイトル「初めてのお使い」

こんにちは、鳳翔です。今日は二人でお店の準備中です
後一人?後一人は弥生ちゃんです
私がある日お店の外を掃除していたら、お手伝いしたいと言ってくれたんです
弥生「鳳翔さん、お店の中も掃除終わりました...」
鳳翔「早かったですね。じゃあ次はおつかい、お願いしてもいいかな?」
弥生「おつかいに...いいけど」
鳳翔「ふふ、ありがとう。じゃあ買って欲しい物はここに書いてあるから間違えないようにね?」
弥生「わかった...弥生頑張る...」
相変わらず表情は硬いままだけど、どこか誇らしげで目を輝かせているようにも見える弥生ちゃん
弥生「それじゃ...行ってきます...」
鳳翔「気を付けてくださいねー」
さて、私も後からこっそりついて行って様子見ようかしら
バレないようにバレないように...
~繁華街~
弥生「凄い...人...」
弥生「えっと...鳳翔さんから頼まれたのは...」
あら、凄い人混み...大丈夫かしら?弥生ちゃん。
弥生「あ、あの...これ、ください...」
今は八百屋さんに居ます、でも周りの人達の声にかき消されて弥生ちゃんの声が聞こえてないみたい
弥生「すみま...せん...あの...」
あぁ、瞬く間に涙目になっちゃった...どうしようかしら...
弥生「弥生...頑張る...す、すみませぇん!」
どうしようかと悩んでいたら唐突に弥生ちゃんの声が聞こえ、視線を向けると涙を堪えながら弥生ちゃんなりの大きな声を出す姿が目に入った
店主「お、お嬢ちゃん一人でお使いかい?偉いねぇ!何がいるのかな?」
弥生ちゃんの声に気がついた店主さんが弥生ちゃんの姿を見ると大きな手でがしがしと頭を撫でる
弥生ちゃんも嫌がる様子もなく俯いたまま私が渡したメモ帳を見せる
遠目からでもわかるほどくしゃくしゃになったそれは弥生ちゃんの頑張りを示していた
その後八百屋さんで自信を付けたのか他の店ではそつなくおつかいを済ませていく
見る見るうちに弥生ちゃんの両手が買い物袋で塞がっていく
決して多い量ではないのだけど小さな弥生ちゃんではちょっと多かったみたい
それでも弱音を吐く事もなく一生懸命なその姿を見るとなんだかとても愛おしく思える
母親の気持ちってこんな感じなのかしら...
さて、そろそろ帰っておかないと
~居酒屋鳳翔~
弥生「ただいま...おつかい終わりました...」
ところどころ傷が出来ている所を見ると帰ってくる途中で転んだのかもしれない、よくよく見ると目尻にもうっすら涙の跡が残っている
それでも私に精一杯の笑顔を見せて買い物袋を渡してくれる
その中身を見ると弥生ちゃんの頑張りが伝わってくる
ちょっと傷の入った食材、ところどころ変形したケース...
それら全てを眺めていたら気がつくと私は弥生ちゃんを抱きしめていた
弥生「鳳翔...さん...?」
戸惑いと照れの混じった声色で私の腕の中でどぎまぎしている弥生ちゃん
鳳翔「おつかい、お疲れ様です。今日は弥生ちゃんの為に腕によりをかけて美味しいご飯作るからね?弥生ちゃん食べたいのある?」
弥生「うーん...特にないかな...鳳翔さんのご飯全部凄く美味しいから...」
鳳翔「ふふ、ありがとう。それじゃ汗もかいたことだし先にお風呂に行ってきてくださいね。美味しいご飯作っちゃうから」
微笑みながらそう話すとにこりと小さく微笑みドックへと向かって行った
さあ、今日は何を作ろうかしら
私のご褒美は皆が美味しいと言ってくれるその言葉だから...
543忍法帖【Lv=20,だいまじん,C4Z】 :2016/05/16(月)14:23:07 ID:tIp
貴方と貴方の為の私



鳳翔「提督、お茶をどうぞ」
私は鳳翔と言います。この鎮守府では最古参の一部でもあります
提督と長年連れ添ってきふた、秘書艦でもあります
本日もこうして秘書艦の職務を全うしています
提督「あ、ありがとう。鳳翔さんの入れるお茶は本当に落ち着く」
鳳翔「まだ「さん」付けは取れないんですね」
悪戯っぽく微笑んで見せると提督はバツの悪そうな顔をし、慣れないんだよなぁ...と呟く
提督「あ、そうだ。今日ちょっと出掛けるからさ鳳翔さんも休んでていいよ」
ここ最近提督は定刻になると決まって外出をする、どこに行ってるのだろう、何をしてるのだろう、どこで何を誰といつどこで私以外の女の人と...
提督「おーい、聞いてるかー?」
気が付くと提督の顔が真近にあった、不意の出来事に思わず顔を赤くしてしまう
鳳翔「は、はい...お出かけですよね?わかりました」
すると提督はあっという間に姿を消してしまった、私という者がここに居ると言うのに..それからしばらく一人になる。無音が支配する部屋、遠くからは駆逐艦の子達の演習に励む声が聞こえる
鳳翔「あの人はどこで何をしてるのかしら...」窓辺にもたれかかりながら物思いに耽る、思えば私はいつからか提督の事ばかりを考えている、寝ても覚めても思い浮かぶのはあの人の笑顔、あの人の側に私だけがいたいという抱いてはいけない感情
あの人は私だけの者じゃない、この鎮守府全ての艦娘のための人。そんなことはわかっている、わかってはいるけど吹き上がった感情を抑え切れない
どうしたら、あの人を私が独占できる?どうしたら私だけを見てもらえる?どうしたらどうしたらどうしたら...きっとあの時の私は酷い表情をしていたのだろう、歪に歪んでしまった愛情のように...
気が付くと私は電気も点けず自室にいた。周りも真っ暗いつからこうしていたのかわからない、遠くから聞き慣れた愛しい人の声が聞こえる、どこか楽しげな声、外出先で楽しい事があったのだろうか
提督「ただいまー、何か異常はなかったかなー?」異様に楽しそうな声の正体はどうも酔っ払っていたようだ
鳳翔「お酒でも飲まれたんですか?水いります?」お手本のようなセリフを羅列しながら水を出すそれを受け取る提督、その次の瞬間ゆっくりと提督の体が横たわる、規則正しい寝息が聞こえる、帰って気が抜けたのか寝てしまったようだ
無防備なその姿を見ると抑えていた黒い感情が吹き上がるのを自覚してしまった、最早私には理性はなかった...

提督「う、...ん...」もぞもぞと提督が動き出す見慣れない周囲の雰囲気に戸惑いを隠せないよう
鳳翔「あ、目が覚めましたか?お加減はどうですか?」私は提督の寝ているベッドの隅に腰をかけ提督の表情を伺う、戸惑いと焦り、だが酔いが覚めてきだしここが私の部屋だと知ると緊張を解いた。そう、ここが私の部屋...いいえ、正確には今日から私と提督だけの部屋
提督「あちゃー、鳳翔さんに迷惑かけちゃったか、ごめんごめん」起き上がり頭をかく提督
鳳翔「いいんですよ、提督。もう私だけが貴方の側にいるのですから」
にこりといつもの微笑みを浮かべる私、提督も流石に異変に気がついたのか表情を強ばらせる
鳳翔「提督?どうしてそんな表情をされてるんですか?私はこんなに貴方の事を愛しているのに、私は貴方だけが居れば何もいらないのに、どうしてそんな表情をするの?ねぇ、どうして?」
止まらない、止まらない、貴方への思いが吹き上がり口を突いて出てくる、ああそんな顔も愛しい
提督「あ、あの...鳳翔さん...?」私の言葉に気圧されたのかじりじりと後ずさりを開始する提督それに合わせて私も距離を詰める
鳳翔「貴方が悪いのよ...さん付けは止めてと何度も何度も言ったのに...その度に私がどんな思いをしていたかわかる...?」
提督「え、あ、いや、その...」
鳳翔「何?何か言い訳があるの?他の子達には呼び捨てだったりしますよね?なのになんで私だけ...寂しいんですよ?他人行儀な感じがして」
気が付くと私は涙を流していた、何故だろう悲しい訳じゃないのに...壁に追い詰められ提督が動けなくなる、私は顔を近付ける
鳳翔「ねぇ、提督?何か言って?私は貴方が好き大好き...ううん、愛してる独り占めしたい。ねぇ、いいでしょ?」
どんどん吹き上がる黒い感情に身を任せていく私、すると提督のスボンから小さなケースが落ちた、白く小さなリボンが添えられた可愛いらしい如何にも女の子が好みそうな箱
鳳翔「提督、これは...?」
544忍法帖【Lv=20,だいまじん,C4Z】 :2016/05/16(月)14:25:22 ID:tIp

鳳翔「提督、これは...?」
拾い上げてマジマジと見る、ああ...これは一度だけ見た事がある。提督と艦娘が特別な関係を交わす際に必要な指輪だ
鳳翔「...そんな...」あまりの衝撃にへたりこんでしまった私、もう既に提督の目には私は入っていなかったと言うの...ポロポロと零れる涙を拭う事もせず静かに涙を流す
提督「......鳳翔さん、いや、鳳翔」
唐突な呼び方の変化に思わず体を震わせる私、あぁ...こんな私に退任命令かしら...そうよねあんな事をした私だもの...自虐的な考えのまま提督の次の言葉を待つその僅かな時間がやけに長く感じる
提督「鳳翔、こんなタイミングになってしまったけど...これ受け取ってくれるかい?」 そう言うとその箱を私に渡す提督、予想だにしない事に思考が固まってしまう
鳳翔「え、あのこれってまさか...」
提督「そう、まだ(仮)だけどいつかは鳳翔と二人で暮らせる日まではこれで、ね」嬉しさのあまり涙がとめどなく溢れる、全くこの人は...意地悪もしたくなったけどそれどころじゃなかった、でもそんなあの人が大好き
鳳翔「はい、喜んで」
545名無しさん@おーぷん :2016/06/04(土)22:00:54 ID:gtT
タイトル「提督が大淀に敵わない話」

 軽巡洋艦大淀。
 連合艦隊旗艦特化設計の艤装を持ち、最新鋭の装備である艦隊司令部施設を持つ優秀な艦娘。
 我が鎮守府発足当初から大本営と鎮守府とを繋ぐ重要な役割を担い、彼女が大本営より受けた任務をこちらに伝え、我々はそれをこなし、鎮守府を運営していく。今や、というよりもこれまでもこれからも鎮守府には必要不可欠な存在と言えるだろう。
 頭脳明晰。容姿端麗。少しお茶目なところも時折見せる正に完璧超人。大淀の彼氏となる者はさぞや幸せ者であり、さぞやその完璧っぷりに頭を悩ませることとなるだろう。
 しかし、そんな彼女には重大な欠点がある。
546名無しさん@おーぷん :2016/06/04(土)22:02:12 ID:gtT

「さて、今日も仕事が終わったな。大本営に報告して、さっさと寝るか」

 夜も更けて日付が変わった鎮守府、執務室。大規模作戦も終わり、久々に書類整理に追われた一日もこれで終わりだ。行儀は悪いが食事も仕事中に終わらせたので、大本営に本日の任務達成状況を報告し、風呂に入って寝るだけだ。
547名無しさん@おーぷん :2016/06/04(土)22:03:48 ID:gtT
……ん~、流石に何度もエラー出されると、萎えるなぁ
いや、書きすぎなんだけれども…仕方がないので続きは渋に置いておきます
548名無しさん@おーぷん :2016/06/18(土)14:58:53 ID:y29
なんだこの気持ち悪いSSは
549名無しさん@おーぷん :2016/06/20(月)03:23:19 ID:C4E
こっちが調子悪かったら、SS速報VIPの艦これ投稿スレに置いてもいいんだぜ!
550名無しさん@おーぷん :2016/12/30(金)13:16:56 ID:CbP
超お久しぶりです、うち天ダラ語りの人です~
約2年ぶりですが新作SSできたので置いていきます
例によって虫歯ネタ注意、あと今回天龍ちゃん出番なしの模様

うちの天龍ちゃんとかが日常とか設定とかダラダラ語る話(P)・1 〜Fraulein, werden Sie meine Eugenol!〜
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=7639842

551名無しさん@おーぷん :2017/01/23(月)20:57:04 ID:AuF
初SSです。
いろいろツッコミがあるかもしれませんが、
よろしくお願い致します。
552名無しさん@おーぷん :2017/01/23(月)22:00:00 ID:AuF
コンコン
静まり返った病室に、ノックの音が鳴り響く。

加賀「加賀です 赤城さん、果物をお持ちしました」
赤城「はいどうぞ、加賀さん」
加賀「失礼します」

一人用の病室には少し広いくらいの部屋に、1人黒髪の女性が、ベットの上で背を伸ばしていた。

加賀「身体の具合はいいかがですか?赤城さん」
赤城「えぇ 加賀さんが毎日来てくるれるから、このとおり…ばっちりよ!」
加賀「そうですか…」

そう言いつつ、サイドテールの彼女、加賀顔には微笑みが溢れていた。

赤城「ふふっ 加賀さん、嬉しそうですね」
加賀「当然のことです あなたと海に出て空に艦載機を飛ばすことが再び出来ることに、これ以上の幸せはありません」

微笑みながら、加賀は赤城のために林檎の皮を剥いていた。

赤城「私も同じよ加賀さん 今からでも海に」
加賀「気持ちはわかりますが、今日はゆっくり休んで下さい
明日からまた、忙しくなりますから」
赤城「ステビア海中枢海域に、未だ現在の敵機動部隊ね…なんとしても進行を食い止めないと…」

加賀「いえ、"あなた"にはその必要はありませんよ」
そう言うと、林檎の皮をを剥いていた加賀の手は止まった。

加賀「"あなた"にはしばらく横浜にある、造船所に勤めることになっていますから」

2人の間に時間でも止まったかのような、空気が流れる。
しばらくして、赤城が固まった表情から口を動かした。

赤城「あぁ…横浜に私の艤装がある…ってことかしら?確かにあの時は、沖ノ鳥から帰投中で…」
加賀「赤城さん あなたの艤装はここにありますよ そしてほかの所にも寄港せずにそのまま鎮守府に帰投した…覚えてますか?」

あの日、沖ノ鳥海域に潜むヲ級を中心とした敵艦隊を撃破後、作戦完了…と誰もが安堵した瞬間…
赤城は、どこら飛んできのか、敵新型艦載機の不意打ちをモロに受け大破炎上した。
噴進機…まさか深海棲艦にも扱えるとは、予測することは難しかっただろう。艤装が燃えて、身体の至るところから自分の名にもある赤い血が、溢れ出ているのにも関わらず、身体が冷えていく感覚だけはハッキリと覚えていた。

赤城「ごめんなさい…あまり覚えてないわ…」
加賀「いえ、別に責めてる訳ではありません 」
赤城「どうして、私が横浜に?」
加賀「…修復できないんですよ "あなた"の艤装は」
553名無しさん@おーぷん :2017/01/23(月)22:02:30 ID:AuF
工廠には、工作艦の明石、それに加えて熟練の工作員の妖精や人がいる。艦娘の艤装が修復不可能な例は今まで1度もなかったのである。
赤城「明石さんや工作員の人達…でも治せない…理解出来ないわ…」
加賀「それには私も同感です。高速修復剤…建造剤や開発資材…あらゆることを試してみたわ…それでも不可能だった…」
赤城「ではなぜ横浜に?」
加賀「私にも…よくわかりません なんでも横浜に行けば赤城さんの艤装が修復出来る…と提督からの提案です」
赤城「…提督からの提案ならば仕方ありませんね…」
加賀「納得して頂いて結構です 横浜にはすでに話は付いています 向こうの人達と上手くやってください 赤城さんなら出来るはずです」
赤城「ええ、 わかったわ加賀さん どうもありがとう」
加賀「こちらこそ、赤城さん…(横浜には"私"と"あなた"について誰よりも詳しい人がいるのだから…)」

心なかで思いいつつ、加賀は一昨日のことを思い出した…
554名無しさん@おーぷん :2017/01/23(月)22:04:24 ID:AuF
こんな感じです。ありがとうございました。
続く…とは思いますので、いろいろとお願いします。
555名無しさん@おーぷん :2017/01/29(日)14:34:15 ID:cId
>>554
おつです
横浜には一体何が…
556名無しさん@おーぷん :2017/01/31(火)08:06:54 ID:TqJ
>>555
感想ありがとうございます
今日の夜くらいに続き書こうと思います
557名無しさん@おーぷん :2017/02/01(水)01:29:40 ID:fqy
続きです

一昨日 夜
提督「…っと、よし!明石!動かしてくれ!」
明石「了解です!お願いだから動いて…よ!」ガシャン

時計の針は既に午後11時を過ぎているのにも関わらず、工廠の明かりは消えていなかった。艦隊業務時間はとっくに越えているが、今日も工廠は、賑やかっだった。

ウォン…ヒュォォォォ…
明石「う、動いた…!やった…」
長門「いや、良く見ろ 脚部から火が出てるぞ」
明石「え……うわぁ!や、やばい!ストップ!ストップ!」ガシャンガシャン
吹雪「た、大変です!バケツ、バケツをはやく!」
漣「ポンプ使ったほうが、早くないっすか」ブシャァァ
提督「危うく工廠ごと吹っ飛ぶとこだった…ホッ」

漣の素早い対応により工廠が火だるまになるとこをなんとか防いだものの、彼等の顔には赤疲労のマークが点滅していた

明石「これで380回目の失敗…」
長門「さすがの私でも、これには骨が折れるな…もはやここまでか…」
吹雪「長門さんが、弱音を吐くなんて…」
漣「こりゃ、明日はブッキーが振りますねw」
提督「冗談言ってる場合か…明後日の作戦、赤城抜きは流石にきついぞ…」

彼等が横たわってる近くに、航空甲板を持つ艤装が設置されている。さきほどまで火を吹いていたこの艤装こそが赤城の艤装である。四日前、大破炎上した赤城の艤装を2日かけて修復、その後動作確認で始動はするも、どうしても動かない状態が3日目も続いているのであった。

瑞鶴「艦載機の整備終わったよ…ってやっぱりまだやってる感じ?」
翔鶴「皆さん、遅くまでご苦労様です 温かい飲み物と、御絞り用意しますね」

後ろから第五航空戦隊の中核を担う、翔鶴、瑞鶴の二人が声を掛けてきた。二人とも自前の艦載機の整備をしていたようだ。

提督「あー、悪いな お前達も遅くまで悪いな こっちの事で手いっぱいいっぱいだもんで」
瑞鶴「もともと艦載機の整備は私達の仕事だし てか提督さんこそここ最近執務室いってないんじゃないの?ちょっと臭うし」
長門「工廠に籠りっきりの提督なんて、どこを探してもお前しかいないだろうが」
明石「私も工廠籠りっきりですけど…さすがに毎日お風呂には入りますよ」
558名無しさん@おーぷん :2017/02/01(水)02:00:47 ID:fqy
提督「別にいいだろ…元は技術屋なんだからさ 机に座って書類の山なんて俺には似合わないっての」
漣「まあ、見た目は町工場のオッサンに見てますしw」
吹雪「あはは…(漣ちゃん、ほんとタフだなぁ…)」
長門「それより、どうする?このままお蔵入りでもするか?それとも設計者に来てもらうか、何かしろ手を打たないと時間だけが過ぎるぞ」
翔鶴「設計者…つまり、大本営に届け出を出すってことですよね?」
瑞鶴「本部かぁ…運営経由でなんとか出来ないの?あの頭でっかちのスカポンタンな連中、来て欲しくないんだよねぇ 加賀さんのほうがよっぽどマシだよ」
加賀「私が、頭でっかちの…何かしら?」
瑞鶴「うわっ、出た!」
翔鶴「こら!瑞鶴!加賀さん、申し訳ありません!」
加賀「別に、気にしてないわ それより…」

こんな夜遅くに運動でもしたのだろうか。加賀の服装は運動着姿で少し汗を掻いている。すこし、間を置くと加賀は赤城の艤装と疲れきった彼らを見つめた。

加賀「夜遅くまで、お務め ご苦労様です ここまで動いてくれるとは思っていなかったわ」
明石「皆さんをサポートするのは当然ですよ、私に治せないものはなんて…ありますね…そこに」
提督「いや、しっかし どうしたもんかねー 明石でも俺でも熟練の整備妖精さんでダメ、修復剤に建造剤…ありとあらゆることを試してもこの有様だ こりゃマジで本部行きかもな…あーくそ、自分の技量不足に腹が立つぜ」
加賀「自分を責めないでください ここ3日間わたしもあなた達に協力できなくてごめんなさいね でも、何もしてなかったわけではないわ」
吹雪「何か考えがあるんですか?」
提督「言ってみてくれ、この際なんでもいい 赤城と一番長く居るのはお前だ この状況を変えられるかもしれん」
加賀「そうですね 赤城さんと一番長く居るのは紛れも無くわたしです しかし…彼女ことを一番に理解してるわけではありません」
長門「加賀の口から赤城を一番に理解しているわけではないと聴くとは…」

長門の言葉に軽く頷いてから、少し間を置いてから加賀は話した

加賀「そう、わたしは知っています 赤城さんのことを一番理解している人物を…彼女の性格や艤装…わたしの知らないことまでその人は知っていますよ」
559名無しさん@おーぷん :2017/02/01(水)02:28:11 ID:fqy
長門「…!まさか、彼女とお前の…!」
提督「いや…いいのか?加賀 赤城が…下手をすれば艦娘として戻らなくなる可能性もあるんだぞ」
加賀「仮に赤城さんの艤装がここで治ったとしても、今の赤城さんが海に出ることは難しいでしょう わたしは彼女の部屋からある日記を見つけました その中に書いてあったんですよ あま」
漣「とりあえず、その人のところに向かうってことでいいですね?横浜急行ってやつで」
加賀「あなたの言う通りよ ありがとう」

そう言うと加賀は漣の頭を優しく撫でた。本当に疲労が溜まっていたのか、漣はキタコレッ!と叫びながら「ちょっとコンビニ行ってくるwww」といい、その場から去って言った

提督「…わかった 明後日を持って赤城を一時的ではあるが、横浜の造船所へ異動とする 加賀…話は…つけてあるんだよな?」
加賀「えぇ…あの娘が二つ返事で返してくれたわ 私と違って素直になってくれて よかったわ」
瑞鶴「えーと…話がよくわからないんだけど…とりあえず赤城さんはしばらくお休みってこと?」
翔鶴「話の流れ的に、そうみたいね…明後日発動予定のステビア海…赤城さんの代わりに私を編入させて頂けないでしょうか?」
提督「そうだな…うん、俺は構わんよ 加賀は?」
加賀「そうね…丁度あなた達がどれ程腕を上げたか見たかったところ…いいわ、赤城さんの後輩なら出来るはずよ 頑張りなさい」
翔鶴「は、はい!」
瑞鶴「へぇー加賀さん 翔鶴ねぇにはちゃんと褒めるんだ」
加賀「いつも満身創痍のあなたと違って姉は素直よ」
瑞鶴「グググ…」
明石「それより、そろそろ寝ましょうよ…もう日付変わりましたよ…フワァ…」
吹雪「あ、私片付け手伝いますよ」
提督「皆でやろうぜ、その方が早い」

そう言うと、疲れきって重い体をなんとか起こしながら、彼らは片付けを始めた。

長門「加賀…横浜に顔を出す予定は?」
加賀「そうね…しばらくはないと思うわ」
長門「そうか…なら、今度あった時によろしく伝えてくれ 彼女と…お前の"妹"に」
加賀「…わかったわ あなたにも、色々気を使わてしまったわね」
長門「いや…気にするな…ちょっとした自己満足だ」

そういとう長門は大きめのゴミを処分するために外へ出て行った。

吹雪「(加賀さんの言っていた、あま…ったなんのことなんだろう…)」

さすがに深夜1時を回りそうなので、吹雪は考え事を辞めて、急いで片付けに付いた。
560名無しさん@おーぷん :2017/02/01(水)02:58:22 ID:fqy
2日後…
横浜のとある造船所

女秘書「社長、本日の予定は以上なりますが…」
女社長「ん…全部キャンセル」
女秘書「わかりました 全てキャンセルと担当に伝えておきます」

横浜にあるとある造船所の社長室にスーツ姿のスレンダーな女性と車椅子に座った綺麗な女性が朝のミーティングを行っている。

女社長「あ、でも今日から来るあの娘に関しては別よ、むしろ当分は彼女のことでこれから忙しくになるから」
女秘書「ええ、そのために予定を全てキャンセルしたんですよね? なんて言ったって、あなたの妹がここに来るんですから "天城"さん」
女社長「オッホン!…私の名前は青城ですよ?間違えないで頂けるかしら?"土佐"ちゃん」
土佐「さすがにちゃん付けは止めてださい 姉さんが居たらなんてうか…」
天城「あなたのお姉さん、顔には出ないけど口に出るタイプだから、結構わかりすいのよね 昔少しからかった時も… 」
土佐「昔話をするために、姉さんを通して赤城さんを呼ぶわけじゃないんですよ それとあんまり名前を出さないようにして下さいね 青城社長」
天城「はいはい、わかりましたよ 土山秘書」
土佐「理解してくれたなら、結構です 」
天城「ふふっ…これから楽しくなりそうね」
土佐「赤城さんにとっては、少々辛いことかもしれませんが…」
天城「何を言ってるのかしら?姉妹の感動の再開を「辛いことかもしれませんが」ですって?失礼しちゃうわ」
土佐「まさか、天城越えを掛けたギャグじゃないですよね…」
天城「何を言ってるのかしら…この娘…(ドン引き)」
土佐「…とにかく、下手なことはしないようにお互い注意しましょう それでは失礼します」バダン!!!
天城「そんなに怒らなくてもいいのに…」
天城「でも、久しぶりね赤城…私は嬉しいわ、またあなたと出会えることを」

青城社長もとい天城は、社長机に飾ってある赤城との写真を引き出しにしまうと、社長室を後にした
561名無しさん@おーぷん :2017/02/01(水)02:59:55 ID:fqy
以上になります…ありがとうございました。
ちゃんとスレのルール守れてるかな…
深夜のテンションで書いたんでかなり雑になってるかもしれませんが、よろしくお願い致します。
562名無しさん@おーぷん :2017/02/07(火)22:26:04 ID:JGC
おつ
青城さんに土山さん…いったい何者なんだ…
563名無しさん@おーぷん :2017/02/23(木)15:35:55 ID:BWU
>>430
切なくて泣いた
564名無しさん@おーぷん :2017/04/04(火)15:43:52 ID:yWd
やばいもらした
565電ちゃん :2017/04/09(日)20:32:57 ID:q1p
書いてる途中だけど少しだけさらしてみる

海の戦争から十一年。人間社会は少し変わっていた。
多くの人が想像していたように、人間の中に艦娘と深海棲艦を認めない団体、積極的に認めようとして逆に迷走している団体、艦娘は認めるが深海棲艦を認めない団体など、様々な反政府勢力が現れた。
当然、艦娘や深海棲艦を狙う犯罪もあったが、簡単な護身術で難なく防ぐことができ、既に人間社会で生きるための人権を与えられていた艦娘と深海棲艦は、裁判でも勝てた。
だがその結果、各団体の争いは一層激しくなる。だがそれもすぐに解決した。
深海棲艦と艦娘は、子どもを産んで育てる者と人間社会で働く者の二つに分かれた。
子どもを産んだ者は、姉妹艦や仲間に助けられながら、細々と暮らしている。
就職先は主に海上保安官や漁師などの海に関係する職業や、人間離れした体力を使った警備、警察、自衛隊などだった。
特に戦艦は重宝された。その頑張りもあってか、戦後五年ほどでテロや暴力事件は減り、人間社会は艦娘と深海棲艦を受け入れ、団体同士の争いもちょっとした口論で終わることが多くなり、反政府団体の解散も目に見えていた。
566電ちゃん :2017/04/09(日)20:33:26 ID:q1p
ただ、それは表面上のこと。世間の裏では未だに艦娘の誘拐未遂や殺人予告の報告がある。艦娘のほうが力が強いので、実行するものは殆どいない。それでも月に一度はある。人間の誘拐に比べれば少ないのかもしれない。
「キョウ。こんなところにいたの?」
 お母さんから聞いた話を港で潮風に吹かれながら思い出していたら、声を掛けられた。振り向くと、銀髪の女の人が立っていた。
「お母さん?」
「もうすぐご飯だよ。電からキョウが遊びに行ったって聞いたから、ここかと思って」
 お母さんは、十一年前に艦娘として深海棲艦と戦っていた元駆逐艦。今はロシア料理店で働いていて、自慢のボルシチで皆の胃袋を満たしている。
「海、見てたの?」
「うん……海は好きなのに、海ってなんか見てると切なくなる」
 お母さんも海を見た。
「私も、海は好きだよ。だけど、海は嫌い」
「……?矛盾してるよ?」
「私自身、よくわからないの」
 お母さんが優しく頭を撫でてきた。お母さんは時々、難しいことを言う。
「さ、ご飯食べよう」
「うん」
 手を繋いで帰る。お母さんの手はちょっと小さくてまるで雪のようにほんのり冷たい。だけど、手を繋ぐと暖かい気持ちになる。
「今日は電達も夜勤じゃないんだって」
「じゃあ、今日は皆揃ってご飯食べれるんだね」
「うん」
567電ちゃん :2017/04/09(日)20:35:35 ID:q1p
お母さんが優しく微笑んだ。私達の家は港の近くにある古いマンションの一階の一番奥。
一階の部屋は全部で5部屋で、他の部屋にはお母さんの姉妹とその娘が住んでいる。
海の戦争で作り出された艦娘。ナノマシンやクローン技術を駆使して、本物の人間を作り、さらに深海棲艦に対抗するための能力を与えられた存在。
人間のように成長するし、生理的現象も起こる。人間よりも可能性は低いけど、子どもも産める。だから子ども以外で艦娘と血が繋がった人はいない。
「キョウ。皆を呼んできてくれる?」
「わかった」
 マンションに着いてすぐにお母さんにそう頼まれた。皆が夜にいるときは、皆うちに集まって食べている。
「えっと……最初は雷さんかな」
 隣の部屋の前でドアをノックして呼びかける。
「雷さん。キョウです」
「あら、帰ったの?」
 すぐに雷さんが出てきた。お母さん達暁型四姉妹の三女、雷さん。茶色い短髪で活発そうな見た目だけど、とても世話好き。姉妹の中で一番の働き者で、こうゆう時も一番先に呼んだほうがいいとお母さんが言っていた。
「お母さんが、うちに集まってって」
「そういえば、今日は皆いるんだっけ。わかったわ。準備してすぐに行く」
 そう言って家の中に戻っていった。いつものように何か一品を持ってくると思う。
「次は……電さん達かな」
568電ちゃん :2017/04/09(日)20:36:21 ID:q1p
 さらに隣の部屋をノックする。ここもすぐにドアが開いた。
「あ、やっぱりキョウちゃんでした」
 出てきたのは電さん。暁型四姉妹の末っ子で一番真面目な人。雷さんと同じ色の髪で、雷さんよりも少し長い。見た目どおりの大人しい人だけど、本気で怒ると錨が飛んでくるらしい。
「キョウちゃん、いつもインターホン押さずにドアをノックしますから、すぐにわかりますよ」
 この人は娘以外、誰に対しても敬語で話している。娘に対しては怒るときに敬語を使わないらしい。
「お母さんが、今日はうちで食べようって」
「そういえば今日は暁ちゃんもいるんでしたね。何か一品簡単なものを作って行きますね」
「あ、キョウちゃん」
 電さんの後ろから女の子が顔を出した。電さんと同じ色の髪を伸ばしている女の子。電さんの一人娘、デンちゃんだ。私と同い年でよく一緒に遊んでいる。
「デンちゃん。今日はうちでご飯だよ」
「本当?皆集まるの?」
「うん」
 デンちゃんは賑やかなのが好きな活発な子で、皆が集まる日はいつも大喜びする。そして何かドジをして電さんに叱られる。
「デンちゃん。いつもみたいにはしゃいだらだめですよ?」
「はーい」
「じゃあ、二人で暁ちゃんを起こしてきてくれますか?きっとまだ寝ているので」
「わかった」
 電さんから合鍵を預かって、最後の一人、暁さんを起こしに行く。
「キョウちゃん、今日も海見てたの?」
 暁さんを起こしに行く途中、デンちゃんと話す。
「うん。なんか一日に一度は海を見ないと落ち着かないの」
「ふうん……なんか素敵だね。私は海を見てもなんとも思わないけど」
「私にもよくわからない。だけど、悲しくて、嬉しくなるの」
「……?難しい事言うね」
「自分でもよくわかってないんだけどね」
569電ちゃん :2017/04/09(日)20:36:43 ID:q1p
 暁さんの部屋に着いた。預かった合鍵でいつものように中に入る。
「暁さん……?」
 声を掛けても返事はない。
「いつも通り寝てるみたいだね」
「うん」
 呆れたようにデンちゃんが言う。私も少し呆れている。部屋の奥に進むと、ちょっと狭い部屋の真ん中に盛り上がった布団が一式あった。暁さんは布団の中で丸くなっているらしい。
「これ、なかなか起きないパターンだね」
「根気よく起こすしかないね」
 デンちゃんが布団をいきなり剥ぎ取る。布団の下からは、ジャージ姿の暁さんが出てきた。身体を限界まで丸くして寝ている。
「暁さん。晩ご飯ですよ」
 デンちゃんが布団を畳んでいる間に私が暁さんの身体を揺さぶって起こす。いつもの役割分担。いつも暁さんはこの後5分ほど抵抗する。
「う~ん……もうちょっと……」
 今日も半分眠りながら抵抗する暁さん。夜間警備の仕事をしているので、この時間は基本的に寝ている。
「早く起きないと、また雷さんに怒られますよー?」
「それは嫌だぁ……」
「じゃあ起きてください」
「……仕方ないわね」
 暁さんがゆくっりと起き上がった。途中から起きていたらしい。
「起きてるなら手間掛けさせないでくださいよ」
「粘ればもう少し練れるかと思ったのよ。悪かったわ」
 もぞもぞと寝間着を脱ぎながら暁さんが答える。寝ぼけている感じはなく、もうしっかりと起きている。
「えーっと…服は……」
 部屋の隅に脱ぎ捨ててある服を見つけて下着姿で服に向かって這っていく。姉妹の中で一番身長が低い暁さんは、身体の起伏も小さい。
「うん。私のほうが勝ってる」
「……言いたいことがあるならはっきりいいなさい」
 布団を畳みながらデンちゃんがポツリと言った言葉を聞き逃さずに暁さんが軽く睨んできた。暁さんの視線は怖い。戦争の時も夜戦で敵を見逃さなかったとお母さんが言っていた。
「なんで私だけこんなに小さいのかしら?姉妹の中で一番レディを目指していたのに」
 暁さんは着替えながら文句を言っている。着替え始めたらもう寝ることはない。
「じゃあ、先に戻ってますね」
 私とデンちゃんは先に戻ることにした。
「ええ。すぐに行くわ」
 暁さんの返事を聞いてから扉を閉める。
「戻って手伝おっか」
「うん」
 暁さんの部屋は私とお母さんの部屋から一番離れている。
「今日のご飯なにかな?」
「カレーだと思おうよ。金曜日だし」
570電ちゃん :2017/04/09(日)20:37:30 ID:q1p
「金曜日は毎週カレーだね。なんでだろう」
「戦争を忘れないためだってお母さんが言ってたよ」
「ふーん。カレーと何の関係があるんだろう」
「さあ?」
 部屋の前に着いた。
「ただいまー。起こしてきたよー」
「ごくろうさま。じゃあこっち手伝ってもらえる?」
 電さんと雷さんは既に来ていた。若干狭い部屋の真ん中にある丸いテーブルの上には出来上がったカレーの入った鍋と電さん特性の漬物が置いてある。そこに6人分のお皿とスプーンと箸、取り皿を置いていく。
「おはよー」
 並べ終わった頃に暁さんが来た。部屋着用のジャージを着ていて、髪には寝癖がついている。
「ちょっと!暁姉ぇ!もっと身嗜みに気を付けてよ!」
 世話焼きの雷さんが早速暁さんを捕まえた。ポケットに入れておいた櫛で暁さんの髪を梳かし始める。
「別に姉妹と子どもしかいないんだしいいじゃない」
「一度は外に出るんだから女として自覚しなさいよ」
 これもいつもの風景。本当は戦争なんてなかったんじゃないかって思えるくらいの、平和な日々。
571電ちゃん :2017/04/09(日)20:37:54 ID:q1p
最終的には人間を殺す予定
572名無しさん@おーぷん :2017/06/11(日)14:10:40 ID:UUu
>>1

未だに正規空母で、たういさんが貧乳なのが納得できない
葛城ちゃんは、機関が機関なので許せる
573名無しさん@おーぷん :2017/06/18(日)23:32:01 ID:nQA
>>561
>>562
お久しぶりです…色々忙しくて時間が空いてしまった…続きになります
574名無しさん@おーぷん :2017/06/19(月)00:17:48 ID:6Rm
吹雪「艤装装着…完了…いつでもいけます!」
朧「こっちも準備完了…秋月は?」
秋月「はい!今日は長10cm砲ちゃんも絶好調みたいです!敵艦載機のことならお任せ下さい!」

瑞鶴「へぇーそれなら、あたしは楽させてもらうかなー」
朧「えぇ、大船に乗ったつもりで任せてください」
翔鶴「ふふ、相変わらずね2人とも」

出撃前は彼女達は以外と気楽である。
一瞬の判断ミスが命を落す危険性がある可能性は決して低くはない。だからこそこのような会話が生まれるのかもしれないが、全員がそういう訳でなかった。

天城「…えと、確か最初に…あれ…?」
加賀「酷く緊張しているようね、あなた」
天城「えっ…はい、申し訳ありません…」
かなり露出の高い装備を纏った茶髪の彼女は天城、
最近配属されたばかりの新人である。最近では敵の制空権争いが激化してるため、空母の配備を急がせたのである。しかし、演習と近海で急激な練度向上は、あまり経験と呼べるものではなかった。

加賀「落ち着きなさい、あなたは今日ここにいるはずの赤城さんの代わり…誇りを持つことね」
天城「赤城さんの…代わりですか…」
長門「加賀、それは彼女に圧を掛けてないか?」
長門「いいえ、赤城さんに指導を受けているんですもの、何も問題ないわ そうよね天城さん」
天城「はい…はい!今日は…えと精一杯頑張りす!」
加賀「えぇ よろしく頼むわ」
長門「どうやら、不要な心配だったようだな さすが年下には慣れているな」
加賀「今日旗艦はあなたでなくって?旗艦が心配症では、艦隊指揮に影響が出ます」
長門「ふん…いいだろう この長門の戦い…しっかりと目に焼き付けておくがいいぞ …よし!出るぞ!!」

扶桑「ふふ、今日も皆さん張り切っているようで…頼もしいわ」
山城「恐らく今回は制空権争いが、これまでより遥かに激しくなるかも知れません…姉様、ご武運を」
扶桑「えぇ、必ず帰ってくるわ 扶桑、いきます」

(提督)「おい!第二艦隊!そろそろ出てくれよ!戦艦二人出ちまったぞ!」

吹雪「あぁ!えと吹雪、いきます!」
朧「いくよ、秋月!」秋月「えぇ、必ず守ります!」
摩耶「ったく、相変わらず元気な奴らだぜ」
鳥海「摩耶、防空艦だからって前に出過ぎないでね
みんなそれぞれ役割があるんだから 」
摩耶「ハッ!アタシが対空しか出来ないとでも?」
鳥海「そう思われたくなかったらってこと、さぁ行きましょう」
摩耶「はいはい、ま、今回も撃墜女王の名はアタシで決まりだけどな!!」

阿武隈「ちょっと!?第二艦隊の旗艦はアタシなんですけどぉ!! 置いてかないでよぉ!!」
瑞鶴「はーい、とっとと出撃しようねー さぁて、1番星を手に入れますか!」
翔鶴「瑞鶴ったら、慢心はダメよ?いい?さぁいくわよ!」

身体は小さいが大きな艤装と人々の希望を背負った彼女達が海へ出ていく。
提督「まぁ、あいつららしいな…さて…こっちはこっちで忙しくなるな…今のうちに寝とくか フワァ~」
だらしの無いアクビから、とても鎮守府の提督かと思えないが、これでも階級は少将であることに驚く人は少なくない
575名無しさん@おーぷん :2017/06/19(月)00:51:14 ID:6Rm
曙「潮、そろそろ準備できたの?早くしてよ」
潮「う、うん出来たよ」
曙「ったく、なんであたしが支援艦隊になんか…」
潮「支援艦隊だって、立派な役割だよ 曙ちゃん」
曙「ふん!どうせ弾打って帰ってくるだけでしょ 基地航空隊にやらせればいいのよ」
漣「いやー相変わらずのデコボココンビですなぁ 胸だけにw」

潮の言う通り、支援艦隊も立派な役割だ。栄光の第一艦隊、ましてや連合艦隊の支援艦隊に入れるだけでも憧れる艦娘だっている。
しかし、曙はそんな役割よりも不満なことがあった
漣が現れてからだ。

曙「アンタなんかに分かるわけないでしょ クソナミ」
潮「曙ちゃん!言い方!」
漣「まぁまぁ、そんなカッかしてもいい事はありやせんぜダンナ」
曙「……アンタいつになったら海に出るのよ」
漣「さぁね?漣のやる気次第?」
曙「そうやってはぐらかすの楽しわけ?ありえないから」
潮「曙ちゃん…漣ちゃんも提督もだれも…誰も悪くなんか…」
曙「そうやって甘やかすから!コイツも!クソ提督も!……そろそろいくわ」
漣「曙!……行ってらっしゃい」
曙「ふん…バカナミが……うん、行ってくる」
漣「潮も、気をつけてね…曙を頼むね、漣みたいになってほしくないから」
潮「うん…ありがとう 行ってくるね」

漣は彼女たちがまたここに帰ってくると信じて、彼女達を見送った。それが彼女が今しか出来ない事の1つだった。
提督「すまんな…いつも」
漣「なーに、腐ったバナナみたいな顔してるのご主人様」
提督「…いや、赤城が心配だなって」
漣「赤城さんなら大丈夫 あの人は弱い人だから」
提督「弱い人だから、過去を受け入れられるのか?」
漣「ううん、弱い人だから強さ知ってる だから、目の前の壁から目を背けないんだと思う」
提督「それは、自虐ネタか?」
漣「わかってないからこんなこと言える…ってなんてね てか汗臭!風呂入れー!汚主人様!」
提督「へーへー、寝る前にシャワー浴びますよーだ」
提督「(弱い人だから、過去と向き合える…じゃあ俺は…なんで提督なんてやってるんだ…?漣は…?あいつは分かってないからこその言葉だと言った…クソッ…朝から訳が分からねぇな…)」
片手で頭を掻き、もう片方の手で中途半端に生えたヒゲを掻きむしりながら、提督は浴室に向けて足を動かして行った。


ガタンゴトン ガタンゴトン
車内放送「えぇーお降りお客様は足元の~」
赤城「(あと11駅…もう一時間半は乗っている…流石に退屈ね…)」
赤城は横浜に向けて1人電車に乗っていた。
窓際に頬杖を付けながら考え事をした。
赤城「(今回の作戦 天城が入ったと聞いたけど…大丈夫かしら…あの娘の練度は確かに上がったけど、経験に結びつくかと言われたら少し不安ね…)」
赤城「(でも…加賀さんや五航戦の娘達、扶桑さんが付いてるなら、大丈夫かな)」
赤城「(それにしても…どうして天城って引っ掛かるのよね…昔あの娘にあったことなんてあったかしら?…考えても仕方ないわね)」
考えることをやめた赤城は、お手製の弁当を開けて、静かに昼食をとるしかなかった。
576名無しさん@おーぷん :2017/06/19(月)00:58:47 ID:6Rm
短いですが、とりあえずここまでです。
次くらいから赤城さんがメインになります。
更新は…仕事の出来次第です…(泣)
577名無しさん@おーぷん :2017/09/16(土)00:17:12 ID:4ex
>>576
約3ヶ月も空いてしまった…
続きになります(観艦式の準備をしつつ)

車内放送「まもなく横浜、横浜です お出口は右です…」
どのくらい経ったのだろうか。乗車してから今に至るまでしたことはハッキリ覚えている。
今日からの予定を確認して、その後は景色を眺めながら昼食を取った。眠くなったので少し仮眠を取って目が覚めても、まだ着かなかったので読書をした。中盤まで読み終えたところでようやく到着したようだ。

赤城「(横浜…横須賀なら見慣れた景色だけど こっちはあまり来た覚えがないな…)」

電車が駅に停車すると、周りの人々は大群の進撃如く乗り降りを始める。しかし、彼女は大人だった。
大勢の人が一気に動くことに動じることなく、平然と目的地に足を向けた。

赤城「(えっと…確か南口に集合よね 担当の方の名前は土山さん…これで"とやま"って読むのね、以外だわ)」

予定表を確認しつつ、南口に向かうとそれらしき人物がいた。
魅力的なポニーテールをし、レディーススーツを完璧に着こなした女性が、こっちを見て話しかけてきた。

土山「あなたが…赤城さんですね?」
赤城「はい、今日からのお世話になります"赤城"と申します よろしくお願い致します」
土山「こちらこそよろしくお願い致します 申し遅れました 私、青城造船所の社長秘書を務めています "土山"と申します、この度は…」

堅苦しい挨拶が少し続く。普段は規律や態度に厳しい一面を持つ赤城だったが、長旅の疲れか少し顔に出てしまった。

土山「失礼、少し時間をとってしまったようですね 車を用意してあります こちらです」

駅の出口から出てくる光が今日も眩しい。
日の光を浴びながら赤城は
赤城「(これから、忙しくなりそうね…でも、命懸けで戦ってるみんなに比べればこれくらい…)」
と、熱い想いを胸に納め、土山の待つ車へと向かった。

大きなビルが建ち並ぶ町並みを黒い車で駆け抜けながら、赤城と土山は造船所に向かっていた。車の中でお互いに今後の予定についてや自分のことを話していた。

赤城「と、私の所属している鎮守府にそんな人がいるんです」

土山「意外と照れ屋さんなんですね、その方と是非お会いしたいもの…と言いたいですが 軍人ではない一般の私たちには遠い話でしたね…」

赤城「いつか…いつかはお役目を終える時が必ず訪れます その時は彼女も一緒に」

土山「お気遣いありがとうございます…あっ、あの赤レンガを見てください あそこが造船所です」

赤城の気が少し変わる。今日からの始まる戦いの場所が徐々に近づいてる。明日の自分、明後日の自分…少しでも早く鎮守府に戻ることを考えていた赤城だが、窓を見た瞬間そんな思いがどこかへ吹き飛んでしまった。

赤城「(造船所…?船を作るためのドッグ、それにクレーンもない…?おかしいわ、ここは大型の船舶を主に扱っているところのはず…なのに、どうして…)」

頭の中でなにかが来そうな感じがしたが、これだけはハッキリした。
今日から始まる新たな戦は、まったくの予測のつかない戦になると。
578名無しさん@おーぷん :2017/09/18(月)19:20:28 ID:Rpx
>>577
続きになります観艦式最高に楽しかったです(小並感)

土山「さぁ、着きましたよ 荷物は部下が運びますので貴重品だけ持ってきて下さい」

ここの造船所には(当然だが)守衛所もあり、
ところどころ監視カメラもある。そこまで気にする必要は無いのでは?と思った赤城だが、
素直に社長秘書の言葉に従うことにした。
やはりのこの造船所には、ドックやクレーン等の船を建造、整備したりする設備がある様子には見えない。大きな敷地内に赤レンガの建物が四つ、均等に並べられているだけである。
強いて言うなら一つだけ、他の建物の4…5倍以上の大きさを誇ることくらいだが

赤城「あの建物だけかなり大きい見たいですけど、あそこには何があるんですか?」
土山「それについては、後ほど社長の方から説明があります そうですね…強いて言うなら…"あなた"のために作られたと言っておきましょうか」
赤城「私のため…ですか?」
土山「あくまで私の感想ですよ お話してる間に着きましたよ ここが社長室です」

車を降りて、話してる間にいつの間に社長室の前まで来ていた。歩いている間に周囲に何があるか確認したかったが、さっきの会話が頭から離れないため、そこまで気が向かなかった。
社長室。正直なところ、赤城に緊張をしている様子は無かった。普段から執務室を行き来してためだろう。
コンコンコンッ
土山「秘書の土山です 青城社長、今日から配属になる彼女を連れてきました」
ワンテンポ遅れて「どうぞ、入りなさい」と
声が返ってる。それだけでもわかるくらい、心強い声だ。
社長秘書がドアを開ける。一礼して挨拶をした後、
赤城も一礼して部屋に入った。
ドラマや小説でよく見るシーンだ。
ドアに背を向け、こちらが入ってきたと同時に
椅子を向ける。

青城「こんにちは あなたが…赤城さんね」
そこに居たのは、黒髪で綺麗な髪と優しそうな顔をする美しい女性がいた。大和撫子と言ったほうがいいだろか。

青城「初めまして この造船所を取り締まっている青城と言います これから宜しくお願いしますね」

しかし、その女性は車椅子に座っていた。
少し驚いた赤城は彼女に挨拶をする。

赤城「初めまして、青城社長 今日からお世話になります赤城です お忙しいところ私に時間を割いて頂き、ありがとうございます」

青城「えぇ、宜しくね あと、そんなに固くならなくていいわ 長時間の移動で疲れてるでしょ?少し休憩してから…」
土山「社長…スケジュールに余裕はありません 直ぐに今後の説明を」
青城「えぇー、休憩しましょうよ もう午後の3時よ」
土山「ですから、そのセリフはそこの書類の山を片付けてから言っていただけますか…!!」

さっきまであった空気はどこへ行ったのか。
駄々をこねる社長と呆れる秘書のあまり格好の良くない打ち合わせが始まろうとしていた。
それを見ていた赤城も流石に困惑したが、
赤城の表情をいち早く察した社長が、話をもどす。

青城「コホン…では、今後の日程について説明するわ」
579名無しさん@おーぷん :2017/09/18(月)20:33:28 ID:Rpx
>>578
社長の一言で空気が変わった
さっきまでふざけていた顔も真剣な眼差しになっている。

青城「今後の日程だけど、私から直接言わせてもらうわ 土山秘書 プロジェクターと…照明を落として」

社長の合図で部屋は暗くなり、壁に今後の日程であろうデータが浮かび上がってきた。社長と机を背後に映るこの場面も、映画やドラマでよくあるシーンだ。きっとこの人は、こだわりがある人なのだろう。壁には日程だけでなく、資料である写真などが貼られていた

青城「一つ一つ説明すると、日が暮れてたまったもんじゃないから、まとめていうわね」
青城「赤城さん、あなたにはとある本を読んでもらってレポートを書いてもらいます それをこの1週間毎日欠かさず行ってください 読破するには1日中かかるってところかしら…もちろんレポートの評価もします」

造船所にいる以上は、普通に働いてもらうために、知識を付けろということだろうか?しかし、1日中となると艤装を治してる時間はどこへいく。赤城に許されている時間は少ない。少しでも早く艦隊に戻ると鎮守府の皆に誓った。これ以上、私だけが皆に迷惑を掛けたくない。
普段は感情を顔に出ない赤城であるが、今回ばかりは表情に焦りが出ていた。

青城「ちなみにこの本は7冊あります つまり、あなたの仕事は1週間本を読み続け、それをまとめる…っと言ったところかしらね」
土山「本を読んでいく中で、分からないところがあれば何でも言ってください それと休憩は自由に取って構いません」
青城「(私が説明するって言ったのに…グググ)仕事場は…そうねぇ…この隣の部屋を使っていいわ」
土山「それは、わたs」
青城「土山秘書、暫くこの部屋で業務に務めなさい 社長命令です」
土山「……わかりました 赤城さんなにか質問は…」

赤城の手は震えていた。何か言いたそうではなく、納得が行かないとわかるオーラが体からあふれている。赤城はゆっくりと顔を上げ、少し呼吸を落ち着かせながら口を開いた。

赤城「先程も言った通り忙しい中、時間を作ってくれたことには感謝します ですが」
赤城「今の私は艦娘であって、この海を守るために艦娘になりました。こうしている間も戦場では砲弾が飛び交い、人々が助けを求めています」
赤城「ここに来れば、治せないはずの私の艤装が治せると聞いて、希望が見えてきました…でも」
赤城「船を治すような設備はなければ、私の艤装すら見当たらない。…ましてや1週間本を読みづつけろですって?冗談じゃない。私は…私は!そんな事のためにここに来たのではないんですよ!!」

赤城が怒鳴るところを見たことがある人物は決して多くはない。自分の中で感情を向き出さないように常に心がけているからだ。戦場で感情的になれば死を招く。かつての経験が自分に語りかけているのだろう。

青城「船を治す設備が無い、私の艤装が無い…あなたは今そう言ったわね?その点は心配ご無用 ちゃんとあるから、そんな怖い顔しないの」
土山「赤城さん 先程話した、あの大きい建物のことについて私が話したことを思い出してください」
赤城「"わたしのため"に作ったそうね…」
土山「そうです つまりあなたの艤装はあそこにありますし、それを修理する設備もあります」
580名無しさん@おーぷん :2017/09/18(月)21:18:29 ID:Rpx
>>579
青城「ちゃんと水にも浸けるようにしてるから大丈夫」
赤城「なら、どうして…どうして最初から艤装を直させてくれないんですか!」
青城「あなたの鎮守府で3日寝ずに修理した人から聞いたけど、熟練の人でもまったくダメだったようね それであなたが直せるわけ?むしろそっちの方が時間の無駄よ」
青城「あなたには今一番必要なのは心を落ち着かること、そうメンタル面も含めてね」
土山「赤城さん、与えられた時間は多くはありません この日程については鎮守府の提督と、あなたの戦友…"加賀さん"からも承諾をもらっています」
赤城「そんな…提督や加賀さんまでも…こんな…」
青城「そそっ、つまり上司からの司令でもあるのよ さらにあなたは暫くここにいる訳だから 私の部下、即ち私が上司 大人しく支持に従うことね」

納得がいくものかと、思ったが提督や加賀を裏切ることだけはしたくはない。
赤城は歯を食いしばって、この司令に従うことにした。

青城「よろしい なら、早速仕事に入ってもらわよ 荷物は既に隣の部屋にまとめあるし、本も置いてあるわ 質問があるならこの部屋に気軽にきて頂戴
はい!以上!解散!」

社長の強引な締めで、この件は始まった。部屋から立ち去る赤城の表情は人に見せるような顔ではなかった。戦場で敵を見る目だ。皮の1枚、最後の骨が1本に砕け散るまで殺し続けてやる。そんな表情だった。

土佐「少しやりすぎじゃないですか?天城さん…赤城さん、凄く怖い顔してますよ」
天城「いいのよ、あのくらい言って方が正解 感情を押し殺ろすタイプなら感情をむき出しさせた方が色々と見えてくることもあるのよ 今のあの娘には」
土佐「赤城さん…途中で壊れなければいいですが…」
天城「その時はその時ね…艤装も処分していいって許可もらってるし」
土佐「そういう問題じゃ…」

実の妹に久しぶりに会えたと思いきや、現実を容赦なく押し付ければ誰だって、嫌な気分にはなる。
相変わらず天城の考えてることはよく分からない。

天城「まっ、なんとかなるんじゃないかしら?さーて仕事♪仕事♪」
土佐「それより、私の荷物をどうやってこの部屋に運んだんですか…天城さん1人で運んだとは思えません」
天城「うーん…秘密♪」

上機嫌?な天城とため息しか出てこない土佐は仕事へと戻って言った。隣の部屋では名前にもある、赤鬼の如く仕事をこなす赤城がいることも忘れて。

一日目
目覚めは良かったが、気分は良くない。
今日から本と睨めっこが毎日続くからだ。
下の階に食堂があるので、そこで朝食をとる。
ここの食堂はバイキング方式であり、中身も鎮守府より豪華に見えた。しかし、今の赤城に取ってはそんな事どうでもよかった。食堂には自分以外誰もいない。不機嫌な顔をした、私服姿の赤城だけが食堂にいた。

赤城「(ざっと見た感じ、本は厚くて7冊もある…でも読破に7日もかかるようなものじゃない 早く終わらせて艤装の修理に入ればまだ作戦に間に合うはず…)」

実は昨日、赤城はこっそり艤装のある施設を確認しに行っていた。秘書の言う通り、中には赤城の艤装と修理に使えそうな設備があった。中には鎮守府では見られない高性能であろうものがあった。

赤城「(ここは私の力だけで乗り切ってみせる…あの人たちの力なんて、いらないわ)」

普段の半分の量しか食べていない。食事の時間すら惜しい。赤城は早めに食事を終え、仕事に取り掛かった。朝5時40頃の出来事である。
581名無しさん@おーぷん :2017/09/18(月)22:04:02 ID:Rpx
>>580
※ここらへんから
青城→天城 土山→土佐に変えます。今更ですが、完全にオリキャラ入ってます。それとかなりのキャラ崩壊がありますのでよろしくです。

本の内容は難しい内容ではない。
むしろ今までやってきたことを復讐してるようなものだ。基本的な船の構造、計算、歴史など、優秀である赤城にとっては退屈になる内容だった。
本を読む以外にもレポートを書かなければならない、本に書いてるある以外のことを書けばあの社長は容赦なく破り捨てるだろう。
時間が惜しい赤城だが、最短な方法より確実な方法を選ぶ。
時計の音に気づき、針を見ると気がつけばお昼を越えていた。しかし、今日のノルマである本も読破してレポートまでも終わらせていた。

赤城「これなら、3日もあれば充分ね」

慢心…する訳がなかった。早速次の本に取り掛かったが、食事の事など知ったことではなかった。

日が暮れ始めた頃、社長室では赤城と天城が今日の成果について確認をしていた。

天城「うーん…ふむふむ…うん!OK!合格!」
赤城「そうですか、なら次の本を」
天城「ちょっと待って 気が早いわ 今日の仕事は終わりよ うちの会社は定時退社がモットーだし」

確かに昼間はそれなりの数の社員を見かけたが、
さっきから人気を感じない。

赤城「それなら残業申請をさせてください それで解決でしょう?」
天城「残業って結構なリスクになるって理解してる?ましてや、他から来た人に余計に働けって言えたものじゃないでしょ?」

経営者から見ればの視点なのだろう。天城の言葉には重みを感じた。しかし、ここで天城の表情が一気に変わった。

天城「それと、最後の2冊…相当覚悟して読まないとあなた…潰れるかもね」

潰れる?訳が分からない。その2冊は呪いでもあるのか?7冊を軽くめくったがそんなページはなかったのは確認済みだ。

天城「まぁ、潰れたくなければ今のうちに体力を回復させることね はい、今日はおしまい!解散!」
赤城「明日は3冊終わらせますよ その最後の2冊に全力を注ぐために」

赤城は一礼してから社長室を後にした。
社長の言っていた最後の2冊については確認しない。なぜなら自分が見たものは全て正しいのだから。

2日目

今日も天気は快晴だ。昨日と同じように朝食を取り、仕事に取り掛かる。3冊終わらせる。社長にそう宣言したのだから何が何でも終わらせてやる。
もっとも自分の決めたことを曲げることの方が気に食わないが。
今日のやる本の内容は、少しジャンルが違った。
緊急時の応急処置、火薬と武器の歴史、自然現象に付いてだった。
赤城にとってはまったく関係の無い内容ではない。むしろ昨日より今日の方が、実戦に役立つ知識だ。

赤城「結局終わったわ…もっと歯ごたえのある内容だと思ったのに これじゃただの復習ね」
赤城「最後の2冊も似たような内容だったし どんどん終わらせましょう」
582名無しさん@おーぷん :2017/09/18(月)23:11:20 ID:Rpx
>>581
夕方 社長室

天城「早いわねーもうこんなに終わらすなんて でも1日5冊は流石にやりすぎじゃないかしら?」
天城「レポートも、五冊の内容をわかりやすくまとめてあって、うちの社員も見習ってもらいたいわね…」

赤城「これで提督からの司令は終わりました 後は私の好きなようにさせてもらいすから では」

赤城が立ち去ろうとした時だった。

天城「あら?まだ本は残っているわよ」

それ聞いて赤城は立ち止まった。
からかっているのか?本はもう読み終えて、レポートもさっき合格を貰ったではないか。

天城「私は言ったはずよ "最後の2冊のために体力を残しておいて"と」
赤城「最後の2冊は終わったはずですよ よく見てください」
天城「よく見るのはあなたの方よ」

社長から本が渡される。今日終えた最後の2冊だ。

赤城「別になにも異変は感じませんが?」
天城「背表紙のタイトル下よ よく見てみなさい」

背表紙タイトルの下?普通に6巻と書いてあるが…

天城「残念!実は6巻は上下巻で1冊なのよ」

赤城はタイトルの下を確認した。確かに2冊の背表紙のタイトルの下には上下巻で分かれている。
しかし、これでは話と違うのではないか。

赤城「流石に話と違いすぎます 付き合っていられないわ」
天城「そうね この点は流石にやりすぎたわ ごめんなさいね」

珍しく素直な反応に、赤城は口を開らくのを少し躊躇った。なんとも言えない空気が部屋の中に漂う。

天城「7冊目もちゃんと用意してあるわ まぁ、これをやるかやらないのかはあなたに任せるけど」

これも提督の支持なのだろうか?それとも社長の策略か?艤装のことが第1優先するはずだが、乗り掛かった船を降りるのは容易ではなかった。

赤城「なら、その7冊目をこちらに下さい」
赤城「それと、やるかやらないかは任せると言いましたよね?なら、いつやろうが私の勝手にさせてもらいます」
天城「ええ、構わないわ はいこれ、最後の1冊よ」

最後の1冊を社長から貰う。今までの6冊よりかなり小さい。それと、後ろがやけに膨らんでいるような感じがある。なにか入っているのだろか?どっちにしろ、これで終わりだ。早く終わらせてしまおう。

赤城「明日の朝には終わらせます では失礼致します」
天城「えぇ、でも無理のないようにね」

無理のないようにか…とてもそんな羽を休めてる時間など自分にはない、早く終わらせなければ。
583名無しさん@おーぷん :2017/09/19(火)00:06:45 ID:5UI
>>582
天城「ふぅ、今日はこれで閉めようかな…」
両手を上にあげ、背を伸ばす。仕事を終えた後のこの行動は結構しっくりくる。
天城「にしても、最近よく肩をこるわ…足が動けばなぁ」
車椅子で生活をしている天城だが、
彼女の体は太っているわけではない。
むしろほかの女性からそのスタイルを羨ましがられることなんてよくある方である(本人の自覚はないが)。
豊満な胸、締まったウエストに車椅子生活とは思えない美脚。これは努力で手に入れたものではなく、勝手にそうなったものであるため、余計に羨ましがられる。
ただ、肩こりよりも気になることがある。
赤城の事だ。
天城「あの本が最後の試練ね…あの娘の今後を左右する1冊…ちょっと心配ね」
土佐「さっきから何独り言言ってるんですか 丸聞こえですよ」
ここ最近顔を見せなかった土佐が帰ってきた。
天城「ちょっと、どこ言ってたのよ?私には何も告げずにお出かけするなんて、ちょっとショック」
土佐「誰がお出かけに行くもんですか、仕事ですよ」
天城「ふーん…鎮守府に行ってきたところってかしら?」
まだ何も言ってないに、相変わらず鋭い。
その通りである、土佐はこれからの事のために、
鎮守府の提督の元に、直接話を付けてきたところだ。
土佐「理由はなんです?」
天城「それ私のセリフ… まぁ、いいわ」
天城「理由なんて簡単よ あなたこれから起きることを根回しする時って、私に黙って動くこと多いじゃない それで大体は察するわ 特に今回はわかりやすいし」
自分の悪い癖を見抜かれていたのは知ってるし、この答えが返ってくるの分かってた、だからこそ聞いたのだが。
土佐「提督に伝えてきました 作戦が最終局面に入るまでに赤城さんを送ると」
天城「へぇー…そこまで………ってぇ!誰がそこまでやれって言ったの!」
土佐「もとからその予定でしょう?そもそも予定立てたの天城さんじゃないですか」
天城「あらら、そんな予定立てたかしらーおほほほー」
妹と違って、と計画性が無いところがこの人の弱点…のはずだが、直感と判断力に優れすぎてて殆どの事を軽くこなしてしまう。そのせいで部下からも信頼もかなり厚い。
天城「まぁ、やるからにはこっちも全力で動くから安心して」
土佐「本当に大丈夫ですか?今回ばかりはちょっと不安ですよ…」
天城「うーん…全てはあの娘次第なんだけどねぇ」
その通り。ここからは赤城が舵を取っていく。彼女が間違った方向に進めば計画は崩れる。
現在、インド洋に向かってる鎮守府艦娘含めて多くの人々にも影響が出る。そう考えるとかなりリスクの高い計画だ。
土佐「なんだか、胸さわぎがします…」
天城「大丈夫よ 落ち着いて だってあの娘」
天城「弱いから 弱くて、情けないから」
天城「でもね、だからこそ知る強さがあの娘にはある」
天城「今は、あの娘を信じましょ 過去と今と向き合う時なんだと言うことを」
天城の口から出る一言一言が全て心強い。彼女の言葉は何度聞いても不思議におもう。怯えたり、不安がっていたり、前を向けない下を向いてる人を安心させ、自分が進むべき方向へと導いてくれる。
土佐「そうですね…私も姉さんに同じことを昔言われましたよ」
天城「結構結構、今日はもう遅いし…解散!」
土佐「お疲れ様でした、と言いたいですが…」
天城「んー?まだ何かあるの?」
とっとと言え、こっちは早く帰りたいんだよと言わなくても分かるような表情をしてる天城に対して
土佐はハッキリ言ってやった。

土佐「聞こえないからって、ちょっと喋りすきです(そういう私もですが…)少しは自重して下さい」
584名無しさん@おーぷん :2017/09/19(火)00:37:30 ID:5UI
>>583
時計の針は午前12時を指す手前だった。
つまり日付が変わる付近であるが、少し広い部屋の隅にある机の電気は消えてなかった。
頬杖をつきながら、本をめくる赤城がいた。
しかし、昼間と違ってペースは格段に落ちている。
特に眠くもなければ空腹でもない。
原因は本のタイトルにあった。

赤城「巡洋戦艦天城…か」

巡洋戦艦天城… 簡単にいうと赤城の実姉である。
もとは、赤城は天城型巡洋戦艦として生まれるはずが、航空兵力の増強により空母への改装が決まっていた。
しかし、姉である天城は改装中に大地震で竜骨をやられ再起不能。
結果として残ったのは赤城だけである。
これはかつてあった戦いの出来事であり、艦娘としての赤城とは少し経由が違った。

姉の天城が行方不明である。

赤城「姉さんは空母に改装してからの幾つもの試運転で高い評価を収め、期待されていた…」
赤城「でも、横須賀から横浜へ航行中に謎の大爆発を起こし大破炎上…」
赤城「その後捜索をするも行方が分からず断念、書類上、轟沈扱いか…」

姉は自分と同じ焦げ茶色をした髪を持ち、凛とした顔立ちで妥協は許さない厳しい正確だった。
しかし、幼い頃から姉に支えられた事は星数であり、赤城自身も姉の天城を誰よりも信頼していた。

赤城「この本を渡した意味はよく分からない…でも」
赤城「姉さんは必ず生きてる きっと本部に隠れてどこかにいるんだわ」

正直レポートをまとめるの事にかなり時間が
かかりそうだった。しかし、これは自分が決めたこと。なら、意地でもやり抜くぞと、気合を入れたところで本の隙間からなにか落ちてきた。
この本を受けとったときに気になっていたところだ。

赤城「?…これは、なにかしら… この手帳はどこかで…」

落ちてきた手帳に手を伸ばすし、中身を開く。
しかし、落ちてきた2冊というのが、天城の言う
2冊だということをこの場では気づけいなかった。

赤城「なに………こ……れ…」
585名無しさん@おーぷん :2017/12/11(月)23:30:11 ID:luT
>>584
お久しぶりです。3ヶ月も空いてしまった…
見返してみると、誤字と誤用が多いですね…
気を取り直して、続きです。

-数年前―
赤城「今日もいい風ね…ここの街は落ちつきがあって、でもちょっと賑やかでお洒落な街」
赤城「退役したらここに住もうかしら」

すうねんまえの
586名無しさん@おーぷん :2017/12/12(火)00:08:02 ID:Xbn
>>585
すいません…誤爆です
一レス無駄にしてしまった 反省します

-数年前―
赤城「今日もいい風ね…ここの街は落ちつきがあって、でもちょっと賑やかでお洒落な街」
赤城「退役したらここに住もうかしら」

ここは横浜 昔から人が多く出入りする港町であるため流行りものがすぐに手に入る。地方または海外からの移住者もかなり多く、異国の店通りがあったり、洒落た店が数多く並ぶ…まさに大人の街でもあった。
この頃の赤城はまだ空母に改装して間もない時だった。横須賀で改装をやっとの事で終えたが、精神的な疲れは限界に達していた。三日も寝ずに艤装と睨めっこすれば無理もない。今日は久しぶりの休暇だ、改めて外の空気 港町の活気の良さに感動を覚える。

赤城「後2時間後かぁ…早く来すぎたかな」

時計を見つつ赤城は誰かを待っている。二時間も前に待ち合わせ場所に着いたが、赤城の顔には嬉しさと希望に満ち溢れる笑顔でいっぱいだった。

赤城「ふふっ 姉さんと買い物なんていつ以来?もう何ヶ月?いや1年前くらいかな…」

今日の赤城はバッチリ決まっていた。彼女はまだ20代前半であるが、格好的には20代後半に近い。
しかし、the大人の一言で表せる雰囲気と赤城の容姿もあってか、街の男達は赤城に視線を向ける。
だが、今日の赤城は男と待ち合わせてるのではない。
誰よりも大切な実姉の天城との待ちに待ったお出かけの日だ。意識しなくても勝手に身だしなみに気を使ってしまうのは昔からよくある事である(赤城の性格上の事も有るが)

今日は晴天。冬の気配も僅かに感じられ、少し暖かく少し肌が張る寒さであるが、ちょうどいい。
そう思いながら赤城は、近くの雑貨屋で時間を潰すことにした。

―数時間後―
今日の横浜は1段と賑やかい。多くの人が駆け足で港に向かっていく。ある人は高くて見晴らしの良い場所へ向かっていく。お祭りだろうか?それとも超有名なハリウッドスターでも来日来たのか?
答えは少し遠くに見える東京湾の真ん中にあった。
東京湾の真ん中から1本の黒い塔が見える。その黒い塔はなんだろうかと、聞かれればほとんどの人はあれは船の煙だと答えるだろう。
船が煙を噴くのは当たり前だろうが、その煙は普通ではなかった。真っ黒で徐々に横に広がりつつ、さらに勢いを増してる…そう、つまり燃えている。
しかし、煙の規模を考えると大型の船が燃えてるはずだが、船体の形すら見えない。そのせいで人々は余計に興味を持ちあっという間に海沿いは人で埋め尽くされた。
そこに1人の女性がいた。その女性は何が燃えているのかすぐに分かった。東京湾に黒煙を出し爆発音ともに燃え続ける影は1時間後に自分と楽しく買い物をしているはずだった…そうはずだったのだ。

あそこで燃えているのは 天城だ
587名無しさん@おーぷん :2017/12/12(火)00:51:06 ID:Xbn
>>586
大型のタンカーが覆えるほどの黒煙と爆発。
核弾頭でも積んだ小型船が爆発したのならあれぐらいの状態にはなるだろう、だがそんな物が爆発すればこちらにも被害が出るしはずだ。他にも危険物など色々と考えるがそもそも小型船程度にそこまでの積載力は無い。
小さくて爆発力のある物…そうなると答えは一つしか無い。艦娘だ。艦娘の艤装ならばこそありえる話だ。
だが、赤城はそんな冷静に分析する余裕など無い。
頭の中で何が鳴っている。自分に危機を知らせる第六感だろうか…。いや…自分の命の危機ではないが
心の支えが無くなることに第六感が働いてもおかしくは無い。

赤城「姉…?…さ…ん…?」

白い肌は青く染まっていく。しかし、肌がそれよりも早く赤城は横浜泊地へと急いだ。


横浜泊地でも大騒ぎだった。艦娘がドックから少し離れた人目に付くとこで、大破炎上していれば軍の関係者は誰だって焦る。
しかも、これから主戦力になる航空母艦だ。実機テストでも高い評価を出し、新しい希望としてこの横浜に来るはずが絶望に一気に変わり、青ざめた軍の関係者がそこら中を狂ったように駆け回っている。

赤城「あの…っ! あそこで、燃えてるのは天城…!姉さんですか!そうなんですか!!!!」

勢いよくその場にいた、軍人に問い詰める赤城。
そこにいる赤城に普段の冷静さは何処にもない。

軍人「君は…?そうか、天城くんの妹…赤城くんだね? ここにいるなんてね」
赤城「そうです!妹の赤城です!! ですから、あれは…!」
軍人「まぁ、落ち着きなさい 感情的になって事は進めてはならんよ 軍人であるから尚更だ」

この軍人は何を落ち着いてるのか?こっちは姉1人が燃えてるんだぞ!下手すれば身体にダメージを残して一生植物人間か最悪はここで死ぬかもしれない。ふざけるな!
軍人は感情的になってはならない、そんな事は今の赤城の耳に届くはずが無い。

軍人「…わかった 後で知ることになるがまぁ、いいだろう」
軍人「確かに君の言った通り あそこで燃えているのは君の姉、天城型航空母艦 天城だ 先ほど護衛していた僚艦から入電が入った…」
軍人「確定情報だ」

軍事んから容赦なく突き付けられた現実に、赤城は
足に力が入らなかった。自分が何をすればいいか分からず、ただその場に倒れ込むしかなかった。

軍人「お、おい!しっかりしてくれたまえ!まだ、天城は沈んだわけじゃない!」
軍人「君の力が必要だ!姉を救いたいのは私も同じ気持ちだ! 目を真っ直ぐに見てくれ!」

感情的になってしまった軍人の言葉など、知ったことではない。心の支えが崩れた音がした………………………

―○月〇日―
少し、落ち着きを取り戻せてきた。これから気持ちの整理を付けるために姉さんに起こった身について、書き出していこうと思う。今ここで、私がダメになれば艦隊は崩れる。そんな気がする。辛いがここが人生の分岐点になるだろう。
588名無しさん@おーぷん :2017/12/12(火)02:12:14 ID:Xbn
>>587
〇月✕日
今書いている日からちょうど2ヶ月前。
姉さんが東京湾の真ん中で、謎の大爆発を起こした日。あの日から全てが狂い始めた。
絶好の買い物日より、待合わせまで後1時間後、
そんな期待を全て絶望に変えたあの日あの時あの場所。私は絶対に忘れない。泊地で受けたあの絶望も。

〇月△日
泊地で倒れた後の事は覚えていない。
私は、医務室に運ばれ三日も寝ていたらしい。
だが不思議と普段の冷静さを取り戻せていた。
姉さんを探そう、大丈夫。必ず生きている。
一気に進めるのでは無い、感情的にならずに落ち着いて、尚且つ冷静に探って行けば真実にたどり着けるはずだ。諦めたらそこで全てが終わる。足は動く。 いこう。

〇月✕〇日
前回の日記から約1週間が立ったが、情報はあまり集まっていない。姉さんを護衛していた
僚艦の艦名すら明確に出来ない。軍部の誰に聞いても 「今探っている 後に必ず伝える」と同じ答えが来る。正直この横浜にいる事に限界を感じ始めてきた。しかし、ここで下手に動けば軍部に対する探りが難しくなるだろう。でも私は諦めない。
必ず姉さんは帰ってくる。厳しい面もある姉さんだけど、今まで約束を破った事は一度もない。
大丈夫だ、ひょっこり顔を出して来るに違いない。

〇月✕△日
まだ情報は集まらない、私が泊地に来た時に
話しかけた軍人をやっとの事で見つけたが、
目を離した隙に逃してしまった。
だがこれで一つわかった。あの軍人が何かカギを握っている。
あの時も情報をくれたのはあの軍人だ。ここからが正念場だ。
「常に冷静沈着であれ。満身の心に死は近づいてくる」姉さんがいつも言っていた言葉だ。
今になってその意味がよく分かる。

〇月〇〇日
遂にやったぞ。明後日の定期連絡会で姉さんの
情報が手に入るみたいだ。だが、ここで満身は
駄目だ。いつものと変わらない日常を過ごして
明後日を迎えよう。そう言えば最近、新型の零戦を開発したと噂が流れている。思えばもう3ヶ月も海に出ていない。しかし、妙だ。今日に至るまで軍部から何も命令がなかった。今の私の心理状態を考慮しての考えだろうか?
そんな気が回るほどの器を軍部持っていると考えなたくはないが…
589名無しさん@おーぷん :2017/12/12(火)02:13:02 ID:Xbn
>>588
〇月〇△
明日はいよいよ定期連絡会だ。今朝、軍部から帰還命令が発せられた。
期限は明明後日だ。十分時間はある。
明日が過ぎて、気持ちの整理をする時間もある。
気分転換に外へでも散歩に行こう。この横浜には当分これそうにない。
今のうちに景色を覚えておこう。

✕月✕日
あと数時間後に、全てが決まる。思えばあと時と同じ状況だ。大丈夫。気持ちは落ち着いている。
いこう、希望はあるんだ。
✕月✕日 連絡会メモ
天城型航空母艦 天城
ヒトフタマルヒト:東京湾中央地点で機関部不調により異常燃焼発生。
ヒトフタサンハチ:異常燃焼発生から約20分。機関部より火災発生し爆発。格納庫内約28機の艦載機に引火誘爆。この時点で中破確定
ヒトサンマルマル:度重なる爆発により、大破炎上、期間停止。護衛していた神風型駆逐より入電
消火活動を開始、その後曳航を試みるも極めて困難であると報告。
ヒトヨンフタヨン:被害甚大であり、これ以上の行動は世間・敵側への情報漏えいの可能性があると判断し、天城型航空母艦 天城を行方不明及び就役を取り消すと判断し、二番艦赤城を一番艦とし、
今後 赤城型航空母艦 赤城として就役と判断す
嘘だ、嘘に決まってる 姉さんが行方不明 死んだのか私がネームシップ わけがわからない
嫌だ 認めたくない だって姉さんは やくそくを守るひと わたしをおいて死ぬわけがない
これはいんしょうそうさだ ぐんぶのつごうだ そうだそれだ それにちがいない

✕月△日
ねえさんがかえってこないきっと あすにはくる しんじよう







✕月〇日
ねえさんねえさんねえさんねえさんねえさんねえさん ひとりにしないでさびしいさびしい やくそくやぶったやくそくやぶった どあがうるさいだれかくる ねえさんねえさんねえさんねえさんたすけて
たすけてたすけてたすけてたすけて いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ ひとりはいやだいやだいやだいや だ い こ わ い
こわ い た
590名無しさん@おーぷん :2018/02/08(木)12:06:21 ID:pY1
秋津洲のあ!

あいくるしい姿で

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